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本澤二郎の「日本の風景」(917)<緊迫TPP政局> {「ジャーナリスト同盟」通信}
http://www.asyura2.com/11/test23/msg/783.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 11 月 10 日 01:01:47: uZtzVkuUwtrYs
 

本澤二郎の「日本の風景」(917)
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51934734.html
 2011年11月09日 :{「ジャーナリスト同盟」通信}

<緊迫TPP政局>
 11月10日の野田のTPP参加表明を目前にして、TPP政局はにわかに緊迫の度を増してきている。官邸・霞が関は、マスコミを動員してオリンパス事件を急浮上させた。国民の目をかわそうと必死だが、対米自立派の勢いは止まらない。一段と怒りのボルテージが上がっている。


 財閥・財界も打つ手なしだ。TPP阻止派は6000人の大決起集会を開いて気勢を上げている。超党派の100余人の議員集団も、この熱気を受けて永田町に戻って興奮している。まるで革命前夜の趣さえ見せている。
 これにワシントンのポチは耐えられるだろうか。

<超党派の野田包囲網>
 ここへきて連日、超党派の議員が結集してTPP阻止活動を活発化させている。民主党・国民新党の連立与党から、自民・公明・共産・社民の野党も勢ぞろいして、ワシントンの圧力に抗している。
 明らかな超党派倒閣運動である。このような政局展開は、72年から永田町を見聞してきた筆者も初めて見る光景である。野田の親衛隊は松下政経塾とその周辺グループである。
 対抗する集会さえ開けないないありさまだ。前原や仙谷、岡田の影は薄い。野田に寝返った興石に馬力などない。それは鉢呂にもいえる。彼らにはA級戦犯のレッテルが貼られている。
 それにしても、共産党の志位委員長や自民党の加藤紘一元幹事長、社民党の福島党首らが、亀井静香と連携して野田の前に立ちはだかっている。むろん、こんな場面は過去になかった。誰もかれもがワシントンになぶり者にされることに、じっとしていられなくなっているのである。
 所詮、野田内閣は松下財閥の政治部門にすぎない。民意と最もかけ離れた政権である。金力優先・市場万能の財閥の傀儡でしかない。大義など探してもないのだ。

<オリンパス利用も効果なし>
 「東京の春」は止まらない。ギリシャやイタリアでも政策の失敗に責任を取らされてトップは退陣する。日本も、ということになるだろう。それとも、急きょ方針転換するのだろうか?
 官邸・霞が関・CIAが打ち出した作戦は、新たなスキャンダルでTPP政局を隠すことだ。オリンパス事件だ。検察も動き、米FBIまで動員するという手際のよさだ。
 中曽根バブルに踊って大損した穴埋めを、企業買収で誤魔化してきたものだろうが、悪しき会計操作はほとんどの財閥がやってきた手口ではないか。オリンパスはTPP政局のスケープゴートではないのか?
 昨夜午後7時のNHKニュースを見た友人が「NHKは時間のほとんどをオリンパス事件に費やした。超党派国会議員が100人も集まったTPP反対の6000人大集会をわずかしか報道しなかった。連立を組んでいる亀井さんが、野田にTPPはNOと最後通牒を突き付けた重大ニュースさえ小さく伝えるだけだった」と連絡をくれた。
 NHKの世論操作は連日のようだが、それでもって対米自立派の怒りを止めることは不可能であろう。新政権が誕生すると、NHK改革論が与野党から噴き出すことになろう。NHKも財閥やワシントンのペットから卒業させられるだろう。

<自民党など不信任・問責>
 10日の野田TPP参加表明を受けて野党、とりわけ自民党は内閣不信任案と問責決議案を衆参両院に提出するという。「TPP参加の即時撤回を求める会」(森山裕会長)が谷垣総裁に進言した。谷垣の面倒を見てきた加藤紘一は「政局に発展する」との見通しを述べている。
 この勢いを、たとえCIAがどう工作しても止めることは困難だとみたい。亀井を先頭に彼らは「CIAに屈しない」を合言葉にしている。恐らく新聞やテレビの中にも「CIA離れ」をするメディアが現れるに違いない。所詮、マスコミは、民意に反しては生きられない存在なのだから。
 内閣不信任案が上程されると、与党からも棄権するものが大量に出るかもしれない。問責決議案は間違いなく成立するだろう。大混乱のうちに野田は退陣を余儀なくされるだろう。彼に忠誠を尽くす議員は、一握りの松下政経塾とそこから資金的恩恵を受けている周辺議員しかいないのだから。

<野田退陣を予言した西岡>
 既に野田は裸の王様といって間違いないだろう。TPPは売国政策である。ワシントンやウォール街の強欲資本に日本を売り渡す行為である。日本人であれば、決して妥協などできないだろう。政治思想の問題ではない。自立する日本人でありたいか、全てをワシントンに委ねて生きるのかの選択といってもいい。
 辛口の西岡参院議長は、近い将来の野田内閣の崩壊を予言していた。恐らくそうだろう。ワシントンに抵抗して屈した鳩山には、まだ救いがあった。ワシントンのペットを養える余裕は、今の日本にはない。

<対米自立派が圧倒>
 超軍事経済大国が永遠であるはずがない。地球と共に動いている。そこに失政・暴走が付きまとうと、衰退は速度を速めるだろう。ワシントンはベトナム戦争の教訓を忘れた。相次ぐ中東への軍事介入でカジノ経済は破綻してしまった。ドルは紙きれのように軽くなってしまった。ワシントンが世界を牛耳る力は無くなってしまっている。
 イラク・アフガン戦争を評価するアメリカ人さえ、いなくなっている。かつてのアメリカは存在していない。アメリカ経済の失墜は、EUにも混乱をまき散らしている。だから、EUにはワシントンにあげる餌がない。ワシントンからすると、残るはアジアにおける日本を絡め取るしか、策は残っていない。それがTPPである。
 TPPはアメリカのためにある。日本のためではない。幼稚園児でもわかる理屈だろう。昔のアメリカは存在しない。日本も昔の日本ではない。「東京の春」は、野田がどう踏ん張ろうとしても、必ずやってくる。今やってきている。
 「郵政の二の舞はNO」[ワシントンの属領NO]と叫んでいる。CIA工作は、これを切り崩すことはできない。
2011年11月9日5時56分記

 

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