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TPP交渉参加宣言に対する国内外の不信感 (Ninja Medakafish)
http://www.asyura2.com/11/test23/msg/828.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 11 月 14 日 17:48:07: uZtzVkuUwtrYs
 

TPP交渉参加宣言に対する国内外の不信感
http://gungho-dynamo.jugem.jp/?eid=271
2011.11.14 Monday :(Ninja Medakafish)


 TPP参加に向けて「二枚舌」宣言で何が残されたのだろうか。
 まず、野田総理という人物に対する、深い不信感である。国内外から聞こえてくる「二枚舌」の合唱である。
11日、参加表明(正確には「参加のために関係国と協議する」)当日の国会での質疑応答で、当事者であるにもかかわらず、TPPの内容について、ほとんど知らないという事実が明らかになった。反対派・慎重派が声を大にして熟慮が必要だと注意を喚起している条項であるISD(投資家対国家紛争条項)の存在も中身も知らなかった。

 もっと根本的に、TPPと国内法がコンフリクトを起こした場合、TPPが優先する、ということも知らなかった。知らずに、「TPP参加を頭から決めていた」ということだ。
 これは、20回以上開かれた民主党PTの議事録も見ていない、ということを意味する。「慎重に判断すべき」という結論の一部だけを聞き、「慎重に判断した結果、参加に向けて関係国と協議する」と決断したというから、この内閣においては、「話し合い」自体が無意味だということを表明している。
 
 しかも、「TPPは太平洋経済圏において高次の経済連携を目指すもの」というレトリック(表現)が、オバマ政権の口からこぼれ出てきたとき、前原、玄葉など野田政権の構成員が異口同音に述べていたことと符合することに気が付いた人も多かっただろう。つまり、この言い方の原文は英語だったのだ。それを日本語に翻訳したフレーズを「カエルの声が聞こえてくるよ」のごとく、輪唱していたわけだ。ゴースト・ライターは、シンクタンクCSISのメンバーだろう。


 それが証拠に、野田総理は、11日、参加表明の前後に2度も、来日中のキッシンジャーに会っている。APECが開かれるハワイに出立する前に、参加表明を行うことを厳命された野田総理の頭の中には、何か月も前から用意された宣言文しか、記憶されていなかった。すなわち、「高次の経済連携に向けてTPP参加のための交渉に入る」と文言だ。民主党PTの結論で、最後に付け足した部分が、「交渉に入るために関係国と協議に入る」ということになったわけだ。

 野田総理の言動は、外に向かっても、混乱を深めるものになった。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、オバマ大統領からも不信感を買っただけだったと報じた。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204323904577035253544551974.html

HONOLULU Japan's prime minister hoped for praise at the weekend summit of Asian-Pacific leaders here for his bold pledge to join a U.S.-led free-trade pact but his government instead got into a tangle with the Obama administration over just how far he had promised to go, and drew skepticism abroad and at home about the gesture.

 すなわち、TPP参加表明で、野田総理は褒めてもらえると思ったかも知れないが、かえって、オバマ政権とは溝が深まった。(参加表明の際、彼が守るべきものは守るといったことで)どのくらいやる気があるのか、わからないという不信感と「参加表明」がジュスチャーに過ぎないのではないか、という疑念が国内外に沸き起こっているからだ。

 しかも、”The day after Yoshihiko Noda made his announcement in Tokyo, his aides were scrambling in Hawaii to limit the extent that Japan was willing to negotiate, criticizing the White House for overstating Mr. Noda's promise. The unusual public disagreement between the two allies had been prompted by a White House news release that said Mr. Noda had told Mr. Obama during a bilateral session here that "he would put all goods, as well as services, on the negotiating table for trade liberalization. That triggered a release from the Japanese foreign ministry denying that Prime Minister Noda made such a remark in the summit meeting. Instead, Japanese officials have said Japan would enter the talks to learn the terms necessary but hasn't promised to negotiate over every contentious issue. ”

 野田氏がオバマ大統領とのサイドライン会議で、全品目を対象として構わない、と述べたとワシントンが報じたことに対して、外務省が「いや、そこまでは言っていない」と打ち消しに躍起となったことが強く批判されている。
 外務官僚を含めた日本の政権を、しらけた目で見ている。全品目をテーブルの上に乗せる覚悟がないうちに、なぜ、TPP参加を表明するという大見えを切ったのだ、という疑問の声が、海外からも上げられている。
 
 国内の反対派・慎重派に対して、真摯に向き合わなかったつけが、図らずも国際舞台で露呈した。「とりあえず、参加表明して、あとは成り行きに任せて」という、日本式の「玉虫色」決着は通用しないのだ。日本国政府の、TPPに対する「なめた態度」が、国際的に恥の上塗りをし、日本人の評価を下げたことは否めない。鳩山元首相の「Trust me for nothing」よりも、状況は悪い。日本国民だけではなく、世界を「なめて」いるからだ。

Some U.S. industries are reluctant to have Japan in the negotiations, fearing such talks could lead to a unilateral opening of the market by the U.S. The auto sector is the first to point out that tariffs in Japan and the U.S. on autos are very low, "and yet there is not an ability to expand exports into the Japanese market of foreign automobiles," Calman Cohen, president of the Emergency Committee for American Trade, a trade-promotion business lobby, said at a news conference in Honolulu.

 米国産自動車が日本でなぜ売れないのか?非関税障壁があるからだ、すなわち、日本のマーケットは開かれていない。ヤツラは談合などずるいことをやっている。
 だから、アメリカではソコソコ売れているアメ車がほとんど日本では売れないのだ。TPPできゃつらの口をこじ開け、アメ車を腹いっぱい食わせなきゃ、ならんのだ。――これが、「日本のマーケットが開かれていない」とする米側の主張である。
 
 米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」が10月25日(日本時間26日)に発表した消費者が選ぶ自動車ブランド信頼度調査では、日本ブランドが1〜9位を席巻した。
 トヨタ自動車の若者向けブランド「サイオン」が昨年に続きトップを獲得し、「レクサス」、「アキュラ」、「マツダ」、「ホンダ」、「トヨタ」、「インフィニティ」、「スバル」、「日産」と続き、日本車以外では、スウェーデンの「ボルボ」が10位に顔を出すのがやっとだった。

 韓国車では、現代自動車は11位、起亜自動車は12位という評価である。このランキングは、1年に1度発表され、2002年型から2011年型モデルの自動車を所有する消費者130万人に実施したアンケート調査をもとに専門家らが順位をつけている。
 評価対象は28ブランド。米国ブランドは苦戦を強いられ、クライスラーの「ジープ」の13位が最高だった。「フォード」は昨年10位から20位に転落した。日本車は91車種のうち87車種で平均を上回っており、個別の車種でも日本車に対する米国消費者の評価が依然飛び抜けている。

 繰り返すが、これはアメリカ国内で実施された130万人のサンプル調査である。どこぞの国の「御用新聞」などが仲間内で集計した、信用度ゼロの統計調査とわけがちがうのだ。米国企業の主張は一貫している。
 自らの製品が売れないのは、相手、すなわち、買ってくれない消費者が悪いのだ。つまり、目に見えない「非関税障壁」があり、市場が閉じている証拠である。・・・・こういう主張に乗せられているのが、TPP賛成派と呼ばれている人たちである。

 さて、ロイターもAPECの総括をしている。
 http://news.yahoo.com/obama-caps-summit-diplomacy-hawaiian-home-state-172953981.html

 イランの核兵器開発に対して中ロの協力を取り付けようとしたが、うまくいかなかったことがメインである。(イランの中都市で爆破事件が起きている。イスラエルとアメリカの関与が取り沙汰されている。イラン、シリアを武力で排除する方向に向けて国際世論を焚き付けようとするオバマ政権に対して、中ロは冷静だ。アフガニスタン、イラクについで、またもやウオー・エコノミーに突っ走ろうとするアメリカに国際社会はいよいよ辟易しだしている。)

 さて、オバマ大統領へささやかなお土産を、ということでハッスルした野田総理の名前は、この長い総括記事の最後のパラグラフの最後尾に現れている。極めてそっけない。

“The eight countries joining the U.S. in the zone would be Australia, Brunei, Chile, Malaysia, New Zealand, Peru, Singapore and Vietnam. Obama also spoke with Japanese Prime Minister Yoshihiko Noda about Japan's interest in joining the trade bloc.”

 (TPP参加国は、米国の他、オーストラリア以下8か国である。それはそうと、オバマは日本の首相、野田佳彦と話をした。日本がこのトレード・ブロックに参加することに関心を持っていることについて話し合った。)
 
 ところで、今回の件で、国民はマス・メディアがアメリカ(CSIS、CIA)によってコントロールされていることを知った。シナリオ、配役、スケジュール、日本の政治・行政シーンのすべてがCSISによって取り仕切られているという事実である。
 
 野田、前原、仙谷、玄葉、枝野らの政治家、勝をはじめとする官僚、学者、評論家などは、駒(キャスト)に過ぎない。CSISが書いたシナリオどおりに、官僚が政治家を教育し、発言させる。また、それに沿うように学者、評論家、論説委員、記者にコラムや記事を書かせ、メディアを通して流す。すべてのニュースがCSISのフィルターを通して選別され、編集され、日本国民に流されている。

 11日に開かれた野田首相の記者会見で、奇妙な喪失感にとらわれた。野田氏があらかじめ決められた脚本通りに「参加する・・・ことにします。」と述べたからではない。そこで、これも手筈通りに進行役から、挙手を求められ、教科書通りの質問をした新聞記者諸君の若さに気が付いたのだ。
 この記者諸君にもお子さんがいるに違いない。社命でTPP推進に向けて、破廉恥な記事を書きまくっているかもしれない。しかし、遺伝子組み換えなどTPPの災厄に巻き込まれるのは、彼らが50代、60代にさしかかり、彼らの子供たちが社会人となる頃である。そのとき、就職に困り、奇病が蔓延し、食糧危機で食べるものにも困る時代が到来しているかもしれない。TPP反対派・賛成派は、彼らの子供たちのことも心配してあげているという矛盾だ。

 TPP推進派の「御用」東大教授がいう。「過去10年間の日本経済の閉塞状況を打ち破るためにTPPは必要だ」と。なるほど、日本経済は芳しくなかった。
 しかし、過去10年間、もっとも経済が悪化したのは、ほかならぬアメリカであり、ユーロである。先進国の中で、日本経済はよく持ち応えているのだ。
 
 輸出が伸びている韓国は、輸出盛んにして、国民生活はひっ迫している。ウォン安政策が破綻しかかっている中、日本が5兆円融資することによって、やっと国家破綻の危機から免れているのだ。中国も一時のブームは去りつつある。
 
 世界は混沌の中にある。その中で、よりによって、もっとも経済破綻しているアメリカ標準を採用しようとするTPPは、田中真紀子氏がいうように、アメリカに足をひっぱられ、もろとも入水自殺をするようなものだろう。

 

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