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Re: 通貨戦争(48)分裂に向かうユーロ[もうすぐ北風が強くなる]
http://www.asyura2.com/11/test24/msg/782.html
投稿者 さそり座 日時 2012 年 2 月 07 日 10:56:16: skGvs8zjwBMFM
 

(回答先: 通貨戦争(48)分裂に向かうユーロ[もうすぐ北風が強くなる] 投稿者 さそり座 日時 2012 年 2 月 07 日 10:41:57)


ブログ「もうすぐ北風が強くなる」より


現代の通貨はペーパーマネーであるから共通通貨は単一の金融政策と同義である。リーマン・ショックを契機にそれと各国財政の矛盾が吹き出したのがユーロの危機である。
 ソフトランディングさせるには、ユーロの下落によってさらに輸出が増大している独仏などの「優等」諸国が大胆な賃金アップによって相対的なコストを上げれば効果がある。

 しかし、事態は逆に進んでいた。
 「優等諸国」が先行して緊縮財政と賃上げストップを実施してしまった。 
 「優等」でない諸国は、さらに超緊縮財政と賃金の大幅ダウンをしなければ域内で均衡しない。

 しかも、悪夢の国内恐慌循環と財政悪化循環が目にみえている。
 例えば、ギリシャにとっては不可能であると共に、信用創造の債務と言う理不尽なものであり、国民は決して納得しない。
 ユーロは分裂するしか無い方向に向かっている。

 関連するページ「ユーロは夢の終わりか」、「破滅するユーロか、破滅する国家か」、「ユーロは国民国家を解体するか」、「アイスランドの教訓、ギリシャはドラクマに戻せ」、「ユーロ危機で延命するドル」を御覧ください。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ユーロ、解体の道に踏み出す    2/5  田村秀男

 ギリシャの債務危機勃発から2年たった今、欧州共通通貨「ユーロ」は解体の道に踏み出した、と言ってもよさそうだ。この間、欧州連合(EU)はユーロ危機打開に向け、この1月末までに16度も首脳会議を開いたが、ギリシャはユーロの盟主ドイツが突きつける緊縮財政要求を拒絶する。ギリシャが離脱すれば、ポルトガル、スペイン、さらにイタリアと連鎖しかねないが、ドイツは南欧抜きで再結束を図る覚悟のようだ。

「北」と「南」に分裂

 なぜ「解体」が不可避か。ユーロが利益になる「北」と、重荷になる「南」にユーロ圏が分裂し修復できそうにないからだ。

 通貨がないとヒト、モノ・サービスを活動させられない。国としての考え方、政策が信頼されないと外部からカネが入ってこない。対外重債務国ギリシャは政府債務の一部の返済を免除されたところで、残りの債務や新規の借金をきちんと返済できなければ、だれからも貸してもらえない。打開するためには、国民が厳しい緊縮生活に耐えるしかないが、失業率が20%近い中、失業保険も医療保険制度も破綻し、国民は疲弊しきっている。政治指導者が代わっても、債権者からの信用を回復させられる見通しは示せない。

 主力は観光産業なのだが、治安の悪化で不振を極めている。最大の打開策は通貨の大幅切り下げで、国際競争力を取り戻すことだ。ならば、古代ギリシャ以来の通貨「ドラクマ」に復帰し、思い切ってユーロの10分の1といった水準に切り下げるしかない。

 東西冷戦終了時の1990年にポーランドを訪ねたとき、当時の日本では500円以上はするだろうと思えるランチセットがわずか5円程度だったことを思い出す。30年以上前の中国も同様だった。残酷な現実だが、あえて自国通貨をとことんまで切り下げることが、相対的に痛みの少ない実体経済再建の第一歩になるのだろう。ユーロはギリシャにとって今や足かせでしかない。

リーマンの一撃

 ここで、グラフを見ていただこう。ユーロ加盟の問題5カ国、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインと、フランス、ドイツの標準国債の利回り推移である。2002年にユーロ建て国債が普及して以来、各国債利回りはほぼ1本の縄となり安定していたが、08年9月のリーマン・ショックに直撃されバラけてしまった。

 欧州の金融機関がバブル崩壊した米金融商品を大量に抱えていたため、信用不安はたちまち欧州に波及し、財政に問題のある国の国債が売られた。その後一時的に持ち直しかけたが、10年初めにはギリシャ政府が米金融大手のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースに法外な手数料を支払って膨大な債務を帳簿外に飛ばしてきたことが露見した。ギリシャ問題をきっかけに、その他4カ国の放漫財政も表面化し、11年後半には大国イタリアまでも国債利回りが債務危機の目安とされる7%を突破した。

 ユーロ加盟以来、強いユーロのおかげで、全員がそれぞれの財政規律とは無関係にドイツ並みの低金利借金で財政支出してきたが、リーマンの一撃で豪華なユーロの衣装が吹き飛ばされた。

 するとユーロ加盟国の間で明暗がはっきりするようになった。リーマン以来、ユーロはドルに対して8%、円に対して33%下落した。ドイツの輸出は国内総生産(GDP)比が約38%(日本は約15%)で、ドイツの輸出産業はすっかり息を吹き返し、失業率は11年12月で5・5%と低い。

 対照的に輸出産業の比率がさほど高くない他の国々の景気は冷え込んだままだ。失業率はスペイン同22・9%、アイルランド14・5%、ポルトガル13・6%、イタリア8・9%と苦しんでいる。

時間稼ぎに焦点

 従ってドイツはユーロ危機の中の最大の勝ち組なのだが、ドイツ国民は、野放図に見えるギリシャ、イタリアなどの財政支援に猛反対する。リーマン後、ドイツの労働界は賃上げ要求を控え、雇用維持を優先してきた。年4%程度の賃上げを続けてきた楽天的なイタリアなどと対照的な「緊縮」ぶりだ。そこでメルケル首相はギリシャ政府に対して財政主権を放棄し、EU当局に移譲するよう迫る強硬論をぶつ。ギリシャは一歩も譲らない。この構図はドイツを中心とするユーロ圏北部と南欧の対立の縮図といえるだろう。

 欧州中央銀行(ECB)はユーロ札を刷って、ギリシャ国債を買い支えている。国際通貨基金(IMF)も支援の構えを見せているが言葉だけだ。もはやギリシャ、さらに他の南欧各国の離脱に伴う金融市場の混乱を最小限に抑える準備のための時間稼ぎに焦点が移っている。

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