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過去五百年問の国際政治史を見てみると、「世界を一極支配しようとした国は、すべて失敗してきた」というパターンがあるのです。
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投稿者 TORA 日時 2011 年 12 月 12 日 16:02:49: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
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過去五百年問の国際政治史を見てみると、「世界を一極支配しよう
とした国は、すべて失敗してきた」というパターンがあるのです。

2011年12月12日 月曜日

◆自主防衛を急げ! 日下公人 伊藤貫:著
http://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E4%B8%BB%E9%98%B2%E8%A1%9B%E3%82%92%E6%80%A5%E3%81%92-%E6%97%A5%E4%B8%8B%E5%85%AC%E4%BA%BA/dp/489451933X

◆二十一世紀もバランス・オブ・パワーの時代--…伊藤

本章では日本を取り巻く国際環境について議論したいと思います。その前に説明しておきたいのは、過去五百年の国際政治はバランス・オプ・パワーの論理で動いてきたという事実です。特定の大国が世界を支配するような覇権を獲得しようとすると、かならず他の諸大国がそうした動きをカウンター・バランス(牽制ないし阻止)する、というのが、歴史上、何度も繰り返されてきたパターンでした。(このパターンを理解していただかないと、「なぜ、冷戦後のアメリカの世界支配戦略が失敗してきたのか」ということもわかっていただけないので、以下の説明が少し長くなりますが、お許しください。)

このバランス・オプ・パワー外交(リアリスト外交とも呼ばれる)を最も上手に運営したのが、エリザベス女王(在位一五五八年〜一六〇三年)以降の大英帝国や、十八王十九世紀のオーストリア帝国(ハプスプルク王朝)でした。大英帝国のリアリスト外交のエッセンスは「ヨーロツパ大陸で覇権国になりそうな国を叩く。ヨーロッパ大陸を支配する能力を打つ強大国の出現を阻止するというところにありました。スペインがヨーロッパの最強国になるとスペインを叩き、次に、商売敵となったオランダを叩き、フランスがヨーロッパを支配しようとするとフランス包囲網をつくり、ドイツが最強国となるとドイツに対抗する……という具合です。

イギリスのリアリスト外交の賢いところは、「バランス・オブ・パワーを維持するために必要な戦争は実行するが、不必要な勢力圏拡大と軍備拡張を避ける」という知恵があったことです。ナポレオンを破った後の大英帝国は、世界の工業力・金融力・海運力の五割を支配する大国になりました。しかし、イギリスが調子にのってヨーロッパ大陸やロシアや西半球を軍事力で制覇しようと試みたかというと、そうではなかったのです。イギリス人は、ヨーロッパ大陸を占領して直接支配するよりも、「ヨーロッパの四〜五の大国を互いに対立させておいて、どこの国も覇権を握れない状態にしておく」という狡滑なやり方を好んだのです。

「一極支配はコストがかかりすぎて合理的でない」と判断して、コストの低いバランス・オブ・パワー戦略を選んだのです。二十世紀初頭に「新興の帝国主義国として目覚めた」アメリカも、「ヨーロッパとアジアで、アメリカに挑戦できる勢力を持つ覇権国が出現することを許さない」というグランド.ストラテジーを設定しました。アメリカが第一次世界大戦に参戦したのも、当時、イギリスよりも強い工業力と陸軍力を持っようになったドイツが、ヨーロッパの覇権国になることを阻止するためでした。アメリカも、かつての"母国"大英帝国の影響を受けて、バランス・オブ・パワー戦略を採用したのです。

(ただし、現実の国際政治を理解できなかった「理想主義者」のウィルソン大統領は、第一次大戦後、「バランス・オブ・パワー外交を廃止する」と主張して国際連盟を提唱し、大失敗しています。国際連盟という組織は、ヨーロッパとアジアのバランス・オブ・パワーを調整し、維持する機能を持たない組織ですから、あのような国際機関をつくっても世界平和を実現することはできなかったのです。)

第二次世界大戦で勝利したアメリカは、「ユーラシア大陸の三つの重要地域(西ヨーロッパ.中東・東アジア)を米軍が支配する。ユーラシァ大陸の最重要地域を支配することによって、アメリカが世界を支配する」というグランド・ストラテジーを設定しました。この野心的なグランド・ストラテジーに対してソ運陣営が対抗したため、「アメリカによる一極覇権」は実現せず、冷戦時代の二極構造が出現したわけです。

そして一九八九年にベルリンの壁が崩れて西欧と東欧が対立する構造が崩壊し、一九九一年にソ連帝国が消滅すると、アメリカ政府は「世界を一極化して、アメリカだけが世界覇権を握る」という一極覇権戦略を実行しようとしました。

すると日本政府や親米保守派の政治家と言論人たちは、「ついにアメリカによる一極支配の時代がやってきた。日本外交はこれまでどおり、対米依存を続けていれば安泰だ」という単純なバンドワゴン外交論を始めたのです。当時、アメリカの優秀なリアリスト派の国際政治学者(たとえば、ケナン、ウォルツ、キツシンジャー、ミアシャイマー、ハンホ一ティントン、ギルピンといった人たち)は、「アメリカによる一極支配など、短期間しか続かないだろう。二十一世紀の国際構造はかならず多極化していく」と予言していたのです。しかし日本の外交論壇で活躍する保守派の国際政治学者や評論家は、安易で単純なバンドワゴン外交論を繰り返すだけでした。(当時、京大の中西輝政さんは「国際構造は多極化していく」と正論を述べたため、親米保守勢力から嫌がらせを受けたそうです。)

一九九二年以降のアメリカの一極覇権戦略の結果がどうであったかというと、リアリスト派の学者や戦略家が予言したとおりになっています。アメリカの国際政治指導力は着々と弱体化してきました。国際構造の多極化は明らかです。

クリントン政権時のアメリカ政府(特にルービン財務長官とサマーズ財務長官)は、ロシアのエリツィン政権の混乱と腐敗を利用して、アメリカとイスラエルの金融業者にロシアで一攫千金の荒稼ぎを実行させました。そしてブッシュ(父)政権が「NATOを東に拡張しない」とロシア政府に何度も約束していたのにもかかわらず、その約束を破ってNAT○を東方に拡張し、「ロシア包囲網」を形成していきました。ロシアのナショナリストが「アメリカに裏切られた!」と叫んだのには、もっともな理由があったのです。米露関係が悪化したのは当然のことでした。

さらにクリントン政権のペリー国防長官、ナイ国防次官補、バーガー安全保障政策補佐官、オルブライト国務長官等は、中国の大軍拡と人権弾圧政策を容認する政策を採りました。その一方、日本に対しては、「自主防衛政策を阻止する」という政策を実行しました。クリントン政権は一九九六年に「北朝鮮が濃縮ウラニウム生産のための活動を始めた」という情報を得ていましたが、そのことを同盟国である日本に隠していました。

次のブッシュ(息子)政権時には、虚偽の開戦理由を程造して国際法違反のイラク侵略戦争を実行し、ただでさえ評判の悪いアメリカの中東政策を、ますますこじらせました。米軍のアフガニスタン、パキスタン、イェメン、ソマリア等における戦争(もしくは、対ゲリラ作戦)と、イスラエル軍によるパレスチナとレバノンの民間人大量虐殺も、世界の十四億人のイスラム教徒の嫌米感情をよりいっそう、悪化させただけでした。そしてアメリカは、不正な金融商品(サブブラィム・ローン証券や危険なデリバティブ商品)を世界中に売りつけて、二〇〇八〜〇九年の世界大金融恐慌を起こしました。

このような外交政策、軍事政策、経済政策で明らかなように、冷戦後のアメリカは、自国の威信とクレディビリティ(信懸性)を顕著に低下させる政策を実行しています。ロシア、中東、南アジア、東アジアの諸地域で、わざわざ反米勢力を強化させるような政策を実行してきたのです。その一方、アメリカの一極覇権戦略を公式に批判してきた中国、ロシア、フランス、インド、ブラジル、トルコ等の諸政府は、「国際構造の多極化は不可避である」とめい言し、戦略的な多極化外交を実行してきました。

私は、このような国際政治の多極化の傾向はとてもノーマルであり、オーソドックスなパターンだと思います。すでに説明しましたように、この五百年間、国際政治はバランス・オブ・パワーの論理で動いてきたからです。どこか一つの国が一極覇権をうち立てようとすると、かならずそれを阻止しようとする「カウンター・バランスの動き」が、国際政治で顕在化してきたのです。それが何度毛繰り返されてきたのが、国際政治のパターンだったのです。

十六世紀のハプスブルク王朝は、スペイン、オーストリア、オランダ、そしてフランスとイタリアの一部を支配していました。当時のヨーロッパ人口の四分の一を支配下においていたといわれます。しかし、反乱を起こしたオランダ、その反乱を助けたイギリス、そしつようしてフランス、トルコ、ドイツ圏のプロテスタント諸侯国等がハプスブルク王朝に執拗に対抗したため、ヨーロッパにおける一極覇権の確立はうまくいきませんでした。

フランスの「太陽王」ルイ十四世(在位一六四三年〜一七一五年)の場合もそうでした。絶対君主制を敷いたフランスはイギリスの四倍の国力があったといわれますが、イギリス、ドイツ諾侯国、スウェーデン、オランダ等は手を結んでフランスに対抗し、ルイ十四世による一極覇権の確立を阻止しました。十八世紀にイギリスが実行した戦争の多くは、「フランスによるヨーロッパ支配を阻止する」という目的のためにおこなわれたものでした。十九世紀初頭に登場したフランス皇帝ナポレオン(在位一八〇四年〜一八一四年、および一八一五年)もヨーロッパを一極構造にしようとしましたが、その企てを阻止されています。

十九世紀の後半期になると、プロシア(のちのドィツ)の「鉄血宰相」ビスマルク(任期一八七一年〜一八九〇年)がドイツを世界一の陸軍国にし、工業力も世界第二位に躍進させました。ビスマルクは「リアリスト外交の天才」と呼ばれた人物で、とてもタフで巧妙で腰の低い外交政策を実行しました。彼はドイツの国力を飛躍的に増強させながら、周囲の諸大国が「対独包囲網」をつくることを阻止しました。抜群のバランス感覚とタフネスと謙虚さを兼ね備えた人物でした。彼は、人間としては自己主張の強いエゴイストだったのですが、周辺諸国のプライドや嫉妬や猜疑心に対する「気配り」を忘れなかったのです。「外交の達人」とは彼のことです。したたかなイギリス外交も、ビスマルクのバランス感覚と老猪さと比べると、色槌せてみえるほどです。

ビスマルクの最大の長所は、「勢力圏を一方的に拡張しようとする外交政策は、短期的には成功しているように見えても、長期的には真の国益にならない」ということを熟知していたことでした。当時のドイツ国民の大半はそのことが理解できなかったので、政治家とマスコミ人の多くは「ビスマルクの弱腰外交」をなじっていたほどです。

しかし彼が長年仕えたウィルヘルム一世(在位一八六一年〜一八八八年)が亡くなり、ウィルヘルムニ世(在位一八八八年〜一九一八年)という若い国王がその跡を襲うと、「ビスマルク爺さんの外交政策は、複雑すぎてよくわからない」と文句を言って、彼をクビにしてしまったのです。そして、まわりの従者におだてられて、自分こそ「歴史に残る豪胆な英傑王だ」と勘違いしたウィルヘルムニ世は、鼻っ柱の強い「大国ドイツの覇権外交」そ開始したのです。彼は、周囲の三覇権国(ロシア、フランス、イギリス)をすべて敵にまわしてしまう挑発外交を実行しました。言うまでもなく、この「豪胆な国王」の「世界制覇」の試みは、第一次世界大戦で打ち砕かれました。

過去五百年問の国際政治史を見てみると、「世界を一極支配しようとした国は、すべて失敗してきた」というパターンがあるのです。国際政治の力学が、一極支配を許さない構造になっているのです。ある国が一極覇権をうち立てて世界を支配しようとしても、かならず他の大国が反発します。それが国際政治のパターンなのです。

日本の親米保守派の多くは、自分たちが「勝ち馬に乗れ、寄らば大樹の陰だ、長いものには巻かれろ」という日本的な依存心理によって動いているので、「他の諸国民もそうなのだろう」と考えているようですが、世界諸国の多くは「自国の独立を守ってみせる。覇権国にペコペコしてたまるか」と考えているのです。繰り返しになりますが、世界の諸大国の大半は過去五百年間、「バンドワゴンするより、カウンター・バランスする」という外交戦略を選んできたのです。それが国際政治のパターンなのです。独立心に欠けており、強そうな国にベタベタと癒着したがる日本の親米保守派は、国際政治の標準的な行動パターンから外れているのです。

一九九〇年代の初めから、リアリスト派の優秀な国際政治学者たちは、「アメリカによる一極支配は不可能だ。余計なことはしないほうがいい」と忠告してきました。ところが「冷戦の勝利」によって思い上がっていたアメリカの政治家やマスコミ人の大部分は、これらリアリスト派の冷静な忠告を無視しました。国家というのも人間と同じで、強大になると尊大になるのです。思い上がって自己陶酔し、思考力が硬直化するのです。ケナンやウォルツやジャーヴィス(コロンビア大)といったリアリスト派の賢人たちがいくら「一極支配はうまくいかないよ」と忠告しても、(われわれは例外だ)といって耳を貸そうとしませんでした。

自惚れに満ちて舞い上がっていた当時の米政治家とマスコミ人たちがもてはやしたのは、「一極覇権の状態は長期間続く!」と大胆に主張していたタレント学者のジョセフ.ナイ(ハーバード大)や日系二世のフランシス・フクヤマ(ジョンズ・ホプキンス大)でした。これらのタレントは、「アメリカのソフトパワー効果」とか「歴史は終わった!」などと言って、「過去の国際政治のパターンは、アメリカによる世界支配には当てはまらない」ということを「学術的に証明」していたのです(苦笑)。

「一極構造」をつくりたがっていた当時のアメリカ人がこれらのタレント学者をもてはやし、ケナン、ウォルツ、ハンティントン、ミアシャイマー等、「耳の痛い忠告」を与えるリアリスト学者を無視したのは、当然のことでした。日本人もアメリカ人も「自分たちに都合のよいことを言ってくれる学者の意見だけを聞く」という国民だからです。(ヨーロッパ人、ロシア人、イスラエル人等も同じです。)

冷戦が終わり、ほかの国が軍事費を減らしているなか、アメリカだけは減らしませんでした。逆に、新しい兵器の開発をどんどん続けていた。ミサイルも戦闘機も駆逐艦も宇宙兵器も、新しい世代の兵器を開発していた。なぜかというと、他の諸国に大きな差をつけて、「ほかの国が、絶対にアメリカにチャレンジできない国際環境をつくろう」と意図していたからです。これは、共和党も民主党も変わらない方針でした。共和・民主両党の外交政策エスタブリッシュメントは、(アメリカが一極覇権を握り続ける)という点で意見が一致していたからです。

そんな思い上がったアメリカに一撃を加えたのが、ビンラディンです。あの「九.一一事件」にカッとなったアメリカは、中東と南アジアで戦域を拡大し、多数のイスラム教原理主義者を不必要に挑発.迫害して、軍事費と国際政治カを浪費するゲリラ戦の泥沼に入り込んでいきました。

じつはこの行動も、「軍事的な支配権を拡げすぎて、国力を消耗する」という過去の覇権国の衰退期に典型的にみられるパターンの繰り返しなのです。ハプスブルク王朝、オスマン・トルコ帝国、ナポレオン、十九世紀末のイギリス、二十世紀前半のドイツと日本、二十世紀後半のソ連等、すべて「軍事的な支配権を拡げすぎて、国力を消耗した」というパターンです。冷戦終了後のアメリカ帝国も、このパターンを実行中です。

一九八○年代後半期からアメリカは世界一の借金国となり、国民の平均貯蓄率は一ニパーセント(レーガン政権時)からマイナスニパーセント(ブッシュ[息子]政権時)にまで落ちました。現在のアメリカの実質経済規模は世界経済の二割にすぎないのに、アメリカの軍事費は、世界全体の軍事支出の五〜六割にも達しています。巨大な経常赤字の垂れ流しを続け、毎年の財政赤字がGDP一〇パーセントレベルを超えているにもかかわらず、「軍事費だけは世界の半分以上使って、アメリカによる世界支配を続けたい」というのが、覇権病患者・アメリカのやり方なのです。「たとえ経済力が衰退しても、軍事力の優越性だけは手放したくない」という硬直した姿勢は、ブレジネフ時代のソ連帝国を思い出させます(苦笑)。(P110〜P121)


(私のコメント)


昨日のNHKの大河ドラマの『坂の上の雲』を見ましたが、戦闘シーンが非常によくできていて、かなりの費用と時間をかけて作られたようです。しかしながら司馬遼太郎の小説のドラマ化であり、決して史実どうりではありません。確かに司馬氏は膨大な資料を基に小説にしましたが、あくまでも小説であり歴史書ではありません。

しかしながら多くのテレビの視聴者は、テレビドラマを史実としてみるだろう。史実は歴史家が研究してもなかなかよく分からないものであり、当事者が資料を残してくれれば一番ありがたいのですが、日本では政治家や軍人がなかなか回顧録を書いてくれません。だからその意図を探るのは非常に難しい。大東亜戦争ですら当事者が書いた回顧録は少なく、手紙などの僅かな資料で想像しないと分からない。

乃木大将や秋山兄弟がどのような人物でどのように考えていたかの資料も僅かなものであり、小説家が想像で書いた事が本当なのかどうかは分かりません。私のような戦略家としては日露戦争をどう評価するかを書くことができますが、当事者がどのようなことを考えていたかを想像することは意味が無いだろう。むしろ史実を分析して歴史的教訓を抜き出すことが戦略家の仕事だ。

今回も「自主防衛を急げ」と言う本の中から一部を紹介させていただきますが、日本の戦略は英国を基本とすべきであり、バランスオブパワー外交を基本とすべきだ。しかしながら現在の日本の戦略は、親米保守派のアメリカへのバンドワゴン外交だ。しかし本家のアメリカが一極覇権主義を採って、歴史が教えているようにアメリカは滅亡へとまっしぐらに進んでいる。

アメリカも英国のようにバランスオブパワー外交で行かなければならないのに、一極覇権主義外交で世界にアメリカ軍の軍事基地を展開して多額の軍事費を使っている。これではかつての歴史上の大帝国のように、世界を敵に回して滅びるのが必定だ。伊藤氏が指摘しているように一極支配は金がかかりすぎて合理的ではないのですが、アメリカの大統領もかつての大帝国に支配者のように勢力を拡大しすぎて滅びるのだろう。

オバマ大統領がビスマルクのような賢明な外交をしようとするならば、拡大しすぎた勢力を縮小すべきなのであり、バランスオブパワー外交に戻るべきなのだ。日露戦争にしても英国はとても東アジアでロシア帝国と対峙出来る戦力はなく、日本をロシアに対抗させようとしたのは事実だ。英国の中国における利権も守らなければなりませんが、日本は英国に利用されて日露戦争を戦った。しかし日本はロシアと戦争する必要があったのだろうか?

ロシアが南下して困るのは中国や朝鮮や中国に利権を持つヨーロッパ諸国であり、日本は対岸の火事のように見ていればよかった。日本が放置していれば中国や朝鮮半島はロシアの支配下に入っていたのでしょうが、ロシアが日本を支配しようとしてもロシア海軍を叩けば済むことだ。ヨーロッパ各国の海軍も日本に協力せざるを得ないだろう。

日清戦争にしても、戦略的には無意味な戦争であり、日本が大陸に引きずり込まれるきっかけになっただけだった。それよりも殖産新興を図って経済力を強化すべきであり、ロシアや中国海軍と対抗できるだけの海軍力を持っていればよかっただけだ。このような状況は今でも変わりがありませんが、中国やロシアや北朝鮮が核武装しているのに、アメリカは日本の核武装は認めようとはしません。

アメリカが如何にバランスオブパワー外交を理解していないかが分かりますが、日本の核武装を認めて中国やロシアと対峙させれば、アメリカは何もしなくて済む。アメリカのリアリスト戦略家には日本の核武装を認める意見が出ていますが、アメリカは未だに一極覇権主義であり世界を敵に回しても一国で世界を支配できると信じているようだ。


 

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コメント
 
01. 2011年12月12日 19:03:42: 5nPePzbV5g
TORA先生へ

「バランスオヴパワー」外交こそが、世界中の人民たちを、

「マチズモ」と労働幻想に洗脳されたプロ家畜育成の洗脳戦略に

叶っていますので、投稿記事に諸手を上げて賛成致します。

もしもご理解出来ない単語があるなら、検索なさって下さいまし。



02. 2011年12月12日 19:28:03: RzqCBoHeak
ここで言っているのはあくまで表象世界のことだろう。実際は、どの国も一国支配させる夢を見せて
滅ぼした輩が居るというわけだ。シオンの議定書を書いた連中だ。そこを理解せずに世界政治を論じても
意味がないのではないか。

03. 2011年12月12日 20:06:46: wIcpB1Tc7I

>こんなのもあった
日本国民=虫ケラ、意識。オルタナティブ通信。 坂の上の雲 司馬遼太郎
http://alternativereport1.seesaa.net/article/88698045.html
第二次世界大戦中、徴兵されていた作家の司馬遼太郎は、
ロシア軍が日本海側から日本本土に上陸してきた場合の、
日本軍の戦闘計画の立案を眼のあたりにした経験を持っていた。
 検索→ オルタナティブ通信 司馬遼太郎
 検索→ オルタナティブ通信 坂の上の雲    ・読者のコメント ヒント?
 検索→ オルタナティブ通信 日本国民=虫ケラ
>歴史 政治 社会 なんでも雑多に拾えたら読む楽しみが増加
アノニマス ウィキリークス 検索語句KeyWordリスト一覧。「The Spy Files」 内容。
http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/496.html#c1


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