★阿修羅♪ > アジア14 > 181.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ロシアから吹く「暖風」 中国偏重恐れ、日本に誘い水
http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/181.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 10 月 31 日 23:51:08: Mo7ApAlflbQ6s
 


[中外時評] ロシアから吹く「暖風」 中国偏重恐れ、日本に誘い水

論説副委員長 池田元博

 尖閣諸島や竹島の領有権をめぐって中国、韓国が日本への攻勢を強めるなか、北方領土問題を抱えるロシアがこれに乗じて中韓と組み、対日包囲網を形成することはないのか。

 中国各地で過激な反日デモが続いた先月中旬。訪れたモスクワは平穏そのものだった。街中には日本車があふれ、書店には村上春樹氏らの翻訳本が並ぶ。そこここの日本料理店はモスクワっ子でにぎわっていた。
 「日本に対抗する中ロの同盟は決してできない。日本製品の信頼度は中国製よりずっと高いし、日本への尊敬の念もある。ロシアは中華料理より、日本料理のほうが人気が高いほぼ唯一の国だしね」。中国専門家のエフゲニー・バジャーノフ外交アカデミー総裁は笑った。
 ロシアの外交評論家も「中国から津波、韓国から台風が日本に押し寄せ、ロシアからは暖かい風が吹いている」(ユーリー・タブロフスキー氏)とし、プーチン大統領のアジア重視の外交もあって、日ロ関係は新たな可能性が開かれたと語った。
 尖閣諸島と違い、北方四島はロシアが占拠している。一方で竹島の領土交渉を一切拒否する韓国と異なり、ロシアは領土問題の存在を認めている。

 もともと立場は違うものの、ロシアではいま、中韓に同調して「反日」に動く気配は全く感じられない。むしろ、中韓と日本の緊張をうまく利用し、日ロの関係改善につなげたいというのが本音のようだ。
 実際、パノフ元駐日大使らがまとめた日ロ関係に関するロシア国際問題評議会の提言は、日ロ関係の発展が「ロシアの国益にかなう」と指摘。日本で中国脅威論が高まり、ロシアの東方外交で中国偏重が強まるなか、「ロシアが巧みな外交努力をすれば対中、対日政策を均衡させることができる」とした。

 中ロは表面的には親密とはいえ、ロシアでは中国への不信、とくに極東開発における中国依存への警戒感が強い。
 中ロ関係に詳しい高等経済学校のアレクセイ・マスロフ教授は「ロシア極東の産業の30〜35%は中国資本の管理下にある。食品など戦略分野では、中国の投資制限が必要だ」とし、過度の中国依存に警鐘をならす。
 そこで浮上してくるのが、日本への期待だ。極東発展省のサナコエフ次官は「我々は極東に中国ゾーンをつくるつもりはない」と述べ、製造業や加工業、インフラ分野での日本企業の投資に期待を示した。

 プーチン大統領自身、先月はマツダがウラジオストクで進める自動車合弁工場の開所式に飛び入り参加した。同地でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際の日ロ首脳会談でも、ウラジオストクの液化天然ガス(LNG)基地の建設計画など、極東における日ロ経済協力の進展を歓迎した。
 極東の深刻な人口減に歯止めをかけ、地域を活性化していくには、外資誘致による雇用創出が急務だ。プーチン政権がとくに日本の製造・加工業の進出を求めるゆえんでもある。

 今後、外資の極東進出を促す方策が課題となるが、先に来日したシルアノフ財務相は「政府内で検討中」としつつ、具体策として税制優遇措置の導入と自由経済特区の設置を挙げた。
 税制面では、更地に工場を新設する外国企業に対し、初期の一定期間は法人税や固定資産税を免除する方向だ。自由経済特区は「中国に近い沿岸地域で、木材や水産加工などの分野」を想定するが、効果の是非をめぐっては異論もあるという。

 日ロ間では11月に政府間の貿易経済委員会、12月には野田佳彦首相の訪ロが予定される。極東開発を中心とする経済協力が当面、焦点のひとつになるはずだ。ロシアからの「暖風」をどういかすか。日本としても真剣に検討していくべきだろう。

 ロシアは世界有数の資源大国で、中間層が台頭する大きな消費市場のひとつだ。半面、汚職や腐敗、煩雑な行政手続きといった問題がビジネスの大きな障害になっている。日ロがビジネス環境の整備に取り組み、双方の利益となる協力を進めることは、決して国益に反しない。
 確かに、経済協力の進展が北方領土問題の解決に結びつくわけではない。とはいえ、日ロが良好な関係を築いておくことは領土交渉への環境づくり、さらには中ロの「反日」同盟を防ぐ予防線となるはずだ。「暖風」を放っておけば、「寒風」にいつ変わるか分からない。

[日経新聞10月28日朝刊P.10]
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年11月04日 00:34:33 : yy7D5jhcis
ロシアは冷戦時代に大いに悪者として宣伝されたが、クマに例えられる国民だということは決してずるいわけではない、ということだ。(ブレジネフなどはまさにヒグマそっくりであった)日露戦争では日本が勝ったが、ロジェストベンスキーに対する対応なども大変紳士的だったので(この辺は山下将軍がシンガポール陥落の際にパーシバルにえばった、だけでなく、その後も泰緬鉄道で英軍捕虜の虐待で多い悪評を買ったのと大違いであった)、日本は必ずしも恨まれていない。松山収容所でのロシア兵捕虜に対する待遇が非常に良かったことが欧州で語り伝えられた結果、第一大戦で青島攻略の際にドイツ兵は「マツヤマ」と叫びながら日本軍に投降したという逸話さえある。ロシアともっと友好関係を構築すべきだ。

02. 2012年11月04日 21:23:27 : aT9tG7aYrY
ロシアはかつてソ連時代、今日の日本と同じ立場(中共の敵)に立たされていた。1950年代末期から1980年代初頭まで深刻な対立が続いたが、ソ連のスターリンの後継者フルシチョフ首相のスターリン批判に中共側が反論し、フルシチョフ首相の西側に対する緊張緩和路線にも反対した。これにより両国関係は冷却化し、中ソ国境紛争にまで発展した。

両国の対立は周辺国にも飛び火し、ソ連と仲の良いインドと、中共と仲の良いパキスタンとの間に戦争が起こった。この東側陣営の仲間割れは、西側諸国の中共接近を誘発し、中共と国交を樹立する西側諸国が増えた。西側諸国から見れば、敵の敵は味方に見えたのかも知れない。

赤い独裁者 毛沢東が死ぬと、中国大陸を大混乱に陥れた文化大革命はようやく終結した。政敵のケ小平氏が復活し、貧しい中国大陸を何とかしようと改革開放経済を開始する。経済建設のためにも、長い国境線で接するソ連との関係改善が必要であり、ソ連との対立解消を実現したのである。

しかしソ連の後継者たるロシアから見れば、中共が信用できないと言うのが本音だろう。あの中ソ対立にしても、赤い独裁者 毛沢東の思いつきで始まったことから、いつ対立関係に戻るか分からない疑念がある。中共と違い、日本はうそをつかず、人間として信用できるとロシア側は評価している。本来ならもっと友好関係は発展していたはずだ。

当方の身内は国鉄一家だったが、戦前の日本の国鉄の蒸気機関車の修繕技術は優れており、ソ連が日本の国鉄技術者を招聘して現地指導してもらった話を聞いたことがある。日本は信用できる国と言う定評は昔からあったのである。ロシアに旅行した人が親切にしてもらってロシアを好きになったと言っていたし、当方の経験からも欧米の白人は何かしか日本人を差別する傾向があるのに対し、ロシア人は全く対等に接してくれる。(欧米の方は、最近はあからさまではないが、陰口を聞いたという人はいる。)ロシアとは、領土問題に捉われずに友好関係を前進させよう。


03. 2012年11月05日 12:36:29 : dIwhBmUsok
01>

もう少しロシアと日本の交流史を調べてから判断したほうがいい。

私は、ロシアと比較したら中国、いや北朝鮮ですらもが遥かに信用できる

国に思える。


04. 2012年11月05日 12:45:27 : gmTv0Ol9BI
01、02>

本気か?

ロシア人が日本人を信用するのと、日本人がロシア人を信用するのとは

全く違う。

私は軍事オタクで、少年の頃から日露戦争、ノモンハン事変、独ソ戦、

その他、戦後のソ連、ロシアの政治問題やら経済問題には人並み以上に

知っていると自負しているが、はっきり言おう。

“ロシアよりは中国、北朝鮮の方が遥かに信用できる国だ。”



05. HIMAZIN 2012年11月16日 23:45:30 : OVGN3lMPHO62U : KT6lbcp21k
03>
04>

オコチャマじゃないんだからさあ(笑)

そもそも自国の利益を無視して他国のために尽くすなんて国は
アメリカに対しての日本ぐらいしか、つまりまともな独立国としては存在しません

信用云々込みでの外交であり駆け引きでしょうが

資源外交的な意味でも米中に対しての牽制の意味でもロシアとの外交は非常に有効で
歓迎されている今はチャンスだと思います

外満州が中国資本で席巻されてからじゃ手遅れですよ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > アジア14掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > アジア14掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧