朴大統領、開幕式で基調演説
与野党が原子力防護法交渉で決裂、「核安保主導国構想」に支障

　朴槿恵（パク・クンヘ）大統領は24日（現地時間）、オランダのハーグで行われた第3回核安全保障サミットの開会式基調演説で「核兵器のない世界のビジョンは韓半島（朝鮮半島）から始まるべきだという信念を持っている」と語った。

　朴大統領は「北朝鮮の寧辺には多くの核施設が集中しているが、建物の一つで火災が起きたらチェルノブイリよりも深刻な原子力災害につながるという指摘もある。どの国も核テロの脅威と無縁ではない。核テロは一度発生すると全世界的な災害になる」と述べた。

　その上で、朴大統領は「核テロ対応4大提案」を打ち出した。

　第1に「核安保・核軍縮・核不拡散の相乗効果を得るため統合的なアプローチが必要だ」とし「兵器として使用される核物質を生産しない『兵器用核分裂性物質生産禁止条約（FMCT）』の締結を急ぐべきだ」と提案した。第2に「北東アジアなどの原発が密集している地域で核安保地域協議体の構成を模索する」こと、第3に核安保能力における国家間の格差解消、第4に原発施設に対するサイバーテロの防護体制構築を提案した。

　当初、朴大統領は「演説文」を2種類用意したという。国会が朴大統領の演説前に原子力防護・防災法改正案を通過させた場合と、通過できなかった場合をそれぞれ想定し、別に書いたのだ。

　だが、同日の与野党交渉は最終的に決裂、朴大統領の演説もこの状況に合わせた文の方が選ばれた。演説だけでなく、25日の首脳討議セッションの原稿も調整されたという。朴大統領は25日の首脳討議に出席し、安保分野で韓国がこれまで取ってきた実質的な貢献措置と公約を発表し、核安保主導国へと韓国の地位を高める方針だったが、そうした構想に支障が出る事態となった。

ハーグ＝崔宰赫（チェ・ジェヒョク）記者

朝鮮日報／朝鮮日報日本語版

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朴大統領が「北非核化の実現」訴え　核安保サミット演説 2014/03/25 09:14

【ハーグ聯合ニュース】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は２４日（現地時間）、オランダ・ハーグで開幕した核安全保障サミットで演説し、北朝鮮の核廃棄に向け国際社会の協力を強く呼びかけた。進展が見られない朝鮮半島非核化問題を解決するため、国際社会が一層積極的に取り組む必要があることを強調したといえる。
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核安全保障サミットで演説する朴大統領＝（聯合ニュース）
　朴大統領は「北は核拡散防止条約（ＮＰＴ）や国連安全保障理事会決議などに背き核開発を推進しながら、核能力を高度化している。万一、北の核物質がテロ集団に渡るならば、世界平和に大きな問題となる」と述べた。３年前の東京電力福島第１原子力発電所事故と同じような災害がテロにより発生し得ると指摘した。

　北朝鮮の核施設の安全性にも言及。北朝鮮の寧辺には多くの核施設が集まっており、一つの建物で火災が起これば旧ソ連のチェルノブイリ原発事故以上に深刻な事態につながるとして、強い懸念を示した。

　朴大統領は「このように北の核開発計画は不拡散、核安保、核の安全などあらゆる面で深刻な懸念対象であるだけに、世界平和と安全のために必ず破棄されなければならない」と訴えた。

　その上で「国際核安保体制の発展に向けた４項目」として、▽核安保と核軍縮、核不拡散の相乗効果を狙った統合的アプローチ▽核安保に関する地域協議メカニズムの積極的模索▽核安保分野における国家間の力量格差の解消▽原発施設に対するサイバーテロ対策作り――を提案した。

　核安全保障サミット出席前の１９日、朴大統領は青瓦台（大統領府）でオランダメディアのインタビューに応じ、「核問題が深刻なこの朝鮮半島の非核化を一つの『世界のパイロットプロジェクト』のようにして、ここから核兵器なき世界が始まるという気持ちで全世界が力を合わせるならば、成し遂げることができると考えている」と強調したことと通じる。

　朴大統領のこうした発言は、オバマ米大統領が提唱する「核兵器なき世界」のビジョンを朝鮮半島で真っ先に実現するという意志を強く示したものと受け止められる。朴大統領は昨年５月に訪米した際、「オバマ大統領の『核兵器なき世界』のビジョンは、核兵器の直接的な脅威の中に置かれている朝鮮半島から始まらなければならない」と述べた。

　また、朴大統領自身が年初から繰り返し述べてきた朝鮮半島統一への構想とも関連するといえそうだ。朝鮮半島を平和的に統一するには北朝鮮の非核化が必須で、そのために南北当事者間の関係にとどまらず国際社会も積極的な姿勢で問題解決に弾みをつける必要があるということを、今回の会議で強く打ち出したとの分析がある。

　朴大統領は前日、中国の習近平国家主席との首脳会談でも朝鮮半島の非核化問題をめぐる６カ国協議の再開に関し、「非核化を実質的に進展させられるという保障があるならば、対話再開に関するさまざまな方策を模索することが可能」と前向きな発言を行った。北朝鮮核問題の解決を加速させる意図がうかがえる。

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朴槿恵（パク・クネ）大統領が２４日（現地時間）、自国の成果を出せないまま、世界指導者の前で「核兵器がない世界」を演説した。国会が原子力防護防災法案（核防護法）を処理しなかったからだ。

２４日にオランダ・ハーグで開かれた第３回核安全保障サミットの開幕式の演説で、朴大統領は「核兵器がない世界を実現するためには、核安保を核非拡散・核軍縮、そして核安全とともに強化していく知恵が必要だ」とし「私は北核問題の解決が核兵器がない世界を作るうえで不可欠であり、そのため核兵器がない世界のビジョンは韓半島（朝鮮半島）で始まるべきだという信念を持っている」と述べた。

また「いま北は核拡散防止条約（ＮＰＴ）や国連安保理の決議を破って核開発を推進し、核能力を高度化している」とし「もし北の核物質がテロ集団に渡れば、世界の平和に大きな問題となるだろう」と懸念を表した。

続いて「北核施設の安全性の問題も大きな懸念をもたらしている」とし「いま北の寧辺には多くの核施設が集中しているが、一つの建物で火災が発生すればチェルノブイリよりも深刻な核災難につながるだろう」と指摘した。

朴大統領は「このように北の核プログラムは不拡散・核安保・核安全など、すべての側面で深刻な懸念の対象であるだけに、世界の平和と安全のために必ず廃棄されなければならない」と強調した。

国際核安保体制の発展のための４項目も提案した。▽核安保と核軍縮、核非拡散がシナジー効果を生む統合的接近▽核安保に関する地域協議メカニズムの摸索▽核安保分野の国家間の格差解消▽原発施設に対するサイバーテロ対応策の研究−−だ。

朴大統領は特に「米国とロシアが２０１３年末に完了した、核兵器物質を核燃料に転換する事業を通じて、シナジー効果を確認することができた」とし「核弾頭を解体して生じた核兵器２万個に相当する高濃縮ウランが都市を明るくする電気に転換されたが、これがまさに『剣を鍬に』（ｓｗｏｒｄｓ　ｔｏ　ｐｌｏｗｓｈａｒｅｓ）だ」と強調した。

朴大統領は当初、核防護法案の処理を通じて韓国の先導的な努力を強調する予定だった。しかし２３日まで核防護法案が処理されず、朴大統領は２つの演説文を準備した。国会が核防護法を処理して韓国が原子力安全に先制的かつ模範的に取り組んでいるという演説文（Ａ案）と、国会が核防護法案を処理しない場合のレベルを下げた演説文（Ｂ案）だった。演説を７時間後に控えたこの日午後４時ごろ（日本時間）、与野党が交渉決裂を宣言すると、結局、最上のシナリオのＡ案は捨て、Ｂ案で演壇に立つことになった。

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