【ソウル＝名村隆寛】韓国南西部全羅南道の珍（チン）島（ド）近くの海上で旅客船「セウォル号」（６８２５トン）が沈没した事故で、韓国海洋警察は１８日、運航会社のチェンヘジン海運を家宅捜索した。また、警察当局などは、事故発生当時、操舵（そうだ）手に操縦を指示するなど船長業務をしていたのは、経歴が浅い３等航海士（２６）だったとの中間調査結果を発表した。

　海洋水産省によると、船舶自動識別装置（ＡＩＳ）の発信データを分析したところ、事故当時の１６日午前、遭難信号を出す数分前に船は右に急旋回していた。急な旋回で貨物が左に偏ったため船はバランスを崩し、転覆した可能性がある。

　海洋警察は、業務上過失致死傷容疑で船長への事情聴取を続けており、事故当時の操（そう）舵（だ）状況や乗客の避難誘導などについて聴いている。船長は事故発生当時、経験１年半の３等航海士に船の操縦を任せ、休憩中だったとの情報もある。

　韓国では、３等航海士でも操船の指示を行うことは可能。ただ、潮流が速いことで知られる現場海域を通る際に経験の浅い者を任せた船長の判断が問われそうだ。

　韓国当局によると、同日午前１１時の時点で、事故による死者は修学旅行の高校生ら２５人、行方不明者は２７１人。１７９人が救助された。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140418/kor14041811270006-n1.htm

【木浦聯合ニュース】韓国南西部の全羅南道・珍島沖で１６日午前に起きた旅客船沈没事故で、事故発生当時、操舵室にいたのは経歴１年程度の３等航海士だったことが明らかになった。航海士は沈没した「セウォル号」に配置されて５カ月に満たなかったという。

　旅客船が１カ月に済州−仁川を８往復することから、航海士の同船における運航経験は４０回程度と考えられる。

　航海士は操舵室で操舵手に対し、舵の操作を命令する役割をする。操舵手は航海士の指示なく方向を変更することはできない。

　同船は事故当時、自動運航ではなく、手動運航をしていた。ジグザグに動いたという一部乗客の証言と、沈没原因として「急激な航路変更」を挙げた海洋警察の結論がこれを裏付けている。自動では船がジグザグに運航することはできない。このため、航海士と操舵手の役割が重要になってくる。

　しかも事故が発生した海域は孟骨水道と呼ばれる潮の流れが速くて有名な場所だった。
　２０年のベテラン操舵手は「孟骨水道は流れが随時変化するため、舵の方向を連続して変更しなければならない」とした上で、「経歴が短いと、ここを抜けるのは難しいだろう」と述べた。　

聯合ニュース

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/17/2014041701971.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

韓国紙・東亜日報の中国語サイトは１８日、「『海水がこんなに冷たい・・・お母さんが来たよ、あなたはどこにいるの？』」と題した記事を掲載した。

「セウォル」号の沈没事故が起きた１６日の夜８時ごろ、珍島郡彭木港では２００人を超す行方不明者の家族が眠れない夜を過ごした。「お父さんが来たよ、お父さんが来たよ、息子よ！」「私の仁智、お母さんがあなたを探しに来たよ」。家族たちは海に向かって大声でわが子の名を叫んだ。出来るだけ子どもたちのいる場所に近づきたい。多くの親たちは「わが子があんな冷たい海の中にいるんだ、自分だけ暖まるわけにはいかない」と言い、食べることも飲むことも拒んだ。

１７日午前７時３０分ごろ、行方不明者の家族２００人以上を乗せた船が彭木港を離れ、事故のあった海域へと向かった。定員に達したため船に乗れなかった家族はその場に立ちすくみ、港を離れる船を見送った。日の出を待って救助隊から聞かされたのは死者数増加の知らせ。暴風雨と大きな波に阻まれて救助活動を中断せざるを得ないと聞いた家族の一部からは、海洋警察に「船の中に空気を注入して」「ヘリを飛ばして助けて」といった声が上がった。

フェイスブックやツイッターで救出された子どもの情報が伝えられると、家族たちの声はさらに大きくなった。確認されていない生存者名簿が同港で伝え広まると、一縷の望みにかける行方不明者家族たちが口々に「私の娘よ！まだ生きてるよね！お母さんが来たよ」などと泣き叫ぶ声が響いた。

午後２時ごろ、行方不明者の家族を乗せた船が港に戻ると、重苦しい空気が漂い始めた。遺体が浮いているのを見たと話す人、地面に伏して泣き崩れる人などもいた。雨がひどくなったため、多くの人がテントに移動したが、港を離れようとする人はいなかった。母親の１人は「最後に娘と電話で話した声がずっと忘れられない。何日かかろうとも、私はここで待ち続ける」と涙ながらに語った。

対策本部が死者の名前を読み上げるたび、「あ！」といった叫び声が上がった。１７歳の息子の死の知らせを受けた母親はその場で卒倒し、救急車で病院に運ばれた。姪っ子を失った１人は「自分も含め、ここにいる全員が最愛の家族を失った。心を１つにして協力してほしい」と語った。

（編集翻訳　小豆沢紀子）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140419-00000002-xinhua-cn

　【珍島（韓国南西部）時事】韓国南西部の珍島沖で起きた客船事故で、検察・警察の合同捜査本部は１９日、乗客の適切な避難措置を取らず、船から脱出したなどとして、船長、３等航海士、操舵（そうだ）手の３人を逮捕した。聯合ニュースが報じた。死者・行方不明者計約３００人の大惨事となった沈没事故の原因解明を急ぐ。

　船長は、特定犯罪加重処罰法違反、遺棄致死、船員法違反など五つの容疑が、残り２人は業務上過失致死など三つの容疑がかけられている。

　沈没原因をめぐっては、急旋回で積載貨物が片寄り、バランスを崩したとの見方が強い。調べによると、３等航海士は経験の浅い２０代半ばの女性で、事故当時、船長に代わって操船していた。操舵（そうだ）手は３等航海士の指示で、船を急旋回させた。

　船長らは、船が沈没しつつある中、救出活動を行わないまま、乗客らを残して船を脱出し、救助された。

　一方、海洋警察庁と軍などは１９日午前、約２７０人の安否不明者の多くが残っているとみられる船内の捜索活動を続ける。１６日に発生した事故では１７４人が救助されたが、２９人が死亡し、２７３人が行方不明となっている。（2014/04/19-06:34）

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014041900019

　旅客船「セウォル号」沈没事故が起こった当時、操船権を握っていた3等航海士のパク・ハンギョル容疑者（26）＝女性＝が、救助されたとき身分を隠そうとしたのではないかとの疑惑が浮上した。

　パク容疑者に操船権を渡し、操舵（そうだ）室を出ていたイ・ジュンソク船長（69）＝逮捕済み＝も、16日午前11時ごろに全羅南道珍島郡の彭木港に到着したとき、職業欄に「一般人」と書き、身分を偽っていた。

　乗客より先に救助されたパク容疑者も、イ船長とほぼ同じ時間に彭木港に到着していたことが分かった。だが、事故発生から3日がたっても「セウォル号沈没事故生存者名簿」に「パク・ハンギョル」という名前はなかった。その代わり、発音が似ている「パク・チャンギル」という乗組員の名前が載っていたが、本紙がセウォル号を運航する清海鎮海運に対し、乗組員の名前を照会したところ、「パク・チャンギル」という名前の社員はいなかった。だが、検察と警察の合同捜査本部は18日午後7時10分、生存者名簿に名前がない「パク・ハンギョル」に対する逮捕状を請求した。合同捜査本部の関係者は「救助された直後に名簿を作成したとき、パク容疑者が自ら『パク・チャンギル』と記載したのか、あるいは別の人物がパク容疑者の名前を聞き間違えて『パク・チャンギル』と記載したのか、または実務担当者のミスで生存者名簿にパク容疑者の名前を記載できていないのか、正確には分からない」と説明した。

　パク容疑者は木浦海洋大学を卒業後、S国際フェリーで10カ月間実習を行い、昨年12月に清海鎮海運に入社した。海洋警察の関係者は「入社して4カ月しかたっていない上、慣れていない航路を航行したため、事故を起こした蓋然性が高い」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140419-00000512-chosun-kr