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中国からマイクロソフトやアップルが生まれない理由は？
中国共産党第18回全国代表大会の報告は、経済発展方式のモデルチェンジの加速によりイノベーション駆動発展戦略を実施し、企業を主体とし、市場を指針とし、産学研を結びつけた技術イノベーション体制を構築する方針を明確に打ち出した。専門家は「中国にマイクロソフトやアップルのような世界的に影響力を持つグローバル企業が存在しないのは、中国の製造業が依然として産業チェーンのローエンドに位置し、核心的な競争力を持たないからだ。イノベーションに適した社会体制を構築し、科技イノベーションにより産業チェーンのハイエンドに進出するよう企業を促してこそ、世界経済で主導権を握ることができる」と語った。人民日報海外版が伝えた。
■中国製品、コア技術が不足
30年間の高度発展を実現し、中国は世界2位の経済体・世界の工場になった。しかし中国は世界産業チェーンにおいて貿易加工を中心としており、技術力と利益率が低いことから、依然として産業チェーンのローエンドに位置している。アップルのiPhoneの価値構造を例とすると、同製品は中国で組立を行なっているが、中国工場が得る価値はコスト全体の1.8％と微々たるものだ。これとは対照的に、コア技術と知的財産権を持つアップルは莫大な利益を獲得しており、iPhone1台で米国のGDPを400ドル押し上げる計算だ。
専門家は「中国企業は自社のコア技術を持たず、生産・製造の重要な部分を把握していないため、西側諸国のグローバル企業のアルバイターになるしかない」と指摘した。
全国人民代表大会常務委員会委員、エコノミストの辜勝阻氏は、「中国企業はローエンド産業の『比較優位の罠』に陥っており、世界産業チェーン・バリューチェーンで弱い立場に立たされている。イノベーションこそが、経済発展を実現するための持続的な原動力となる」と語った。
■イノベーションの奨励が不足
中国企業の間では長期に渡り、技術イノベーションの原動力不足という問題が存在している。その原因について、中国国務院研究室情報司の張昌彩副司長は、主に次の5つの要素による影響があると指摘した。（1）社会の環境・雰囲気による影響。これには人の価値観と心理状態が含まれる（2）知的財産権の保護の不足。海賊版、偽造・模造が氾濫し、イノベーション型企業の発展、市場全体の秩序を損ねている（3）現在の発展段階は、イノベーションが絶対に必要な段階に達していない。労働力の増加による利益と比べ、技術投資もしくはその他のイノベーション方式は実施が困難だ（4）産業の価値構造の乱れ。中国は物流コストが高い。物流業の未発達、流通企業の改革の遅れが、製造業の発展と利益獲得を制約している（5）マクロ政策の不徹底。政府の財政政策・税収政策・産業政策・科技政策は科技イノベーションを十分に支援しているが、一部の支援は徹底されていない-----。
■科技・体制のイノベーション
張副司長は「企業のイノベーションの原動力不足を解決するために、短期的には、企業をイノベーション主体として位置づけ、企業の科技イノベーションの原動力を高めることができる」とし、次の4つの提案を行った。（1）企業による国家科技プロジェクトへの参加をさらに重視し、これを支援する。科技プロジェクトの範囲に企業を収め、企業の重大科技需要を反映し、企業の技術者の積極性を刺激する（2）企業が先頭に立ち、大学・専門学校・研究機関と共同で科技プロジェクトに取り組む体制を構築する。これにより、科学研究開発プロジェクトを、企業の生産経営活動と直接結びつける（3）効果的な監督制度を構築する。ハイテク企業に対して、年間売上に占める開発費支出の比率を順守させ、さらに独立の研究開発機関を設立する（4）政府科技支出のうち、企業の研究開発支出に対する比率を高めていく-----。
中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長は「イノベーションは科技イノベーションに限らず、体制のイノベーションも含まれる。体制のイノベーションにより、新技術を商業化・産業化・市場化させる必要がある」と指摘した。（編集YF）
「人民網日本語版」2012年12月5日
http://j.people.com.cn/94476/8045741.html
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