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中国の経済成長は最終的に6-7%で安定の可能性
http://www.asyura2.com/12/china3/msg/468.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 3 月 25 日 12:39:10: Mo7ApAlflbQ6s
 


中国の経済成長は最終的に6-7%で安定の可能性

 「中国:改革開放と小康社会の全面的完成」をテーマとする「中国発展ハイレベルフォーラム2013」の開幕式が23日に釣魚台で行われた。国務院発展研究センターの劉世錦副主任は「中国全体として見ると、成長段階の転換がすでに始まっている。ここ2年は成長段階の転換期で、潜在的成長率はおよそ7-8%の間だった。今後は中速水準で安定するだろう。いくらか変動はありうるが、最終的には6-7%で安定する可能性がある。こうした中速段階に入ったからといって、中国経済の成長に対して悲観的な見方をしてはならない。こうした反落は法則に合っている」と述べた。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年3月24日

http://j.people.com.cn/94476/8180412.html

 

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01. 2013年3月25日 16:48:45 : GnRfb4ci8o
焦点:中国国家主席のアフリカ歴訪、新たな「帝国主義」に懸念高まる
2013年 03月 25日 13:11 JST
[ダルエスサラーム(タンザニア) 25日 ロイター] 中国の習近平国家主席は、就任後初の外遊の一環としてアフリカ歴訪を開始した。アフリカ大陸は世界第2位の経済大国となった中国にとって、資源獲得の面で重要性が増しているほか、有望な市場として期待が高まっている。

ただ、中国とアフリカの経済関係が深化する一方、アフリカ諸国の間では、資源が中国に奪い取られ、中国から輸入される最終製品への依存度が高まっていることに懸念も広がっている。

アフリカでは一般的に、西側諸国の影響力とのバランスを取る存在として中国が認識されているが、関係の成熟化につれて、政策当局者やエコノミストからはもっとつり合いの取れた貿易関係を求める声が出始めている。

ケニアのシンクタンク「インター・リージョナル・エコノミック・ネットワーク」の代表者、ジェームス・シクワティ氏は、習主席アフリカ歴訪の目的について、中国のアフリカ進出は単に資源だけが目的だという懸念を和らげることにあると指摘する。

欧米とは異なり、人権問題などでとやかく言ってこない中国による支援はアフリカで歓迎されているものの、中国の思惑をめぐる懸念は日増しに強くなっている。

ダルエスサラームの大学生、Lisa Mgayaさんは「中国は多くの開発支援を寄せてくれているが、何かしらの見返りを欲しているのは間違いない」と指摘。「中国には警戒するべき」と語る。

<BRICS首脳会議にも出席>

ナイジェリア中銀のラミド・サヌシ総裁は今月、英フィナンシャル・タイムズ紙に寄稿し、中国とアフリカの貿易不均衡は本質的に「植民地主義」だとし、新たな形の帝国主義にアフリカ大陸がさらされることに警戒感を示した。

中国はこうした見方を嫌う。

中国の鐘建華・アフリカ事務特別代表(特使)は「西側諸国の遺産は、アフリカは西側諸国に感謝すべきだとの感情であり、自身が西側ほど良くないことをアフリカは認識すべきとの考えだ」と指摘。「それは容認できない」と述べた。

習主席は24日、タンザニアの商業都市ダルエスサラームに到着。既に同国のキクウェテ大統領との間で、10数件の貿易契約などに調印した。同地では演説も行う予定だ。

契約には、港湾や工業団地の共同開発のほか、通信インフラ向けの優遇条件付き融資やタンザニア政府向け無利子借款が含まれている。融資やプロジェクト規模の詳細は明らかにされていない。

習主席は26─27日に南アフリカを訪問し、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議に出席。その後はコンゴ共和国も訪れる。

中国は昨年、コンゴから54億トンの原油を輸入。全体の2%にすぎないが、将来的に拡大する可能性もあるとみられている。

( 記者 Fumbuka Ng'wanakilala 、George Obulutsa 執筆協力 Ben Blanchard in Beijing 執筆 Richard Lough;翻訳 川上健一;編集 山川薫)

焦点:中国の対日姿勢「雪解け」か、外務人事から透ける思惑 2013年3月21日
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米大統領、中国国家主席に祝意=ホワイトハウス 2013年3月15日
独シンクタンクが経済成長率予測を引き上げ、投資や消費けん引へ 2013年3月15日


02. 2013年3月26日 03:29:58 : GnRfb4ci8o
「中国は植民地主義」と批判

2013年3月26日(火)  FINANCIAL TIMES

石油などの資源を確保するためアフリカ投資を拡大する中国。蜜月関係とされた中国とアフリカだが、変化の兆しが出てきた。ナイジェリア中銀総裁が中国を警戒する必要性を訴えた。

 「アフリカは中国に対する幻想を捨て、中国をパートナーであると同時にライバルで、植民地時代の宗主国と同様の搾取を行う能力を持つ国と見るべきだ」――。ナイジェリアの中央銀行総裁であるラミド・サヌシ氏がこのほど本紙(フィナンシャル・タイムズ紙)に寄稿し、こんな警告を発した。

 アフリカ各国の政府高官の間では、アフリカの工業が停滞しているのは安価な中国製輸入品による攻勢のせいだとの懸念が増えている。サヌシ氏もアフリカが、「新しい形の帝国主義がつけ入る隙を見せている」と指摘する。


中国のアフリカとの貿易の仕方は「搾取だ」として、中国を痛烈に批判するナイジェリアのサヌシ中央銀行総裁(写真:Bloomberg via Getty Images)
12年で貿易額20倍になったが

 「中国はアフリカから1次産品を奪い、工業製品を我々に売りつけている。これはまさに植民地主義の本質の1つだ」とサヌシ氏は寄稿に書いた。この指摘は中国とアフリカの関係について、現職のアフリカ政府高官から出た発言としては最も痛烈な批判だ。

 2012年のアフリカと中国の貿易額は2000億ドル(約19兆480億円)強。中国政府がアフリカとの協力関係を加速すると約束した2000年の20倍だ。この12年間、アフリカ産資源に対するアジアの需要も手伝って、貿易は急拡大した。だが、コモディティーや消費支出が好調を見せる一方で、アフリカの製造業は相対的に衰退してきた。国際連合によれば、アフリカ地域のGDP(国内総生産)に占める製造業の割合は2000年の12.8%から2012年には10.5%に下がっている。

 アフリカ諸国の指導者とアフリカ開発銀行は先日、最大の貿易相手国との関係から得る利益を最大化すべく、各国政府間の協力を要請した。だが、彼らは従来と変わらぬ柔軟な外交辞令の中に、その懸念を覆い隠している。

 対照的に中国政府に真っ向から挑戦したのがサヌシ氏だ。彼は寄稿で、「中国はもはや“同じ途上国”ではない」「中国は西欧諸国と同様の搾取をし得る世界2位の経済大国だ」「アフリカの産業を空洞化させ、その結果、低開発状態にある主因は中国にある」と指摘した。

 民間出身のサヌシ氏は経験豊かな銀行家で、2009年にナイジェリアの銀行資本の60%を消失させた金融危機後、同国の銀行制度改革に大ナタを振るい高く評価されている。中央銀行に積極的な役割を与え、高金利で短期ローンの返済に苦しむ製造業や中小企業に融資する銀行がもっと緩やかな条件でローンを提供できるようにした。

 サヌシ氏はアフリカ諸国は、中国製品を有利にする「略奪的貿易慣行(補助金や為替操作など)」に対処すべきだと主張。中国の労働コストが上がっている今、アフリカ企業が域内ビジネスで競争力をつけるべく、アフリカ諸国はインフラ建設と教育への投資を急ぐべきだとも寄稿で指摘した。

 「中国は経済成長して繁栄するに従い安価な労働力の優位性を失いつつある。アフリカはこれを機にアフリカで消費される商品の製造を中国からアフリカに奪還すべきだ。離婚を勧めてはいないが、中国との婚姻契約の搾取的要素をずっと以前に見直すべきだった」

 今回の寄稿は、南アフリカ共和国で3月下旬に開かれるBRICSサミットに先立って発表された。サハラ砂漠以南のアフリカ最大の経済国である南アは昨年、ブラジルとロシア、インド、中国からなるBRICSに組み込まれた。

 南アのズマ大統領は先日、西欧企業にアフリカに投資する際には従来の「植民地支配的」な考え方を捨て、中国と組むことを批判するのをやめるよう警告した。「中国のビジネスのやり方は特別で、我々にも恩恵がある」とズマ大統領は本紙に語った。

 だが、アフリカの植民地時代の経験を引き合いに出し、「ただ我々は慎重でいなくてはならない」とつけ加えた。中国とアフリカは「互恵関係であるべきだ。そして、この点で我々と中国は合意している」と述べている。

William Wallis
(©Financial Times, Ltd. 2013 Mar. 11)


03. 2013年3月26日 03:33:38 : GnRfb4ci8o
習近平の「中国夢」を冷めた目で見る中国国民
効果なき住宅・不動産政策に国民は辟易
2013年03月26日(Tue) 姫田 小夏
 3月17日、第12回全国人民代表大会(全人代)が閉幕した。晴れて国家主席に正式就任した習近平氏は、講話の中で何度も「中国夢」(チャイナドリーム)というキーワードを繰り返し、新政権は国民の生活を重視し、国民一人ひとりの夢を実現できるのだということを印象付けようとした。

 中国では、教育、医療、高齢者福祉に始まり、手の届かない住宅価格、貧富の格差、環境破壊など難題が山積する中で有効な政策が待たれている。しかし、「新政権に有効な政策が打てるのか?」と国民は疑心暗鬼だ。

 今回の「国五条」が最たる例だ。

 全人代の会期中、上海では、不動産市場の過熱を抑制する5つの強化政策「国五条」が導入された。この政策により、住宅の売却益に対し20%の課税が実施されることになった。

 これを受けて3月6日には、浦東新区にある不動産取引センターでは駆け込みで不動産登記に訪れる人の長蛇の列ができた。

10年にわたって不動産価格の抑制策を打ってきたが・・・

 国五条に対して、「全人代の同意がなければ課税を導入することはできないはずだ」「庶民の財産を国が巻き上げてどうする」などと猛反発する上海市民もいる。

 中でも「また調整策の導入か」という呆れ顔の反応は見逃せない。

 中国不動産の専門家であるA氏は、「国五条」が公布された理由を「『限購令』(注)が有効ではなかったからだ」と語る。社会の不満を抑えるためにも、住宅価格の抑制は国家的最優先課題の1つとも言われてきた。それにもかかわらず、いままでの政策は何の効き目も発揮しなかった。

(注)限購令は、「各都市に戸籍のある者しか買えない」「保有できるのは2戸まで」「外地戸籍者は1戸まで」「購入者は、過去5年間の所得税と社会保険料の納付を証明できる者」などとする法令。購入そのものの行為を規制し、投機的行為を抑制するのが狙い。

 過去3年を振り返れば、2010年に「国十条」が、翌2011年には「新国八条」が導入された。いずれも異常な急上昇を見せた住宅価格を抑制するための調整策だが、結局、政策導入後も価格の上昇傾向は続いた。

 同じく2011年には、住宅購入を規制する「限購令」が中国の各都市で導入された。「限購令」は当初「史上最も厳しい価格抑制策」と言われ、その効果を期待されたものの、結局有効ではなかった。

 2013年1月には、中国の70の大・中型都市のうち7割において住宅価格が上昇。2月には、北京、広州などで7.7%、8.2%の上昇を記録した。「上海ではこの『限購令』が比較的奏功したと言えるが、北京などその他都市では効果はまったくなかった」(A氏)。中国の大学で公共政策を研究するB教授も「中国政府が繰り返し打ち出した住宅価格抑制策は、まるで有効性がなかった」と嘆息する。

 こうした価格抑制策を含む中国の不動産市場に対するマクロ調整策は、2003年6月の「121号文」の公布に始まった。

 そもそも中国の不動産市場が動き出したのは90年代からである。その歴史の浅さから市場は未熟で法律・法規も不完全、ましてや土地の権利関係も曖昧という状態だった。このような状況下で不動産投資が膨れあがれば、問題が発生するのは避けられない。なりふり構わぬ固定資産投資、住宅価格の急上昇、一般国民の分譲住宅向けの土地供給をおざなりにした高級物件の開発、違法な耕地利用、土地取引における贈収賄など、枚挙に暇がない。

 こうした問題解決のために、土地・不動産政策によるマクロ調整を行ってきたわけだが、政策に着手してから10年経った今も、価格の急上昇を抑え込むことはできずにいる。

これだけやっても効果はナシ?

 ここで参考までに、2006年の1年間に打ち出されたマクロ調整策を紹介したい。不動産市場の構造調整策、土地使用に関する取り締まり強化と、当時は毎週のように新たな政策が発表された。

【2006年の1年間で打ち出された政策】

・4月28日:金利引き上げ(人民銀行が、銀行貸し出しの基準金利を5.58%から5.85%に引き上げ)

・5月17日:国六条(不動産業界の健康的発展を促進するため、住宅供給の構造調整、税収、融資、土地使用に関する取り締まりを含めた6項目「国六条」を発表)

・5月29日:十五条(住宅供給の構造を調整し不動産価格を安定させるための15条を発表。“戸当たり90平方メートル以下の住宅の開発を7割に引き上げる”“購入5年以下の住宅の譲渡については営業税を課す”“3年以上未入居の物件は担保物件にしてはならない”“2年以上の遊休土地は使用権を回収する”など)

・7月24日:外資規制(ホットマネーの流入に対して、外資に対する投資規制を発表)

・7月26日:個人所得税(5年以内に中古住宅を譲渡した場合、利益の20%を個人所得税として課税)

・9月5日:土地利用(建設用地に対し、有償使用費、城鎮土地使用税、耕地占用税などを課税)

・11月23日:贈収賄(土地の違法分譲などの取り締まりを強化し、贈収賄の発生を厳しく管理)

 しかし、これだけの政策を打ち出しても、その後住宅価格は上昇するばかりだった。実際、2006年の第3四半期における、全国70の大中型都市の住宅販売価格は前年比5.7%も上昇した。

 また、人民銀行が2005年に発表した「2004年中国不動産金融報告」には「不動産価格の上昇速度が速い」「中・低価格の住宅の供給が少なく投機性の需要が強い」など、当時の問題点が列挙された。これに対して、不動産の専門家であるA氏は「今に至っても依然としてこれらの問題は解決されていない」と指摘する。

 上海では、中級クラス向けの新築物件価格は今や500万元(約7500万円)前後とも言われ、夫婦共働きでも購入は難しい。その一方で、個人が20軒も30軒も不法に住宅を取得するといったスキャンダルが明るみに出る。

 これらの抑制政策は、2013年の今年に至るまで継続的に実施されてきた。だが、何ら問題解決には至らなかった。

中・低所得層向けの公共住宅なのに駐車場にはベンツ

 日本でも高度経済成長期には住宅の価格上昇が見られたが、中国でこれほどまでに社会問題となるのは、「結婚の際には男性が新居を準備する」「持たざる者は面子ナシ」というように中国ならではの文化的特殊性に起因するところが大きい。

 人並みの住宅に住めないことは中国人にとって大きな恥なのだ。そのコンプレックスの強さは我々日本人の想像を超えたところにある。特に大都市圏に流入した外地人は住宅に対する不満が大きい。

 ではこうした不満解消のために、公共政策は頼みの綱となり得たのか。残念ながら、中国の過去10年の公共の住宅政策は頓挫したと言っていいだろう。

 中・低所得者層向けの住宅開発は95年に政策として打ち出された。例えば「経済適用住宅」という中・低所得層向けの公共住宅の供給がある。政策上、それはあたかも着々と進行しているかのように見えるが、実は多くの都市において新規着工面積は年々減っている。広東省、江西省、河南省などの都市に至ってはこの計画を停止しているほどだ。

 なぜなら、地方政府にとって土地は重要な資金源であることから、利潤の低い保障性住宅の建設には消極的なのだ。また、それを請け負うデベロッパーも利幅の低いプロジェクトに及び腰である。そもそも立法による裏付けもない。建設から入居までの管理もいい加減だ。その結果、中・低所得層向けの公共住宅であるにもかかわらず、駐車場にはベンツやBMWが並ぶことになる。

 政策決定者が自分の権力と利益の囲い込みだけに追われ、本腰を入れて公共の利益を考えようとしていない実態が浮かび上がる。「今の中国の政策は公共政策とは言えない。一部の人間の欲望を満たすためだけのものだ」と、B氏は批判する。

 2012年12月にニューヨーク・タイムズ電子版がスッパ抜いた「温家宝元首相一族の隠し資産」は、密かに国民の間に知れ渡っている。「温宝宝」と国民から親しみを持たれた首相だったが、「彼もまた例外ではなかった」と国民に大きな失望をもたらした。

 全人代は閉幕したが、「中国夢」が描ける世の中になるかどうか。残念ながら、国民の期待は決して大きいとは言えない。

 約3000人の代表が出席する全人代は世界最大の立法機関であり、中国の憲法では「国家の最高権力機関」と位置づけられる。法律の制定や国家主席の選出などを行う権限を持つと言われるが、現実は代表の6割を政府の幹部が占めており、民意が反映されることはほとんどない。

 国民の政府への不信、政策への不信はますます大きくなるばかりだ。国民は小手先の調整に限界を感じ、抜本的な体制改革の必要性を強く求め始めている。


アフリカと中国:鉱物資源以上の関係
2013年03月26日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年3月23日号)

中国の対アフリカ貿易は増え続けている。新植民地主義への懸念は行き過ぎだ。

 北京から来た5人の旅行者グループが、自家用飛行機でケニア山上空を低空飛行するとリフトバレーへと分け入り、黄色い幹と霧のような細い枝を持つ、ユーカリノキなどの木々に囲まれたほこりっぽい滑走路に着陸した。

 5人は、シマウマとキリンが闊歩する草原を横切り、写真を撮りながら、アフリカスイギュウが突進してこないかと警戒していた。食卓についた5人は、空腹だがくつろいでいる様子だった。

 グループに2人いる主婦の片方が「去年はお友達何人かと南極に行ったの」と言い、「iPhone(アイフォーン)」を出して永久凍土の上にたたずむペンギンの群れの写真を見せてくれた。

太くなり、多様化する貿易のパイプ

 アフリカにやって来る中国人の数は増える一方で、観光や労働、貿易に向いた場所と見られるようになっている。アフリカ在住の中国人の数は、10年前には数千人程度だったが、今は推計100万人に達し、さらに増え続ける一方だ。

 中国は、南アフリカへの入国者数で第4位。ここには中国の国家主席に就任したばかりの習近平氏もが含まれる予定だ。国家主席として初の海外歴訪で、習氏はタンザニアとコンゴ共和国にも向かう。


 そもそも中国がアフリカに惹かれるに至ったきっかけは明白だ。サハラ砂漠とカラハリ砂漠の間には、中国の産業界が求める原材料が数多く眠っている。

 先ごろ、中国は米国を追い抜き、世界最大の原油純輸入国となった。アフリカから中国への輸入額の約80%を、鉱産物が占めている。

 中国はアフリカにとって最大のビジネスパートナーであり、貿易額は1660億ドルを超えている。しかし、そのすべてが鉱物資源ではない。アフリカへの輸出品目は多様だ(図参照)。機械類がその29%を占める。

 中国からアフリカへの直接投資の規模は、貿易額に比べて数字による把握が難しい。2012年の夏の時点で、中国の商務大臣を務める陳徳銘氏は、投資額は「2009年から60%増加して、147億ドルを超える」と発言した。

 同時期に、中国の駐南アフリカ大使を務める田学軍氏は「中国からアフリカに対する各種の投資の額は400億ドルを超える」と述べている。どうやら、最初の数字は、アフリカへの投資のうち政府に報告されたものの額らしい。2つめの数字には、世界中の租税回避地から流れ込んだ中国ファンドによる投資の推計値が含まれている。

 中国とアフリカのつながりは、過去数年の間に拡大した。両者の関係は、今ではアフリカそのものと同じと言っていいほど多様化している。

 とはいえ習国家主席が、アフリカ各国すべてを1人で代弁できる指導者のメールアドレスを探したとしても、そのようなものは見つからないだろう。それはかつて、ヘンリー・キッシンジャー氏が欧州全体を1人で代弁できる指導者の電話番号を見つけるのに苦労したという逸話を彷彿させる。


習近平国家主席はロシア訪問を終え、3月24日にアフリカ入りした〔AFPBB News〕

 最近まで、中国は、アルジェリア、ナイジェリア、南アフリカ、スーダン、ザンビアなど、少数の資源大国に重点を置いてきた。

 しかし今は、エチオピアやコンゴのような、鉱物資源が少なかったり採取しにくかったりする国々が注目を集め始めている。これは、資源のない地域にも事業を広げる中国企業が増えているという要因が大きい。

 国営企業が民間会社と競合しており、どちらも中国国内よりもはるかに大きな利ざやに魅力を感じている。誕生間もない中国のプライベートエクイティファンドもアフリカに進出し始めている。

決して中国の言いなりではないアフリカ諸国

 アフリカ側も中国の攻勢にただ押し切られているわけではない。各国政府は驚くほど積極的に自己主張している。

 アフリカでも最も若い国、南スーダンから真っ先に追放されたのは中国人だった。劉英才氏は、中国とマレーシアが出資し、南スーダン政府にとって最大の顧客である石油会社ペトロダールの現地法人社長を務めていたが、8億1500万ドルに上るとされる原油「窃盗」に荷担した嫌疑で追放された。

 コンゴ民主共和国はキブ地方で不正を働いた2人のコモディティー(商品)トレーダーを追い出した。アルジェリアの裁判所は中国企業2社に対して、贈賄があったとして公共入札への参加を禁じた。ガボンの政府高官も、自国に不利な資源取引を破棄した。ケニアと南アフリカの環境保護運動家は中国に対し、象牙とサイの角の取引を停止するよう要請している。

 アフリカ諸国のエリートは、中国を新興国の中では最大のパートナーと認めているが、決して唯一のパートナーとは考えていない。ブラジル、ロシア、インド(この3カ国は中国と同じくBRICSに属している)に加えて、トルコ、韓国を含む数カ国が中国の道に続いている。

 インド企業の取引額は、中国とアフリカ間の貿易額の約3分の1に達しており、この数字が50%に近づきつつあるとの推計もある。3月26日と27日に、BRICSの首脳会談が南アフリカで開かれるのは偶然ではない。この地では、BRICS諸国は互いに競い合っているのだ。

 アフリカにおける中国のイメージも、かつては猜疑心の混じったものだったが、今では変化しつつある。

中国に対するイメージに変化

 ビジネスで中国との競争にさらされている人々、特に農業や小売り、小商いといった分野に関わる人たちは、今でも不満を述べている。マラウイ、タンザニア、ウガンダ、ザンビアでは、新たな法律で、中国人が事業をできる産業や地域が制限されている。

 しかし、中国人が仕事を生み、技術を移転し、地域経済にお金を落としてくれる、と述べるアフリカ人は増えている。こうした変化は、アジアの超大国に対する恐怖心が最も強い小国で特に顕著だ。

 ザンビアのマイケル・サタ大統領は、野党だった2011年までは長い間中国に批判的だったが、ひとたび政権の座に就くと態度を変えた。2012年に、同大統領は中国のインドの事業利権を激しく非難した労働大臣を降格処分とした。さらに、自身が率いる与党・愛国戦線と中国共産党との連携について話し合うために、副大統領を北京に派遣している。

 アフリカの民主主義はこれまでのところ悪影響を受けていない。中国は人権侵害には目をつぶりつつも、民主主義的な制度や慣習を損なうようなことはしていない。

 ジンバブエでは、中国はロバート・ムガベ大統領に協力し続けているが、野党の民主変革運動との関係も築き、党首のモーガン・ツァンギライ氏を北京に招いている。中国の指導部は、2012年のセネガルの民主的な政権交代を受け入れ、2005年に外交上の承認国を台湾から中国に変えたアブドゥライ・ワッド大統領の退陣も容認した。

 中国の存在感の高まりが引き金となって生じたその他の一般大衆の不安も、根拠のないものであることが判明しつつある。中国は武力衝突を誘発していない。逆に中国が仲裁者の役割を果たしたケースもある。もっとも、その動機は自らの利益に基づくものだった。

 スーダンと南スーダンはどちらも中国と多額の貿易を行っている。2012年に両国が戦争の危機に直面した際には、中国が他の大国とともに外交ルートで仲裁に入った。

南アやナイジェリアでは中国人気が低下

 唯一、アフリカ最大の経済規模を持つ国では、中国の人気が低下している。こうした国々では、中国は競争相手と捉えられることが増えつつある。南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領は、長年にわたり中国とのビジネス関係を構築してきたが、2012年に入り、国内の批判勢力の圧力を受けて姿勢の転換を余儀なくされた。

 ナイジェリアでは、最近になって中央銀行総裁が「植民地主義の気配」を漂わしているという理由で中国を厳しく批判した。他のアフリカ諸国はこの発言を一笑に付した。過去にこうした国々の市場に強引に入り込んできたのは、多くの場合、ほかならぬナイジェリア人と南アフリカ人だったからだ。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37429


04. 2013年3月27日 12:35:57 : GnRfb4ci8o
中国の経済成長は2030年までに大きく減速=米FRB調査
2013年 03月 27日 11:26

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[ワシントン 26日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は25日公表した調査で、中国の経済成長は多くの向かい風に直面しており、生産性の低下と高齢化により今後大幅に減速する可能性があるとの見方を示した。

FRBは、中国のトレンド成長率は2030年までに6.5%近辺まで減速する可能性があると指摘。さらに、最悪のシナリオにおいて経済活動をする圧迫する要因が重なれば成長率は1%を割り込むかもしれない、との見方を示した。

中国経済はここ10年、平均で毎年約10%の成長を達成している。

FRBの国際金融部門のシニアアドバイザー、ジェーン・ホルトメイアー氏は「GDPの伸び率は、雇用の伸びと従業員1人当たりの生産の伸びを合計したもの。中国は双方の面で課題に直面している」とした。

そのうえで、調査は、一定の減速は避けられないものの、高校までの進学率を高めるための教育支援により影響は相殺される、とした。

国連の見通しによると、中国の労働年齢人口の伸びは2020年までにマイナスに転じる。60歳以上の人が人口全体に占める割合は、2010年には12%だったが、2030年までには25%近くに達すると予想されている。
 
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05. 2013年3月27日 13:14:04 : GnRfb4ci8o
三橋貴明の「経済記事にはもうだまされない!」 トップ |
第197回 成長戦略(1/3)
2013/03/26 (火) 11:45

 中国税関総署は、2012年の中国からのレアアース(希土類)の輸出額が、対前年比で66.1%も減少してしまったことを明らかにした。2010年9月の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件と、その後の中国による「レアアース対日禁輸」(明らかにWTO協定違反だった)の影響で、日本企業がレアアースの使用量を減らす技術を開発し、さらに中国以外にも供給先を確保していったことが響いたようだ。
 中国の禁輸措置を受け、日本企業は技術開発を加速するとともに、カザフスタン、ベトナムなどに新たなレアアースの供給先を求めた。昨年11月には、カザフスタン北部アクモラ州で、日本・カザフスタン合併企業によるレアアース精製工場が完成した。本年から、同精製工場から日本へのレアアース輸出が始まっている。また、日本はベトナムにもレアアースの研究・技術移転センターを提供し、将来的には対日輸出が実現する予定になっている。
 輸出の減少もさることながら、中国経済の失速により、レアアースは中国の国内需要までもが減少している。現在のレアアースの価格は、ピーク時の半分以下にまで低迷してしまっているのだ。
 尖閣諸島沖中国漁船衝突事件の「制裁」として、中国が対日禁輸措置を採った際には、
「すわっ! これで日本経済は壊滅する」
 的な、大袈裟な騒ぎ方をしたマスコミがあったが、別にレアアースは「中国独占」の資源でも何でもない。中国に埋蔵されているレアアースが世界に占めるシェアは、およそ三割だ。すなわち、残り七割のレアアースは、中国以外の地に眠っているのである。
 レアアースに関する中国のシェアが高かったのは、単に同国が「環境無視」「安全無視」で鉱山開発を行い、ダンピング攻勢をかけたためだ。結果的に、オーストラリアやアメリカにあったレアアースの鉱山が採算割れになり、閉鎖となってしまったのである。
 要するに、中国は実際には独占的供給者でも何でもないにもかかわらず、日本との尖閣問題悪化を受け、レアアースを「制裁」に用いてしまったのだ。レアアースが「中国からしか産出されない」ならともかく、顧客側(日本側)に供給先の選択肢は存在していたのである。それにもかかわらず、中国はレアアースの独占的供給者として振る舞ってしまった。結果的に、中国はレアアースに関する競争優位を失い、自らの首を絞めたことになる。
 輸入側が供給先(輸出側)を選択することができる状況で、貿易を「制裁」に使ってしまうと、いかなる結果を招くのか。中国はまさに、典型的な事例を提供してくれたわけである。
 さらに、中国にとってショッキングな事態が発生した。

『2013年3月22日 産経新聞「南鳥島沖のレアアース、世界最高濃度と判明 東大など調査」
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130321/scn13032122030005-n1.htm
 日本最東端の南鳥島(東京都小笠原村)の排他的経済水域(EEZ)内で発見されたレアアース(希土類)を含む海底の泥が、鉱床としては世界最高濃度であることを東大と海洋研究開発機構のチームが突き止め、21日に発表した。
 埋蔵量は国内消費の数百年分以上で、海底下数メートルの浅い場所にあり採掘も容易。ハイテク製品に欠かせないレアアースの国内自給へ大きく前進する成果だ。
 同機構の深海調査研究船「かいれい」で今年1月、泥を採取し分析。南鳥島の南200キロの水深5600〜5800メートルの海底では海底下3メートル付近で最高6600ppm、島の南南西250キロでも同8メートル付近で最高5千ppmのレアアースを含むことが分かった。
 濃度は世界産出量の9割を占める中国の陸上鉱床(通常300〜500ppm)の10倍以上。加藤泰浩東大教授は「想像を絶する夢のような濃度だ。日本の福音になるだろう。国を挙げて開発を急ぐべきだ」と話す。3〜5年後に泥の引き揚げを開始したい考え。(後略)』

 日本最東端の南鳥島のEEZ(排他的経済水域)の海底から、レアアースを含む泥が採掘された。(何と、水深5600〜5800メートル)しかも、採取された海底の泥は、レアアースの鉱床としては世界最高濃度だったのだ。
 推進5800メートルから資源を採掘できるとは、世界第六位の広さのEEZ(排他的経済領域)を持つ日本にとって、海が「資源の宝庫」になることを意味している。
 また、愛知県沖の東部南海トラフからは、次世代資源と言われるメタンハイドレートが採掘された。一週間のガス産出試験で取り出されたメタンガスの量は、1万3千立法メートル。このメタンガスの量は、08年にカナダが陸上で産出試験に成功したときを上回っている。
 さらに、より有望と考えられている日本海側のメタンハイドレートの本格的な調査が始まった。
 この手の海底資源の採掘事業は、民間企業がリスクをとって投資をするのは、なかなか難しい分野だ。特に、デフレ環境下では尚更である。
 ちなみに、中国の環境時報が日本の南鳥島近海におけるレアアース発見を報じると、記事のコメント欄に、
「南鳥島は日本領ではない」
「南鳥島は中国領だ」
「日本でレアアースが大量に見つかったならば、わが国はもう日本にレアアースを輸出するべきではない」
 といったコメントが寄せられた。


06. 2013年3月27日 13:34:26 : GnRfb4ci8o
焦点:中国の太陽光パネル産業、政府救済で供給過剰に拍車
2013年 03月 27日 13:26 JST
[香港 27日 ロイター] 中国政府はサンテック・パワー・ホールディングス(尚徳太陽能電力)(STP.N)など経営が悪化した国内の太陽光パネルメーカーの支援に大わらわだが、太陽光パネルの需要は国内外とも頑として低迷し続けており、政府が救済に動いたことで供給過剰に拍車が掛かるのは確実だ。

かつて高騰していた太陽光パネルの価格は地に落ち、政府は採算の悪化したメーカーが破綻して数万人規模の職が失われ、政治的な動揺が起きるのを恐れている。

一方、こうした企業に支援の手を差し伸べて公的資金を投入しても、供給過剰を助長するだけだ。一部業界の推計によると、今年の世界の太陽光発電は需要が30─35ギガワット(GW)であるのに対して供給は50─60GWに上り、その大半を中国が占めるとみられる。

上海上場の太陽光パネルメーカー、ハレオン・ソーラー(海潤光伏科技)(600401.SS)の楊懐進・最高経営責任者(CEO)は「この業界ではうまく行っている企業はない。どの社も牢獄に閉じ込められている」と話した。

ハレオンはブルガリアで大規模な太陽光発電施設の建設を計画し、そのほかにも海外でのプロジェクト立ち上げのために資金提供先を模索中。ただ、太陽光パネルの価格はこの2年間で66%程度も下がっており、中国の銀行ですらこの分野での融資に尻込みしている。

中国の国内メーカーの一部は政府の太陽光発電促進策を当て込んで国内市場に軸足を移しているが、国内の生産能力があまりにも大きい上に補助の財源を欠いているほか、地域ごとのエネルギー面での不均衡、送電量が一定しない再生可能エネルギーを送電網に接続するためのインフラの不足などが重なり、政府の対策が効果を上げる可能性は低い。

中国国内ばかりか、海外でも政府のクリーンエネルギー促進策は干上がりつつある。ユーロ圏債務危機でドイツのような国々も再生可能エネルギー向けの補助を削減した。さらに米国は中国製太陽光パネルに反ダンピング関税を課し、欧州連合(EU)もこれに追随する可能性がある。

<生産能力は縮小へ>

中国政府は発電会社分と個人や企業の発電分を合わせて太陽光発電の能力を2015年までに35GWとする計画。中国の配電大手、国家電網によると、発電能力は20年までに100GWに拡大する見通し。

この通りになれば数字の上ではパネルの供給過剰はほぼ解消するはずだが、実現は難しいとみられる。上海のコンサルタント会社、ソーラーズームのチーフアナリスト、ジェーソン・カイ氏は「生産能力の縮小がなければ、中国の太陽光パネル産業は向こう5年間は本格的な回復が望めない」と話す。

国内の風力や太陽光の発電会社は補助金の支払い遅れで打撃を受けており、投資意欲は鈍い。複数の業界筋によると、財政省は太陽光が豊富で利益の出やすい西部の大規模太陽光発電施設への補助をカットしているという。

また国家電網は、送電量が一定しない再生可能エネルギーに由来する電力が送電網に障害を起こすことなどを理由に、こうした電力の買い取りに消極的だ。

国家電網は先月、再生可能エネルギーに由来する電力は全て無料で送電網に乗せると発表した。しかし買い取り価格はコストの低い石炭発電の電力並みで、発電業者は事業を採算に乗せるのに不可欠な政府補助を自力で申請しなければならない。これは面倒な手続きだ。

国家電網の調査部門の副責任者、He Guoqing氏は「(太陽光発電の)問題は技術的にコスト面の競争力が十分ではない点だ。補助なしでは存続しえないが、永遠に続く補助はない」と述べた。

<救いの手>

サンテック・パワーは先週、子会社の無錫尚徳太陽能電力(無錫サンテック)が破綻し、政府主導の再編が行われると発表した。無錫市政府は同社について、債務を再編する一方で生産を継続し、労働者の雇用を守る方針。無錫市にある同社の主力工場は約1万人を雇用している。

既にLDKソーラー(LDK.N)やチャオリ・ソーラー・エナジー・アンド・テクノロジー(上海超日太陽能科技)(002506.SZ)が地方自治体政府の支援を受けている。

中央政府の当局者の中には、パネルの供給過剰を考えればいくつかのメーカーを破綻させるのは理にかなっているとの声もある。しかし地方自治体政府はこうした企業の破綻を認めれば、社会不安が高まる恐れがあると考えている。

さらに、これらの企業の多くはこの数年の太陽光発電ブームで負債を大量に増やしており、その大半は地方自治体からの借り入れだ。この中にはサンテックのドル建て社債5億4100万ドル相当も含まれている。

RBSのチーフ中国エコノミストのLouis Kuijs氏は、中国政府がまず採った行動は、どうしたら工場閉鎖を回避できるかを見極め、大規模なレイオフを阻止または延期しようとすることだったと指摘した上で、「こうした対応はいずれ大きな問題になる」と警告した。

(Charlie Zhu記者)


07. 2013年3月27日 17:47:26 : GnRfb4ci8o
アングル:中国都市部に「闇診療所」、戸籍制度が生む格差の連鎖
2013年 03月 27日 17:30 JST  
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[北京 27日 ロイター] 北京の裏道にたたずむ小さな建物。裸電球が1つあるだけの粗末な小屋だが、出稼ぎ労働者のZhang Xuefangさん(29)にとっては大切な「病院」だ。

Zhangさんは北京市民として認められていないため、市内にある政府運営の病院で治療を受けることはできない。また地元と北京は遠く離れており、地元の医療補助金を受け取ることもできない。

このためZhangさんのような数百万人の出稼ぎ労働者は病気になれば、冒頭のような「闇の診療所」に頼らざるを得ないのだ。

この問題の背景には中国独特の戸籍(戸口)制度がある。1958年に制定されたこの制度では、都市部と農村部で戸籍の種類が異なるほか、農村から都市への戸籍の移転が困難となっている。また、都市戸籍を持たない人が都市に移住した場合、基本的な住民サービスが受けられないなどの弊害がある。

中国の新指導部は、都市化や消費主導型の経済成長に向けて戸口制度を改革すると明言。李克強首相も今月、出稼ぎ労働者が平等に医療を受けられるようにする措置を含め、都市部と農村部の格差を是正するための改革を進めると表明している。

ただ、改革についての詳細は明らかになっておらず、出稼ぎ労働者にとって「闇診療所」は今後も頼みの綱であり続けるだろう。

<医療制度の暗部>

「『闇診療所』は中国の医療制度の暗部だ」。北京の首都経済貿易大学のJiao Zhiyong教授はこう指摘する。「出稼ぎ労働者が『闇の診療所』の常連になっているのは、医療制度に欠陥があるからだと言える」。

北京市政府のデータによれば、同政府は2010年以降、毎年約1000カ所もの「闇診療所」を閉鎖してきた。しかしその多くは、閉鎖数日後に元の場所か少し離れたところで営業を再開している。

こうした診療所は無認可で営業を行っており、国内に何カ所あるのか詳しい数字は明らかになっていない。

また、治療を受けた患者が死亡したとの報道もある。1月に複数の新聞が報じたところによれば、福建省からの出稼ぎ労働者が風邪のため北京の診療所で点滴を受けたところ、その数時間後に心停止で死亡したという。

「こんな診療所には行きたくないけれど、大きな病院にはお金がかかる」。冒頭のZhangさんは、政府が運営する北京の病院で普通の風邪で診察を受けたことがあるが、費用は月収の4分の1に当たる800元(約1万2000円)だった。

中国は医療制度改革関連の支出を増やしており、昨年は前年比12%増となる7199億元だった。それでも、人事社会保障省の昨年の統計によれば、出稼ぎ労働者のうち健康保険に加入していたのはわずか2割にとどまっている。

また保険による払い戻しは、一旦支払いを済ませた後になされる上、手続きが複雑化しているため、保険に加入していても大きな病気にかかれば破産の危機に陥るというケースもあるという。

(原文執筆:Hui Li、Ben Blanchard、翻訳:梅川崇、編集:宮井伸明)
 

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08. 2013年3月29日 09:47:11 : GnRfb4ci8o
習近平政権の発足を象徴するような2つの“事件”

理想の公有制に執着した若者と公有制で利益を得た老人

2013年3月29日(金)  北村 豊

 重慶市の象徴とも言える高さ27.5メートルの“解放碑(正式名:“重慶人民解放紀念碑”)”は、市中心部に位置する渝中区の民族路、民権路、鄒容路の交差点にある。解放碑一帯は市内最大の繁華街で、解放碑を取り巻く主要な道路は“歩行街(歩行者天国)”となっている。その解放碑に程近い鄒容路に面した6階建のビル“金鷹財富中心”は1階に世界的ブランド「グッチ(GUCCI)」の中国西南地区の旗艦店があり、ビルの3階部分の外壁にはGUCCIの巨大な文字看板が掲げられている。また、そのすぐ上には文字看板を風雨から守るかのように幅2メートル程の庇(ひさし)が、ビルの外壁に沿って突き出ている。

6階建てのビルで「自殺ショー」

 3月17日の午後3時頃、そのGUCCIの文字看板の上にある庇の上に若い男が不意に現れた。彼は事前に準備した音響設備を庇の上に置くと、マイクを持って鄒容路に面した庇の先端に立ち、下を歩く人々に向かって演説を開始した。GUCCIの文字看板の上方から突然聞こえてきた男の演説調の声に人々が見上げると、庇の上に若い男が立ち、マイクを握って叫んでいる。歩行者天国を散策していた人々は何事かと足を止めて、演説に耳を傾ける。騒ぎを聞きつけた野次馬が次々とこれに加わり、見る間に金鷹財富中心前の路上には黒山のような人だかりが出来た。

 演説を始めた男は眼下の聴衆が増えるにつれて興奮の度合いを強め、その声は絶叫調に変わったが、途切れることなく演説を続けた。その声はスピーカーを通して拡大されてはいたものの、人々の喧騒にかき消されてとぎれとぎれにしか聞こえなかった。そうこうするうちに通報を受けた消防局の救助隊員2人が庇に到着し、男を説得しようと試みた。しかし、男は今にも飛び降りる姿勢を見せ、救助隊員の接近を阻止して演説を続行した。開始から30分間ほどで演説を終えた男は、一呼吸置いてから、急に声を張り上げて革命歌の“国際歌(インターナショナル)”を歌い始めた。そして、歌い終わるや否や、男は十数メートル下の地上を目がけて飛び降りた。興奮していた男には見えなかったが、地上には消防局が救助マットを設置して待ち構えていたので、男の身体は救助マットによって受け止められた。こうして男は待機していた警察官によって取り押さえられ、パトカーで連行されていった。

 以上が重慶飛び降り事件のてん末である。その後に判明したところによれば、男の名前は“張仁健”であり、重慶市に属する“開県”出身の大学生であるという。現場で張仁健の演説を聴いていた人々によれば、彼が演説で述べたのは以下の事項であった。

【1】2012年3月に失脚し、9月に汚職や職権濫用などの容疑で刑事訴追された前重慶市党委員会書記の薄煕来は、現在裁判待ちの状態にある。男は薄煕来を懸命に擁護すると同時に、薄煕来の裁判を公開で行うよう要求した。

【2】薄煕来が市党委員会書記として重慶市を統治したのは、2007年12月から2012年3月までの4年4カ月であったが、この間に薄煕来が提起した重慶の建設目標を列挙して、薄煕来の素晴らしさを強調した。その建設目標とは、「“五個重慶(5つの重慶)”」「民生10条」「“共富12条(共同富裕12条)”」であった。「5つの重慶」とは、(1)健康な重慶、(2)住みやすい重慶、(3)緑の重慶、(4)交通至便な重慶、(5)平安な重慶である。また、「民生10条」は、賃貸住宅の建設、農民の収入増、農民年金の普及、農村留守児童の擁護、農民の都市戸籍化、診療所の建設、零細企業の発展と就業の増大などを意味し、「共同富裕12条」とは、12条からなる重慶市民の所得増を図るための具体的な方針を指す。

【3】“反私有化(私有化反対)”を提起した。今や“中国特色社会主義(中国の特有の社会主義)”を標榜する中国でも、経済発展に伴う私有化は時代の趨勢であり、かつて目標とされた万民平等を理念とする公有制は有名無実な存在となっている。しかしながら、張仁健は自身が信奉する薄煕来が崇拝する毛沢東の時代へ回帰することにより、中国経済は公有制に立ち戻らねばならないと強調したのである。

 要するに、上述した飛び降り事件は、未だに薄煕来を信奉する愚かな若者が、間もなく行われることが予想される薄煕来の裁判に対する援護射撃として「自殺ショー」を演出して見せたもののように思われる。中国の指導者となることに執着した薄煕来は、重慶市党委書記としての地位を利用して大衆迎合型の統治を行い、重慶市の庶民を味方につけることにより、中国全土に「重慶に薄煕来あり」を喧伝させることに成功した。しかし、その代償として、薄煕来失脚後の重慶市に残されたのは、市財政を破綻させるほどに巨額な負債の山であった。その大衆迎合型統治の手段として、薄煕来が重慶市の財政状況を無視して策定、提起したのが、上述の「5つの重慶」「民生10条」「共同富裕12条」であった。張仁健が本当に大学生であるならば、彼は薄煕来に踊らされた哀れなピエロであり、彼の目にはいまだに薄煕来の本性が見えていないということになる。

農民平均の42倍の年収がある村を育てた男

 一方、張仁健が演説で述べたことの中で最も目を引くのは「私有化反対」である。中国が経済発展を遂げて、世界第二の経済大国となった今日、今なお「私有化反対」を唱えることは、正に「歴史の後退」を主張していることにほかならない。ただでさえも、中国には「私有制」の対極にある「公有制」の権化ともいうべき巨大な国有企業が多数あり、中国の資源を占有すると同時に国内市場を独占している。その結果として生み出される利益は、国有企業の経営者およびその幹部職員たちによって配分されるだけで、庶民はその「おこぼれ」にあずかることもなく、ただ収奪されているのが実情である。それが現実の社会主義なのだと言ってしまえば、それだけのことなのだが、恐らく張仁健には薄煕来の詐術によって吹き込まれた理想の公有制しか見えていないのだろう。

 ところで、張仁健による飛び降り事件があった翌日の3月18日に、その公有制と密接な関係を持つ“呉仁宝”という人物が86歳でこの世を去った。日本では全く報じられなかったが、2011年8月に米国ニューヨーク市マンハッタンのタイムズ・スクエアにある広告塔のスクリーンに「“天下第一村(天下第一の村)”」の公告が映し出された。その費用は2カ月間で100万米ドル。その広告主が上海市から北西に約150キロメートルの距離にある江蘇省江陰市華士鎮の“華西村”であり、その華西村の指導者が呉仁宝であった。華西村と言えば、中国一の富裕村として名高く、華西村を訪れる国内外の観光客は年間200万人以上にも及んでいる。その華西村の村長として1960年代から2003年まで48年間もの長きにわたって君臨したのが呉仁宝であった。

 1961年に建設された華西村は典型的な中国の農村であり、人民公社から発展した小さな村落に過ぎなかった。中国では1970年代末か80年代にかけて、自然発生的に村が集団所有する農地の使用権を農家に貸与する形で“土地承包制(土地請負制)”<注1>が流行した。その後、中国政府がこれを正式に承認したため、1984年には中国全土が土地請負制に移行した。しかし、村長の呉仁宝はそうした潮流には動ぜず、「中央政府の政策を理解はするが、自分たちは独自の道を行く」と述べて、華西村は従来通りの土地の集団所有制を貫き、“集体経済”<注2>を維持した。

<注1>「生産請負制」とも言う。農家(個人)が集団から土地を借りて行う請負制農業。

<注2>生産手段の集団所有と労働協力を基礎とする経済形態。

 こうして村人全員が一団となって農作業に従事していたが、やがて郷鎮企業(“郷(村)”や“鎮(町)”に設立された中小企業)を設立したことで大成功を収めた。華西村は1996年に農業部により「全国大型一級郷鎮企業」として認定を受けた。ちなみに、当時の華西村は全村で380世帯、人口は1520人、面積は0.96平方キロメートルであった。

 1996年には20億元に過ぎなかった華西村の経済総量(GRP)は、2003年100億元、2004年220億元、2005年300億元、2006年400億元と倍々ゲームで増大し、2010年には500億元を上回った。一方、2004年における華西村村民の年収が12.26万元であったのに対して、全国の農民の平均年収(純収入)は2936元、都市部住民の平均年収(可処分所得)は9422元であり、華西村の村民の年収は農民平均の42倍、都市部住民平均の13倍であった。

 こうして裕福になった華西村の村民は、今では400〜600平方メートルの住宅に住み、各戸1〜3台の自家用車を所有するという優雅な生活を謳歌し、各家庭の貯蓄額は600万元〜2000万元(約9000万円〜3億円)に達しているという。ただし、これは従来からの華西村の村民に限られた話であり、2010年に華西村が「村」と「企業」とを分離した上で吸収合併した周辺16カ村の村民は含まれていない。ちなみに、この合併により華西村は“大華西村”を形成し、面積が従来の0.96平方キロメートルから30万平方キロメートルに拡大し、人口が1520人から5万人に増大した。

村の私物化以外の何物でもない公有制

 華西村は周辺16カ村との合併に際して「村」と「企業」とを分離したと述べたが、華西村の「企業」とは“全国大型郷鎮企業”として認定されている“西華集団公司”(以下「西華集団」)である。西華集団は、農業、工業、商業、貿易からなる企業であり、全額出資企業と持ち株企業の合計数は104社となっている。2012年末の西華集団の総資産は358.7億元(約5381億円)で、2012年の営業総収入は268億元(約4290億円)に達している。ちなみに、西華集団の企業には、鉄鋼、非鉄金属、紡績、化繊、衣料、発電、物流、海運、不動産、建築、化学工業、旅行、ホテル<注3>、航空、自動車修理などがあり、“華西村”ブランドのタバコや酒まで扱っている。なお、西華集団の株式の約90%は昔からの華西村村民による“集体股(集団所有株式)”であり、その利益は彼らに配分される。

<注3>華西村には、2011年10月に竣工した、高さ328メートル、地上72階、地下2階の“黄金飯店(黄金ホテル)”がある。同ホテルは昔からの村民が各戸1000万元(約1億5000万円)を出資した総額30億元(約450億円)で建設されたもので、その内装は「金ずくめ」で、水道の蛇口まで含めて金一色に染まっている。

 華西村は長年にわたって村長を務めた呉仁宝の才覚によって発展したものと言えるが、その呉仁宝が目指したものは「公有制」に基礎を置く“五統(五つの統一)”であった。“五統”とは、経済の統一管理、労働力の統一配置、福祉の統一支給、村落の統一建設、華西村党委員会による統一指導であり、それは究極の目標である「共同富裕」を実現するための方策であった。その結果として、華西村は共同富裕を実現し、昔からの華西村の村民は、高級な住宅や自動車を無料で支給されているし、光熱費や医療費も無料という優遇を受けている。

 しかしながら、“五統”は華西村の村長であり党委員会の主任でもあった呉仁宝による集権統治を許し、呉仁宝一家の専制体制による独立王国を容認する結果となったのである。現在の華西村は三代にわたる呉仁宝一家22人が村の要職を占拠している。上海の“復旦大学”社会学部教授の“周怡(しゅうい)”の研究結果によれば、呉仁宝の子供5人(4男1女)が運用可能な資金は華西村の総資産の90.7%を占めているという。さらに、ある資料には、華西村の最高機関である党委員会には呉仁宝グループの委員が36人おり、委員総数の72%を占めているとある。なお、2003年に呉仁宝が村長を引退した後は、選挙を経て呉仁宝の4男である“呉協恩”が村長職を引き継いだが、世間では選挙は名目で、実際は世襲と考えられている。また、呉仁宝の孫娘は江陰市副市長の要職にあり、華西村は江陰市政府に対しても大きな影響力を有している。

腐敗撲滅を標榜する習政権下でも発展するのか

 「公有制」を建前とする呉仁宝が「共同富裕」を実現した華西村の実態は、呉仁宝一家による村の私物化以外の何物でもなかった。ある識者は、華西村を「腐敗した専制社会の縮図である」と評したが、村の方針に異論を唱える村民に対して公安警察を使って沈黙させるなど、呉仁宝の華西村統治は正に現行の中国社会の縮図と言えるものであった。呉仁宝は引退後も一家の長として華西村における呉一家の権力維持に精力を費やしていたが、その呉仁宝も肺がんには勝てず85歳で逝去した。

 呉仁宝の死を知った人々の多くは、「華西村は呉仁宝あっての華西村であり、呉仁宝亡き後の華西村は存続が容易でない」と感じている。呉仁宝が華西村を順調に発展させて来たのは、時の権力者に対する付け届けによるものとも言われており、1992年と2000年には李鵬が、1998年には江沢民がそれぞれ華西村を視察している。そうした後ろ盾との関係も呉仁宝亡き後は継続も困難であろうし、腐敗撲滅を標榜する習近平政権の下では、華西村が従来通りの発展を維持できるかは予断を許さない。

 中国では3月17日に全国人民代表大会が閉幕し、習近平政権が正式に発足した。その当日の午後に、私有制反対を唱えた張仁健は投身自殺を企て、翌18日には公有制の建前の下で華西村という独立王国を築いた呉仁宝が肺がんで死亡した。この時間的符合が何を意味するのかは分からないが、筆者には公有制の終わりを告げる弔鐘のように思えるのである。


北村 豊(きたむら ゆたか)

中国鑑測家。1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員

【第122回】 2013年3月29日 姫田小夏 [ジャーナリスト]
反日デモから半年、
日本製品ボイコットは回り回って中国自身に
 昨年9月に発生した反日デモ、そして日本製品のボイコットを旗印にした日本経済への制裁から、半年が経った。積年の日本・日本企業・日本人への恨みが吹き出し、血祭りに上げるかのような中国での異常な騒ぎは、今ではすでに以前の静けさに戻ったかにも思える。

 しかしその一方で、今年1〜2月、日本の対中投資は前年同期比で6.7%減少した。日本の中小企業もどんどんアジアシフトを加速させる動きが顕著になっている。さらに、現地で経済活動を続ける日系企業にとっては、いまだその後遺症を引きずる結果となっている。

 騒動の当時、中国人の間ではこのようなセリフが流行っていた。

「もし中国人が、日本ブランドを1ヵ月間買わなければ、日本企業は数千社が倒産する。半年間買わなければ、日本は人口の半分が失業する。1年間買わなかったら、日本経済は徹底的に瓦解する――」

「中国市場に依存しているのは、むしろ日本経済だ」と、日本の脆弱な足元を見、経済制裁という形で一種の商戦を仕掛けたのである。日本ブランドを駆逐し、国産ブランドを台頭させる――それが世界第2位の経済大国になった中国の挑戦でもあり、過去100年の歴史のなかで連綿と続いた「天敵日本」への恨みを一気に晴らす好機でもあった。

 しかし、果たして彼らの狙い通りになったのだろうか。

日本企業の事業縮小に伴い
泣きを見るのは中国企業と中国人

 今年3月、筆者は上海市長寧区にある中国資本の日本語教室を訪れた。上海の日本語教室といえば、最近まで成長著しい産業のひとつであり、かつてここにも多くの中国人生徒が通っていたが、昨年9月以降、状況は一変していた。経営者は「生徒が激減してしまった」と明かす。

「特に大口顧客を失ったことは痛手。かつて私たちのクライアントは日本企業が大きな割合を占めており、ローカルスタッフの語学研修やマナー研修などを受注していました。しかし、こうした研修は軒並みキャンセルとなっています」と話す。

 現地の日系企業は、人材開発のための予算を縮小させる傾向にあるようで、以前のように積極的に研修を活用するなどの動きが少なくなったのだ。

 予算削減は、人材開発のみにとどまらない。

 2000年代後半に上海に進出したある日本の医療器具メーカーは、上海市の中心部にある販売拠点の増床を計画中だった。しかし、本社から「計画を見直すように」との通知が入る。増床計画のみならず、事業拡大計画もペンディングとなってしまった。ここ1年、事業拡大計画の練り上げに全力投球してきたという担当者は「何のためにここまでやってきたのか」と肩を落としている。

 影響を受けるのは地元の不動産仲介会社だ。多くの日系企業の仲介実績が自慢の某不動産もまた中国資本の企業だが、「これまで売上の大半を占めてきた日系企業の業容拡大に伴う社屋移転は、もはや期待できなくなりました」という。

 さて、上海では事業を縮小する日系企業が少なくないが、それに反比例するかのように、法律事務所の職員は多忙な日々が続いている。

「毎日、深夜0時を過ぎる残業が続いています」と打ち明けるのは、法律事務所の管理職だ。この半年間、案件の大半は“日系企業の整理縮小”だという。もっと具体的に言えば、解雇に反発して過激な行動に出る社員を“なだめること”だというのだ。

「上海を中心とした華東地区の日系企業は、事業縮小や雇用削減をかけるところが少なくありません。整理解雇の対象になった中国人社員が大暴れし、それを抑え込むのに企業も事務所も必死です」とこの管理職は語る。

 他方、中国では人気ブランドとして著しい成長を遂げていた大手メーカーは、反日デモ以降の業績が急激に落ち込んだ。そのため、恒例の“春節前ボーナス”は無配となり、春節を前後に発表するはずの昇給も昇級人事も一切できなかったという。

もはや切り離しては考えられない
日系企業と中国社会

 業績が低迷する日系企業は、今後、求心力を失うことも懸念され、多くの人材を失いかねない。

 もともと家電製品などはここ数年、韓国勢に押され気味で、日本ブランドは80〜90年代にあったような栄光を失いつつあったが、反日デモの影響を受け、中国市場における日系企業のさらなる失速は免れ得ない。

 他方、日本企業の中国市場に対するマインドを冷え込ませ、また将来性に対する期待を失った日本企業は、チャイナリスクをヘッジするために、新たな拠点を求めてシフトを始めている。

 そういう意味では、中国の狙い通り「日本企業への攻撃」は成功したかもしれないし、「日本ブランドの中国市場からの駆逐」のきっかけにはなった。しかし、損失を被るのは日本経済にとどまらない。上述したように、昨今の日系企業の動向には、中国資本の企業や中国人の生活も無関係ではいられないことが証明された。

 例えば、解雇を嫌がり大暴れする中国人が存在するということは、この景気の悪い中国で「簡単には次の就職先が見つからない」ことの裏返しでもある。

 しかも、日本企業では「そこそこ真面目にやっていれば」生活は安定する。競争の激しい欧米企業、いつ倒産するかわからない中国企業とはまるで異なる居心地の良さがある。暴れるのも無理はないのだ。

 俗に、中国に進出する日系企業は2万社とも言われる。200万人に及ぶ中国人の雇用を創出し、間接的に日系企業の経済活動の恩恵に預かっている人口は900万人だとも言われている。日本企業が事業に縮小をかける今、彼らもまた危機にさらされていることを意味する。

中国ブランドは日本ブランドに
取って替われるか

 2012年9月10日、日本政府(野田内閣)が、埼玉県在住の地権者から、魚釣島ほか2島を20億5000万円で購入し、それを国有化することを決定。翌11日に国への所有権移転登記を完了させると、16日には北京、上海、杭州などの中国85都市で反日デモが発生した。

 当時のスローガンは「抵制日貨」。日本製品のボイコットは全国に吹き荒れ、日本ブランドの自動車が破壊され、日系のショッピングセンターが略奪を受ける憂き目にあった。

 あのとき、頭に血がのぼり日本への経済制裁に熱くなった市井の人々も、今では「日本ブランドか、国産ブランドか」の違いにはこだわらなくなった。日本から進出したコンビニエンスストアは相変わらず客が出入りし、寿司もおにぎりも売れている。

 過去100年近い歴史の中で、中国は何度も日本製品のボイコットを繰り返してきた。そこには、主に2つの目的が存在した。ひとつは日本経済へ打撃を与えることであり、ひとつはこれをきっかけにした民族工業の発展であった。その根底にあるのは、日本・日本企業・日本人に対する、恨み骨髄の怨念である。

 昨年の尖閣問題を発端に起きた日本製品ボイコットによる経済制裁は、世界の経済大国2位になった中国が自信満々で仕掛けた「商戦」でもあった。しかし、だからといって中国ブランドが天下を取ったわけではなかった。

 2012年9月の日系自動車の販売台数は、前年同月比で3割近く減ったが、その分消費者が国産ブランドの「吉利」や「奇瑞」になびいたわけではなかった。売り上げを伸ばしたのは欧米系や韓国の自動車メーカーであり、日本ブランドを拒否したところで、消費者は国産車を買わないのだ。

 同じことがデジタルカメラにも言える。日本製品ボイコットというスローガンを受けて、はたしてどれだけの人が国産ブランドの「明基」や「愛国者」に飛びついただろうか。

 日本製品ボイコットをいくら叫んだところで、それに取って替わる国産ブランドが育っていないことには、「商戦」にすらなり得ないというわけだ。

 グローバルな経済活動において、何が純粋な日本ブランドで何が中国製なのかもわからなくなったように、どこまでが敵対する日本経済で、どこまで民族経済なのかという線引きすらも難しくなっている。

 中国で売れ行きが落ち込む日系車の内部には、中国製部品が無数に使用されている。そしてその部品の多くは“現地調達”である。つまり、中国資本の下請けや孫請けである多数の部品工場と、そこに多数の中国人従業員が存在していることを意味する。

 中国がエネルギーを注ぐべきは、日本ブランド打倒ではない。一刻も早く“国民に支持され、信用される”国産ブランドを打ち立てることだ。まさにこれは国家100年の計だといえるだろう。それが実現しない限り、また日本へのコンプレックスに火がつく可能性は高い。

 さて、日中関係の雪解けが見えないなかでも、中国の地方都市ではそれでも日本との交流に期待を寄せるところがある。

 互いに背を向け合う二国間の政治関係と、それでも「合作」を求める経済関係。興味深いのは、中国側は「両国間の関係は危険な状況にある」という前提に立ちながらも、日本企業を誘致しようとしている点だ。

 そんな危険な状況であることをわかっていながら、日本企業を誘致しようとするのは、単に「金だけ」の関係という極端な割り切りがあるためだろうか。そうでもしないと財政基盤が危ういなど、かなり差し迫った状況にあるためだろうか。

 最近、中国で報道される尖閣がらみのニュースはめっきり減った。その一方で、プリツカー建築賞を受賞した伊東豊雄さんの紹介記事が、地元新聞の文化欄で2面を占めて紹介された。また、映画監督の河瀬直美さんの取り組みを紹介する記事もあった。日本のいいところはいい、学ぶところは学ぶ、そんな空気も回復してきたようだ。日中関係は最悪期を脱したかのようでもある。

 だが、楽観はできない。歴史的怨念の上に顔色を見ながらの中国ビジネス展開――日系企業の、その薄氷を踏むかのような中国ビジネスは、おそらく今後もその本質を変えることはないからだ。
http://diamond.jp/articles/print/33951


09. 2013年4月04日 12:16:42 : xEBOc6ttRg
中国経済が転倒しかねない理由
日本も経験した減速、低成長モデルへの移行を管理できるか

2013年04月04日(Thu) Financial Times
(2013年4月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 今後10年間で中国の経済成長は鈍化する。恐らく急減速するだろう――。これは意地の悪い部外者の見解ではない。中国政府自身の見解である。問題は、この成長の鈍化がスムーズに進むのか、それとも急激になされるのか、だ。その答えは、中国自身の将来のみならず、世界の大部分の将来をも左右する。

 中国の公式見解が公表されたのは、中国国務院発展研究センター(DRC)が影響力のある外国人と中国政府高官を一堂に会して先月開催した中国開発フォーラムでのことだった。ここで配布された背景説明書の1つに、DRCのエコノミストたちによる論文「今後10年間の見通し:潜在成長率の低下と新たな成長局面の始まり」が含まれていたのだ。

 これによると、2000年から2010年にかけて年10%を超えていた中国の経済成長率は、2018年から2022年にかけては年6.5%にとどまる。この成長の減速は、2010年第2四半期以降の成長率低下とも符合するという。

「中所得国の罠」か「自然着陸」か


中国の政府自身が大幅な成長減速を予想している(写真は上海のビジネス街)〔AFPBB News〕

 論文では、この減速の理由は2つ考えられるとしている。具体的には、中国が「中所得国の罠」という産業発展の中断状態に陥っているか、先進国に追いつき始める時に生じる「ナチュラルランディング(自然着陸)」に対処しているかのどちらかだという。

 後者のシナリオは、1970年代の日本と1990年代の韓国で実現している。10%の経済成長を35年間続けてきた中国にも、ついにその時がやってきたというわけだ。

 成長鈍化の見立てが正しそうだと論文の執筆者たちが考える理由は以下の通りだ。第1に、インフラ投資の潜在的な可能性は「著しく低下」している。中国の固定資産投資に占めるインフラ投資の割合は、過去10年間で30%から20%に縮小した。

 第2に、資産のリターンが低下し、過剰設備が増大している。限界資本係数(ICOR)――1単位の投資がどの程度の経済成長をもたらすかという尺度――は2011年に4.6という1992年以降で最も高い水準に達したが、現在では同じ1単位の投資をしてもこれほどの成長は実現しなくなっている。

 第3に、労働供給の伸び率が急速に低下している。第4に、都市化はまだ進行中だが、そのペースは鈍化している。第5に、地方政府の財政や不動産分野でリスクが増大している。

 これだけの理由が揃った以上、低成長への移行は始まったと考えてよい、と論文の執筆者たちは考えており、今後の見通しを経済モデルを使ってより厳格に分析している。そこで得られた結果のうち最も人目を引くのは、長らく続いたトレンドの転換だ。

 中国では2011年、国内総生産(GDP)に占める投資(固定資本形成)の割合が49%にまで高まったが、2022年にはこれが42%に低下すると予想されている。一方、GDPに占める消費の割合は48%から2022年には56%に高まると見込まれている。

 また、GDPに占める工業の割合も45%から40%に縮小し、サービス業の割合が45%から55%に急拡大するという。投資主導ではなく、消費主導の経済になるというわけだ。供給サイドでは、投資の減速に伴う資本ストックの伸びの鈍化が経済成長減速の最大の要因になっている。

楽観的な見方もできるが・・・

 経済成長の減速が間近に迫っているという見方は、まずまず妥当だと思われる。しかし、もっと楽観的な見通しを示すこともできるだろう。

 米国の調査機関コンファレンス・ボードのデータによれば、現在の中国の1人当たりGDP(購買力平価ベース)は1966年の日本や1988年の韓国のそれと同じだ。この水準から日本は7年間、そして韓国は9年間も超高速な成長を続けた。

 また、先進国にどの程度追いついたかを示す指標の1つとして米国の水準に対する比率を計算すると、現在の中国は1950年の日本や1982年の韓国と同じ状況にあることが分かる。これなら、中国の成長余地はさらに膨らむことになる。中国の1人当たりGDPは、米国の5分の1の水準を超えたばかりで、伸びしろはまだかなりありそうだ。

 だが、この楽観的な見方を否定する根拠もある。中国は日本と比べても、ケタ違いに大きい。だとすると、特に世界経済の中に見いだせるチャンスは相対的に小さいはずだ。さらに、温家宝前首相がよく述べていたように、中国の経済成長は「バランスと協調を欠き、持続不能」だった。この見方は多くの面で正しい。

 しかし最も重大なのは、中国の成長が、生産能力拡大の源泉としてだけでなく需要の源泉としても投資に依存してきたことだ。投資に対するリターンは最終的に消費拡大に左右されるため、一貫して上昇する投資率は持続不能だ。

中国が直面する3つのリスク

 ここで浮上するのが、それよりはるかに悲観的な見方だ。日本の経験が示したように、高投資・高成長経済から低投資・低成長経済への移行をうまく管理することは極めて困難だ。筆者は少なくとも3つのリスクを想像できる。

 第1に、予想される成長率が10%超から例えば6%に低下したら、必要となる生産資本への投資率は劇的に下がる。一定したICORに基づけば、投資率はGDP比50%から例えば同30%に低下するだろう。進展が早ければ、投資の落ち込みはそれだけで恐慌を引き起こす。

 第2に、信用の急拡大は、不動産投資をはじめ限界収益が低下していく投資への依存を伴っていた。こうした理由から、成長率の低下は不良債権の増加を意味する可能性が高い。過去の成長が続くとの前提に立って行われた投資では特に不良債権が増えるだろう。

 中国の金融システム、中でも急拡大している「影の銀行システム」の脆弱性は急激に高まりかねない。

 第3に、家計貯蓄率の低下を見込む理由がほとんど存在しない以上、予想されている対投資での消費拡大を維持するためには、国営企業を含む企業部門から家計部門への同規模の所得移転が必要になる。これは実現可能だ。労働力不足の拡大と金利の上昇は所得移転を円滑にもたらすかもしれない。

 だが、たとえそうなったとしても、その結果生じる企業収益の減少が投資の激減を加速させるという明白なリスクがある。

日本と同じ運命を避けられるか

 政府の計画は、言うまでもなく、より均衡が取れていて成長率が低い経済への移行を円滑に進めることだ。これは決して不可能ではない。政府は必要な手段をすべて持っている。さらに、経済は依然大きな可能性を秘めている。だが、投資崩壊と金融混乱を招かずに成長率低下を管理することは、どんな一般均衡モデルが示唆するよりもはるかに困難だ。

 長年にわたり最高のパフォーマンスを見せたが、必然的に訪れる減速をうまく管理できなかった経済国は簡単に思い浮かぶ。日本がその一例だ。中国は今なお絶大な潜在成長力があることもあり、その運命を避けられるはずだ。

 だが、事故が起きる可能性は高い。1つの偶発的な事故が中国の台頭を完全に止めてしまうとは思わない。だが、向こう10年間は過去10年間よりもずっと厳しい時期になるだろう。


 


 


2013年4月4日 橘玲
[橘玲の世界投資見聞録]中国経済を待ち受ける「人口オーナス」の衝撃
 すでに大手メディアも報じはじめたように、中国経済の減速がはっきりしてきた。もちろんどのような国も、年率10%を超えるような高度成長を何十年も続けることができるはずはないから、市場の成熟にともなってGDPの伸び率が鈍化してくるのは自然だ。
 中国は改革開放政策の成功により、短期間で米国に次ぐ世界2位の“経済大国”の座に上り詰めた。だが中国には、「社会主義市場経済」という、他の先進諸国とは大きく異なる特徴がある。
 2007年の世界金融危機の後、中国は4兆元にものぼる大規模な公共事業投資を行ない、グローバル市場の崩壊を救ったとされた。その一方で、アメリカやヨーロッパの“決められない政治”の弊害が誰に目にも明らかになったことから、デモクラシーと自由市場の組み合わせよりも、強力な政府が積極的な成長促進政策を行なう「管理された自由経済」の方が優れているという「北京コンセンサス」が唱えられたりもした。
 しかし、米国の株価が史上最高値を更新し、(ギリシア、スペイン、イタリアなどが連鎖的に財政破綻する)ユーロ崩壊の懸念が遠のくと、もはや中国国内の学者以外に「北京コンセンサス」を口にする専門家はいなくなった。習近平国家主席への権力移譲を機に、経済成長の陰に隠されてきたさまざまな矛盾が浮き彫りになってきたからだ。

「管理された自由経済」がすぐれているという「北京コンセンサス」を言う専門家はもはやいない  天安門広場 (Photo:©Alt Invest Com)
 ここでは、今後2〜3年の中国経済を考えるうえで重要となる「人口ボーナス」と「人口オーナス」についてかんたんにまとめてみたい。

人口経済学の考え方
 経済成長が生産年齢人口に大きく影響されるという理論は、ベストセラーとなった藻谷浩介氏の『デフレの正体』(角川oneテーマ21)で広く知られることになった。この本については「インフレやデフレは貨幣現象で人口動態とは無関係」との批判もなされたが、そうしたマクロ経済学的な議論を脇に置いておけば、藻谷氏の主張は1990年代後半から注目されるようになった(人口と経済の相互関係を研究する)人口経済学とほぼ同じだ。
 アジアの人口変化と経済発展を専門とする大泉啓一郎氏は、『老いてゆくアジア』(中公新書)などで、1990年代以降の「東アジアの奇跡」を人口ボーナスで説明している。
 人口ボーナスというのは、人口がとめどもなく増えていく人口爆発のことではない。
 かつての日本を含め、低開発国はどこも多産多死で、10人ちかい兄弟姉妹がいることも珍しくなかった。平均寿命も短いから、末子が成人する前に両親は死んでしまい、長兄(長姉)が親代わりに弟妹を育てることが当たり前だった。
 その後、医療の普及や衛生状態の改善で乳幼児の死亡率が下がると、多産多死から多産少死になって若年人口が大きく増える。だがこうした多産少死が定着すれば人口は膨張するから、政府は家族計画や一人っ子政策で子どもの数を減らそうとする。また産業構造が農業から工業・サービス業に変わり、家計所得が増えて自由な生活が可能になるとともに、子育ての教育費負担が重くなると、成人した若者たちは両親の世代ほど多くの子どもを持とうとはしなくなるだろう。このように、多産少死は少産少死へと移行していく。
日本の高度成長は人口ボーナスの恩恵
 人口ボーナスは多産少死から少産少死へと人口動態が変化する時期のことで、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の増加として表わされる。それがなぜ景気と関係するのか、日本のベビーブーマー(団塊の世代)を例にとって考えてみよう。
 第二次世界大戦後に生まれた団塊の世代は、二重の意味で人口の負荷から解放されていた。
 親の世代の多くは戦争で死に、平均寿命も長くはなかったから、高齢者の生活を支えるコストは無視できるほど小さかった。それと同時に出生率が劇的に下がったから、子どもを扶養する費用は、(1人あたりの子育てコストは増えたとしても)社会全体では大幅に軽減された。
 このような二重の幸運に恵まれた団塊の世代が30代から40代の社会の中核になると、高齢者世代と子ども世代の扶養コストが低い分だけ可処分所得が増え、それを消費に振り向けたり、貯蓄を頭金に住宅ローンを組んでマイホームを購入したりできるようになった。
 一国の人口構成上、負担の少ない世代が社会経済の中心になることで、消費が増大して好景気になり、住宅需要で地価が上昇する。この好循環によって、1960年代から70年代にかけての高度経済成長は実現されたのだ。
人口ボーナスの後に来る「人口オーナス」
 日本は敗戦後にアメリカの占領下で経済の復興を成し遂げたから、アジアの国々のなかではもっとも早く人口ボーナスを享受することになったが、その分だけ人口ボーナスが終わるのも早かった。
 団塊の世代がリタイアするようになると、若者よりも高齢者の数が多くなる逆ピラミッド型の人口構成になる。そうなれば、働き手1人当たりの社会的な負担は重くなって可処分所得は減り、そのうえ将来の増税や社会保障の削減を見越して消費を控えるから景気が悪くなる。人口が減れば必要な住宅の数も少なくなって、都心など一部を除けば地価も下落するだろう。このように人口構成が経済成長の重荷になった状態を「人口オーナス(負荷)」という。
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 長期的に見れば、人口ボーナスというのは需要の先食い(前借り)であり、人口オーナスでその儲けを吐き出すことになる。
『老いてゆくアジア』で大泉氏は、日本の高度経済成長が人口ボーナスで説明できるように、90年代以降の「失われた20年」は人口オーナスで説明可能だとしたうえで、東アジアの国々でも、いまや遅れてきた人口ボーナスが終わりつつあると述べる。
 人口ボーナスの時期にちがいがある理由は、それぞれの国の現代史を見ればすぐにわかる。韓国は朝鮮戦争が、中国は膨大な餓死者を出した大躍進政策と文化大革命が、ベトナムはアメリカとの長い戦いがあって、本格的なベビーブームの時期が日本よりもずっと遅れたからだ。
「アジア四小龍」と呼ばれた韓国、台湾、香港、シンガポールは日本からほぼ20年遅れて人口ボーナスが始まり、80年代に「東アジアの奇跡」を起こしたが、これらの国の出生率は日本よりも低く高齢化が急速に進んでおり、この1〜2年で人口オーナスの時期に入ることになる。
 文化大革命後にベビーブームの起きた中国は日本からほぼ30年遅れて人口ボーナスが始まり、90年代からの改革解放による爆発的な経済成長につながった。中国の成長が他のアジア諸国を圧倒したのは、多産少子から少産少死への移行から生じる人口ボーナスとともに、農村から沿海部の都市への労働人口の大規模な移動が生産年齢人口の急増をもたらし、人口ボーナスにレバレッジをかけたからだ。
目覚ましい発展を遂げた上海。人口ボーナスが最大限に寄与した。 上海・浦東の高層ビル街  (Photo:©Alt Invest Com)
 しかしその中国も、一人っ子政策などの影響で少子高齢化が進むのも早く、2010年代からは人口ボーナスの効果はほとんどなくなり、早晩、人口オーナスの停滞期を迎えることになる。
生産人口比と不動産バブル
 もちろん、こうした悲観的な見方への反論もある。たとえば経済学者の吉川洋氏は『デフレーション』(日本経済新聞社)のなかで、経済成長は生産年齢人口ではなく労働生産性の上昇で決まるとして“人口決定論”を批判する。
 1913年を基点にすると、日本の実質GDPは35倍に増えたのに対し人口は2倍程度にしかなっていない。戦後の高度成長期(1955〜70年)には実質GDPは平均年率10%成長したが、この時期の労働力人口の増加率は年率1%に過ぎない。残りの年率9%は労働生産性の上昇(資本ストックの増加と技術進歩)によってもたらされたのだ。
 また吉川氏は、「ライフサイクルの理論」によれば高齢化で社会全体の家計貯蓄率は下がる(リタイアした高齢者は貯金を取り崩して生活費の足しにする)のだから、消費性向は逆に上がることになるという。だとすれば、「高齢化によってマクロの需要が減退する」という仮説にはなんの根拠もない。
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ところで、日本の「失われた20年」はイノベーションの不足だとする吉川氏に対して、経済学者で日銀副総裁を務めた西村清彦氏は、アジアだけでなく、アメリカのサブプライム・バブル崩壊も、ヨーロッパの不動産バブル崩壊も、すべては[人口動態の変化という長期の「波」の上で踊られた「ダンス」]だと述べている(「アジアの視点を踏まえたマクロ・プルーデンス政策の枠組み」〈アジア開発銀行研究所・金融庁共催コンファレンス〉)。
 生産人口比(生産年齢人口・非生産年齢人口比率)は、子どもや高齢者など自力では労働市場から富を獲得できないひとを何人の働き手で支えているかの比率で、生産人口比が増加するのが人口ボーナス、減少するのが人口オーナスにあたる。
 西村氏によれば、各国のデータを比較検討すると、生産人口比が上昇するにつれて不動産価格が上がってバブルが大きくなり、生産人口比のピーク(人口ボーナスの頂点)を過ぎるとバブルが崩壊する傾向がはっきりと表われている。
 日本の生産人口比が最大(約2.3)になったのはバブル崩壊の年の1990年。アメリカは2007年(生産人口比約2.0)で、サブプライム・バブルが崩壊した年だ。
 ヨーロッパに目を転じると、ギリシアとポルトガルの転換点は2000年、アイルランドとスペインの転換点は2005年で、いずれも不動産バブル崩壊が起きている。
 西村氏の見方が正しいとすれば、生産人口比が下がり続ける日本ではもはや不動産バブルは起こらず、遅れてきたバブルで賑わう国も、生産人口比を見れば崩壊の時期をある程度予測できる。
2100年には中国の人口は4.6億人に減少!?
 周知のように、中国では現在、従来の経済常識を超えた不動産価格の上昇が起きている。これは「人類史上最大のバブル」と呼ばれるが、その一方で、中国の膨大な人口と驚異的な経済成長率(および中国共産党の賢明な経済政策)を考慮すれば、いずれひとびとの所得が不動産価格に追いついてバブルは崩壊せずソフトランディングできるとの意見もある。
 通商産業省(現経済産業省)の中国担当から現代中国研究家となった津上俊哉氏は、近著『中国台頭の終焉』(日経プレミアシリーズ)のなかで、2012年夏にその詳細が公表された第6次人口普通調査(2010年の人口センサス)をもとに、中国の人口問題は巷間いわれているよりもはるかに深刻だと指摘している。
「人口増は悪だ」という一人っ子政策を長く続けた結果、中国の出生率(合計特殊出生率)は1.18と、日本の1.39を下回る低さになっている。さらに都市部では北京市が0.71、上海市が0.74で、天津までの下位6省市が1.0以下という驚くべき数字が出ている。中国国内の学者・専門家のなかには、「このままでは2100年には人口が3分の1、約4.6億人に減ってしまう」との声もあるという。
 この最新データによれば、中国の生産年齢人口は2013年の10億人をピークに減少に転じる。全人口に対する生産年齢人口の比率はすでに2010年の74.5%をピークに減少に転じている。
 日本は1995年に生産年齢人口がピークアウトしてから人口オーナスの影響を受けはじめ、総人口が減少に転じた2008年頃からその影響が深刻化した。これと同じ経路をたどるとするならば、中国でも生産年齢人口の減少によってすでに人口オーナスは始まっており、2020年頃にはその影響がはっきりしはじめ、総人口が減少に転じる2020年代には成長を続けるのが難しくなる可能性があると津上氏は指摘する。
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 農村と都市部の格差(というか差別)など、中国は多くの深刻な社会矛盾を抱えている。年金や医療保険がほとんど整備されないまま「未富先老(ゆたかになる前の高齢化)」が始まるなら、13億人の巨大な社会は大きな混乱に見舞われ、世界経済(とりわけ日本や東南アジアの経済)にとてつもない衝撃を与えることになるだろう。
「人口経済学」の仮説が妥当なのか、たんなる偶然なのかは、中国の不動産バブルの行方が教えてくれる。私たちは、おそらくこの2〜3年でその結果を知ることができるはずだ。

上海で出稼ぎをする農民工。都市住民とは戸籍も社会保障もちがう (Photo:©Alt Invest Com)

 
http://diamond.jp/articles/-/34097?page=5

 

 


【第20回】 2013年4月4日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
インターネットには、新しい中国が出現しつつある

 この連載でわれわれが進めてきた中国語の学習方法は、基本的にインターネットに依存するものであった。それは、中国のインターネット・サイトがかなり充実してきたために、可能になったものである。10年前であれば、こうした方法での学習は進められなかったろう。以下で見るように、インターネットの世界には、新しい中国が出現している。

中国のインターネットは、「リープ・フロッグ」

 中国の政府系機関である中国インターネット情報センター(CNNIC)が1月15日に発表した報告書によると、2012年末における中国のインターネット利用者は、5億6400万人に上った。これは、世界1位だ。

 第2位のアメリカが2億5000万人程度、第3位の日本が1億人弱であることと比べて、圧倒的に多い。

 普及率は、42.1%になった。地域別に見ると、都市部が72.4%に対し、農村部では27.6%に留まっている。

 中国のインターネットユーザー数が世界最大となったのは2007年のことであったが、その後も成長が続いているわけだ。全体としての普及率が5割に至らず、しかも総人口が多いのだから、今後も大きな成長の潜在力を持っていることになる。

 なお、中国の場合には、携帯電話からの利用者が全体の74.5%と、きわめて高い比率を占めている。

 中国における情報通信メディアは、「リープ・フロッグ現象」を起こしていると考えることができる。「リープ・フロッグ」(蛙飛び)とは、遅れて発展した国が、先に発展していた国よりも、新しい技術の恩恵を受けることだ。イギリスより遅れて産業革命を実現したドイツが、蒸気機関の時代を経ずに電気を利用できたことが、その例だ。

 中国は、固定電話の時代を経ずに、直接に携帯電話の時代に入った。

 メディアについても、中国は、新聞、雑誌、書籍などの印刷物を飛び越えてインターネットの時代に入ったと考えることができる。国土が広いことも、印刷物に比較した場合のインターネットの有利性を高めているだろう。

 新聞発行部数を見ると、2010年において、中国が1億1078万部に対して、日本が5043万部だ(なお、アメリカは4857万部)。インターネット利用者数では中国は日本の5倍以上であるのに対して、新聞では約2倍にしかなっていない。人口1人あたりで言えば、中国は日本の5分の1程度でしかない。これを見ても、中国がインターネットに偏っていることが分かる。

 中国は選挙のない独裁国家であるため、政治的な不満や政府批判の情報がインターネット上に現われる。このため、政府は、インターネット上の情報を統制し、管理を強化している。第1に、国外のサイトに対するアクセスがブロックされる。また、国内のサイトに対しては、「金盾工程」(金盾プロジェクト)と呼ばれる検閲活動を行なっている。

 こうした検閲があるため、グーグル撤退などの問題が生じた。また、他の国には進出しているアメリカのIT関連サービス企業が中国に進出できないなどの問題もある。外国企業が進出しても、商慣習の違いなどさまざまな理由によって、撤退を余儀なくされる場合もある。実際、楽天もヤフーも、2012年5月に相次いで中国から撤退した。

 中国におけるインターネット利用率の高さを考えると、最終消費財を中国で販売しようとする外国企業は、新浪微博などのブログサービスに無関心ではいられない(日本でもすでに、ユニクロなどの企業や地方公共団体などが、利用している)。しかし、政府による情報統制が将来の中国消費財市場へのアクセスに対する重大な障害にならないか、という懸念も生じる。

中国のインターネット関連企業

 上で述べたように、外国の企業が中国でのインターネット関連事業に参入しにくい状況であるため、アメリカで提供されているサービスにほぼ対応したものが、中国のIT企業によって提供されている。

・検索エンジンでは、「百度」(バイドゥ)がある。これは、グーグルに対応したものだ。
・動画共有サイトでは、「優酷網」(ヨウク)がある。これは、YouTubeに対応したものだ。
・ネット通販では「淘宝網」(タオバオ)が、企業向けECサイトでは「阿里巴巴」(アリババ)がある。
・中国独自のサービスを提供する企業もある。「騰訊」(テンセント)がフリーウェアとして提供しているインスタントメッセンジャー「QQ」は、中国語圏の人々のためのチャットソフトだ。これで膨大な会員プラットフォームを作り、ゲームなどの各種有料サービスに誘導する。
・この他に、次項で見るポータルサイトがある。

 中国の経済は、銀行、通信、鉄道、石油、エネルギー関連、自動車製造などの基幹産業では、いまだに国有企業によって支配されている。しかし、インターネットサービスでは、上に見たような新しい企業が登場しているのだ。こうした企業は、新しい中国経済を形成していくだろう。

 それに対して日本では、楽天以外に目立ったIT企業が成長していない。本来であれば、「漢字」という共通の文化基盤を持つのだから、日本で成長したIT企業が、中国に進出してもよかったはずだ。そうした企業を生み出せなかったのが、日本経済の基本的な問題だ。

ミニブログが作り出した「微博現象」

 中国の三大ポータルサイトと言われるのは、「新浪」(シナ)、「網易」(ワンイー)」、「捜狐」(ソーフー)だ。

「新浪」は、上海市に本社がある中国最大手のメディア運営会社であり、中国最大の広告会社である新浪公司が運営するポータルサイトだ。TwitterやFacebookなど外国企業が提供するSNSが中国政府によって遮断された直後、2009年8月に発足した。2012年3月時点で3億人を超えるユーザーがいると言われる。

「新浪微博」(シナウェイボー)は、新浪が提供するミニブログサイトだ。中国版Twitterとも言われる。中国のミニブログユーザーの57%、投稿数の87%を占める。

 また、中国有数のIT企業である「騰訊公司」の「騰訊微博」も、2億人以上のユーザーが利用する。

 こうしたミニブログの急拡大によって、「微博現象」と言われるものが生じている。

 2011年7月、温州で高速鉄道の追突事件が起きたとき、メディアが報道する前に、住民が事故現場を携帯電話などで撮影した写真が微博に投稿された。書き込みが爆発的に増え、情報が一気に広がった。政府当局は当初、事故を隠ぺいしようとしたが、書き込みが多過ぎて、削除できなかった。温家宝首相が事故現場を訪れるという異例の事態になったのは、こうした背景によると言われる。

 2012年4月には、「老酸奶事件」があった。「老酸奶」とは、昔からある固形状のヨーグルトだが、CCTV(中央TV)の有名司会者が、「老酸奶は食べない方がいい」と自分の微博で発信したところ、大きな反響を呼んだ。その後「老酸奶」に工業用の凝固剤が使われているという情報が発覚し、中国全国各地で「老酸奶」の販売量が激減した。

 2012年2月から3月にかけて起きた薄熙来事件では、微博はさらに劇的で重大な役割を果たした。薄熙来のかつての腹心、王立軍がアメリカ領事館に逃げ込んだとの情報や、北京に移送されたとの情報が、ほぼリアルタイムで微博に流れた。当局による猛烈な削除と書き込み者の拘束にもかかわらず、情報は止まらなかった。中南海で起こっている共産党内部の権力闘争が、きわめて正確な形で、しかも時間遅れなしに、流出してしまうのだ。政府高官も、ネット情報に敏感にならざるをえなくなった。

 この事件以来、「政府高官は、朝起きると微博で自分の名前を検索し、なければ安心して他の人の名を調べる」などと言われる。

 このように、インターネットは中国で新たな時代を作り出している。情報を調べる立場から言えば、中国の実態を知るには、新聞より微博を見ていたほうがいいとすら言える。ただし、そのためには、中国語が読めなければならない。

 なお、インターネットは、中国語では、「互联网」である。「网际网路」、「因特网」、「英特网」という言葉も使われる。

「上网」は、インターネットを使うこと。「网络」がネット。「网络用戸」は、インターネットユーザーだ。中国版ウイキペディアに「互联网」という項目があるので、ここを見れば、関連の中国語を知ることができる。

中国の不動産事情を解説動画で見る

 新浪のサイトで、経済関係のニュースは、「新浪财经」にある。これだけ豊富な経済情勢を提供しているサイトは、日本では見当たらない。「新浪财经」の中の「财经视频」には、経済関係の動画が多数ある。

 その中のhttp://bj.house.sina.com.cn/では、不動産関係の非常に大量の情報が提供されている。

 そのなかにある「解码财商:中国人的房地产情结」という動画は、中国の不動産価格についての解説だ。全部で22分間ある。字幕もある。

 文字をコピーできないので、じっくりと見たり辞書を引いて言葉の意味を調べたりするには、やや不便だ。しかし、個々の文章は短いので、一時停止し、繰り返し聞けばよい。

 口語は文章の構造が簡単なので、専門用語を知っていれば、文章で読むよりわかりやすい場合もある。

 住宅団地の動画などもあるので、中国の住宅事情がよく分かる。現象面の説明だけであって分析はないが、中国の不動産の現状を知るには適切な情報源だ。2012年に住宅価格の所得比が12.07になったこと、大都市では25.25になったことなどが説明されている。

 なお、この動画はごく最近(3月28日)アップされたものなので、当分は見られるだろう。しかし、いつまで掲載されているかは分からない。

 なお、「捜狐」にも、経済関係の動画がある。これも字幕がついたものだ。

小学生向けの詩を暗記

 前回、小学生向けの動画サイト「61flash」で、中国語を「聞く」練習をした。

 子どもでも簡単に操作できるようになっているので、小学生が文字などを学ぶことができる。絵本も読める。テレビを見るよりはずっとよいだろう。

 このようなサイトは、日本には見当たらない。ただ、こういうものが出てくると、絵本は売れなくなってしまうかもしれない。

 字幕もあるし、ゆっくり読んでくれるので、外国人が中国語を学ぶには適当だ。

 前回は少し長めのものを紹介したが、ここでは、「影子」という短い詩を読むことにしよう。

http://www.61flash.com/swf.htm?gamepath=http://img.61flash.com/20101125//flash/at200712915564726589.swf&gamename=%BF%CE%CE%C49%20%D3%B0%D7%D3
http://www.61flash.com/flash/4260.htm

(原文)
第九課 影子
影子在前、影子在后、影子常常跟着我、就像一条少K狗。
影子在左、影子在右、影子常常陪着我、它是我的好盟友。

(翻訳)
第九課 影
影は前にある。影は後ろにある。影はいつも私にくっついている。細長い小さな黒犬のようだ。
影は左にある。影は右にある。影はいつも私の伴をする。それは、私のよい友達。

 簡単な文章で、しかもリズミカルなので、聞いていて気持ちがよい(小さな女の子が可愛い声で朗読している)。

 高校で習った漢詩の中国語での読み上げを聞くと、のんびりしすぎていて我々には合わない。この詩は現代的なリズム感にマッチしている。文章の意味も、わざわざ訳すまでもなく、分かる。日本語にないのは、跟(くっつく)くらいのものだ。

 この詩を覚えることの効用は、頻繁に使う言葉の発音を無理なく覚えられることだ。「前」「后」「左」「右」「少」は、文字を見れば意味は分かるが、発音は日本語の音読みとかなり違う(ことに、「左」)。「左」の発音を覚えるには、それだけを孤立して覚えるより、この詩の全体を覚えるほうがよい。「左」と言いたいときには、この詩を最初から思い出せば、必ず「左」の発音に辿り着くことができる。決して忘れることはない。

 また、「九」の発音 jiǔ も日本語の音読みとかなり違うが、朗読の最初に言っているので、これも覚えられる。「K」の発音 hēi や、「狗」の発音 gǒu もそうだ。

 さらに、ここで覚えた言葉と他の言葉の関連をつけることもできる。例えば、「八〇后」(1980年代の出生者。中国の新しい世代の代名詞)という言葉があるのだが、その「后」と、この詩の「在后」の「后」は同じものだ。また、「好盟友」の「好」と、「你好」(こんにちは)の「好」は同じものだ。このような関連づけができるようになってくると、面白くなって、学習意欲が高まる。

 最後にある「A是B的C」(AはBのCである)は、ABCを入れ替えれば、さまざまな場面で使える。中国語の場合は、単純な入れ替えでよい。西欧語やロシア語のような格変化がないので、きわめて簡単だ。


 

 

中国も「失われた20年」を経験していた

格差、環境、社会保障……。全人代で繰り返される課題表明

2013年4月4日(木)  張 勇祥

 「明日、会場に行く人は朝6時半発。“紙”取ったら戻ってくるのは誰?」

 毎年、中国の全国人民代表大会(全人代)の開幕前日、マスコミ各社で繰り広げられているだろう風景だ。

 全人代は、天安門に向かって後方西側にある人民大会堂で開かれる。午前9時に始まるが、記者やカメラマンはその2〜3時間ほど前から延々と並び始める。

 いわゆる「紙取り」のためだ。

 紙は、ここでは時の首相が全人代の冒頭で読み上げる政府活動報告(施政方針演説に相当)の外国語訳を指す。政府活動報告は毎回1万字を超す長文なので、夕刊に盛り込もうとすれば、やはり訳文があった方が間違いが少ない。これは恐らく万国共通で、会場となる大ホール前の通路で活動報告の訳文が配られると、あらゆる国の記者が押し寄せてくる。部数は、ボンヤリしているとなくなってしまうほどの数しかないので、行くしかない。

 共産党がすべてに優先し、権限は限られる中国政府。全人代はその立法府であり、最高権力機関と位置づけられているが、実態としては「政治ショー」の色彩が濃いと言わざるを得ない(全人代に「日本の国会に相当」という注釈をつけると、読者からクレームが来るのはこのためだろう)。

 それでも、要人が勢揃いするし、党からはなかなか出ない数字が多く発表されるので、それなりに重要なイベントではある。ヤマの1つは、やはり初日の政府活動報告だ。

政府活動報告に集約される問題意識

 政府活動報告を読めば、中国がどこへ向かおうとしているかがそれなりにうかがえる。初めは長さにたじろぐが、実際にはパターンがあるので、慣れれば少しはかいつまんで読めるようになる。

 そのパターンは年よって若干の違いはあるが、まず(1)GDP(国内総生産)やインフラ整備の進捗、消費の伸びなどから共産党による政治がうまく行ったとの自画自賛から始まり、(2)今年の成長率目標や財政支出などの予算の説明をした上で、(3)これまでの取り組みや今後の提案を通じて貧富の格差や環境破壊などの問題点を示し、(4)香港やマカオ、台湾の統一といった領土面の主張を述べて終わる、というスタイルは概ね一貫している。

 また、今年がそうだが、政府活動報告には5年おきに「総括編」とでも言うべきバージョンがあり、やや俯瞰した内容になる。そして今回は温家宝・前首相にとって最後の報告になった。いささか旧聞ではあるが、内容を少し要約したい。

 (1)については、2012年のGDPが51兆9000億元(約778兆円)となり、農村部の1人当たり純収入が年平均で9.9%伸びたなどと誇っている。低価格住宅の整備やPM2.5の観測地点を増やしたなどと記す一方で、空母「遼寧」が就役したとも謳っている。(2)は成長率目標7.5%、財政赤字1兆2000億元(約18兆円)、インフレ率3.5%といった、日本でも報じられている数字が並ぶ。

 (3)は総花的だが、消費拡大や投資の効率化、供給過剰体質の是正、環境保護、省エネ、「三農問題」、就業問題、社会保障の拡充、法治主義といったキーワードを今後の課題として挙げている。

 リーマンショック後に打った4兆元(約60兆円)規模の経済対策が過度な投資を呼び、民間企業や地方財政の疲弊を招いたのは今となっては疑いようもない。経済は6〜7%の成長はできるだろうが、農村からの人口移動もピークアウトしつつあり、環境問題も相まって上ブレの可能性はかなり低くなっている。そして、経済格差は拡大し、産業の高度化といった課題も先送りになったままだ。政府活動報告を読めば、こうした問題を政府も認識はしてはいることが分かる。対処したか、また対処する気があるかは別問題だが。

 (4)は香港、マカオの1国2制度が機能していること、台湾との「和平統一という大業」といった文言がいつものように続いている。

 何年か活動報告を見てきたが、既視感をどうしても覚えてしまう。中国は多くの問題を抱えている。けれど共産党による統治で経済面を中心に着実に前に進んでいる。ただ課題はまだ残っているので頑張ろう、というロジックだ。このスタイル、本当に変わっていないのか。思い立って10年前、20年前の政府活動報告をめくってみた。

農村、格差、就業、社会保障……。いつまでも課題のまま

 まずは2003年版。報告者は、昨年の党トップを巡る権力争いで久しぶりに姿を見せた朱鎔基氏だ。

 (1)の経済面の報告については、やはり隔世の感がある。2002年のGDPは10兆2000億元(約153兆円)。ちなみに、さらに5年さかのぼった1997年は7兆4000億元(約111兆円)とある。日本のGDPは500兆円をはさんでウロウロしていた訳だから、単純な経済規模では追いつかれ、抜かされたと理解するしかない。

 面白いのは、やはり課題を記した(3)の部分だ。具体的に述べている部分をずらずらと並べてみる。

・内需を拡大し、消費と投資の2本立てで経済を牽引する
・「三農問題」にしっかり取り組む。農村インフラを整備する
・西部大開発と産業の高度化を推進する
・非公有経済(いわゆる民間企業)を発展させる
・社会保障と就業機会の拡充に努める
・法に基づく行政を堅持し、反腐敗闘争を継続する

 反腐敗闘争など古めかしい(と言っても10年前だが)言葉もあるが、一段落した西部大開発を除けば、そのまま2013年版にスライドしても通用する内容だ。

 少なくともリーマンショック前まで、中国は農民工(出稼ぎ労働者)による低廉な労働力とそれに伴う都市化、政府によるインフラ投資や海外メーカーの直接投資をテコに、すさまじい経済成長を遂げたことは間違いない。しかし、同時にあらゆる問題を放置したが故に、中国が抱える課題はそのまま受け継がれたわけだ。

 続いて1993年版。報告者は李鵬氏。彼も昨年の党大会で姿を現した。20年前の指導者が今も一定の影響力を残しているというのは、やはり独特だ。

 GDPは1992年、2兆4000億元(約36兆円)に接近したとある。92年と言えば89年の天安門事件を受け、ケ小平が改革開放を唱え「南巡講話」に踏み切った年だ。とはいえ、20年後の20分の1の規模。強引な比較だが、現在の南アフリカやタイ、アラブ首長国連邦とほぼ同じ水準だ。

 鉄鋼生産は8000億トン(ちなみに2012年は7億2000万トン弱)、輸出と輸入を合わせた貿易総額は1656億ドル(現在の為替レートで15兆7000億円。2012年は3兆9000億ドル弱)。20年前は、言ってしまえば世界経済にとっては取るに足らぬ存在だった。

消えた国連主義

 そして課題を2003年と同じように抜き出してみる。

・農業の地位を高め、農村経済を繁栄させる
・インフラ、なかでも鉄道を中心に交通網を整備する
・エネルギー開発を急ぐ
・公有制を主体としながらも、民間経済、「外資経済」による成長を促す。国有企業改革は政治と企業の分離がカギである
・社会保障、住宅制度の改革を進める
・民主と法制度の整備を重視する
・人口計画と環境保護に取り組む

 項目は少し端折ってはいる。ただ、やはり、今年の政府活動報告に載せても問題ないような項目がほとんどだ。改革開放は言わば「会心の一撃」で、これによって経済が離陸し、共産党による統治に正統性を与えてきた。しかし、資源の適切な配分は不得手で、格差や環境など市場メカニズムが働きにくい問題の解決能力が非常に低いのは明らかだろう。この意味で、日本と同様、中国も20年を失ってきたのだ。

 最後に、1993年版の政府活動報告の(4)の部分(領土などについて触れている箇所)を紹介したい。

 「中国は国連の常任理事国として、国連憲章の主旨と原則を一貫して守り(中略)、世界の軍縮に積極的に努力してきた」

 「中国は人権問題を重視する。国際社会と一緒になって、国連が取り組む人権保護、基本的自由についての主旨を実現するために努力したい」

 解釈、判断は読者にお任せする。が、当然のことながら、こうした表現はここ数年の政府活動報告には掲載されていない。


張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者
 


 


中国サンテック、破産法の試金石

2013年4月4日(木)  FINANCIAL TIMES

太陽電池世界最大手、中国のサンテックの中核子会社が破産法の適用を申請した。中国企業で、米国にも上場を果たした同社ほどの著名企業が破産法を申請した例は稀。中国の破産法は国内の債権者を優先するため地元政府の対応に世界が注目している。

 中国の太陽電池メーカー、尚徳電力(サンテックパワー)は、再生エネルギー分野で急速に存在感を増し、中国を代表する企業だった。2001年の創業から10年で売上高世界最大の太陽電池メーカーに成長、その間、英フィナンシャル・タイムズ紙のボールドネス・イン・ビジネス賞*1を含め数々の賞を受賞、名声をほしいままにしてきた。

*1=英フィナンシャル・タイムズが毎年、大胆なビジネス戦略を推進する企業に贈っている賞

貧しい家庭に生まれたがオーストラリア留学を機にサンテックを創業、一時は中国の長者番付1位にもなった施正栄氏だが…(写真下:Imaginechina/アフロ、上:ロイター/アフロ)
初の破産法適用会社に

 ニューヨーク証券取引所への上場も果たしたが、今や別の意味で象徴的な存在となった。中国の企業破産法の試金石となったのである。

 中国では企業破産法が適用された例はまだほとんどない。だが、政府関係者は同法が中国の金融システムの長期的な健全性のカギを握ると指摘する。

 サンテックは3月13日に、中国に抱える中核子会社、無錫(ウーシー)サンテックがデフォルト(債務不履行)の危機にあると発表。これにより同社は破産法の適用を申請した最も著名企業となった。

 裁判所とサンテックの債権者が今後、事業再生計画の策定に取り組むが、同法がどう適用されるか、中国内外の貸し手、社債投資家、株主の利益が公正に守られるかどうかが試される。

 「サンテックの倒産劇は海外と同様、国内でも注目を集めるだろう。中国市場が急拡大する中、中国政府は銀行だけでなく保険会社など、様々な投資家に社債を購入してほしいと考えているからだ」とシンガポールを拠点に活動しているある投資家は話す。

 特に重要な問題は、サンテックが拠点を置く無錫市政府がどんな役割を果たすかだ。上海近郊にある都市、無錫市はサンテックに最も早くから投資した機関投資家の1つだ。サンテックの創業時に、融資団の一員として無錫市は無錫市政府が出資する国有投資会社、無錫国聯発展(集団)を通じて投資した。

 その後サンテックは株式を買い戻していたが、3月19日にサンテックが無錫国聯から社長と取締役1人を迎える人事を発表、無錫国聯は改めて同社に関与する形になった。

 サンテックは昨年9月、無錫市政府の尽力で地場銀行の支店と融資条件の見直しにこぎ着けたと、同社に近い筋は語る。昨年第4四半期に返済期限が来る債務8億4700万ドル(約803億3900万円)を抱えていたが、同社の財務諸表によると8月末時点で手元資金は1億6800万ドル(159億2640万円)しかなかった。

 サンテックは債務再編の内容や現在の債権者に関する回答を拒んでいる。

 裁判所に破産申請が行われたのを受け、政府関係者はサンテックの国内債権者である中国の銀行9行に対し、総額71億人民元(約1073億7000万円)に上る債務の減免を求めているという。サンテックは裁判所と協議のうえ再建案を策定する意向で、太陽光パネルの生産は続けたいとしている。

海外投資家は弁済順位が低い

 法律専門家によれば、明文化されていなくても、破産処理では地方政府が極めて重要な役割を果たすという。「大企業の場合、政府による支援なくして、経営破綻した企業が再建を果たすことはあり得ない」と、浙江弁護士協会の破産関連部門の責任者、レン・イミン氏は指摘する。

 中国の法律では、海外の社債投資家は中国の債権者への支払いが終了しない限り弁済されないので、ほとんど元本回収できない可能性がある。サンテックは3月15日、償還期限を迎えた社債5億4100万ドル(約513億1400万円)の返済不能に陥った。この社債はケイマン諸島で登記されたもので、これをきっかけに世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の融資を含め、ほかの融資もクロスデフォルト*2となった。

*2=債務者の借り入れの1つがデフォルトとなった場合、債務者が抱える残りのすべての借り入れについても返済期日が到来していないにもかかわらずデフォルトになったものと見なされ、債権者は債務者に返済を要求できるというもの
 「海外市場で発行された中国企業の社債がデフォルトすることはめったになく、債権回収交渉は往々にして特異な状況下で行われてきた。従ってサンテックのような例では、過去の事例に基づいて結果を予想することはできない」と米有力格付け機関フィッチ・レーティングスのアジア太平洋産業格付け部門の責任者カライ・ピレイ氏。

 「だがいずれにせよ、海外債権者である限り、債権の弁済順位は常に構造的に国内債権者の下に置かれるので、海外の社債保有者は、国内債権者が債権を全額、回収し終わらない限り、1セントも元本は手元に戻ってこないと考えた方がいい」(ピレイ氏)。

 サンテックのデフォルトにより、中国のほかの太陽電池関連企業の社債に対する売り圧力も強まっている。

 ニューヨーク市場に上場している太陽光パネルの世界大手メーカー、LDKソーラーが海外市場で発行した社債の価格は、2月半ばの額面1ドル当たり75セントから3月20日には56セントに下落。太陽電池セルの世界有数のメーカーで、負債資産比率は業界でも最も健全だと会社側が胸を張るJAソーラー(中国名:晶澳太陽能)も同日、社債価格が同95.5セントに急落した。サンテックの社債価格はこの半年、額面1ドル当たり50セントを割る水準で推移してきた。

 株主は債務再編後の残存資産を甘受する以外に道はないが、債務再編が株価にどのような意味を持つかについては、意見は2分している。

 北京の煒衡(ウェイヘン)法律事務所のパートナー、イン・ゼンギョウ氏は「破産処理と債務再編が成功すれば親会社の株価は好調に推移する」と楽観視している。

 対照的に、株式は紙くず同然になるか、債務再編の過程で株主価値は大幅に毀損されるとの見方もある。

 会長職を先日解任されたサンテックの創業者、施正栄(シジェン)氏はサンテックの株式の29%を今も保有しており、このシナリオが現実のものとなれば、甚大な損失を余儀なくされるかもしれない。

Leslie Hook and Paul J Davies
(©Financial Times, Ltd. 2013 Mar. 21)
太陽電池、続く消耗戦
 本来なら過当競争の末、企業淘汰が進めば太陽電池パネルの供給過剰は緩和に向かうはずだ。だが中国政府が掲げるクリーンエネルギーへの転換や地元の雇用維持が絡み、サンテックパワーは政府の救済を受ける公算が大きい。その結果、太陽電池を巡る消耗戦が続き、中国製造業の高度化、効率化は先送りになりそうだ。

 新華社系経済紙「経済参考報」は3月19日付で「無錫国聯発展(集団)が無錫サンテックを全面的に引き継ぐ見通し」と報じた。サンテックパワーは1万人規模の雇用を生み出しており、地元経済への悪影響を防ぐためにも支援は不可避との見方が大勢だ。

 サンテックパワーは国際的に一定の知名度を持つだけに同社が消滅すれば、中国は数少ない「広告塔」を失うことになる。政策的に環境負荷の小さい太陽電池の普及を促してきたことも、政府が支援に乗り出すとの観測につながっている。

 同社の経営難は1〜2年前から顕在化しており、新鋭工場は既に無錫国聯発展が過半の持ち分を保有している。これらの工場では足元でも生産を続けているとの報道もある。

 政府救済が既定路線とすれば、過去2年で7割もの値下がりを招いたとされる過剰生産能力は温存される可能性が大きい。消耗戦は中国だけでなく、世界を戦場に続く。そして政府介入が市場メカニズムの働きを妨げ、中国に不可欠な製造業の高度化の芽を摘むことにもなる。

(張 勇祥)


10. 2013年4月07日 10:51:50 : rPtZjJ34SI
中国の時代は終わったのか 賃上げ圧力、労働人口も減…陰る優位性
2013.4.5 07:00

 米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」を受託生産する中国内陸部の富士康科技集団(フォックスコン)の工場で働くワン・ケさんは賃金が倍にならなければ会社を辞めると話す。「高望みはしていない。出稼ぎ労働者であることも承知しているが、手取りで月3500元(約5万3000円)は欲しい」と語った。

 米統計局国際人口データベースによれば、中国ではこの5年間に15〜39歳の若年労働人口が約3300万人縮小した一方、産業界の雇用は3000万人増加。労働市場の全国的な逼迫(ひっぱく)がワンさんのように考える人たちを生んでいる。

 その結果として生じた賃金上昇圧力によりフォックスコンは、2010年に河南省鄭州市の土地に建設した工場の従業員に、国内の産業ブームを牽引(けんいん)した深セン工場と同じ基本給を支払うことになる。

 5年前から110%上昇

 鄭州の工場はトウモロコシとピーナツ畑が広がる土地のなかにあり、沿岸部・深センでの人件費上昇をうけコスト抑制を目的に内陸を目指し選んだ場所だった。

 内陸部の賃金コスト上昇ペースは加速がやまず沿岸部の水準に近づいている。河南省の工場の平均賃金は5年前と比較し110%上昇している。深セン(広東省)では同77%の上昇だった。

 中国では今後、若年労働人口は15年までに2000万人減少し5億500万人に、20年にはさらに2200万人減少すると推計され、賃金上昇圧力がさらに強まるとみられる。

 また、若年層は工場勤務を好まない傾向があるという。フォックスコンの調査を行った米公正労働協会(FLA)のオーレ・ファンヘルデン代表は「フォックスコンは大量の労働者を求めて人口が多い省に工場を移転したが、若い世代は工場勤務を希望しないことが分かる」と述べる。

 北京林業大学、中国科学院、米スタンフォード大学による共同調査によると、内陸部5省の農村で20〜40歳の労働人口で男性で90%以上、女性で約76%が村を出て別の場所で働いているという。

 スタンフォード大学のスコット・ロゼル氏は「農村には若年の流動的な労働力は残っていない。内陸部への工場移転の利点は少ない。節税が可能だったり地価が安いとはいえるが、安価な労働力の確保は難しい」と述べた。また、内陸部への移転により、サプライチェーン(供給網)に支障をきたし、輸送コストが増えることもある。

 「想定より早い時期」

 みずほセキュリティーズアジアのチーフエコノミスト、沈建光氏(香港在勤)は「低コストの製造業という中国の優位性は想定よりもかなり早い時期に失われるだろう。私見では5年以内だと思う。ベトナムやインドネシア、フィリピンなどに拠点を移すことを検討する企業が増えるだろう」と指摘した。

 クレディ・スイス・グループで日本を除くアジア各国の経済を担当している陶冬氏(香港在勤)は「賃金上昇と工場の移転は30年にわたる中国の輸出モデルを弱体化させるだろう。生産、低労働コスト、インフラ、サプライチェーンが1カ所に集中していることでコストを低く抑え、世界のローエンド製品の供給元としての地位を確立してきたが製造コストが上昇すれば価格に転嫁され世界に影響する。世界的なディスインフレのアンカーとしての中国の時代は終わった。世界の需要が上向けば、インフレの到来時期は比較的早いかもしれない」と述べた。

 米コンサルティング会社ハケット・グループによると、米国と中国間の製造コストの差は過去8年で半減し、今年は16%に減少すると予想される。同社は「これは転換点にあることを示し、一部の企業は工場を米国内に戻すか顧客に近い場所への移転を進めるだろう」と指摘する。

 ベトナム、カンボジア、バングラデシュなどの国々での海外投資はすでに増加している。国際連合貿易開発会議によれば、ベトナムへの外国投資は11年の時点で5年前と比較し3倍以上増え74億ドル(約6900億円)だった。

 カンボジアでは85%増の8億9200万ドル、バングラデシュでは43%増の11億ドルだった。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によれば、深センと同じ広東省にある広州の工場労働者の平均月収は352ドル。これに対し、ハノイ111ドル、プノンペン82ドル、ダッカでは78ドルだった。

 世界銀行が昨年発表したレポート「中国2030」で、「中国はバリューチェーンに一段と力を入れなければ、経済成長への輸出の寄与度は減少するという厳しい現実がある」と指摘している。(ブルームバーグ Kevin Hamlin、Xin Zhou)


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