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[古谷経衡のエッセイ]反天連と共に歩いた8.15〜反「靖国」アクションとは何だったのか
http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/822.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2013 年 3 月 22 日 06:49:33: 8rnauVNerwl2s
 


古谷経衡のエッセイから
http://d.hatena.ne.jp/aniotahosyu/20120816/1345107476


[古谷経衡のエッセイ]反天連と共に歩いた8.15〜反「靖国」アクションとは何だったのか 17:57


*反天連デモの出発地点となった千代田区猿楽町の韓国YMCA。ここでは立教大の山田氏らによるデモ前集会(講演)も行われた。

 『排外主義と天皇制を問う 8.15反「靖国」行動』、これを略して「反天連のデモ」などとよんでいるようだが、これに8月15日に参加してきた。まずこの日は午後1時半頃、千代田区猿楽町の在日本韓国YMCA会館9Fにてデモ前集会なるものがあったのでここに赴く。

 私はあえてここで「潜入」という単語を使いたくない。なぜならば思想の別なく一個の日本人としてこの集会とデモに参加しているからである。

 さて反「靖国」アクションの前段は立教大名誉教授の山田昭次氏の講演。まずその前に韓国YMCAに入る前段階で、物々しい雰囲気と警察官が既に周辺の路上を警戒している。建物に入る前に、眼光するどい老人(恐らくデモの主催者だろう)に「どのような要件で…」などと露骨な警戒感剥き出しの、品定めするようなじっとりとした目線で睨まれたので「山田先生のお話を聞きに…」というと素直に9Fへ通された。

 入場する時500円(レジュメ代)を払って着席。山田教授の講演は、要約すると「日本の加害性の認識が政府には足りない」「村山・河野談話はむしろ生ぬるく、加害責任をボカしているという点において評価できぬ」「天皇制国家(封建的な搾取王朝である、という解釈)の加害性を再認識せよ」という大まかな主張であった。(立教大丈夫か?)

 その時、私の肩をポンポンと叩いく主催者の一人。「ちょっと外に来てください」というので会場を出て廊下に出ると、彼は私の顔写真が印刷されたコピー用紙を手渡し、「実は今日、古谷さんという人が我々の集会に潜入して生放送をするという情報が入っています、失礼ですがあなたはとてもこの写真の人に似ているので声をかけたのですが…」と言われる。何のことはない、事前に全てこちらの行動をチェックしていたのである。(私は過日、ツイッター上でその旨を予告していた)どうりで会場に入ってから、主催者の腕章を付けたスタッフの盗むような目線が気になったわけである。

 私は一応、「金本」というペンネームで入場記帳をしていたので、私の人格権の代理である「金本」というペンネームを名乗った。(ペンネームは人格権の代理表明であり、ペンネームでの記帳や顕名は、当記事で筆者自身が追認しているのだから法的に何ら問題はない)すると今度は「すいませんが鞄の中身をチェックさせてください」というので拒否もできたが、ここは素直に開ける。中にはパソコンとカメラが入っていたが、中継や撮影は一切禁止だという。「私は、あなたたちの主張に賛同することがあって集会とデモに参加したいのですが。右だとか右翼だとかそういうことは一切ありません(あたり前のことだが私は自分のことを右とも右翼とも思っておらず中道と思っているから正直に述べた)」という私の抗弁に、しぶしぶ納得したのかそれ以上の追求やお咎めはなしであったが、鞄とカメラとスマートフォンの一切はデモが終わるまで運営で預からせてください、とのこと。無論、こちらとしてはデモへの参加が最優先目的であるから、生中継と撮影は放棄しても致し方ない。参加が大目的である。素直に従う。

 さて、そんなわけで山田教授の講演が終わった後、数人の弁士が登壇したのだが、興味深かったのは日韓民衆連帯ネットワークの小川という方の演説。日韓友好を熱心に唱えているのだが、「最近は日韓の軍事的連携が目立つので、これには絶対反対」という。日韓の軍事的接近は拒否するが、「挺対協(挺身隊問題対策協議会、韓国では慰安婦のことを挺身隊と呼ぶ)との連帯は友好のために発展させるべき」というやや倒錯した主張に終始したが開場からは拍手。

 16時15分、いよいよデモ隊出発。猿楽町の韓国YMCA会館を出発地点とした反天連のデモだが、丁度出発前に一部始終を生中継(ニコ生主・ka氏による『酒と政治と音楽と』コミュ)していたので、氏に許可をもらいキャプチャを掲載する。なにせ今回は、私はマークされていて撮影も中継も出来なかったのだから。

*韓国YMCAの前で佇む筆者(プラカードは「脱原発」)

引用*【靖国前迎撃】反天連に対する日本国民の怒り【高画質】撮影者 Ka氏

 デモ隊の出発と同時に、周囲をぐるりと機動隊が取り囲むのであるが、既に右翼の皆様は昨年とほぼ変わらないルートを熟知しているのか、まるでメタルギアソリッドのように要所要所で待ち構えていて、すきあらば突入しようと潜んでいる。そんな中、右翼の方は私を名指しで「笑うんじゃねぇ!キモイんだよ!」「目が死んでるんだよぉ!」などという散々な罵声を浴びせてきたのだから人権蹂躙も甚だしい。「偶然」当デモに参加したO氏と「でも目が死んでいるのは事実だけどね」などと談笑しながら歩く。尚も右翼による側面攻撃は続くが、私のかぶっていた麦わらが目だったのか、「おいお前、死ね、殺す!」などと喚きながら一人の右翼が私の麦わらに掴みかかったので、自存自衛を真っ当するため言葉の反撃に出るなどの小ハプニングが続いた。


*九段付近を警官の皆様に守られて行進する筆者

引用*【靖国前迎撃】反天連に対する日本国民の怒り【高画質】撮影者 Ka氏

 デモ隊が九段の交差点に到達したときは、デモ隊にとって最も危険な行軍となった。交差点を右折する際、機動隊のバリケードを突き破って突入しようとする右翼の方数名、警官隊に「早く行ってください!」などと急かされながら漸く通過する。去年よりもスリル度は150%増しである。さらに私の一人後ろの、昭和天皇のプラカードを持っていたオジサンが、右翼の特攻にやられ、あわや私まで巻き添えを食らいかねない状況にあった。今年のデモは、去年よりも数段、右翼の方の敵愾心をビンビンと肌で感じた。もっとも、もし私がその時巻き添えを食らっていたら、相手が右翼であろうと何であろうと自存自衛を全うするために容赦のない無慈悲な制裁を(ry

 もうひとつ、ハプニングといえば、今回の参加は去年とは勝手が違い、デモ参加者の多くが私のことを「異質な存在」と認識していた、ということである。私が沿道にいる撮影者とのアイコンタクトの挙動に不信感を感じたのか、批評家の東浩紀さんをもうちょっと筋肉質にしたような感じの青年に、「お前スパイやってんじゃねーよ!お前右翼の仲間だろーが!」と「偶然」デモで一緒になったO氏と共に危うくデモ隊からはじき出される場面があった。勿論私は右翼ではない。よってそのアズマン似の青年に対し歩きながら懇切丁寧に「違うって、俺脱原発派だし。思想が違うんだよ、俺右翼じゃないんだよ、ぜんぜん思想的に違うの、思想的に違うことを見なきゃならないよ君、そうだろう君、違うか」と説得した処、憮然とした表情でそれ以上の追求はなくデモ隊の前方へ去っていったので、私がそこいらの右翼の連中とは違うという事実を納得してもらったと了解している。しかし私に対する冷たい視線は彼ばかりではなく、ある老婆からは「あんたたちいつまでここにいるの!出ていきなさいよ右翼でしょう!」と罵声を浴びせられたが、彼女に対しても私は懇切丁寧に歩きながら私は右翼とは違うことを説明したが、「でも反天連じゃないでしょう!」と切り返すので、「確かに反天連ではないがこの市民連帯の運動という肉体表現そのものに共鳴する部分があるのだとしたらどうか」というと「近寄らないで!触らないで!」などと対話を拒否されそれっきりであった。

*「お前右翼のスパイだろ!」とデモ参加者(左)に罵倒される筆者

引用*【H24.8.15】終戦の日、反天連デモ【中編】 撮影者 patrijapan氏

 かくしてデモ隊は様々な困難を乗り越えながら、終着地点に到着して解散した。勿論、私に対する冷たい視線を投げたのは一部の参加者で、多くの参加者は私を「異物」とは認識していなかったようであるが、特に主催者側の警戒心とマークの徹底は去年の比ではなかった。なにせ私の顔写真をコピーした印刷物が会場に出まわって警戒情報が発令されていたくらいだからである。

 デモ解散直後、一人の参加者から「本を書いている人ですよね?今日参加していかがでしたか?」と、とても友好的に話しかけられた。私は素晴らしかったです、とても勉強になりました、と応えたが彼は果たして反天連の中の人だったのだろうか。それとも私と同じ趣味を共有する好事家だったのだろうか、気になる所ではあった。

 最後に、今回のデモでは大量の私服の公安委員会の方も見学に来られていたが、明らかにその中の数人の捜査員が「古谷くんがいる(笑」と小声で話しているのを聴いてしまった。しかし私と分かっているのに、あえて声をかけず、大切な社会経験を遂行させていただいた公安関係者の方の粋な計らいに多大なる感謝の言葉をこの場を借りて表明するものでる。

 いやしかし、今回の情勢を鑑みるに来年はもうこんなに面白い催しに参加することはできそうもない。たしかに今年は勉強になったが、それと同時に私は深い衝撃を覚えたのも事実だ。私はこれほどまでに徹底的にマークされているのかと再認識した。私の密かな楽しみがひとつなくなってしまったことに、少なからぬ寂しさを覚えた終戦の日であった。

・・・・

<参考リンク>
◆排外主義と天皇制を問う 8.15反「靖国」行動
 http://2012815.blogspot.jp/

排外主義と天皇制を問う 8.15反「靖国」行動
●主催:排外主義と天皇制を問う8.15反「靖国」行動実行委員会● 呼びかけ団体:アジア連帯講座、沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会、キリスト教事業所連帯合同労働組合、国連・憲法問題研究会、市民の意見 30の会・東京、女性と天皇制研究会、スペース21、立川自衛隊監視テント村、日韓民衆連帯全国ネットワーク、命どぅ宝ネットワーク、反安保実行委員会、 「反改憲」運動通信、反天皇制運動連絡会、「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、ピープル ズ・プラン研究所、靖国解体企画 、靖国・天皇制問題情報センター、琉球センター・どぅたっち、連帯社、労働運動活動者評議会、● 賛同団体:荒川・墨田・山谷&足立実行委員会、差別・排外主義に反対する連絡会、山谷労働者福祉会館活動委員会、争議団連絡会議、


 

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