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迫りくるメルトスルーによる未曾有の放射能汚染、想定外は最早許されない 関口博之
http://www.asyura2.com/12/genpatu20/msg/889.html
投稿者 msehi 日時 2012 年 2 月 13 日 06:47:38: MaTW.8vfzXWdQ
 

投稿者msehi関口博之
http://d.hatena.ne.jp/msehi/

素粒子物理学の名大名誉教授沢田昭二が言うように(注1)、NHK「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」へ抗議・要望書(注2)を出した人たちは、「”原発安全神話”を作り出してきた要の人たちなのに、抗議文には原発事故への反省もお詫びもなく、むしろ開き直っている」。
さらに言えば、原発安全神話を嘘と金で捏造し、チェルノブイリ周辺の低線量被ばくによるおびただしい数の白血病や癌の被害者の事実を、国際原子力機関の調査で認められていないことを理由に、原発村の利益を求めて今も安全だと抗議、要望しているのだ。
ホロコーストはなかったと公に主張するだけで逮捕されるドイツであれば、犯罪者として裁かれる筈だ。
またドイツでなくとも、国際法の予防原則に立てば、原発事故の収束の目処も立たない中でこのような制作者の魔女狩り的抗議、要望は犯罪的であり、福島原発事故の悲劇が現実化するなかで裁かれよう。 

収束の目処が立たないのは、3つの原子炉でメルトダウンが起こり放射能を放出し続けているからだ。
昨年の12月1日の東京電力の原子炉の解析結果を明らかにした会見では、1号機では100パーセントの燃料が溶け落ちて格納容器に落下し、格納容器底のコンクリートを溶かし、底の鋼板まで最大37センチに迫っているという説明であった。
また2号機では57パーセント、3号機では63パーセントの燃料が格納容器にメルトダウンしたとしていた。
この会見では、格納容器内の温度が40度ほどに冷えていること、そしてコンクリートが溶ける際の二酸化炭素濃度が安定していることから、これ以上のコンクリートの侵食はなく安全であることを強調し、けじめとしての収束宣言を意図しているように思えた。
確かにこの解析からすれば、2月5日、そして12日に43パーセントの燃料が残る2号機圧力容器内の温度が42度から最大82度への急上昇も理解出来るだろう。
すなわち底が抜けていることから、水量の減少によって残った燃料が一部でも露出すれば、再臨界が起きるからだ。
直ちに核分裂反応を抑えるホウ酸水を注入し、注水量を毎時3トン増加させたことからも、キセノンこそ検出されていないが微量な再臨界が生じたと推定できる。
したがって圧力容器に残る燃料は、注水量さえ増やしていけば制御可能であろう。

しかし格納容器に溜まる燃料は、専門家が事故後にメルトスルーの可能性を指摘していたが(注3動画解説参照)、その危機が迫りつつあると確信する。
会見では解析方法について説明されなかったが、格納容器に水が溜まり、容器内の温度が40度、二酸化炭素濃度が安定、底の鋼板まで最大37センチに迫っているというデータからすれば、内視鏡を挿入して測定したように思われる。
確かに格納容器内の温度が40度であることから、現在は燃料が地中へ突き抜けるメルトスルーは起きていない。
しかし常識的に考えて2500度を超えるメルトダウンした燃料がコンクリートを溶かし、混合物として底に堆積していると考えるのが妥当である。
そうであるならば、その後の二酸化炭素は安定であるし、内視鏡は堆積した燃料とコンクリートの混合物で底から37センチで止まったと推測される。
百歩譲って東電の述べるように底に37センチのコンクリートが残っているとしても、そのようなコンクリートや鋼板は侵食され、燃料がメルトスルーするのは時間の問題である。
何故ならドイツのニーダーザクセン州の岩塩層アッセ貯蔵場では、カールスルーエ原子力研究所の1960年代から1978年までの低中レベルの核廃棄物12万6000のドラム缶が岩塩層地下750メートルに保管されているが、一部が地下水と接触し、地下水を放射能汚染しているからだ。
すなわち低中レベルの核廃棄物のドラム缶さえ水と接触しているところでは、ドラム缶の鋼板はボロボロになることを示している。
しかもアッセ周辺では、2002年から2009年の白血病及び甲状腺癌の発生率が急上昇している。(ZDF Nachrichtung 04.12.2010)
さらに岩塩層坑道近くで毎日1万2000リットルの地下水が発生しており、10年以内に坑道が崩壊する危険性があるという専門家の指摘を受けて、連邦環境省放射線防護局(BfS)は2010年1月にドラム缶の回収を決定した。
(BfS Pressmitteilungen 15.01.2010)
燃料が格納容器を突き破るメルトスルーで地中に出れば、臨界を抑制していた水も地中に流出することから、水で覆われなくなった部分から再臨界が生じ、爆発を含めて燃料が尽きるまで核分裂反応することが想定される。
そして最終的には、生じた放射能が地下水を通して海に流出しよう。
現在まで福島原発事故で放出された放射能は77万テラベクレルで、チェルノブイリ原発の7分の1と言われているが、3つの原発の燃料が地中で尽きるまで核分裂反応をすれば、放出放射能は少なくとも現在の100倍を遥かに超え、日本に人が住めなくなるだけでなく、世界への影響も計り知れない。
当然対策がなされるべきであるが、未だに原発村は安全神話を復活させようとしていることから、これまでのように国民のパニックを避けることを大義名分として、自らも考えないようにしているようだ。
今回の福島原発事故の原因は、あらゆる箇所で国民のパニックを避けるためと称した嘘、隠蔽に起因するものであり、犯罪行為と言っても過言ではない。
すなわち本来原発開発は、アメリカの規制からして低人口地帯と重大な事故の起きた場合の対策が義務付けられていたが(注4)、そのような規制をすれば住民のパニックを招き、原発が建設できなくなることから原発安全神話をつくり上げた(注5)。
またチェルノブイリ事故後、重大な事故対策が求められたが、国が規制すれば国民のパニックを招きかねないとして、企業の自主規制に委ねられた(注4)。
そして福島原発事故でも、スピーディで放射能拡散データが得られていたにもかかわらず、国民のパニックを招きかねないとして公表しない判断がなされ、多くの住民は放射能拡散予測地へ避難し、多量の被ばくをした(注6)。
それは国民の命を軽視しているだけでなく、原発村という大本営の犯罪であり、将来に渡って裁かれなくてはならない。
それ故に裁かれることを恐れて、作成されるべき議事録を全て削除したと言えよう。

メルトスルーの大惨事は、東電でさえも燃料の回収に少なくとも30年はかかるとしていることから、実際は半世紀以上かかることは必至であり、それまで格納容器底の鋼板が持ちこたえることなど絶対に有り得ないことから、必ず起きると言っても過言でない。
最早想定外は犯罪であり、ロボットを使用して格納容器下にトンネルを掘り、漏れ出した際の燃料が地中で再臨界を起こさないように、そして完全に回収できるように、少なくとも100年は持ちこたえる、例えば鉛と鋼板による遮蔽壁を備えるべきである。

国民は既にパニックであり、パニックを避けるには全ての情報を公開し、常に最悪のシナリオを想定して対策を備えなくてはならない。
これ以上、国民の命を軽視することは許されない。

 
(注1)サンデー毎日2012/02/19号参照

(注2)NHKへの抗議・要望書
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/snw/media_open/document/nhk_kougi120112.pdf

動画NHK「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
http://www.veoh.com/watch/v26613282stEymDG6

(注3)2011年6月19日ANNニュース
動画http://www.youtube.com/watch?v=FPCr7nLy99M

(注4)NHKスペシャル原発危機「安全神話〜当事者が語る事故の深層」
動画http://v.youku.com/v_show/id_XMzI3Njk1ODMy.html

(注5)原発安全神話(内橋和人・・・原発安全神話は如何に作られたか)
動画http://www.youtube.com/watch?v=ZpbWmejc63Y

(注6)放射能予測装置スピーディー何故公表遅かったか?
動画http://www.youtube.com/watch?v=UNjQ8hS7r7A  

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