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3.11チェンジへの希求・・・脱原発と寛容、そして希望ある未来 関口博之
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/734.html
投稿者 msehi 日時 2012 年 3 月 11 日 09:43:09: MaTW.8vfzXWdQ
 

投稿者msehi関口博之
http://d.hatena.ne.jp/msehi/

昨年の10月末に東日本大震災の見舞訪問などで来日したドイツ大統領ヴルフは、日本のリチウム電池の技術が世界最高峰と称賛し、日本の脱原発を非現実と決めつけるのは説得力がないと述べ、日本の脱原発は可能だと示唆した(注1)。
この発言は、私には恐ろしく奇異に感じられた。
何故なら私がドイツに暮らしていた頃、ヴルフはニィダーザクセン州の首相であり、2007年の7月には翌年から州の原発が次々と廃棄予定時期を迎えることから、マスメディアを通して強く原発運転期間延長を強調していたからだ。
すなわち原発産業のロビイストたちがフィンランドやスェーデンでの原発延長の際スローガンとした、「安さ、クリンさ、安全さ」、そして「原発撤廃による電気料金の高騰」という脅しの教本に従うかのように、ヴルフも原発電力のコストの安さ、地球温暖化ガスを排出しないクリーンさ、そして安全性を強調し、以下のように述べていた。
「フィンランドやスェーデンのように原発運転期間を延長しないことは国家財産の損失であり、早急な原発撤退はドイツの電気料金を高騰させる」(注2)
 またヴルフは2009年の連邦選挙後、2010年に成立させた原発運転期間延長法案の推進者でもあり(注3)、福島原発事故後メルケル首相が「ドイツの脱原発」をキリスト民主同盟(CDU)の党大会で議決することなく、政府首脳だけで決定したことを激しく批判した(注4)。
何故なら、党大会でメルケル首相の突然の脱原発発表に拍手した議員は3分の1ほどであり、党大会の議決にはかれば過半数を得ることが難しかったからである。
さらに脱原発法案の発行では大統領の署名が必要なことから、8月1日の署名会見直前までメルケル首相のエネルギー転換を批判し、ブレーキを踏み続けた(注5)。
そのようなこれまでのドイツ大統領ヴルフの言動からすれば、日本での脱原発の言動や講演は、もう一人別のヴルフがいるかのように不可思議に思われた。
さらに驚くのは、ドイツ帰国後すぐに大統領の汚職疑惑が次から次へと明るみに出て、今年2月に辞職へと追い込まれ、この3月8日に大統領を辞職した。
私には、この背景に大統領の転向並びに日本での言動が関与していると思わずにはいられない。
何故なら、原発ルネッサンスを求める側からすれば、転向や日本での脱原発の言動は手痛い打撃であるからだ。
したがって首相時代の便宜や接待などの汚職疑惑が、意図的に当事者たちによって出されたと思われる。
すなわち自宅購入の際の低利融資や休暇期間のホテル接待などの汚職疑惑は、本来ならば蒸し返されほどの問題でもないし、当事者しか知り得ないことがこの時期に噴出してきたこと自体不自然であり、見せしめになったように思われる。
しかしそれは逆に言えば、政権与党議員の脱原発への転向が加速されるなかで、原発推進側は見せしめをしなくてはならないほど追いつめられていると言えるだろう。
結果としては、大統領ヴルフは今まさに世界の脱原発、平和、人種差別に貢献しようと目覚めた時、意図的と思われるスキャンダルで葬られたのであった。

日本では福島原発事故後脱原発への転向を表明した著名人は、私の知る限り保守派の西尾幹ニ以外に見当たらない(注6)。
もっとも世論調査では段階的廃炉を含めて7割の国民が脱原発を支持していることから、善意に解釈すれば多くの人たちは表明を迷っているのが現状であろう。
何故なら日本の組織の締め付けや制裁は、個人主義を尊重するドイツと比較にならないほど強いからだ。
そのような中で日本が脱原発を実現するためには、脱原発を求める市民の側にもイデオロギーの枠組みを越えるだけでなく、ヴルフのような転向を受け入れる寛容さも必要であろう(注7)。

今、日本は福島原発事故の悲劇、そして東日本大震災で亡くなった多くの人たちに報いるためにも、3.11を新たな出発点としてポジティブにチェンジしていかなくてはならない。
何故なら日本のような地震列島で原発を継続すれば、必ずや同じ過ちを繰り返すことが目に見えているからだ。
それは天下りがなくならず、責任を取らなくてもよい大本営政府では、40年前の公害カネミ油症事件(注8)でさえも全く解決されておらず、薬害に至ってはサリドマイド、エイズ、・・・、そしてイレッサ(注9)に至るまで何度でも繰り返す構図は同じだからだ。

しかもそのような大本営政府の国益推進を担う中核企業は、巨大戦艦とも言うべき三菱重工、東芝、日立の原発巨大企業であり、途上国での原発事故、原発廃棄物による放射線汚染、、中東などでの原発テロなど、何処を取っても未来が切り拓かれない。
またこれまで独走してきた大量生産技術による輸出品も、テレビから半導体に至るまで中国や韓国などの生産コストの安い国に追い越され、どのようにその分野で努力しても時代の流れには無力であり、衰退は免れない。
それに較べて脱原発を選択したドイツは、現在消費電力の20パーセントを賄っている風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー計画が予測をはるかに超えて加速されており、信頼できるエネルギー調査機関レナの報告によれば2020年には52パーセントから58パーセント賄えるとしている。
しかもこのような再生可能エネルギーは地域の電力を賄うだけでなく、地域で生産されることから地域産業の要となっている。
例えば現在年間20パーセントの成長率で急進する風力発電産業の風力発電機は2万点の部品を必要とし、その多くが地域の中小企業で製造され組み立てられている。
また太陽光発電産業も10パーセントを超える成長率で発展しており、将来は家庭の消費電力だけでなく電気自動車の充電も、屋根全面に取り付けられた太陽光パネルでの自給が当たり前となると言われほど、未来に輝いている。
これに対して日本は少なくとも1990年までは、独走する太陽光発電だけでなく、優れたプロペラ技術で風力発電でもドイツをリードしていた。
しかし原発推進をひたすら国策として掲げ、再生可能エネルギーを推進することは国策を妨げるとして、太陽光発電の補助金を打ち切り、風力発電の買取量を極力少なくしてきたことから、再生可能エネルギーの伸展はこの10年足踏み状態を続け、発電量は3パーセントにしか過ぎない。
このまま脱原発を決断することなく核燃料サイクル開発、高速増殖炉開発、そして原発再稼動を始めるならば、再生可能エネルギーの始動も再び摘み取られ、大統領ヴルフが絶賛した蓄電池技術でさえ腐らせ、日本の衰退は免れられない。
衰退だけではなく、これまでの公害や薬害と比較にならない規模で国民全体が現在を遥かに越えて放射能汚染によって苦しめられることになりかねない。
何故なら、原発廃棄物最終処分場の建設は日本のような浸透性の高い地層では、地下坑道での地下水との接触は避けられず、ドイツのゴアレーベン最終処分場が2000年に凍結された判断基準に立てば、地下水を汚染することは必至である。
しかも日本は全国いたるところに活断層があり、汚染を拡大することは目に見えているからだ。

そのような絶望的な未来を希望ある未来へチェンジするためには、脱原発を実現しなくてはならない。


(注1)ヴルフ ドイツ大統領 2011.10.24 記者クラブ講演
http://www.youtube.com/watch?v=jKt_v8vjYoU
筑波大学講演
http://www.kokuren.tsukuba.ac.jp/overseas_offices/bonn_office/files/20111025_president_lecture.pdf

(注2)http://www.welt.de/politik/article1035039/Wulff_spricht_sich_fuer_laengere_Laufzeiten_aus.html

(注3)2010年5月21日のシュピーゲルオンラインの「ヴルフは最終弁論でフレキシブルな原発運転期間を要求する」というタイトル記事で、ニーダザクセン州首相ヴルフは原発運転期間は現在の32年から60年に延長すべきであり、28年間の原発運転期間延長を求めたと述べている。
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/0,1518,696060,00.html

(注4)2011年6月29日の南ドイツ新聞の「ヴルフはメルケルを非難する」というタイトル記事では、大統領ヴルフは、メルケル首相がCDUの党議決なしに脱原発を決定したことを強く非難していると述べている。しかしドイツの国民の80パーセントは、大統領の非難を残念に思っていると同時に伝えている。
http://www.sueddeutsche.de/politik/vor-seinem-amtsjubilaeum-als-bundespraesident-wulff-geisselt-merkels-atomwende-1.1113897

(注5)2011年7月10日のシュピーゲルオンラインの「ヴルフはメルケルのエネルギー転換にブレーキをかける」というタイトル記事では、大統領ヴルフはインタビュで脱原発法案の綿密な調査に時間をかけることを望み、このような重要なテーマに政府が署名調印を急ぐことを批判していると述べている。
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/0,1518,773513,00.html

(注6)「脱原発こそ国家永続の道」
http://www.nishiokanji.jp/blog/?p=1066

(注7)もちろん私も脱原発を求める市民の一人であり、今日3月11日はサラバ原発で長野大通りをデモする。

(注8)推奨動画http://www.kbc.co.jp/tv/kanemi/

(注9)イレッサ薬害被害の会
http://i250-higainokai.com/INDEX.html  

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