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福島第1原発事故考B 戦後最大の被曝 (新井哉の危機管理・国民保護ブログ) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/464.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 4 月 01 日 00:55:37: igsppGRN/E9PQ
 

福島第1原発事故考B 戦後最大の被曝
http://ameblo.jp/kikikanri-h-arai/entry-11209019388.html
2012-03-31 13:24:21  新井哉の危機管理・国民保護ブログ


 東京電力福島第1原発事故では、大量の放射性物質が大気中に撒き散らされた結果、子供を含む多くの市民が被曝したのをはじめ、原発内で防護、復旧作業に当たった自衛隊員、消防隊員、警察官、東京電力やその関連会社の社員、全国各地から集められた作業員らに多数の被曝者が出た。これだけ多くの市民や救援、復旧活動の従事者が被曝した事例は、世界的に見てチェルノブイリ原発事故、日本では1945年8月の広島、長崎への原爆投下以来である。
 戦後最大の被曝者が出た背景には、どのような事情があったのか。被曝を防ぐための施策や対策、放射線防護は適切に行われたのか。福島第1原発事故の具体的な事例を挙げ、被曝対策の問題点や、今後の原発事故防止や原発テロ対策にどのような検討事項や課題があるかについて論考する。 まず、中度、高度レベルの被曝対象者を取り上げる。被曝線量が比較的高かったのは、原発事故の対処に当たった自衛隊員や警察官、消防隊員、東京電力やその関連会社の従業員である。建屋内の放射線量は、原発事故から3ヵ月以上経過しても毎時50〜186ミリシーベルト。作業員らは高い放射線量下での作業を強いられた。十分な放射線防護の管理体制が敷かれず、線量計を持たずに作業する事例や被曝事故が後を絶たなかった。 3月14日には、福島第1原発3号機で水素爆発が発生し、構内で作業をしていた11人が負傷、うち6人に放射性物質の付着が確認された。同じく3月中には、3号機で床に水がたまっていたのに気づかず数十分間作業を続けた作業員2人が、ひざ下の皮膚に高い放射能を帯びた水が付着し、局所被曝した。水面での放射線量は毎時400ミリシーベルトと高い値を示しており、2人はかなり高い放射線量を浴びた可能性が高い。
 作業員の内部被曝も深刻である。5月30日には、福島第1原発で作業をしていた東京電力の男性社員2人が、数百ミリシーベルトを浴びていた可能性のあることが判明。2人は3月11日の地震発生直後から5月下旬まで、3、4号機の中央制御室などで作業しており、地震直後にはマスクを付けていなかったとされる。 作業員の被曝限度が原発事故後、上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトまで引き上げたことも、放射線防護の観点からは問題である。上限を引き上げたのは3月15日で、政府は緊急作業に当たる作業員の人命を犠牲にしてでも、原発事故の収束を優先させたと考えられる。
 引き上げを決めたわずか3日後の3月18日の時点で、作業員の旧基準の100ミリシーベルト超えが始まった。7月上旬の段階で、被曝量250ミリシーベルトの法定限度を超えた作業員は、6人に達した。9月末までに計約1万9000人の作業員が働き、そのうち100ミリシーベルトを超えたのは137人に上った。
 原発からの放射性物質の放出は徐々に低下傾向となり、11月以降、作業員の被曝線量の上限が100ミリシーベルトに戻された。小宮山洋子厚生労働相は 10月14日の記者会見で「国民全体の安全を守るため、やむを得ず上限を引き上げていた」と述べ、国民の被曝を最小限にするために、作業員に高線量の環境下で作業に当たらせていた、との認識を示した。
 原発で作業に当たった作業員の健康管理体制にも杜撰さが見受けられる。東京電力が法律で義務付けられた放射線の内部被曝検査を、作業員45人に受けさせなかったことが判明。厚生労働省は8月31日、東京電力や協力会社など計15社に是正勧告を出す異例の展開となった。しかし、是正勧告を出した31日には、高濃度の放射能汚染水を処理した機器の管理作業中、協力会社の作業員2人が、誤って汚染水をかぶり、被曝するなど、現場では、常に危険との隣合わせでの作業が待ち受けており、行政指導を出せば、事故や被曝が劇的に減るとは考え難い。原発事故の復旧には作業員が放射線の影響を最小限にするための被曝管理は欠かせない。管理の不備は、作業員の確保の困難化やモチベーションの低下にもつながりかねない。被曝防止と放射線量等の管理は喫緊の課題といえる。
 一方、市民の被曝の実態はどうだったのか。原発事故発生時の避難途中や、職場、自宅、学校等の生活環境の中で、大気中に舞っていた放射性物質を吸い込み、チェルノブイリ原発事故に匹敵する多数の市民が被曝したのは間違いないだろう。市民が被曝に至った状況や政府、自治体の対応を検証する。
 一体、何人の市民が被曝したのか。検査体制が追いつかず、確実な数値が出ていないのが実情であるが、原発事故の発生直後には、多数の市民が被曝したと考えられる。福島県では3月13日までに住民22人の被曝が確認された。さらに被曝者がいるとみられたことから、同県内の避難所で被災者の被曝状況を調べるため、全身の放射線量を測るスクリーニングを約12万人の避難者のうち希望者に実施する方針を表明。しかし、実際には被曝者を出さないように、巧妙な測定基準値の引き上げが行われた疑いが拭えない。 最初の22人の被曝者を測定した際には、放射線測定器で1万3000カウント(CPM)以上だった場合、シャワーで体を洗い流す全身の除染が必要としていたが、3月14日に福島県は急遽、除染が必要となる基準を10倍近く引き上げた。同14日以降は10万CPM以上の人を全身除染の対象としたところ、同17日までに測定された4万2000人全員が、この数値を下回ったため、全身除染が行われなかった。行政による「被曝隠し」と受け止められられる可能性があるにもかかわらず、なぜ10倍近い基準値引き上げが必要だったのかについての明確な説明は未だない。例え、被曝者が多数出たとの状況を知った市民にパニックが広がることを考慮したとしても、基準値の引き上げで、当初の基準では全身除染が必要となるレベルの避難者が、除染を受けられなくなった点は見逃せない。除染で減らせたはずの避難者の被曝リスクを高めた側面もあり、今後の被曝対策では、全身除染の数値を元の1万3000CPMに戻す必要があると考えられる。
 原発事故直後の被曝対策では、外部被曝が優先され、内部被曝が軽視された。4万2000人のスクリーニングが行われた時点で、避難先に内部被曝を測定するホールボディーカウンターはなかった。簡易的な測定器で衣類や体表面に付着した放射性物質が測定できても、可搬式のホールボディーカウンターがあったにも関わらず、内部被曝の測定できなかったのはなぜか。考えられる理由としては、@可搬式の台数が足りなかったA内部被曝の身体的な影響が軽視され、被曝した住民を測定する必要性を政府や自治体が考慮しなかったB政府やその関連機関の所有するホールボディーカウンターが東京電力に貸し出されていた、などが推測される。
 事故から数ヵ月後、甲状腺被曝などの検査体制を整えたことで、住民の被曝の実態が徐々に明らかになってきたが、事故当初の段階で、住民の被曝の臨床等のデータの収集が不十分であったのは否めない。住民の内部被曝についても各機関、専門家ごとに評価が分かれるのが実情であるが、低線量被曝の問題を含めて、政府や関係機関は事故直後の段階から健康への影響を調査、検討すべきであった。
 政府が事故当初、住民の被曝量や放射性物質が降る範囲の予測を公表しなかったことも問題視された。文部科学省から委託された「原子力安全技術センター」が、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)と呼ばれる予測システムを使って、放射性物質の種類や量、放出される高さ、原発の位置、地形などを元に、風向きや風速のデータを加えて計算し、被曝量や放射性物質の降る範囲を予測。1時間ごとに計算し、原子力安全委員会に報告していた。また、気象庁も独自に放射性物質の拡散を予測し、国際原子力機関(IAEA)に情報を提供していたにもかかわらず、国内では事故から1ヵ月近く公表しなかった。いずれも事故直後に公表していれば、自治体や市民が、放射性物質の雲(プルーム)が移動する方向の避難や屋内退避など放射線防護の適切な措置を取れたはずである。同様な事態に今後直面した場合、SPEEDIなどの情報をすぐに公開し、市民の被曝を最小限に抑える措置が求められる。
 放射線防護の観点からは、外部・内部被曝する危険性のある行為を住民自らが選んだ事例も見受けられた。原発事故後に計画的避難地域に指定され、全村避難した飯舘村で事故から5ヵ月後、同村内の約40人が、恒例行事のバーベキューを楽しんだ。会場のグラウンドの放射線量は毎時5マイクロシーベルト。高い値を示しているにもかかわらず、高齢者を中心に賛同者が集ったという。
 こうした被曝を覚悟しても地域の結束、故郷に戻りたいという被災者には、政府や自治体が、被曝の危険性を指摘し、健康被害の抑止に努めるのが賢明な判断といえよう。一方で、故郷に戻りたいと願う住民がいることを真摯に受け止め、その悩みや要望を聞くメンタルヘルスや健康相談、専用の陳情窓口を設けることなどを検討するべきであろう。放射能汚染地域内での飲食は、内部被曝の原因となることから、健康被害を防止するため、避けなければいけない行為の一つである。汚染地域内での飲食の禁止だけは今後、守らなければならない。政府や自治体から住民に放射能汚染対策について理解を求めることや、内部被曝の危険性についての周知徹底が必要である。

 

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コメント
 
01. 2012年4月01日 01:22:46 : S6bO5ciPzA

東北応援ツアーは早い話「内部被爆ツアー」ということになる。

ただちに健康被害なければよいノーテンキ。無知ほど悲惨はない。


02. 2012年5月22日 05:26:14 : Uzzt27smXI
文科省がSPEEDIの情報を同胞に隠匿し、外務省がSPEEDIの情報をアメリカに売った棄民政策への怒りは1年以上が経過してますます強くなっている。そして、棄民政策の画策をした首謀者を逮捕、死刑にすべきです。死刑制度には反対だけれど、原子力ムラの金の亡者は生きている価値のない人間のカタチをした腐肉です。
私たちの同胞の、しかも子どもや女性が内部被曝し、今後、苦しみだけが増す現実の中で、おそらく日本人の8割は、責任者を血祭りに上げることを望んでいること、そしてそこにあるのは沖縄や水俣など日本の歴史の暗部に通ずる「怨」の一文字であることを新井氏には、もっと、もっと表現してもらいたい。

03. 2012年6月01日 02:27:33 : dJgIcVcCbc
>>02
その上、昨年7月頃から始まり、今年の2月か3月に答申を出した原子力安全委の「防災指針」見直しの作業部会では、SPEEDIを使わなかったことを正当化する体系的な作業が進められました。
SPEEDIは緊急時に役に立たなかったので、新しい「防災指針」案では、これまでの「防災指針」にあったSPEEDIを住民の避難などに使うということ自体(SPEEDI自体)を完全に消し去る内容となっています。
しかし、作業部会では、膨大な論議を行いながら、SPEEDIがまったく役に立たなかったという今回事故をめぐる実証や根拠は、およそ説得力のあるものは出ていません(すこしは被曝を減らしたと彼ら自身認めているような発言はあります)。
要は、SPEEDI不使用の正当化と、おそらくはそれ以上に、緊急時にできるだけ住民に情報をだしたくないという彼らの本性の発露と思います。新しい「防災指針」案では、事故の規模・形状などに応じて、あらかじめ避難の範囲、形などを定めておくという内容です。ともかく、住民をかれらの管理下に置き、住民が情報を持って自主的に動くことを嫌いぬくという内容としか思えません。
ただ、京都など(たしか九州でも)防災計画へのSPEEDI利用を強く求め、SPEEDI隠蔽は、いまのところ、完全には成功していないようです(成功させるべきではないと思っています)

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