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（書評）

われらチェルノブイリの虜囚―ドキュメント・日本原発列島を抉る (三一新書 984) [新書]
高木 仁三郎 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%89%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%AE%E8%99%9C%E5%9B%9A%E2%80%95%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%88%97%E5%B3%B6%E3%82%92%E6%8A%89%E3%82%8B-%E4%B8%89%E4%B8%80%E6%96%B0%E6%9B%B8-984-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E4%BB%81%E4%B8%89%E9%83%8E/dp/4380870014/ref=cm_cr-mr-title
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たった一度の原発事故で、地球環境はどれだけの影響を受けたか？, 2005/4/30

By 西岡昌紀 -（2005年4月30日）

チェルノブイリ原発事故（１９８６年４月２６日）によって放出された放射能の量は、それ以前に、地球上で行なはれた、全ての核実験による放射能の総和に匹敵すると言ふ報道を読んだ事が有る。（その３分の１とする主張も有るが、それでも、大変な量の放射能である事に変はりは無い。）たった一回の原発事故が、これだけの放射能を放出したのである。この戦慄すべき事実を、私達は、どの様に考えれば良いのだろうか？--この本は、そのチェルノブイリ原発事故について、マスコミでは全く報道されて居ない事実を語り、同事故を様々な視点から分析した一書である。その中には、驚くべき事に、例えば、チェルノブイリ原発事故が起きた直後、日本の原子力産業の中核に居る人々が、さる官庁の会議室で語り合ったこの事故についての本音などが（！）、（どの様な経路で入手された物かは不明だが、）収録されて居る。それを読むと、驚くべき事に、「原発は安全だ」と言いまくって来た彼ら自身が、チェルノブイリ原発事故が起きた直後、彼ら内部の会議の場では、この事故に衝撃を受け、原子力発電の危険さを十分認識して居た事が、知られるのである。こうした暴露情報を含め、この本が、チェルノブイリ原発事故について与えてくれる情報は、超一級である。原子力発電に賛成する人も、反対する人も、とにかく、この本を読まずに、原子力について論じる事は許されないと、私は、思ふ。--たった一度の原発事故が、人類にどれだけ大きな惨禍をもたらすかを、そして、地球環境にどれだけの影響を与えるかを知る為に、この本を読むことをお勧めする。

（西岡昌紀・内科医）

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