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チェルノブイリの野火: ヨーロッパ全土を汚染する放射性の煙/7月7日(BBC) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/574.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 7 月 13 日 11:02:23: igsppGRN/E9PQ
 

チェルノブイリの野火: ヨーロッパ全土を汚染する放射性の煙/7月7日(BBC)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/77bbc-1f0a.html
2012年7月10日 フランスねこのNews Watching


1986年に起きたチェルノブイリ原発事故は大量の「死の灰」(放射性粒子)を発生させ、旧ソ連と西ヨーロッパを広い地域にわたって汚染した。重度の汚染により立ち入りが禁止されている同原発の周辺半径30キロの地帯の大部分は、松林に覆われている。ひどく汚染された松林はしばしば野火に見舞われるが、この野火により発生する煙はヨーロッパ全土を高度の放射能で汚染する危険をはらんでいる。ウクライナ共和国キエフ市からの特派員報告。


●ブルーベリーの季節

ウクライナ共和国の首都キエフから北へ向かう途中、道に沿って生えた背の高い赤くてまっすぐな松の木の陰に座り強い日差しを避けながら、孫たちと一緒にブルーベリーを売る年配の女性たちの姿を見かける。

ブルーベリーの季節だ。ブルーベリーはプラスチックのパックに入れられて売られていた。車を止めて値段を交渉することもできたが、キエフ生物科学大学の森林研究所からやって来たセルゲイ・ジブチェフ教授は勧めなかった。これらのブルーベリーは放射性ストロンチウムで汚染されているからだ。

ベリー類は非常に放射性物質を吸収しやすい。1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の際には、放射性物質の多くが煙の形で旧ソ連と西ヨーロッパ地域に放出された。放射性物質の汚染は公式の市場で売られている食品についてしか検査がなされていない。そして、通常は放射性セシウムについてしかなされない。年配の女性たちが経営する何百もの屋台形式の果物屋については、何の検査も無い。とは言え、全てのベリーが同じように汚染されている訳ではない。恐らくは、四分の一程度が汚染されていると考えられる。

立ち入り禁止区域の周辺は数年前に来たときよりもにぎわっている印象だった。しかし、チェルノブイリに大量に植林された松の木は深刻な問題を引き起こしていた。


●燃える松の木と、ヨーロッパ全土に広がる放射性の煙

松は傷つきやすい。風ですら折れてしまう。虫に喰われる。旱魃(かんばつ)になると簡単に野火を起こす。そして放射能に汚染された木々は、洗浄するにはあまりにも危険であり予算がかかりすぎると考えられている。ある専門家は、もしチェルノブイリ周辺の松林に火がつけば、東ヨーロッパに原子力爆弾を落とすのと同様の深刻な放射能被害を与えると指摘する。風は放射性の煙を遠くまで運ぶ。ウクライナの中だけでは無い。ヨーロッパ大陸全土に広がるのだ。

この仮説について調べるため、セルゲイ教授はチェルノブイリまでデータを収集しにやって来た。教授は同僚とともにチェルノブイリの森がもつ危険をモデル化して示すための資金を集めたいと考えている。最も危険な松林の区画を示すことができれば、ウクライナ政府や外国のドナーに対し(野火の消火にあたる)消防士たちを被曝から守るための研修や機材の供与を行うよう説得する段階に移ることができる。そして恐らくは、最も危険な松林の区画を伐採することも考えられるだろう。


●被ばくにさらされる消防士

チェルノブイリの消防士という仕事は、世界でもっとも人気の無い仕事だ。野火が起きると彼等は無線で互いに連絡を取り、場所を確定する。消防隊は旧ソ連製の大きな赤い消防車に飛び乗って草が生い茂るひび割れた道路を火元へと突き進んで行く。

消防士達が使用する機材は非常に簡単なものだ。彼等は自分たちが放射性の炎と戦っている時には、それが自分で分かると信じている。皮膚がちくちくして金属に触れているような感じがすると言うのだ。しかし消防士たちは高温の放射性粒子にさらされる危険がいかに深刻なものであるかを十分理解している訳ではない。彼等の仕事はいまだに旧ソ連の英雄主義の文脈で語られる。自分に何があろうとも、後でどんな被害に遭おうとも、火を消さねばならない、というものだ。


●風の吹くまま

セルゲイ教授は、1992年に起きたようなより大規模な野火はウクライナのイメージに絶望的なダメージを与えると述べる。しかしそれだけではない。ヨーロッパ全土の農地にとっても深刻な被害を与える危険がある。毎年(野火が発生しやすい)夏の暑い時期には、多くの研究者がこの問題について研究を続けてきた。セルゲイ教授その同僚たちは支援を必要としている。単にチェルノブイリの消防士たちが高度の被ばくにさらされないように救いだすためだけではない。放射性粒子が空中を漂い風の吹くままに飛んで行き、チェルノブイリ原発事故の負の遺産をまき散らすのを止めるために、である。多くの人は、チェルノブイリ事故の影響は既におさまっており、安心して忘れても良いと考えている。しかし悲劇は終わっていない。

(抜粋、一部編集。小見出しはフランスねこがつけました。)

●オリジナル記事(現地の画像はこちらからどうぞ)
(Patrick Evans, « Chernobyl’s radioactive trees and the forest fire risk », BBC, 2012.07.07)http://www.bbc.co.uk/news/magazine-18721292

●著者のパトリック・エヴァンズBBC記者自身による音読でも記事を「聞く」ことができます。放送はこちらから。http://www.bbc.co.uk/programmes/b01kjgp3 (複数ある中の、2番目のお話です。英語です。)


 

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コメント
 
01. 2012年7月13日 20:46:51 : xWZGC5sVwQ
大変為になりました、素晴らしい投稿有難うございます。

>松林に火がつけば・・・風は放射性の煙を遠くまで運ぶ

これは恐るべき事です!なのに日本では、自然ではなくこれを政府がやって放射能を拡散しているのです。「放射能で汚染された瓦礫は隔離して埋めるしかない」と世界中の本物の学者達は説得するのに、日本政府はそういう意見も国民の願いも全く無視して、汚染瓦礫をわざわざ全国各地に運ばせ燃やしているのです。全く自分の国に対しても世界に対しても無責任きわまる、狂気(凶器!)のさたです。

トルコの事に関しては全く想像も及びませんでした。これからは紅茶もナッツ・ドライフルーツ類も産地をチェックします。只イギリスでは、「packed in UK」とだけ書いてあり産地を表示してない場合が多く困りますが、今後はこういうものは買わない様にします。貴重な情報を有難うございました。


02. 2012年7月13日 22:14:58 : 4wQHigiXKg
当面の事故を良く知る事は大事だが、長期にわたる放射能被害は先例の現状を知ることが非常に大事だな。そうしないと先を見越した手が打てない。

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