子供が消えた幼稚園。事故前、住民のほぼ全員に防毒マスクが配布されていたが、一度も使われることはなかった。＝16日、プリピャチ。写真：田中撮影＝

【チェルノブイリ報告】　「ソ連はプリピャチの子供に汚染されていない食材を送った」
http://tanakaryusaku.jp/2012/10/0005352
2012年10月18日 04:48 　田中龍作ジャーナル

　チェルノブイリ原発から西へ車を10分も走らせると人ひとり住んでいないゴーストタウンが現れる。原発労働者の街だったプリピャチだ。ホテルやアパートの窓ガラスは粉々に割られ、家具も見当たらない。物盗りの仕業だろうか。あれから26年が経過し、人が暮らしていた匂いは全くない。絵に描いたような廃墟だ。

　1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所がメルトダウンを起こすと、住民4万5千人がプリピャチから脱出した。うち子供は1万7千人。子供たちはソ連との共有地域とウクライナ各地にある保養所に避難した。　

　当時シベリアの病院に勤務していたスラパノバ・イエゲニア医師（現在、ウクライナ医療放射線研究所・小児科部長）は、ウクライナに移り住み、約5,000人の被曝者を診療した。

　スラパノバ医師によれば、ソ連は子供たちの体内被曝を避けるために幼稚園や学校に放射能で汚染されていない食材を送った。

　甲状腺、胃腸、血液、ガンの専門医がチームを組んで、子供たちのいる各地の保養所を回った。バスに甲状腺を検査する超音波測定器を積んで。

　子供の健康調査が遅々として進んでいない福島県とは行政の姿勢が180度違う。体内被曝についても日本政府は「食べて福島を応援しよう」だ。最近やっと沈静化したが、学校は給食食材の放射能汚染について配慮を欠いていた。

かつての豪華ホテルの最上階から街を望む。原発労働者用のアパートの向こうにチェルノブイリ原発4号機が見える。＝16日、プリピャチ。写真：田中撮影

http://tanakaryusaku.jp/wp-content/uploads/cdb1ee2fbae5a07187ddc7cd4ba6a606.jpg

　ひとっこ一人いないプリピャチのあちこちで線量計が1・5μSv/h前後を示した。福島市内の線量が高い地区と同じレベルだ。福島市内にはなお25万人以上が暮らす。経済的な理由から転校できない子供たちは数えきれない。6月には子供10人の尿からセシウムが検出された。

　共産党独裁のソ連でさえ子供たちを被曝から救うため、上述したようなあらゆる手段を尽くした。日本はどうだろうか。手をこまねいてばかりの政府に市民の間から「福島の子供たちを一刻も早く避難させよ」との声が澎湃としてあがる。民主主義を標ぼうしながら、子供をおろそかにする国に将来はないのである。
　
　《文・田中龍作 / 諏訪都》

コメント
01. 2012年10月19日 11:02:44 : 7oSKGju5kA もう共産党でいいやw
02. デミトリー 2012年10月19日 17:25:58 : 2kYVIsTHbi0XM : uMaNQ6FnzI ほんとにだよ。 ソ連ですら当然のこととしてやったことをできない国というのが、僕にはショックだよ。 ソ連は、でき得る事をやって、それでもあの健康被害が出ている。お金があればもっと状況は良かったかもしれない。 日本にはお金があっても、やる気がない。救う気がない。 俺の金を、救済になんで使わなきゃならないんだとでも思っているのか。 金は下級民から搾り取って、上級民が潤い、還元されることはない。 循環しなきゃ上級民に回る金もなくなることに気づかないほど、頭悪いのが上級民なのか。 格差社会の弊害が、そのまま原発の過酷事故にまで直撃し、命を脅かしている。
03. 2012年10月19日 19:37:32 : A6cUkRwRxE チェルノと福島を同列に考え、ましてや政府などの無策によって、あたかも福島の子供たちがチェルノよりも多く被曝させられている、と煽動するが如きのうんこ脳みそジャーナリスト崩れはさっさと首くくれよ。 まーしかし、よくこんなレベルでフリージャーナリストとでござい、と文章撒き散らして生きていられるもんだわ。 仕事やめて死ぬまで生活保護でも受けとけ、ダニの糞野郎 [削除理由]：阿修羅にはふさわしくない言い回し、言葉の使い方の投稿
04. 2012年10月19日 19:52:19 : pPJ5gJb78A >>03 頭が悪くて全く論理的に反論できない工作員はさっさと首をくくれよ。 飼い主の原子力ムラにシッポ振ってろや、ダニの糞野郎 [削除理由]：阿修羅にはふさわしくない言い回し、言葉の使い方の投稿
05. 2012年10月19日 21:58:46 : CokaniZ7p6 日本の人口密度に鑑みると　汚染面積はチェルノよりは狭いが超高い汚染濃度と被曝人数は日本の福島、関東地域の方が数倍むごい状況だと誰でもわかるだろう それなのに何も子供たちに対策はなく食べて応援しろという大人は悪魔の化身かと思う。
06. 2012年10月19日 23:11:55 : PmGTbMuVik >>03 お前が首くくった方が世の中の為になるよ。お前、この田中って人よりましな事やってんのか？（愚問だな、やってるわけねーな）無力で汚い言葉で罵る事しか出来ない糞野郎だもんな。
07. 2012年10月20日 00:25:41 : ADqOTrVWes >>03 「チェルノと福島を同列」ではなく、福島のため、レベル８の話もある。 ところで、君の下劣と同列はない。 「政府などの無策」ではなく、君と同じように無能なだけだ。 扇動は君、先導は田中氏。
08. 2012年10月20日 03:13:09 : HhU84lKWKE >03 汚い言葉だけのコメントなら御免蒙る。 論理的に批判できないなら以降書き込むな。 お前は女の腐ったような奴だ。なぜなら感情だけに訴えようとしているからだ。 それも生物的・生理的な低級感情＜不快感＞だ。 最低の奴だ。
09. 2012年10月20日 07:38:38 : VvJaORvaJA ------　スラパノバ医師によれば、ソ連は子供たちの体内被曝を避けるために幼稚園や学校に放射能で汚染されていない食材を送った。 これは知らなかった。日本では、むしろ強制的に食わせられる小中学校で生徒に なかなか売れない汚染食材を消費させようとする動きすらある。 ソ連政府も薄情な政府だったわけだが、科学というものさしは捨てられなかった。 日本では、残念なことに、科学は信奉しているはずなのに、非科学的になってしまう。 これはどういうことなのだろう。がれき拡散、その焼却、避難基準の異様な高さとか、 食品、土壌検査のルーズさなど国際社会の常識から大きく逸脱している。 結局元をたどれば、利権を手放したくない官僚が、事故を軽くみせるために、本来 避難をしなくてはならない場所を安全と言い張ったためにすべての無理が生じて いるのだろう。
10. 2012年10月20日 14:44:05 : 27Hm5oj4os どうしてソ連はこんなにましだったのだろう、と思うがそれは日本がありえないほど酷すぎるからだろうな。ソ連は「普通」の事をやっただけで素晴らしいってほどじゃなかった。でも「酷すぎる」日本から見るとその「普通」がとんでもなく素晴らしく見えるって事かな。

11. 2012年10月21日 00:18:47 : S8iRIsP9tE チェルノブイリの事故後、子供の甲状腺癌が多発したのは、 ヨウ素131で汚染したミルクを飲んだのが原因とされている。 プリピャチ市民の子供には甲状腺癌がなかったのか？ ミルクだけは現地調達だったのか？ 誰かが何らかの嘘をついているのか？
12. 2012年10月21日 05:47:12 : MDJmRor16I ソ連は安定ヨウ素剤を配って服用させましたよ。 日本では、ヨウ素１３１は水道にも含まれていたでしょう。 これから、東京でも重大問題になります。お母さんはお子さんに注意したほうが いいです。

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