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国会同意再び見送り〜復活する原子力ムラ(東京新聞:こちら特報部)
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/569.html
投稿者 みょん 日時 2012 年 11 月 08 日 09:17:59: 7lOHRJeYvJalE
 

国会同意再び見送り〜復活する原子力ムラ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012110802000133.html
2012年11月8日 東京新聞[こちら特報部]


「規制当局は事業者の虜」と原子力ムラの構造を看破したのは、7月に公表された福島原発事故の国会事故調報告書だった。それから4カ月。政府は委員の利益相反が指摘されている原子力規制委員会委員人事の国会同意を再び反故にした。本来、「コケにされた」と怒るべき国会も沈黙している。そうした状況を尻目に次々と旧来のムラ支配が復活する。福島原発事故の教訓が霞みつつある。(出田阿生、上田千秋)


◆国会同意なき規制委人事

「国会の状況を考えると、不承認のリスクがゼロと言えない」─。
政府は2日、独立行政(3条)委員会である原子力規制委員会委員の同意人事について、通常国会に続いて臨時国会でも見送ることを決めた。冒頭の言葉は藤村修官房長官の理由説明だが、不承認の可能性のない同意人事など意味がない。

一部の野党議員は反発したが、国会はこの説明に総じて沈黙。慶応大の金子勝教授(財政学)は「委員を選んだのは原子力ムラ寄りの政治家と官僚。発足時点から正統性がなく、国会同意が委員会の独立、透明性を担保する要だった。これでは無法地帯だ」と語る。

原子力委員会の新大綱策定会議の委員も務めた金子教授は「こうした大事なことを見過ごし続けたら、なし崩し的に以前の状態に戻るだろう」と憤りを隠さない。

委員人事の危うさはかねて指摘されてきた。規制委設置法は原子力事業にかかわる者は委員の資格がないとし、政府が7月に示した委員の要件では、原子力事業者などから一定の報酬を受けた者は除かれるとした。

しかし、5人の委員のうち、田中俊一委員長、中村佳代子、更田豊志両委員の3人は2009年度以降、原子力関連の団体から講演料など約20万〜約66万円を受け取っていた。中村、更田両委員は直前まで原子力事業者に属していた。

こうした利益相反ぶりは委員だけにとどまらない。規制委は2日、原発の新たな安全基準検討チームの専門家6人のうち4人が、直近3〜4年間に電力会社などから寄付金などの名目で、計約4,500万円を受け取っていたことを公表した。

とりわけ、名古屋大の山本章夫教授にいたっては計2,714万円を原子炉メーカーの三菱重工などから得ていた。

ただ、規制委傘下の専門家については利益相反を禁じる規則はなく、報酬金額などを自己申告すればいいだけだ。原子力規制庁の担当者は「金額を自主的に明らかにすることで透明性は確保できる」と説明する。

◆「ずさんさ」 保安院譲り

これではムラからの決別は程遠い。実際の作業でも、規制委が前身の旧経済産業省原子力安全・保安院から脱皮できていない証左が露呈した。

6日に発覚した規制委公表の過酷事故における放射性物質拡散予測地図のミス。原因は作業委託を受けた原子力安全基盤機構(JNES)が、九州電力提出の誤った気象データをそのまま試算していたためだった。

1JNESをめぐっては保安院時代の昨秋、原子炉の燃料検査で、燃料製造会社作成の書類を丸写しして、手順書を作成していたことが明るみに出た。丸写しの作法が継承されていた形だ。

◆「もんじゅ」も巻き返し

こうした原子力ムラの復活とも映る事例は、規制委にとどまらない。

以前から「税金のむだ遣い」と批判の強い高速増殖原型炉・もんじゅ(福井県敦賀市)。政府の新エネルギー戦略の素案では「廃止する」と明記されていたが、9月の発表時には消えていた。

今後の計画を議論するのは、従来通りの開発推進を主張する文部科学省だ。具体的には原子力科学技術委員会の作業部会が議論する。委員会の委員には、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の理事長が名を連ねる利益相反ぶりだ。

作業部会も脱原発派はゼロ。先月末の初会合では「高速増殖炉の研究を維持するべきだ」との意見が大勢を占めた。

それどころか、1995年のナトリウム漏れ事故について「表現に抵抗がある。何とかならないか」との発言も出た。「事象」「トラブル」といった緩い表現に変更するという意向だった。

発言した村上朋子委員は財団法人日本エネルギー経済研究所の所属。同研究所の非常勤理事には東電や関電などの役員が並んでいる。作業部会は年末までに中間報告を出して方向性を打ち出す予定だが、こうした流れでは”延命”という結論がすでに見えている。

発電に占める原発依存度を検討する経産省の諮問機関、総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会も同じだ。

委員長は元経団連副会長で、新日本製鉄会長の三村明夫氏。「2030年代に原発ゼロを目指す」とした政府方針の実現を検討することが仕事だが、三村氏は9月の会合で「(使用済み核燃料の)再処理、日米関係、核不拡散といった問題をどう解決するのか」などと発言。委員長であるにもかかわらず「原発ゼロ反対」と表明している。


[黒川元国会事故調委員長に聞く]

◆政治は行政を監視せよ

なぜ、原子力ムラが復興しつつあるのか。国会事故調で委員長を務めた政策研究大学院大学の黒川清教授は「政治の力が弱くて、行政を監視できていないことが最大の問題」と指摘する。

「立法府が政策を決めるのが本来の姿なのに、いまだに役所が政策をつくっている。行政はこれまでやってきたことを間違いとは認めない。これでは福島の事故後も政策が変わるわけがない」

黒川教授は「この事故で、政府や東電、学者、さらに大手メディアがグルになり、『原発はメルトダウンしていない』と言った結果、すべての権威がメルトダウンした。経済大国で科学技術先進国のはずが、実にいいかげんな国だと世界の信用を失った」とみる。

どうしたら、信用を回復できるのか。それは「立法府の機能強化」であり、具体的には国会事故調のような国会が設置する独立した委員会で重要な政策について議論することが不可欠という。

「国会事故調は立法府が初めて機能した事例。政府や事業者から独立していたからこそ、信頼性を確保できた。使用済み核燃料の問題など重要な政策決定の際には、こうした委員会を必要に応じて設置するべきだ」

事故調の報告書では、国会に向けて7つの提言をまとめた。新たな規制当局に対しては「国会が委員会を設置して監視」「高い独立性や職務への責任を持たせる」とした。だが、黒川教授は「それが実現できているとは思わない」と話す。

「提言の実現は、この国で真の民主主義を機能させる第一歩になる。次の総選挙で、国民が候補者に提言を実現する意思があるか否か、という問いを突きつけなければ」


[デスクメモ]
あれだけの原発事故を体験しても、この社会の骨に染み込んだ悪弊は拭えていない。3・11は「第二の敗戦」と言われたが、うやむやになった戦争責任同様、3・11までの原子力ムラの構造は温存されたままだ。特効薬などない。叫び続けること。一人一人が抵抗をやめれば、本当の悪夢がやってくる。(牧)
 

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