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アメリカでは原発はコスト競争力に負け続々と廃炉へ
2012/12/07(金) 00:17:30
１０/23のブログに「米電力大手ドミニオン・リソーシズは来年、米ウィスコンシン州にあるキウォーニー原子力発電所を閉鎖する。米国のシェールガス生産が急増し、今年１─９月の電力価格は、昨年同期に較べ約３０％価格が下落した。石炭火力発電所の閉鎖に続き、原子力業界にも影響が出始めている。」と書いた。ところが地震地帯に一基の原発施設も作られていなく、また過酷な原発事故をおこしていないアメリカでは採算上の理由で廃炉が進みだした。

福島事故の反省にからか、世界でも原発は２０１２年１月現在、全世界の１３８か所の原発が廃炉（アメリカ２８、イギリス２７、ドイツ、２７、フランス１２、日本９、ロシア５：参考資料１）となり、今後１０年以内に更に８０の原子力発電所の廃炉が予測されている。

アメリカでは安価なシェールガス生産が可能になったにもかかわらず、太陽光発電にも力を入れていて、Sunpower社(SPWR-NASDAQ)など次から次へとメガ・ソーラを建設している。
そのほか地熱発電にも注力し、２０２０年までに２０００万メガワット（原発２０基に相当）に拡大される。日本は火山国なのでこの面でも有利である。

日本では太陽光発電は割高で採算が合わないと良く報道されているが、ヨーロッパではドイツ、南イタリア、オランダそしてスペインで、太陽光発電のコストが住宅用の電気料金と同等になったそうです：参考資料２）。

緯度の関係で太陽光線の強い日本は有利なのでその原因が買い取り価格にあるのか、設置の工事費にあるのか知らないが、採算ベースになるのは時間の問題といえよう。

⇒昨晩以下の文を書きたい思いがあったが眠くなり止めたので朝追加します。

福島原発事故による被害は、まず抗体産生能力の低下による各種伝染性疾患の増加となって現れたことが、厚生労働省統計でも明らかになった。それに続いて起こる可能性の高いものは甲状腺がん、白血病、肺がん、心筋梗塞などの数多くの疾患が想定される。しかし、このような人的被害だけでなく、更に４，５年後には太平洋沿岸各国からの巨額な賠償請求が想定されている。更に福島原発では何千人の作業員を１０年以上解体処理に当てねばならず、その費用も莫大であろう。
何万年にわたる使用済み核燃料の保管費用など計算も困難であろう。

ところが、重篤な原発事故を起こしていない、また地震国でもない国で、原子力発電はコスト競争力にまけ続々と廃炉になりつつある。
一方、わが国メディアは原発停止により、燃料費高騰で国際収支も赤字になったと騒いでいる。

この正反対の見解は両立しない、どちらかが間違えている。
私が危惧しているのは、現在を最小限で何とか切り抜ければ、後の世代がどうなろうと考えたくないというヒトがあまりにも多すぎると思う。
従って、視点は１０年後の日本におくべきと思う。

参考資料
１． http://www.unep.org/yearbook/2012/pdfs/UYB_2012_CH_3.pdf
２．http://www.pvparity.eu

***************************
このブログにはほぼ同意見だが、次の部分は誤解があると思える。

＞緯度の関係で太陽光線の強い日本は有利なのでその原因が買い取り価格にあるのか、設置の工事費にあるのか知らないが、採算ベースになるのは時間の問題といえよう。

地中海性気候と日本の違いを考慮されていない。http://www.pvparity.eu　にある記事によるということだが、どの程度の採算性があったかは書かれていないように思う。

オランダはそもそも風力が盛んであり、太陽光はあまり取り入れていないはずでは？

日本は何と言っても地熱がいい。 　

コメント
01. 2012年12月12日 14:10:02 : 7QNEsHlAaY アメさんはコストといって脱原発なんだろうな、 原発推進という大失政の責任をウヤムヤにするためにね。
02. 2012年12月12日 17:41:57 : Rm8y64t8Pg taked4700さん、はじめまして。 いつも、冷静に議論しようとされている姿勢に感心しております。 以下、素人考えですが、 （１）原発から出る使用済み燃料は、数年間冷却しその後再処理して処分するにしても、電力を消費します。廃炉するのにも、発電停止から数十年にわたり結構な電力が必要になるでしょう。 （２）これらの電力をまかなうために新たな原発を作ったら意味がありませんし、長期間、危険な作業を続けるためには、風力や太陽光のような「不安定な」電力を当てにするわけにはいきません。 （３）結局、原子力発電は化石燃料が十分にあるうちに止めるしかない、ということです。化石燃料が高騰してからでは、廃炉が不可能になってしまうでしょう。 アメリカでは1978年以降、新しい原発は建設されていないと聞きます。原発の寿命を60年としても、これから30年以内にほとんどが廃炉になるわけで、そのコストをまじめに考えれば、安い電力が使えるうちに始末をつけておこう、というのは正常な判断だと思えます。 経済的に廃炉できないから、老朽化しても使い続けられるよう法律をかえて寿命を延ばし続ける、という悪夢のような選択肢もありえますが(1995年に実施済みか？）。
03. taked4700 2012年12月13日 00:09:19 : 9XFNe/BiX575U : rsdtUVfAKA >>02 ＞原子力発電は化石燃料が十分にあるうちに止めるしかない、ということです。化石燃料が高騰してからでは、廃炉が不可能になってしまうでしょう。 まったくです。そして同時に、次の地震が起こる前に廃炉、つまり、核燃料を原子炉や使用済み核燃料プールから運びだし、海溝型地震の起こらない地域で乾式キャスクに保管することをやらなければならないのだと思います。多分、これはすぐに動き出しても、そして、政治的にかなり思い切ったことをやっても１０年は軽くかかることだと感じています。つまり、すでにかなりの程度手遅れと正直なところ、感じています。
04. 2012年12月13日 03:08:08 : PVKkBkZZNc 脱原発を主張する勢力は反TPPと抱き合わせにする傾向があるけれど、 こういうのは、むしろこういった時こそ、新自由主義的発想のコスト重視で 送発電分離と電力自由化と抱き合わせにしてさっさとやるのが脱原発になるんだよ。 発送電分離、今の議論は拙速すぎる　論争！発送電分離 ――後藤美香・電力中央研究所 社会経済研究所上席研究員に聞く http://toyokeizai.net/articles/-/12104 電力中央研究所の人はこんなこと、あれこれむずかしいを並べ立てて 嫌だっていってるのを変えさせないと。 原発という発電の機械を、不良債権に含めて竹中平蔵氏をこの改革のトップにすれば さっさと終わるんだ、かつての不良債権処理と一緒だよ。
05. 2012年12月13日 11:03:35 : 205URMWPNY >>02 ＞風力や太陽光のような「不安定な」電力を当てにするわけにはいきません。 世界一のコングロマリットＧＥの最高経営責任者が「これからの電力の主軸は、ガスと 太陽光（または風力）の組み合わせ」と言っています。 太陽光や風力を不安定な電力といっているのは世界でも日本くらいです。一軒だけで 太陽光を使えば不安定ですが、数多く設置されれば不安定ではなくなるのです。
06. 2012年12月13日 14:53:17 : Rm8y64t8Pg 02の投稿者です。 taked4700さん > すでにかなりの程度手遅れと正直なところ、感じています。 今回の事故で、現政府は「電力会社はどんなことがあっても守られる」という前例を作ってしまいました。もう、地震でも津波でも運転員のミスでも、どんな事故がおきても「会社」は大丈夫です。さらに、いわゆる御用学者とマスコミが「放射能はたいして危険ではない」と広めてくれたので、安全対策にコストをかける必要もなくなりました。事故がおきたら住民に除染させればいいんです？ 自分たちの失敗に見切りをつけられず、周囲の人々も巻き込んでずるずると坂道を下っていく、そういう状況でしょうか。私もかなり悲観的です。 05さん 私のコメントを取り上げてくださってありがとうございます。ただ、「不安定な」と書いたのは太陽光発電否定派へのあてつけです。太陽光や風力による電力を原発の後処理に消費するのはもったいないですから。

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