土壌から放射性セシウムを分離できる装置＝埼玉県川口市で（吉田薫撮影）

土壌セシウム９９％除去　首都圏の中小企業　連携し開発
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012123002000088.html
2012年12月30日 東京新聞　朝刊

　首都圏の中小企業が、北海道大とともに、土壌から放射性セシウムを除去する技術を開発した。従来の除染は土壌からセシウムを分離することが難しかった。新技術によって、被災地に積もった汚染物質を減らすことにもつながる。年明けにも福島県内で実用試験に入る見込みだ。

　土壌と固く結び付いたセシウムを分離するのは、埼玉県川口市の三央産業（平山善章社長）が開発した「ジェットバーナー」という装置。土や汚泥に高温で高速の燃焼ガスをあてて水分を飛ばし、同時に大半のセシウムも吹き飛ばす。

　極めて細い炭素の管「カーボンナノチューブ」を使ったスポンジが吹き飛ばしたセシウムを吸着する。北海道大の古月（ふうげつ）文志教授が開発した。セシウムを吸着するとされる顔料のプルシアンブルーと珪藻（けいそう）土も含まれている。

　ジェットバーナーで粉砕した後、通常のフィルターと特製スポンジの二段階でセシウムを取り除く。セシウムを吸ったスポンジは、押しつぶして体積を小さくできる。システム全体で９９％のセシウムを取り除くことが可能だという。

　装置の価格は一日二十トンを処理できるタイプで二億円程度。運転コストは、人件費を別にすれば一トンの処理に三千円程度の燃料費ですむ。

　福島県出身の平山社長は「早く福島に持って行き、役立てたい」と話す。二つの技術を合体させたのは水処理装置を扱う企業、ＮＳＰ（東京都港区）で、井戸康正社長は「体積が圧縮され、セシウムの濃度が高くなったスポンジを最終的にどこで処理するかが課題。最終処分場を早く決めてほしい」と話している。

コメント
01. 2012年12月30日 14:45:51 : PF7fF4gF8I ＞一トンの処理に三千円程度の燃料費ですむ。 …って、おそらく化石燃料でこれを賄うのでしょうが、つくづく思うのは原子力なんぞはなから使わなければよかった、ということです。 一日二十トンの土を除染する傍らでその数十倍の土壌と海水の汚染が日々進んでいます。悪の根幹を絶たない限りそれは続きます。 とはいえ、技術は日々進歩して行くことも確かです。最終処分の方法をはじめ、遠からず太陽光エネルギーでこういった装置の稼動も夢じゃないでしょうし、効率もどんどん上がってゆくことでしょう。 悲観しないことと、同じ過ちを繰り返さないこと、次世代を守ること、庶民にできることといえばこれくらいです。でも大事なことだと思います。
02. 2012年12月30日 14:47:00 : ztuOHDohVY もちろん、最終処分場は、東電の重役，自公民、役人等のご自宅の庭。
03. 2012年12月30日 19:44:07 : NSzep7bcJc 汚染を他へ移動はできるが、世の中から消し去ることはできない。 本質の解決は放射性物質を無害化すること。つまり、放射性物質を放射線を放出しない元素に技術を持って変えること。 このことができなければ放射線問題は解決しない。 放射線除去装置をつくりあげること。 遠きイスカンダルはいづこへ。 この世の中に錬金術あるか。
04. 2012年12月31日 03:31:24 : pPJ5gJb78A この手の汚染除去技術がよく紹介されるが、ほんの気休めでしかない。 土地ばかりでなく、森も川も道路も建物もすべてが汚染されているのだから、 手の施しようがない。
05. 2012年12月31日 04:26:20 : FtAqUhrlFU 1トンの土は、おどろくほどわずかだぞ。 それに3000円か。 しかも分離したセシウムはどこへ？ さらにセシウムだけか？
06. お埼さん 2012年12月31日 08:40:08 : widF06swzBG9Y : Tyf6MJ9rDo ０４、０５さんの意見に同意します。 この機械はセシウム濃縮装置である。 濃縮されたセシウムは、もっともっと危険になる。 もう、手のほどこしようがない状態なんだから、そのことを認識して無駄な あがきはやめるべき。
07. 2012年12月31日 17:08:54 : 3X8BQ5kmRI 放射性廃棄物を粉砕して、セシウムを高温で気化させフィルターとスポンジで回収するって、瓦礫の焼却処理の小型版にすぎない。 「高速の燃焼」も「カーボンによる除去」も、別に目新しい技術ではない。 99%は除去効率としては、家庭用空気清浄機よりも、はるかに劣る。 当然、放射性排ガスが出るわけだが、99%除染が本当だとしても、1%というのは物量的には大変な量なんだけどな。 ジェットパートナーも、除染詐欺と断定する。 復興予算の分捕り合戦は、大学や中小企業にも及んでいるということだ。
08. 2013年1月03日 05:05:37 : bVuEk3cz1c セシウムだけ、９９％とった残り滓を、他の放射性物質の数量変化を調べたものを記載してもらわないと、気休めだね。 セシウム除去などというそんな機器は、開発もされず、流通もしてなかったでしょうし、「除染」と名がつけば、自治体はどんぶり勘定で復興予算が下りるから、だめざとい経営者は群がるね。

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