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それでも金融業界を目指す若者へ  「掛け捨ての年金」はありなのか?
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/393.html
投稿者 MR 日時 2012 年 3 月 15 日 13:31:22: cT5Wxjlo3Xe3.
 


http://diamond.jp/articles/-/16575
【第223回】 2012年3月14日

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]


経済的な条件も大きく悪化
金融業界の人気はかつてほどではない

 現在発売中の『週刊ダイヤモンド』(3月17日号)は、「銀行・証券 終わらざる危機」と題して、金融業界を特集している。メガバンクの大口融資問題、証券会社の仕組み債による損失、地銀が抱える不良債権、日本国債の暴落が起こった場合の影響など、現在金融業界が抱える深刻な課題が取り上げられている。

 この特集の中に、「Part5 金融業界エリートの凋落」(P56〜61)という、就活学生にはもちろん、大人のビジネスパーソンにも興味深い記事があった。銀行・証券の2業界を中心に外資系まで含めた金融業界の経済的な処遇条件と、人気を含む就職事情を伝えている。

 詳しくは、ぜひ記事を見て欲しいが、30代初めで年収1000万円に達することが十分可能なメガバンクをもってしても(とは言っても、かつてよりも仕事も行内競争もきつくなっているのだが)、就活学生の人気はかつてほどではなく、特に、企業が欲しがる有名大学のトップグループの学生が集まりにくくなっているという。たとえば、メガバンクよりも大手総合商社の方が人気は高いらしい。

 また、一時学生の人気を集めた外資系の金融機関も、経済的な条件が大きく悪化し、また、先輩たちがリストラされる様子を見て、人気が離散しているという。外資の場合、過去3年半でざっと2割に当たる6000人の雇用が失われたといい、会社によっては、部分的なリストラだけでなく、東京オフィス自体の撤退の可能性もある。

 とはいえ、新卒の就職あるいは、転職で金融業界を目指そうとする若者は少なくない。

 たとえば、働き盛り・稼ぎ盛りの30代に業界全体が不調に陥る巡り合わせになると厳しいが、若者が就職する場合、不調の時期に実力を蓄えて、またいつかは来るはずの金融業界の旬の時期に大いに活躍することを目指すという戦略はあり得る。

 過去を振り返ると、大手商社と大手銀行の就職人気は、何度も上下が入れ替わってきた。ものは考えようで、真に金融業界を目指す若者には、今こそがチャンスかも知れない。
君はなぜ金融業界に就職したいか?
「安定志向」の人なら金融はダメ

 金融業界への就職を考える若者に訊いてみたい。「君は、なぜ金融を目指すのか?」と。

「安定しているから」という答えなら、銀行・証券を問わず金融への就職は止めた方がいい。「金融の仕事が面白そうだから」という答えなら、金融に向いている可能性はほんの少しだがある。「お金が好きだから」ということなら大丈夫だ。

 今回の特集を隅々まで読むとよくわかると思うが、金融は安定したビジネスではない。銀行や証券会社のオフィスは概して立派だし、好調時の収入・ステイタスはまずまず高いが、銀行も証券会社もバランスシートの中に大きなリスクを抱えるビジネスだ。

 極端な場合は、一夜にして会社が傾いてもおかしくないし、日本の1990年代のバブル崩壊、あるいは世界の金融界のサブプライム問題からリーマンショックへの展開などを見ると、相対的に健全に経営されている世界クラスの金融機関でも、数年あれば十分潰れるくらい経営が悪化することが分かる。

 他のビジネスのように、時間をかけて設備投資計画を間違えたり、大量の在庫を抱えたりしなくとも、金融業では、1つのディールの失敗、ごく一部の社員の不祥事で、短期間に会社を潰してしまうことがある。

 金融業界では、顧客や株主にリスクを取らせて、儲かった場合に成功報酬を取るビジネスモデルが一般的なので、リスクが拡大しやすい。これを完全に制御する方法は見つかっていない。もっとも、これが金融業界で働く魅力の源泉なのだから、仕方がない(世間にとっては、迷惑なことがあるが)。

 少なくとも、安定指向を理由に金融業界を目指すべきではない。銀行も証券も、沈むことのある大船なので、泳ぎに自信のある若者以外は乗船すべきではない。
勉強熱心でお金が好き――。
金融マンに向く人の「5つの条件」とは?

 自分探し中の就活学生のために、金融業界への適性条件を5つ挙げてみよう。以下に挙げるのは、どこの業界でも共通の、「明るくて、元気で、協調性があり、頭が良くて、一緒に働くと楽しい人物」といった共通項にプラスして必要な条件だ。

 なお、筆者は自分が、これらの条件を十分満たしているとは思っていない(筆者を知る友人たちもそう思うだろう)。自分の過去の反省も噛みしめながらお伝えする。

 金融マン適性の第1条件は、勉強を継続できることだ。金融業の商品は直接的には「お金」だが、実際に扱っているのは情報であり、情報で他者(他社)よりもわずかな優位を持つことによって、ビジネスを成立させている。

 したがって、各種のビジネスに関しても、金融マーケットに関しても、時には法律や学術的な研究に関しても、知識と情報を仕入れ続けることが必要だ。勉強が嫌いでないこと、勉強を自然に継続できることを、金融マン適性の第一に挙げておきたい。

 金融マン適性、第2の条件は、お金が好きなことだ。本当は、これを第1番目に挙げようかとも思ったくらいだが、金融業では、お金を使ってお金を稼ぐことが仕事であり、基本的に、お金の稼ぎで仕事が評価される。

 お金を稼ぐことに対して、ごく自然にポジティブな感情を持てることが望ましい。そうでないと、大事なときに頑張ることができない。また、儲けることが心底から好きでないと、見えてこない世界がある。

ストレス、朝、孤独に強いことも
金融業界で働ける重要な条件に

 第3番目の条件は、ストレスに強いことだ。他の仕事でもストレスはあるが、金融の仕事では強いストレスが継続しやすいように思う。後述するが、金融マンの実質的な選手寿命が短いのも、このせいだろう。端的に言って、金融業の最前線のストレスは中高年には厳しいのだ。

 なお、特に銀行では、採用の際の人材評価の項目の中に「ストレス耐性」を明示的に織り込んでいる場合がある。筆者の友人・知人でも、非常に有能であっても、ストレスに弱い人物は金融界で成功していない。

 たとえば試験前に眠れなかったり、まして胃が痛くなったりしたことがあるなら、金融は止めた方がいい。

 第4番目の条件は、朝に強いことだ。証券でも、銀行でも、金融界で成功している人は早起きで、朝から仕事のエンジンがかかる人が多い。スピードが大切な金融の仕事では、市場の取引や、お金の動きが始まるときには、100%の準備ができていなければならない。

 また、時間厳守は当然だし、社内のルールもお金を扱う仕事だけに厳格である場合が多い。どんな時間にでも合わせることができる自己コントロールが必須だし、夜型には不向きな職場だ。

 第5番目には、孤独に強いことを挙げておこう。かつて、ある外資系証券のマネジャーが、外資適性がある人材の特徴として、「1人で昼飯を食っても平気なこと」を挙げていたが、外資系に勤めるのではなくても、他人が構ってくれなくても平気だといった種類の自我の強さがある方がいい。

 協調性はもちろん必要なのだが、組織のペースに合わせるのと同時に、他人に依存しない強さを併せ持っていなければならない。

なお、特集記事の58ページには、ある外資系金融機関がヘッドハンターに要望した理想の人物像の例が出ている。それは、「クロスボーダーM&A」(国境をまたぐ企業の合併・買収)の経験があり、ファイナンスの知識と英語に堪能で、交渉力も備わった、死ぬほど働く30歳前後の人物」というものだ。専門分野はM&Aでなくてもいいが、求める側の要求はこのようなものだ。
もしも金融業界に就職したら――。
筆者が送る「3つのアドバイス」

 たとえば読者が、あるいは読者の息子さんや娘さんでもいい。金融業界への就職が決まったら、どうしたらいいか。3つアドバイスしたい。

 まず、何らかの専門分野を持って、早く1人前になることだ。

 個人向け営業でも、ディーリングでも、システムでも、海外(たとえば中国)のビジネスでも、何でもいい。有り体に言って、転職市場で値が付くような仕事の能力と経験を早く持つことだ。

 前述のように、金融は危ないビジネスであり、「いざというとき」がいつ訪れるかわからない。その代わり、扱うのがお金と情報であり、会社を移ってもできる仕事なので、顧客やスキルをしっかり持っている金融マンは、会社を渡り歩くことができる(「確実に」持っているなら、より強いのはスキルよりも顧客を持つことだ)。

 金融に限らず、転職市場では人を採用しようとしている業務の「経験者」が強い。有効な業務経験を持たない金融マンは、極めて弱い。組織にすがるしかないが、組織はこうした人材を必要としない。

 また、業務での経験も大切だが、同じ職種の中で自分が頭1つ抜け出すための何らかの努力を自分で計画的に積み重ねる必要がある。これは、1人でする勉強であることが多いだろうが、酒やゴルフを通じた人脈形成である場合もあるし、人により、状況によって、色々だ。

 ともあれ、有利に世渡りするためには、何かで勝たなければならない。

 次に、2つの帰属意識を持て、と申し上げたい。

 これは、自分が「○○銀行」や「××証券」といった個別の会社のメンバーであると同時に、「△△△職種の金融マン(一般)」であるという会社・業界両方への帰属意識を持つことだ。

 自分の会社だけではなく、同業他社で自分と同じような仕事をしている金融マンの仕事のレベルや経済的処遇などについて、常に知っておこう。もちろん、他社でも通用し、競争に勝てる実力(しつこいようだが、顧客又はスキル)を持たねばならない。

 人材価値のある金融マンにとっては、業界全体が就職先だという側面がある。この点は、たとえば総合商社業界よりも有利かも知れない。転職できるからこそ、発揮できる自由や交渉力もある。
今からセカンドキャリアを考える
50歳以降も勢いを失わないために

 最後に、第二の職業人生を早く意識せよ、とアドバイスしたい。

 まずは、『週刊ダイヤモンド』(3月17日号)の金融特集のP61にある、メガバンク(何と「三菱東京UFJ銀行を例に」と書いてある!)の典型的な年代別人材選別の模式図をじっと見て、自分の人生にあてはめて将来を想像してみて欲しい。

 同期が100人いると、役員になるのは1人か2人という過酷な選別課程が図解されているが、50歳前後の時点で(わかるのはもっと早いが)大半(少なくとも8割以上)が出向して第一線を退き「年収激減」となることがわかる。

 50歳というと、人生の先はまだ長い。生活手段の上でも、生き甲斐の上でも、セカンドキャリアをどう過ごすかは重要な問題だ。仕事でも、趣味でも、ある程度以上のことをしようとすると準備が必要なことを考えると、40歳を過ぎたら(幸い、出世競争の結果はこの頃にはおおむねわかる)、50代以降に何をするのか考えておく必要がある。その場で考えるのでは、もう遅い。

 金融マンとして早く一人前になって、たくさん働いて、願わくは早めにたくさん稼ぎ、50歳以降も勢いを失わずに人生を送るためには、計画性と継続的な努力がいる。

質問1 金融は働き甲斐のある業界だと思う?


http://diamond.jp/articles/-/16437
 大阪の知事・市長ダブル選挙で圧勝した橋下徹氏が率いる大阪維新の会が発表した基本政策の中に、「掛け捨ての年金」という構想があり、注目を集めた。現時点で具体像は報道から推測する以外にないが、橋下氏の発言を追うと、一定以上の年齢になって生活するに十分な資産を持っていない人に対して、生活費を補填する「保険」をイメージしているようだ。十分に資産を持っている高齢者にまで年金を払うと、財源が足りないので、資産のない老人を給付対象にするのは「あり」ではないか、という趣旨らしい(筆者の推測だ)。

 年金というと、老後に備えた貯蓄に近いものという印象があるので、「掛け捨て」にはなじまない印象を受けるが、そもそもは長生きの際の生活費不足というリスクに対して集団で備える保険の一種だ。掛け捨てで設計することもできるはずだ。

 一般の生命保険の場合、保険料から保険会社の粗利に相当する部分(付加保険料。通常、大変大きい)を除くと、リスクに対する保障のコストと満期などの返戻金支払いのための貯蓄のコストの両方が含まれるが(合わせて、純保険料)、率直に言って保険会社がベストな運用を提供してくれるわけではないから、貯蓄部分は余計だ。もっとも、保険料を払ったのに将来何も返ってこない保険よりも、一種のご褒美のごとく満期などにお金をもらえる保険のほうが喜ばれる場合が多いようであり、保険会社が悪いとも言えない。

 だが、一般に保険を使う場合には掛け捨てがいい。例えば、死亡保障が必要なら、ネット生保などの安価な保険料で掛け捨てのシンプルな保険を、必要な額と期間だけ買うのが合理的な場合が多い。

 国が提供する公的年金にあって、例えば国民から一定額の保険料を徴収して、高齢(70歳ぐらいだろうか)になっても資産がない人に生活費を補助する給付を行う保険を考えることはできる。早死にした人と、高齢になっても潤沢な資産を持っている人は、給付を受けることができないが、彼らの負担によって、資産が乏しい高齢者が助かる保険的な仕組みだ。

次のページ>> 問題があるならば、保険事故の構成要素

「掛け捨て」と言われると、年金保険料を払う人が減るのではないかとの批判もあったが、橋下氏の構想では保険料を強制徴収するので、その問題はない。

 問題があるとすれば、この保険の保険事故の構成要素である「資産がない(少ない)」に関わる部分だろう。例えば、資産がないと保険金がもらえるなら、偽装離婚して片方に資産を集めて、もう片方が年金給付を受け取るような老夫婦が現れる可能性がある。また、いざとなれば公的資金で救われると期待する銀行が危険な投融資に傾斜するように、手持ちの資産をギャンブルなどに使ってしまう高齢者が出るかもしれない。

 加えて、給付の前提になる資産額の査定には大きな手間とコストがかかるだろう。これは、官僚の利権の温床になる可能性がある。制度の運営はそれなりに難しい。

 この種の不正を防ぐには、資産に関係なく給付し、資産のある高齢者から相続税や固定資産税など別の税金を取って、全体で帳尻を合わせる方法がある。これは、橋下氏も注目しているベーシックインカムに近いやり方だ。

 一方、現状の年金は、長生きリスクへの保険のほかに、「税制でバックアップされた老後への貯蓄」の機能を持つ。個人も国も、この部分をどうするのかを考えておく必要がある。筆者は個人型の確定拠出年金の普及を推すが、この部分の制度設計も重要だ。
 

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コメント
 
01. 2012年3月16日 17:37:58 : X2cecDAHTU
厚生年金は、人口ねずみ講が破綻し、官僚の制度設計の誤りと運用の失敗で巨額の損失を出し、
継続が困難になりつつある。

官僚の損失隠しを助ける為に、無理して何時までも執着していないで
潔く捨てた方がすっきりする。

それで、国民年金一本にすれば問題が解決する。

ここに良い案が出ているよ ↓

http://asyura.com/11/senkyo123/msg/785.html
 


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