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世界経済:新たな石油ショック?  アジアの人口ボーナスの終焉
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投稿者 MR 日時 2012 年 3 月 16 日 00:22:31: cT5Wxjlo3Xe3.
 

世界経済:新たな石油ショック?
2012.03.16(金)
The Economist3月10日号)

原油価格の高騰に対処する正しい方法と間違った方法

過去4年の間に、原油価格の高騰は2度にわたって世界経済を打ちのめした。2008年にはブレント原油の価格が1バレル=147ドルまで跳ね上がり、世界経済の成長は金融危機に完全に潰される前に減速した。1年前は、リビアからの供給停止が原油価格を127ドルまで押し上げた。始まったばかりの米国の景気回復を失速させるのに十分な原油高だった。


 原油価格が再び120ドルを超え、イランとの緊張が高まる中で、懸念が戻ってきた。石油ショックはまたしても世界経済を叩きのめすのだろうか?

 今のところ、答えはノーだ。原油価格はかつて問題を引き起こした水準に達している。だが、世界経済の成長は、原油価格の上昇率と比べると、価格の水準にはそれほど大きな影響を受けない。

 そして、今のところ価格の上昇は比較的緩やかだ。原油価格は現在、年初と比べて15%程度高い。一方、2011年1〜3月期には原油価格は35%近く急騰した。

 また、今回の価格上昇は、供給に関する実際の問題や懸念される問題だけに起因しているわけでもない。生産の混乱は確かに価格を押し上げた。先進国の原油備蓄は5年ぶりの低水準にあり、石油輸出国機構(OPEC)加盟国で唯一、かなりの余剰生産力を持つサウジアラビアは、既に過去最高に近い水準で原油を生産している。

 だが、最近の価格上昇の一部は、需要と関連している。差し迫ったユーロ崩壊の可能性が後退したほか、米国の景気回復に力強さが見られるようになり、世界経済は年初ほど脆く見えない。株価上昇の要因となった世界的な成長に対する楽観論は、原油価格も押し上げた。

供給不安の高まりと政策立案者の過剰反応

 それでも、油断は禁物だ。明白なリスクの1つは、供給不安の高まりだ。イランとの関係がいよいよ悪化し、イランがホルムズ海峡の封鎖を試みるところまで発展すれば、特にそうだ。

 たとえ海峡封鎖が長期化しないよう米国海軍が手段を講じたとしても、潜在的な混乱の規模は絶大だ。第1次湾岸戦争の初期段階では、原油価格が80%も上昇した。1バレル=200ドルという原油価格も、米国がイスラエルに攻撃を踏みとどまらせる理由の1つだ。

 2つ目のリスクは、経済政策の立案者が、これまでの比較的小さな価格上昇にさえ過剰反応することだ。欧州中央銀行(ECB)はその他の先進国の中央銀行に比べ、原油高騰によるインフレ圧力を不安視する傾向が強い。欧州では、賃金が自動的に物価と連動するケースが多いからだ。

 ECBは昨年、原油高騰を受けて(誤った判断で)金利を引き上げ、ユーロ圏の脆弱な経済を苦しめた。ユーロ圏のGDPが縮小している今、ECBが同じ過ちを繰り返すことはないだろう。今回懸念されるのは、原油価格の上昇がECBによる追加的な金融緩和の妨げとなることだ。それでは過ちを犯すことになる。

 インフレは、景気後退が深刻化することに比べれば、決して大きな脅威ではない。何より、ユーロ圏の最も弱い経済国は、輸入エネルギーに対する依存度が最も高い国でもあるからだ。原油価格の上昇に対処するうえで欧州が取るべき正しい対策は、もう一段の金融緩和に加え、厳しい財政緊縮を緩和することだ。

 新興国では今、過去数年ほどには、原油価格の上昇が大きなインフレの脅威にならなくなっている。各国経済の熱気が冷めたうえ、新興国では物価指数の大きな割合を占める食糧の価格が安定しているからだ。

 それでも原油価格の高騰は、依然として燃料製品の価格を統制しているエネルギー輸入国にとってリスクとなる。インドがその最たる例だ。同国は多額の経常赤字と財政赤字を抱える一方、灯油とディーゼル油に助成金を交付している。

 インドは原油価格の上昇(および3月上旬の選挙での与党の大敗)に対して、助成金を増やす衝動に抵抗しなければならない。むしろ財政赤字を削減するために、勇気を奮い起こして、3月16日の予算で燃料助成金を削減すべきだ。

政治家+ガソリン価格+選挙=パニック

 力強さを増す米国経済は、燃料価格の上昇を比較的うまく切り抜けられるが、選挙が行われる年の政治は、ガソリン価格高騰に対して「手を打つ」圧力をもたらすのが常だ。1つの誤った対応は、ただでさえ燃料の課税率が低い国で、ガソリン税を一時的に減税することだろう(むしろ、次の価格下落局面を増税の好機として利用した方がはるかにいい)。

 それ以上に危険な案は、価格を引き下げようとして米国の戦略石油備蓄を早計に放出することだ。昨夏、バラク・オバマ大統領は備蓄を放出した。ガソリン価格が今後さらに大幅に上昇すれば、大統領は間違いなく、再びそうする衝動に駆られるだろう。だが、折しもイランからの本当に大規模な供給途絶のリスクがある時に、それは無謀だ。

 2012年の石油ショックを回避できるかどうかは、米国が国内外で冷静さを保てるかどうかに大きくかかっているのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34783


アジアの人口ボーナスの終焉
2012.03.16(金)  3月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ポール・クルーグマン氏は1994年にフォーリン・アフェアーズ誌に寄せた論文「アジアの奇跡の虚構」でアジア人を激怒させた。

 同氏はこの論文で、シンガポールなどの国の一見目覚ましい成長は、結局それほど目覚ましいものではなかったと主張した。どんな経済発展も生産性の向上の結果ではなかった。それどころか、経済発展はすべて、労働力と資本の規則的な投入で説明できると書いたのだ。

アジアの指導者の怒りを買った論文

 クルーグマン氏の論文は少なからぬ怒りを招いた。自国経済の驚異的な変革と思えることを指揮した指導者たちは、クルーグマン氏の主張を受けつけなかった。彼らは自らを経済の奇跡を巧みに成し遂げた政治家と見なしていた。ただ有利な人口動態に恵まれ、倹約的な国民のおかげで、その貯蓄を工場や道路に回せた幸運な人間ではない、ということだ。

 良好な人口動態は高度成長の前提条件かもしれない。だが、それだけでは十分ではない。1970年代に東南アジアと人口構造が同じだった中南米諸国は、成長ペースがかなり遅かった。貯蓄が没収されたり、ハイパーインフレで目減りしたりしないということを国民に納得させるためだけであれ、少なくとも真っ当な政府らしきものが必要なのだ。

 同様に、人口動態がそれほど好ましくなくなった時には、各国は成長を維持するうえで生産性の拡大に頼らなければならない。

 UBSの上級経済顧問で、『The Age of Aging(高齢化の時代)』の著者であるジョージ・マグナス氏によると、生産性を拡大させるためには、優れた教育と良いマクロ経済運営、労働市場の適切な規制が必要だ。それがないと、各国はいとも簡単に中所得国の罠に落ちてしまうという。

減少に転じる労働人口

 アジアにとって、これらのテーマは学術的な関心にとどまらない問題だ。HSBCのフレデリック・ニューマン氏が指摘するように、アジアの多くの経済国は、人口の「ただ乗り」の終わりに近づいている。中国の労働人口は2017年以降、減少していく。香港も同様だ。韓国と台湾では労働人口が2016年に減少し始め、シンガポールでは2018年に減少に転じる。

 中国を除くと、少なくともこれらの国は既にかなり裕福だ。だが、それほど豊かでない一部のアジア諸国は近く、勢いを失っていく。タイの人口動態は10年後に変調を来す。労働人口が急増しているベトナムでさえ、遠からず急減速に見舞われる。

 これらの国がウサギ(最初に人口の罠から脱した国)だとすれば、アジアにはカメもいる。今後何年も有利な人口動態を期待できるのは、フィリピン、マレーシア、インドネシア、そして人口動態の寵児であるインドなどだ。インドは向こう15年間で、欧州の労働人口に匹敵する人口増加が見込まれている。

では、インドやフィリピン、インドネシアのような国は何もせず、人口ボーナスが払われるのを安穏と待てばいいのか? 明らかに、そうではない。

 フィリピンは、国がいかに簡単に人口動態という生得権を無駄にしてしまえるかを示している。同国の天然資源は国民だが、国内に良い仕事がないために、フィリピン人の約10%が国外で働き、彼らの親族とフィリピン経済全体が依存する現金を仕送りしている。

人口ボーナスが時限爆弾に?

 一部のインド人も、自国が人口ボーナスを無駄遣いしかねないと心配している。日本は1950年代から1960年代にかけての高度成長期に、教養があり、高度教育を受けた労働者を工場やオフィスに送り込んだ。

 対照的に、インドの教育制度にはばらつきがある。極めて優秀なエリート学生を生み出すが、多くの場合、教師を含めた基本的な要素が欠けている公立学校に通う何千万人もの生徒を失望させている。インドの人口ボーナスは人口の時限爆弾に変わるのではないかと心配する人もいる。

 有利な人口動態を持つ国々がのんびりしていられないとしても、不利な人口動態を持つ国が絶望する必要はない。労働人口に加わってくる中国の若者の流れは、近く減速し始める。だが、地方にはまだ、動員できる潜在的な労働者が何千万人もいる。

 多くの人にとって、悪化した人口動態の訓話である日本でさえ、労働参加率を高めることで、1人当たりの経済成長では妥当な水準を維持してきた(もっとも、多額の公的債務を考えると、持続可能性に関する疑問はあるが)。

 ゴールドマン・サックスのキャシー松井氏によると、女性の労働参加率は60%に上昇した。また、多くの日本人は定年をとうに過ぎても働く。65〜70歳の人のほぼ半数、70〜75歳の4分の1がいまだに働いている。

 その一方で、日本は移民労働者の受け入れが遅れている。例えば、高齢者の介護をしようとする日本人が絶望的に不足しているにもかかわらず、フィリピン人の看護師に馬鹿らしいほど厳しい日本語能力の基準を設けた。

 人口動態は可能性のパラメーターを定めるが、それは運命ではない。アジアは人口動態の追い風にすっかり慣れた。そして今、アジアの多くの国にとって、その風が反対方向に吹き始めようとしている。

By David Pilling

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34779


 

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コメント
 
01. 2012年3月16日 12:58:28 : Pj82T22SRI

アジアの成長は、まだ当分は続くが、非効率な政治経済体制やお粗末な再分配システムを変えない限り、

格差拡大を伴いながら、消費レベルは上昇しても、

欧米など先進国と同レベルの生活環境水準に到達するのは難しいだろう

まあ、日本は、今後、改革が進まず、急速に落ちていく確率が高いので、

比較的早く、一人当たり実質GDPに関してはキャッチアップできるはずだ


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