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空洞化の進むアメリカで雇用改善はどのように進んでいるのか?
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/559.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 08 日 16:04:51: cT5Wxjlo3Xe3.
 

『from 911/USAレポート』第568回

    「空洞化の進むアメリカで雇用改善はどのように進んでいるのか?」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)

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 ■ 『from 911/USAレポート』               第568回
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 昨年、2011年の2月にオバマ大統領がカリフォルニア州のシリコンバレーを訪
れた際に、IT企業のトップの人達との会食があったそうです。その直後にはオフレ
コ扱いだったようですが、会食から1年近くたった今年の1月にニューヨーク・タイ
ムスが記事にしたところでは、会食の席上でオバマ大統領は、アップルCEO(当時)
のスティーブ・ジョブズに対して、「iPhone の製造をアメリカ産にするにはどうし
たら良いのか?」という問題提起をしたそうです。

 もう少し詳しい描写としては、そもそも各社の代表が順番に大統領に対して質問を
するというセッティングだったそうで、ジョブズは自分の方から質問しようと話をし
ていた、そこへ大統領が割って入ってこの疑問を呈したという状況だったようです。

 これに対するジョブズの回答は「ムリです。この種の雇用はもうアメリカには戻っ
ては来ないでしょう」というものだった、NYタイムスはそう報じています。いかに
もジョブズらしいストレートな発言です。ただ、ジョブズとオバマは、ケンカ腰での
やりとりということではなかったようです。その更に1年前には、オバマは「アメリ
カの競争力維持と教育について」教えを乞うために、ジョブズと1時間ほど会談をし
ているという報道もあり、オバマとしてはジョブズの一貫した合理的な姿勢は理解し
ていると見るべきでしょう。

 このエピソードは、アップル社の経営方針の話を越えていると思います。それだけ
でなく、アメリカという社会が空洞化しているという現実を、大統領も巻き込む形で、
アメリカ人がほとんど認めてしまっている、そう理解することができます。勿論、大
統領をはじめとして、誰も良いことだとは思っていないわけですが、同時に誰も解決
策を持っていないわけであり、結果的に状況を追認するしかないということになりま
す。

 では、こうした空洞化した社会の中で、アメリカの雇用はどうなっているのでしょ
うか? 例えば、2008年のリーマン・ショック以降は、失業率が10%になるな
ど雇用にとっては厳しい時代を迎えました。その中で、多くの人が職を失い、また多
くの若者が「大学は出たけれど」なかなか職を得ることができなかったわけです。例
えば「占拠デモ」というような反応が、こうした現状への反発としてはあるわけです。

 ですが、アメリカ社会としては、製造業の空洞化した状況をどうしようもないわけ
です。大統領が頑張っても、若者がデモをしても、それこそスティーブ・ジョブズが
言ったとされるように、中国へ行ってしまった雇用は戻ってこないのです。このよう
な空洞化の中で、アメリカの中ではどのような雇用が残っているのでしょうか?

 例えば、このアップル社のようなIT企業の場合はどうでしょう? まず「キャン
パス」と呼ばれるシリコンバレーの本社に勤務しているような人は、経営系や経理・
法務系の人を除けば、技術者になります。そうした技術者というのは、多くの場合は
大学で「コンピュータ・サイエンス」を勉強した人です。大学で専攻したというと、
硬直した「学問のための学問」を想像するかもしれませんが、アメリカの大学の技術
系のカリキュラムというのは、企業の現場でのインターンシップのプログラムと同期
するなど、非常に現実的にできていて、特にコンピュータの分野などでは、トップ校
のトップクラスになれば「即戦力」になっています。

 企業の側では、特にその中から才能のある人材を囲い込もうと躍起になっており、
それこそ大学2年生から3年生ぐらいでインターンで来た学生の中に「キラリと光る」
ものを見つけると、卒業と同時にいろいろなオファーを出してくるわけです。では、
アップルのような業態の場合は、国内の雇用は企画と開発、そして経営や管理だけな
のでしょうか?

 勿論そうではありません。アメリカはアップルの本拠であるだけでなく、最大の市
場の一つであるわけです。そこで、アップルの場合は「アップル・ストア」という巨
大な通販組織と、巨大なリアル店舗の組織を持っているわけです。そうした販売とサ
ービスの機能に関しては、多くの雇用を創出しているわけで、アップル社としての国
内雇用をは4万7千人というのが公称ですが、その多くはこうした「国内市場での販
売がらみの雇用」ということになります。

 もっとも、アップルとしては例えば商品の配送に携わる人々や、最近では iOS の
アプリを作成して売っている個人経営のソフトハウスなどを含めると、雇用創出の規
模はもっと大きく30万から40万という数字で考えるべきだという見方もあるわけ
です。ちなみに、アップルとしてはアメリカ国内で51万4千以上の雇用創出を行な
っていると主張しています。

 つまり、アップルのモデルで言えば、製造という部分が空洞化し、それこそ「ポッ
コリ抜け落ちて」いる中で、企画・開発の機能と「国内市場での」販売・サービスの
機能という雇用がアメリカには残っているわけです。

 その販売部門ですが、報道によればアップルストアの従業員というのは、基本的に
は時給制であり、年収ベースでは3万ドル台から6万ドル台、一部の高度なサービス
エンジニアでも7万ドル程度ということのようです。いわゆるアメリカの「ホワイト
カラー」の年収には足りないわけで、若者向けの一時的なポジションという位置づけ
になっているようです。

 この構図は、アップルだけではなく、またITだけでもなく、アメリカの産業に広
範に見られるものです。例えば、医療機器に代表されるアメリカの精密機械工業も、
全く同じです。アメリカには企画開発の部隊と、営業部隊はありますが、製造は中国
を中心としたアジアにシフトしているわけです。

 ちなみに、販売部門の雇用に関しては、一般消費者向けのビジネス(例えばアップ
ル)と、法人向けのビジネスとでは構造が違います。一般消費者向けのビジネスは、
何と言っても最終消費者とのダイレクトな取引ですから、粗利は大きく稼げるわけで
す。ですが、販売の手間と売上額ということを考えると効率は稼げません。そこから
アップルストアの処遇の水準が出てくるわけです。

 一方で、医療機器や薬、企業用のソフトやサーバなど法人向けの場合は、営業一人
あたりの売上は大きくなるわけですし、営業活動そのものが価値創造型だということ
から、給与も(歩合制の場合もありますが、それでも)高水準になると思います。

 ところで、空洞化の例外もないわけではありません。例えば、一部の自動車と宇宙
航空の場合は国内の製造業はまだ残っています。自動車の場合は、北米市場の重要性
が突出している、粗利が大きく製造コストに多少余裕があるなどの理由から、そして
「メイド・イン・アメリカ」というイメージの問題も加わって、米国での生産が部分
的に続いています。日本、ドイツ、韓国の各国メーカーは米国での現地生産を続けて
いるという状況もあります。

 宇宙航空の場合は、最終組立工程は自社で責任をもってやりたい、更には軍事関係
のものを中心に機密を大事にしたいなどの理由があるわけです。

 アメリカの雇用の構造としてはこのような「グローバルな規模での企画・開発」と
いう機能が稼ぐ一方で、国内に向けての「自国市場の販売機能」も巨大な北米市場を
対象として稼いでいるわけですが、もう一つ無視できない規模の産業として「金融」
があるわけです。金融の場合は、詳細な企業情報の処理がインドなどの英語圏の新興
国に流れているという部分はあるものの、基本的には「中間の製造プロセスが空洞化
する」ということはないわけです。

 ですから、今回のリーマン・ショックで傷ついたものの、世界の金融市場としての
「企画・開発」の機能と、巨大な国内市場を対象とした営業の機能とを併せて大雇用
を生み出しているわけです。

 その先に控えているのが、アメリカの巨大な「内需」です。グローバルな産業が稼
ぎ、金融が稼ぐようになると、そのカネは全国を潤すことになります。そのカネは内
需という形で、小売とサービスに落ちることになります。今回のリーマン・ショック
以来の不況は、大変に深刻であり、多くの企業が倒れ、多くの雇用が失われました。
また、衣料品や家電品などで価格破壊的な動きもあったのです。

 ですが、こうした内需に関して例えば時間当たりの賃金が大幅に引き下げられたと
か、サービス業の単価が切り下げられたということは起きていません。ですから、景
気が戻れば雇用が回復し、雇用が回復すれば購買力が回復するという形での好循環が
始まれば、それは大きな流れになっていくわけです。

 そんな中、今週の4月6日(金)には前月分2012年3月の失業率が発表になり
ました。その数字としては、8.2%で、前月の8.3よりは0.1ポイントの改善
となっています。ですが、新規雇用の数字については多くのアナリストが「20万増」
というレベルを期待していたにも関わらず、「12万増」にとどまっており、市場は
やや悲観的な反応を示しました。

 今年に入ってから雇用統計の改善に引っ張られるようにして、アメリカの株式市場
は大きく上昇してきましたが、ここへ来て雇用の改善が鈍りがちとなり、一方で欧州
の金融危機については、ギリシャもスペインもまだまだ問題が続くということで、強
弱様々な見方が出ています。この点に関しては、来週あたりから始まる各企業の第1
四半期決算の数字が今ひとつとなるようですと、相当な調整ということにもなりかね
ません。ですが、今のところは2008年の大きな「底」からの回復のプロセスにあ
るのは間違いないと思います。

 いずれにしても、アメリカの経済は製造業は空洞化したとは言っても、最先端の企
画開発の部分はグローバルな競争力を維持していますし、金融という特殊なグローバ
ル産業もあります。そしてその上に、平均年齢の若い巨大な人口を対象とした内需が
乗っかっているわけです。そのような産業構造がアメリカの現状であり、その構造を
前提として雇用と景気の回復への手応えを感じているわけです。

 どうして、このような話を延々としてきたのかというと、それはアメリカの雇用や
景気の先行きを占おうというためではありません。そうではなくて、日本の現状との
比較で考えてみる良い材料だからと思ったからです。

 日本の場合は、アメリカとは産業構造が少し異なります。一つには、グローバルな
競争力を持った最先端産業がまだまだ発展途上ということがあります。ですが、この
問題は、製造業の空洞化がアメリカほどには進行していない、例えば自動車、電子部
品などでは世界的な競争力がある点で大雑把には相殺して考えることができるように
思います。

 仮に日本とアメリカの産業構造を比較してみますと、大きな違いが二つあると思い
ます。一つは、金融という産業がグローバルな競争力を持っていないという点。もう
一つは内需が高齢化しつつ人口減に直面することに加えて、実質的な賃金水準も、商
品サービスの価格も低下傾向にあるという点です。

 勿論、日本も例えば80年代がそうであったように、輸出型の産業が大きく稼げば
そのカネが内需にも回ってほぼ完全雇用などということもあったわけです。ですが、
今は、先端産業は伸びず、製造業は空洞化が進み、金融はダメで内需はデフレ、更に
は人口減という「規模のマイナス」が忍び寄っているという状況です。

 では、どうしたらいいのでしょう? 金融は一朝一夕にはできないので置いておく
としても、「最先端、製造業の空洞化阻止、内需のデフレの止血」の三つを全部やれ
としか言いようがありません。日本は人口1億2千万、GDP世界第三位の大国であ
り、その大きな国が「食ってゆく」ためには、この3つの領域を全部プラスに転換し
なくてはならないからです。

 そのためにも、日本の政治家には、いやその前に日本の世論にはもっともっと雇用
に敏感になってもらいたいのです。例えば、本稿の最初に紹介したオバマとジョブズ
の応酬のように、国内雇用の維持ということに政治家は真剣に対応してもらいたいと
思います。

 昨年来、パナソニックは物流部門の本社機構をシンガポールに移そうとしています。
またトヨタは今週、大型セダンの「アバロン」の新型を発表しましたが、設計も本社
から北米トヨタに移管して開発したと言っています。こうした動きに対して、基本的
にストップを掛けることは不可能だと思います。またそのような作為を行なっても、
恐らくは副作用も含めて事態は悪くなるでしょう。ですが、製造だけでなく開発や管
理まで空洞化しては、本当に日本という国は貧しくなってしまいます。

 空洞化が進行しながらも経済を回しているアメリカの仕組みには、勿論問題が山積
しています。そうではあっても、とりあえずあ大不況から脱出しようとしているのは
事実で、雇用も改善しているのです。全くの別の国だからと「人ごと」扱いをするの
ではなく、日本の景気と雇用の状況と何が違うのか、参考になることはないのか、検
証が必要だと思うのです。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』。訳書に『チャター』
がある。 またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

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JMM [Japan Mail Media]                No.682 Saturday Edition
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【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】100,039部
【WEB】   ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )  

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コメント
 
01. 2012年4月08日 16:44:02 : mHY843J0vA

>金融は一朝一夕にはできないので置いておくとしても、「最先端、製造業の空洞化阻止、内需のデフレの止血」の三つを全部やれ 

現状で、一番安易な手法は、金融緩和ですから、まず、それをやるべきでしょう

きっかけとして、消費税が潰れ、国債格下げ暴落阻止のため巨額の量的緩和を余議なくされ、それで急激な円安インフレになれば、人々の意識も変わるかもしれません



02. 2012年4月08日 17:32:12 : FijhpXM9AU
大学で専攻したというと、硬直した「学問のための学問」を想像するかもしれませんが、アメリカの大学の技術系のカリキュラムというのは、企業の現場でのインターンシップのプログラムと同期するなど、非常に現実的にできていて、特にコンピュータの分野などでは、トップ校のトップクラスになれば「即戦力」になっています。
-------------------------------------------
この数行の文章にこの零泉という人物の中身の空虚さ、軽薄さが余すところ無く語られている、大学を「学問のための学問」を追求する場所から、安っぽい企業の研修所に変身させた結果が、福島の原発事故なのだよ。産学協同というのはかつては汚い言葉であったし、今日でもそうあるべきなのだ。そうでなければ企業とその郎党を批判できる勢力がなくなってしまうではないか?批判のないところは収拾の付かない腐敗がはびこるだけだ。企業が間違ったこと、不正なことを始めたときに誰がそれを矯正するのか。大学はかつてそのための健全な制度的保証を提供していたのだ。アホウッ

03. 2012年4月08日 20:17:02 : hLprWRRZeM
>>02
それって何時の時代の話ですか?
日本の学者の主流が御用学者でなかった時代ってありましたか?

50年以上前、水俣病の時代には既に大学は企業の味方でしたよ。

熊本大が水銀が原因と唱えたのに対して東京の学者は別の説を持ち出して否定。
さらに、新潟県で同様の病気が発生して共産党系の病院が新潟大と共同で「再発見」
した
(いわゆる新潟水俣病)ことでようやく熊本の事例も水銀が原因と認めざるを得なく
なったのでした。


04. 2012年4月09日 00:28:40 : FijhpXM9AU
いや昔からそうではあったけれど、さらに致命的にひどくなっているといっているだけ。

05. 2012年4月09日 13:30:28 : v7a8Ab2mMw
>>大学を「学問のための学問」を追求する場所から、
>>安っぽい企業の研修所に変身させた結果が、福島の原発事故

 これって、ちょっと変じゃありませんか。
 何を以って日本の大学が企業の研修所に変身したのか、良く分かりませんが・・・・
 もし、企業献金とそれによる癒着と御用学者の言動を問題にするのなら、それは日本に大学が設立されてからズ〜ッと続いています。

 問題は、受験制度と学閥師弟制度、能無しでも教員を続けられるような制度を続けている文部科学省・官僚、教えている内容や能力で生徒を採用せず、大学の偏差値だけで学生を採用するバカ企業の採用担当者にあるのでしょう。

 欧米ではすでに大学は一般教養知識の取得機関で、本当の専門知識は大学院に入ってから取得する流れです。
 ちなみに如何にエキスパートと言えども大学専門課程の2〜3年位の能力で製品の開発なんか無理。
 即戦力なんてのは、どうみても誇張ですよ。
 せいぜいテストや仕様書にしたがったソフトのコーディングくらいが関の山。


06. 2012年4月09日 17:06:24 : Pj82T22SRI

著者が言いたかったのは、米国(欧米など日本以外の多く)では、日本のように産業に結びつかない徒弟制度的な研究・教育だけでなく、
もっと基礎的で実用的な教育を大学が行っているから、学歴と雇用(賃金)が直結しているということであり

大学教育の裾野が非常に広いというのは明白な事実だ

と言うか、そもそも日本の大学(一部のトップ理系などを除く)は、教育システムとしては、ほぼ崩壊していて、学力の認証システムや研究者養成機関としてしか機能していない


>>02 大学を「学問のための学問」を追求する場所から、安っぽい企業の研修所に変身させた結果が、福島の原発事故なのだよ。

これは完全に勘違いだな

産学連携が言われるようになったのは、原発開発よりもずっと以降の最近の話に過ぎない



07. 2012年4月09日 19:28:43 : FijhpXM9AU
著者が言いたかったのは、米国(欧米など日本以外の多く)では、日本のように産業に結びつかない徒弟制度的な研究・教育だけでなく、
もっと基礎的で実用的な教育を大学が行っているから、学歴と雇用(賃金)が直結しているということであり大学教育の裾野が非常に広いというのは明白な事実だ
---------------------------------

学歴と雇用(賃金)がどうして直結する必要があるのかね。皮相的だ(ため息)。カネのために学問をやろうという人間ばかりになったから世界、特に米国と日本はこのざまなのだ。宇沢弘文などは、学者としての能力は竹中など屑集団の比ではないレベルにある碩学と呼ぶべき人物だが、竹中のような売国奴に堕すことなく良心に従って真理を追究している。むろん竹中のように家賃200万のマンションには住んでいないけどね。大学は本来宇沢のような学者のための場所なのですね。

大学というのはかつての英国の大学(オクスフォード・ケンブリッジをはじめとしてほとんどの大学が学費無料だった)や日本の国立大学(授業料は月謝1000円だった)のように貧しい家庭の子女にも能力さえあれば解放されるべきだし、その代わり卒業生は無節操な金儲けに走ることなく、社会に還元することが基本的な理念だったはずだ。その意味で何百万円もの学費を徴収して、多くの場合卒業生を借金漬けにして(銀行のぼろ儲け収益源だ)、元を取るための金儲け万能人間に育成するという悪しき「ビジネスモデル」を作ったアメリカの大学の罪は非常に大きい。

パスツールも、ジェンナーも金儲けのために予防接種を開発したのではない。人類を救済しようと思ってやったのである。むろん中には拝金主義者だったアメリカのエジソンなどもいるが。今でもヨーロッパにはリーナス・トーバルズのようにウィンドウズよりよほど優れたOSを開発しても、自分は金儲けに走らず無償で公開するような品性の高い優れた人がまだいる。大した才能もないのに、特許戦略だけで人の才能を盗用するようにして、10兆円の財産を作ったビル・ゲーツのような屑と違ってね。リーナスのような人間は、「カネこそ人間が努力し才能を開花させようと努める上で最大の動機付けだ」ということを金科玉条にしている英米人には、困った存在だろうけれど。

大学というのは人類の歴史の中でたかが数百年くらいはびこっているだけの資本主義を絶対の真理のように前提として、その利益に資する賃金奴隷を輩出するための場所ではないのだよ。むしろ腐り果てた資本主義をどう処理するかを含めて、世界・地球全体の方向性をどうするかを考えるような人材を育成するところでなければならないのだ。

真理の探究でなく、目先の金儲けを考える人間ばかりの社会に未来はない。
アメリカの大学などは大学でなく、職業訓練・就職斡旋所と改名すべきだろうね。


08. 2012年4月09日 20:32:23 : Fqyb8DLSQg

米国の金融はAIJの国際版ともう言うべき権力と一体化した詐欺集団・・・
デリバティブ等で強欲すぎる金融資本主義も間もなく終焉・・・

日本の構造改革は、小泉竹中時代に金融立国をめざしたが、すべてが中途半端・・・

むしろ米国債返してくれれば、増税も必要なく、財政も健全化する

ゴールドマンサックスで3日も持たないと発言していた冷泉のようなスポークスマン気取りが問題・・・
汗水たらした労働の対価の米国債返してくれよ・・・
アメリカ在住なんだから、日本よりアメリカの心配しろ・・・


09. 2012年4月09日 21:04:25 : FijhpXM9AU
それから本音を言うなら、冷泉氏の911に関する見解も笑止と言わざるを得ない。

911の直後にオランダの爆破解体専門業者のダニー・ジョウェンコがインタビューを受けている場面が記録されている。その中でジョウェンコは第7ビル倒壊の映像を見せられて、「間違いなく爆破解体だ」と断言し、その後で映像が撮影されたのは911の当日だと告げられて絶句している。何ヶ月もかけて準備する必要のある爆破解体が当日行われたとしたら、誰かの謀略であることは明白だし、第7ビルが爆破解体だとしたら、南北両タワーも同じ伝で倒壊した可能性濃厚だから、数千の人間を残したままビルを平気で爆破するようなとんでもない連中がこの世に存在することの、あまりの恐ろしさに絶句したのだ。(その後ジョウェンコ氏は交通事故で死亡)

アルカイダだとかオサマビンラーデンとか鼻くそみたいな戯言に耳を貸しているようではジャーナリストの資格はない。これは大手の報道関係者も全く同じ。



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