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ビジネス知識源 特別号:大きく変化した国債の売買市場1−2
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/567.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 09 日 18:33:27: cT5Wxjlo3Xe3.
 

ビジネス知識源
(本マガジンは無料版です)
【良質な、経営・IT・ビジネス・経済・金融知識の提供を目標に】

<特別号:大きく変化した国債の売買市場(1)>

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
バックナンバーはHPで: http://www.cool-knowledge.com/
(新装し、過去の有料版も数十部載せています)
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  著者:Systems Research Ltd. Consultant 吉田繁治
45,455部
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは、吉田繁治です。やっと桜も開花し、新年度らしい風景
が、あちこちに見えます。花見に出る人が、今年はいつもより多い
ように感じます。日本を含む世界での大きな自然災害の多さは、
2000年代は1990年代のほぼ2倍に高まっています。理由は分からな
い。花を愛(め)でる人の多さに、こうしたことが影響しているの
か。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111226/dst11122608120000-n1.htm

(1)本稿は、特別号として、2012年3月21日の有料版を、20日遅れ
ですが、2回に分けて、送ります。

2011年秋冬と、2012年1月〜3月にかけて、円の国債と日本株に対す
る、外人ヘッジファンドの「買い越し」が増えているのです。この
円国債の買い越しが、2011年秋冬の円高の原因でした。

そして、2012年1月中旬の日銀の「インフレターゲット1%」、つま
り、日銀による10兆円増枠された65兆円枠での「資産買い受け基
金」が、おなじく外人ヘッジファンドの日本株の、3月までの買い
越しを呼んでいました。日銀の、株価維持を目的とした覆面買いも
からんでいます。日本の株価の2月、3月相場がこれでした。

(2)3月9日の東京講演には行けなかったけれど、その時の講演の
録画やレジュメを見たいという方から、当方にメールを戴いていま
す。このためレジュメ(55ページ)と講演の動画像を、当方のホー
ムページで、無料公開する準備をしています。アップロードができ
たとき、またお知らせします。

***************(以下、本文)

おはようございます。さっきまで、1998年から2012年2月までの日
本国債(長短)を、月別に誰が買い、誰が売っているかの分析をし
ていました。

元データは、日本証券業協会がほぼ1ヶ月遅れで集計している「公
社債の投資主体別の売買動向」です。分かりにくい大きな表ですか
ら、意味を読み取るには、エクセルを使った再集計が必要です。

(注)公社債は、長短国債、地方債、財投債、政府短期証券、及び
東電や銀行の社債を言います。日本では、社債が大きな米国とは違
い、社債売買が占める割合は国債の1/100と低い。全体を国債市場
と見ていい。

ブルムバーグは、分かりにくいナマの表を、インターネットで報じ
ていますが、他の報道では、見かけません。国債が、どう売れるか
は、これからの日本の金融と経済にとって、肝心なことのはずなの
ですが・・・

国債市場は、金融市場の中で最大です。1ヶ月の売買が300兆円(月
間の売買回転率が0.3回)くらいあります。

株式市場は1ヶ月で30兆円(月間で0.1回転)の売買であり、国債
市場の売買額に比べれば1/10と小さい。

国債の保有が少ない個人や企業の参加は極めて小さく、国債をもつ
金融機関の間での売買であるため、巨大資金が動くこの市場も、一
般には、ほとんど知られていません。

わが国を含む世界の金利は、(金融を自由化していない中国を除い
て)、国債の売買状況で決まります。
・債券市場での売り越しが多いと金利が上がり、
・買い越しが多いと下がります。

この主体別売買のデータに注目した理由は、2010年から不気味な変
化が見られるからです。端的に言えば、以下です。

▼(1)国債の売り越しに転じた都銀

2009年まで、国債を大きく買い越してきていた都市銀行(中核が3
大メガバンク:三菱、みずほ、三井住友)が、2010年から売り越し
をする月が増えています。

そして2011年は14兆910億円の売り越しに転じているのです。

つまり、資金量が多い都市銀行(約300兆円)が、政府の赤字増加
で一層多く発行されるようになった日本国債を増加買いしなくなっ
ているのです。

1年の途中で満期償還がある短期債の売買が含まれるので、売り越
した14兆円の全部が、都銀から手放されたとは言えません。たぶん、
2011年で[14兆円÷4=3兆円]くらいの保有国債が減少しているで
しょう。

2012年の1月、2月も売り越しが続いています。最新データの2012年
2月は、1ヶ月で4兆1267億円もの売り越しです。(注)売り越し=
[売り−買い]の差額

「買い手だった都銀が、2010年から日本国債の売り越しに転じた」
という事実は重大です。2009年まで、最大の買い手として、月別を
単純後継すると、1年に30〜89兆円の買い越しだったからです。

都銀の保有額の増加では、買越額の1/4だったでしょう。
つまり、1年に8〜20兆円を増加保有していたのです。

都銀が売り越した国債を誰が買ったのか? 増やして買う主体がな
いと、国債が売れ残るため、国債金利はほぼ3ヶ月で暴騰します。

金利がたった2ポイント上がって、長期金利で3%になると、
(1)国債をもつ金融機関に100兆円の含み損が生じ、金融危機にな
り、
(2)政府は国債の売却が難しくなって、資金不足に陥ります。

一般会計と特別会計(二重計算を除く合計で220兆円/年:2011年
財務省)の、政府予算の支払いが、一挙に困難になって行きます。

(注)1年で220兆円の政府予算の中には、合計で80兆円の、国債償
還費(70兆円:長期債は60年償還と計算される)と国債の利払い
(約10兆円)が含まれています。

日本とは無縁とされているギリシア国債のように、
・償還ができない事態が(数ヶ月の短期で)起こって、
・1年に150兆円も満期が来る国債の支払い延期(これがデフォル
ト)にもなってしまいます。

ところが・・・都銀が売り越した国債を増加買いする買い手が、急
遽、現れたのです。

▼(2)都銀の穴を埋めたのが、外人の買い越し

2010年から、日本国債の買い越しを増やしたのは、外人ヘッジ・フ
ァンドでした。

・2010年は、月別累計で101兆9737億円、
・2011年は、141兆941億円も買い越しています。

買い越しは、2012年1月が12兆円、2月が14兆円と、続いています。
外人ファンドの売買は、ほぼ3ヶ月で現金の償還がある短期国債で
す。かねてから長期債は、ほんど買いません。長期保有することが
目的ではないからです。

オフショアにある外人ファンドの国債保有は、2011年9月末で47兆
4040億円(748兆円の国債の6.3%:財務省の集計)でした。

11年9月以降、買い越しを増やしているので、2月末現在の保有残は、
推計ですが、少なく見ても、[11年9月で47兆円−その後の満期償
還20兆円+その後の買い越し40兆円=67兆円]には達しているでし
ょう。

◎「国内の都銀が売り越した分を、海外ヘッジ・ファンドが、オフ
ショアから買う」という需給構造に変化しています。

ユーロ債、米国債を売った資金を円に交換して(円買い)、日本政
府の短期債を買い越したのです。このための円買いの増加が、
2011年冬と1月の中旬までの円高(ユーロ安97円:ドル安75円)の
主因でしょう。

12年3月現在、67兆円の短期債(満期3ヶ月)を保有するとすれば、
1ヶ月当たりで、政府が現金を振り込まねばならない分は、67兆円
÷3ヶ月=22兆円です。

(注)ヘッジ・ファンドが、円債を売らずとも、国債の満期償還を
待つようになれば、円安に向かいます。円のドルやユーロへの交換
が起こるからです。

◎ヘッジ・ファンドが、国債口座に振り込まれる1ヶ月に22兆円の
現金で、毎月発行される短期の借り換え債を22兆円分買い越さない
限り、売り越したことと同じなってしまいます。

都銀が2012年3月以降も売り続けるなら、もっと多く買い越さねば
ならなない。

企業で言えば、3ヶ月手形の満期日に、また同じ額の手形を発行し、
銀行に頼んで買ってもらう「コロガシ」です。手形コロガシに、突
如、銀行がノーと言えば、企業は、他の銀行から緊急に借りない限
り、支払い予定の決済資金にショート(不足)が起こり、早期に倒
産します。

以上のような状況が、2010年からの国債市場で起こっているのです。

政府と日本経済にとって重大な問題なので、正確に論を進めます。

以前示しましたが、財務省は「外人ファンドが日本の短期債を増加
買いする目的は何か?」と案じ、2012年1月に、内外の金融機関を
呼び、非公開の会議を開いています。

空売りを仕掛けるために、国債を仕込んだのかと恐れたからです。

(注1)空売り:借りた証券を、現在の価格で債券市場で売って、
期限日の価格で買い戻して返却する取引。相場が現在の1000円から、
近い将来の買い戻す日に100円下落すると、買い戻す価格が売った
価格(1000円)より100円下がって900円になるため、100円が利益
になる。空売りの目論見とは逆に相場が動き、上がれば損が生じる。

大口の空売りが多くなると、債券市場で売りが増えるため、国債価
格が下がる傾向に向かいます。このため、欧州では、EUがPIIGS債
の空売りを禁じています。

ところが禁じても、空売りと同じ効果をもつ「先物売り」や「売り
オプション」はできるので、空売りだけの規制では、まるで意味が
ない。

(注2)また空売りでは、ヘッジ・ファンドなら証券を借りなくて
売る「裸の空売り」も無限にできます。ただし「裸の空売り」では、
買い戻しの期限日までに、売った証券分を探さねばならない。

その後の2月には、日銀が、資産買い受け基金(65兆円)を使い、
1年に40兆円(1ヶ月3.3兆円)の国債を、増加買いをするという、
過去はなかった金額の「量的緩和」の発表がありました。

量的緩和は、国債を買って、その代金のマネーを日銀が刷るという
ことです。

「あぁ、これは増加買いしてきたヘッジ・ファンドによる、日本国
債売り(空売りや先物売り、または売りオプション)が大規模に起
こったときの備えだな」と思ったのです。

この対策がないと、国債売りが増えたとき、損失の恐怖に駆られた
金融機関からの狼狽(ろうばい)売りも呼ぶため、金利が高騰する
からです。こうなると、2011年1月中旬までのPIIGS債のように、市
場は売り一方になります。

郵貯・簡保や年金基金を含み、金融機関の預金(預かり資産)はさ
ほど増えなくなっています。1枚22円のコストで1万円札を刷ること
ができる日銀以外には、国債を大きく増加買いする財源が、年々、
なくなってきているからです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<有料版 583号:大きく変化した日本国債の売買市場>
有料版:2012年3月21日号

【目次】
1.最初に、日本国債の投資主体別保有高
2.満期償還額が、毎年、大きくなってきた
3.わが国の、中長期の国債残の想定:
11年後の2023年には1366兆円と、2011年より508兆円増える
(本稿は↑ここまで)
(以降は↓、次号で)

4.投資家別の国債の売買
5.ヘッジ・ファンドは、日本国債売りの準備をしているのか
6.日本国債の売りの機会はいつか?
7.2012年は、インフレで世界の金利上昇の兆しがある
【後記】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.最初に、日本国債の投資主体別保有高
(748兆1918億円:財務省:2011年9月)

国債の保有を、主体別に見ます。日本国債は、国内でファイナンス
(=買い受け)されているというのがこれです。

▼国債の主体別保有

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
+
銀行等 326.6兆円(43.7%)・・・郵貯銀行を含む
生損保等 155.2兆円(20.8%)・・・生命保険、損害保険
公的年金基金 70.3兆円(9.4%)・・・政府が管理
日銀 63.6兆円(8.5%)・・・日銀が管理
民間年金基金 29.0兆円(3.9%)・・・企業が管理
海外 47.4兆円(6.3%)・・・ヘッジ・ファンドの投機
家計 29.4兆円(3.9%)・・・個人分は少ない
その他 26.4兆円(3.5%)・・・政府系
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
合計 748.2兆円(100%) (注)政府負債は1024兆円

銀行(都銀、地銀、信託、第二地銀、信用金庫、農林系、投資信託、
郵貯等)の持ち分がもっとも多く、326.6兆円です。

このうちの都銀が2010年から売り越しに転じたので、影響が大きい。

公的年金、民間の企業年金基金、郵貯・簡保は、預かり金が減って
いるので、すでに、国債の売り手です。今後も、預かり資金量が増
えないので、国債を、現在の保有以上に増加買いすることはできま
せん。

▼増える国債発行額

政府は、2012年度に、
・新規債44.2兆円、
・東日本復興債2.7兆円、
・政府系金融機関の資金源になる財投債15.0兆円、
・満期が来る国債の償還をするための借り換え債112.3兆円、
合計で174.2兆円の国債を発行する予定です。

(注)2012年度に、原発や災害等のため追加の補正予算があると、
もっと増えます。1%金利が上がると、当年度発行の174.2兆円に
対し1.7兆円の利払い分が増えます。

財務省理財局が、174兆円も、市場でどう消化する目標かと言えば、
以下です。

▼政府の消化目標(財務省の予定)

・市中金融機関の消化分 154.5兆円(海外を含む)
・個人向け 3.0兆円
・日銀購入 16.7兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
合計 174.2兆円
http://www.mof.go.jp/jgbs/topics/press_release/jgbpress24.pdf

【日銀の買いについての説明】
日銀の増加購入を16.7兆円と明記したのが、2012年の特徴です。
これは、金額が上下するアバウトな数字です。

理由は、金融機関が、新規債と借り換え債の174兆円を引きうけき
れないからです。

(注)日銀による、政府から直接の国債引けは、金融の規律を壊す
として日銀法は禁じています。しかし、国債を債券市場からは買え
るので、これは有名無実な規定です。

普通、新規の発行(上記の44.2兆円)のみが国債発行と思う人が
多いのですが、そうではない。

■2.満期償還額が、毎年、大きくなってきた

国債は社債と同じように、過去の分の満期が、毎月来ます。12年度
は、748兆円の国債のうち112.3兆円であり、平均償還期は6.6年
です。約10兆円の国債償還(=返済)が、毎月、途切れずに来ると
いう意味です。

政府の一般会計では、44.2兆円の赤字財政(44.2兆円の資金不
足)です。これとは別に、年金会計の赤字が2.2兆円あって、これ
は債券市場には出ない「政府紙幣のような交付国債」です。

赤字は、満期が来る国債の償還資金がないということです。
赤字企業が、満期が来た借金の返済ができないのと同じです。

このため112.3兆円の借り換え債を、債券市場で売らねばならない。
国債を持っている金融機関からすれば、満期が来た国債112.3兆円
から受け取るべき現金の代わりに、期限が延期された112.3兆円の
新規国債が渡される感じです。(注)国債の発行市場には、金融機
関が、入札で参加しています。

【都銀とヘッジ・ファンドが交替した】
前記で述べた都銀は、この借り換え債を、2010年からは、保有国債
の満期が来ても、満期の額より、少ししか買わなくなったというこ
とです。代わりに買ったのが、オフショアからのヘッジ・ファンド
です。

【日銀の、国債の売買方法】
上記では日銀による購入目標が16.7兆円とされ、買い受け枠の40
兆円とは異なりますが、その理由は以下です。

日銀は、国債を市場で買い、売っています(これが金融の調節で
す)。日銀の国債の売買は、買い現先(売り戻すことを約束した買
い)や、その逆の売り現先(買い戻すことを約束した売り)が多い。

2012年度に、最終的に、日銀が現在の保有を増加させる目処が16.
7兆円ということです。

都銀やヘッジ・ファンドの売りが増えれば、年間ベースで40兆円の
国債買いに向かう用意を、日銀が行ったというのが(12年2月)、
1年で40兆円の、国債の買い枠の意味です。

それにしても、174.2兆円の国債発行は大きいですね。今後も毎年、
新規国債が40〜50兆円増えるので、この借り換え債を含む国債発行
は増加し続けます。この買い手が十分でないと、国債金利が高騰し
て、PIIGSのように国家の財政破産が起こるから重大です。

■3.わが国の、中長期の国債残の想定:
11年後の2023年には1366兆円と、2011年より508兆円増える

財務省の試算(経済財政の中期試算)では、現在はマイナスのGDP
の名目成長率を、2012年度+2.6%、2013年+1.1%、2014年+2.
4%、2015年+2.3%、2016年+1.9%・・・2020年+1.9%、
2023年+1.3%と見たとき、2023年の公債残は1366兆円となって、
2011年(財務省短期証券を含む公債残858兆円)より508兆円も増え
ます。

1年で約50兆円(消費税の25%分)も増え続けます↓。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h23chuuchouki8.pdf

▼物価と金利とGDP

上記の名目GDPは、現在はマイナスかゼロの物価の上昇を、1.1%
〜2.3%と仮定したものです。

【物価と金利の、経済原理的な関係】
ただし、物価が1〜2%上がることが恒常的と認識されるように変わ
ると、今度は、現在1%付近の長期金利が2〜3%に上がりますから、
政府財政は破産に向かうでしょう。

◎物価の2%上昇は、1年後のお金が2%(2万円分)価値低下するこ
とです。現在の100万円が1年後には98万円の価値に下がります。こ
のためマネーを1年間貸す人は、金利3%にならないと、貸さない。
債券の金利も3%ならないと買わないのです。このため金利が上が
ります。

1年後に3%の金利を加えて、(回収リスク率をゼロとして)103万
円になって戻ってきても、2万円上がった物価から見れば、実質価
値は101万円でしかないからです。

物価が上がるように変わると、金融市場の期待金利が上がるのです。
市場で売買されている国債や債券の金利も同じです。

物価が2%上がると金融市場で認識されると、社債や国債の価格を
決める期待金利は、その約6ヶ月から1年遅れで2ポイントは上昇に
向かいます。

物価が上がる中で、日銀が国債の下落を防ぐために、金利の上昇を
抑えようとして、更に金融を緩めると(=日銀が国債を買ってマ
ネーを増発すると)、物価は一層上がるようになります。

物価に数ヶ月から1年遅れて、期待金利が、それ以前より上がるの
です。

▼2012年以降のGDPは、労働年齢人口が1年に60人も減るため増えに
くい

内閣府が2011年8月に作った、上記の「経済財政の中長期試算」で
は、今後、物価の上昇や下落を含む名目GDPと、物価の上昇を引き、
下落を足した実質GDPも増えることを仮定しています。

◎GDPが増えると仮定しないと、「経済財政の中長期試算」が作れ
ないからです。官僚は、こうしたつじつま合わせをやる習性をもっ
ています。このため、政府の金融・経済政策と、国債を発行する財
政は、架空の上のものです。

【厚労省は、架空の利回りを想定している】
他の例で言えば、政府が預かっている年金基金(約100兆円:GPI
F)の運用利回りは、想定率において、4.1%という高さです。

日本国債の長期金利が1%という低さの中で、毎年、4.1%という
高い利回りを続けることができるわけもない。

しかし、100兆円の基金の運用利回りを、4.1%(利息収入4.1兆
円/年)としないと、年金財政が破産します。このため、無理やり
4.1%の利回りにするという逆転した計算をしています。

年金基金でほぼ70%(70兆円)の運用が、長期金利1%の日本国債
です。なぜ4.1%の利回りという馬鹿げた想定が、政府と国会では
通用するのか? 呆れます。他でも、民主党政府では、実に馬鹿げ
た、官僚の経済計算が多いのです。

こうした架空のことを、政府が公然と言うから、企業年金を2000億
円も預かって、ほぼゼロになるまですっかり飛ばしたAIJ(投資顧
問業)が、「毎年5%の利回り、相場が下がっても利益は出る」と
言っても、その嘘を見抜けなかったのです。

年金基金の運用担当も、「70%を運用する国債金利が1%なのに、
政府が言う4.1%の利回りという馬鹿なことが、どんな運用方法で
可能か?」と見抜けなかったのです。

架空の物語の上に、今日も官僚は、中長期の財政と増税見通しを描
いています。それとも、年金基金は、国債の空売りや先物売り、ま
たはオプション売りをする予定だったのでしょうか?

(注)2011年の、ヘッジ・ファンドの平均利回りは、マイナス6%
でした。ヘッジ・ファンドは、空売り、先物、オプション、通貨ス
ワップ、金利スワップ、及び複雑な証券が多い仕組み債での資金運
用です。世界のヘッジ・ファンドは8000本、預かり元本$2兆、レ
バレッジ運用で想定$20兆(1600兆円)です。

仕組債(Structured Bonds)は、オプション、スワップを多種組み
込むことで、通常の債券のキャッシュ・フロー(回収金)とは異な
るキャッシュ・フローを持つようにしたものです。

しかしこの仕組み債でも、下落のリスク確率を引いた期待利回りで
は、世界の国債の期待金利付近でしかないのです。金融は、どんな
方法をとっても、期待金利に収斂します。

【人口問題】
2012年からは、団塊の世代が65歳を超えることが原因で、1年毎に
60万人も労働年齢人口(15歳から65歳:働く人7000万人−60万人)
が減ります。

7000万人の、1人当たりの生産性が大きく上がらないと、GDP(名目
が467兆円:2011年12月)の増加予想ができない。

これから5年は続く、1年60万人の労働年齢人口の減少を計算すると、
経済では、100万人の中核都市(福岡や仙台)の全産業が、1年に1
都市ずつ消えることに等しい。

不遜な例えであること承知で言いますが、東日本大震災での産業の
破壊にも相当する、日本経済へのダメージです。

このため280万社の全企業の合計売上は、増えない(個別には、増
えるところと減るところがあります)。

従って、280万社合計では民間企業は、借金での設備投資は増やし
ません。工場、店舗、オフィス、ホテル、レストラン等の新規設備
投資は、自社売上が増える見込みがないとできないからです。

[名目GDP=1人当たりの生産性(付加価値生産額)×労働人口]で
す。GDPは、生産された商品の総額から仕入(原材料費)を引いた
ものです。もちろん、商品には、例えば通信や交通、電気、教育、
医療のような無形のサービス商品もあります。有形の商品が50%、
無形の商品(サービスと言う)が50%と考えればいいでしょう。

GDPの増加とは、有形商品とサービスの商品生産額が増えることで
す。名目は店頭価格で計算し、実質は物価上昇率(たとえば2%)
を引いたものです。

物価が1%下がると、名目GDPより実質GDPが大きくなります。2011
年12月期の、年率換算の名目GDPは467兆円であり、前年比で3.1%
も減っています。これは、企業の所得と世帯の所得も3.1%減った
ことと同じです。

他方、実質GDPは508兆円(前年比−2.3%)です。これは、現在よ
り8%高かった2005年の商品価格に換算したものです。

少ない名目GDP467兆円と、多い実質GDP508兆円の差である41兆円が、
2011年までの6年間で下がった価格です。6年間で41÷508=8%下が
っています。1年平均で言えば、1.2%の物価の下落でした。

労働人口が毎年減ることは、確定しています。このため労働生産性
が、労働人口の減少をカバーして伸びない限り、GDPは増えません。
政府の、経済財政の中長期試算は、誤った前提のものです。あるい
は、こうなればいいという願望でしょう。

以上について、とても無責任に思える、作文風の中長期の財政見通
しを作った内閣府からの、反論を期待します。

この中長期の財政見通しをベースに、政府の財政と、年金や医療の
福祉の政策、及び、増税案の政策が作られているからです。民主党
の政治家の責任でもあります。エコノミスト達は、一体、何をして
いのか。

ここまでを記憶として抑えた上で、次は、投資主体別の、債券市場
での国債売買を見ます。これ以降は、すぐに送る次号に書きます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■4.投資家別の国債の売買
■5.ヘッジ・ファンドは、日本国債売りの準備をしているのか
■6.日本国債の売りの機会はいつか?
■7.2012年は、インフレで世界の金利上昇の兆しがある
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

See you soon!


【後記】

本稿で書いたような、1998年の過去から幾度も繰り返してきた相場
の動きも(PKO=価格維持相場と言っていた)、その原理的なこと
から書いています。金融のPKOは、平和維持ではなく、政府と日銀
の介入買いです。


    2012年4月09日:Vol.272→直前号の続編
     
<特別号:大きく変化した国債の売買市場(2)>

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さきほどお送りした分の、続きです。第4項の「投資主体別の国債
の売買」からです。



<有料版の583号:大きく変化した日本国債の売買市場>

同:2012年3月21日号
【目次】

1.最初に、日本国債の投資主体別保有高
2.満期償還額が、毎年、大きくなってきた
3.わが国の、中長期の国債残の想定:
11年後の2023年には1366兆円と、2011年より508兆円増える

(本稿は↓ここから)
4.投資家別の国債の売買
5.ヘッジ・ファンドは、日本国債売りの準備をしているのか
6.日本国債の売りの機会はいつか?
7.2012年は、インフレで世界の金利上昇の兆しがある
【後記】


■4.投資家別の国債の売買

原表は、投資主体別に、1998年から2012年2月までの月別の売りと
買いを対照したものです(単位億円)。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/toushika/index.html

本稿では、いつものように、数値の意味が読み取れるよう単純化し
ます。詳細が必要なら、原表をダウンロードしてください。

このデータも理由を言わず消えるかもしれません。当方が、他を
メールマガジンで取り上げて分析して書いた後、何回か経験したこ
とです。

売りと買いは捨象して、買い超をプラスで、売り超をマイナス記号
で示します。数字が小さく、無視できる個人の売買などは除いてい
ます。政府部門は、日銀を除き、国債の売り手ですから、いつも売
り超になります。

都市銀行以外の
都市銀行 金融機関 外人 政府部門
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2005年 +89兆円 +127兆円 +33兆円 −214兆円
・・・
2010年 +5兆円 +205兆円 +101兆円 −315兆円
2011年 −15兆円 +183兆円 +141兆円 −307兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(注)「都市銀行以外の金融機関」とは、地銀、信託銀行、農林系、
第二地銀、信用金庫、商工中金、投資信託、証券会社、短資会社、
投資顧問業、生保・損保等です。都市銀行以外は、いずれも一貫し
て、国債の買い越しを続けています。

【国債の売りに転じた都銀】
都銀は、2009年までは、1年に20〜90兆円の国債を買い越して、保
有を増やしてきました。変化が起こったのは、2010年からです(年
間買い越しが、5兆円に減っています)。

2011年は、15兆円の売り越しです。国債価格の下落を恐れたことが
理由です。

事実、三菱東京UFJは、内々に「金利が上がって国債が下落したら、
当行の資産はどうなるか」のシミュレーションをしています。
2011年に報道されたとき、「あくまで仮定である」と言っていまし
た。政府が売る国債では、本当のことは言えません。

【現実の行動】
2011年の現実の行動を見れば、売り越しですから、「1%金利の国
債は、金利が1ポイント上がるだけで、保有国債の時価が5%下がっ
て含み損になるから危険」と見たのでしょう。

国債を買い続けている地銀のディーラーは、債権市場で国債を売る
都銀の動きは分かりますから、やきもきしているはずです。2012年
中、これが続くでしょう。地銀等は、財務省と金融庁の睨(にら)
みに、とても弱いのです。

(注)後述しますが、08年9月の世界金融危機以降、中央銀行が主
導して下げてきた米国・欧州の金利は、2012年になって、物価イン
フレの傾向から上がる傾向を示しています。

▼米国の長期金利の、高騰

米国の長期債の金利は、1.9%(2012年3月6日)から、その10日後
の3月16日は、2.2%にまで急騰(0.3ポイントは15%の上昇に相
当)しています。

ドルの長期債の価格は、金利上昇の分下がったので、金利の最も低
い円債が売られ、価格が下がって利回りが上がったドル債を買う動
きが出て、円安・ドル高になったのです。

この点で、ドル債は、ユーロ債や円債より強いと見られています。
世界の市場の見方では、もっとも強いのは、ドル債、次が円債、最
後がユーロ債でしょう。

【ユーロは上げたが・・・】
ECBが、2回分で100兆円のマネーを刷って、金融機関に貸したため、
3月危機として懸念された銀行危機が、当面は去ったとして、ユー
ロも買われて上がっています(1ユーロ111円:3月21日:年初来で
17%も上昇)。

◎しかし、金融危機を生んでいた銀行の損失は、ECBからの借入で
は消えないのです。

損がECBからの負債になって、借入金が増えただけです。

(注)欧州も米国と同じように住宅ローン債権が多いので(推計
1000兆円)、今も下がっている住宅が、値上がりする時期が来ない
と、金融機関の損失は消えません。それは数年後でしょう。

資金の枯渇で倒産間際だった企業が、懇願していた銀行借入で、当
面の支払いができるようなものです。借りたものは、負債ですから、
却って負債が増えるのです。

銀行が本当の利益を出して、過去の損を埋めない限り、次の危機が
再び来ます。ECBからの借入は、3年間の期間です。

今日のFinancial Times(3月20日)では、銀行間の短期の貸借に、
不安が広がったという記事が出ています。

「PIIGSの銀行の損失は、借入では消えない」というのがその主旨
です。銀行は、お互いに、短期資金を融通しあっています。

このため、相手が倒産すると、回収ができず自分も連鎖します。
最も多いのは、国債を担保にした「レポ取引」です。
金融には、特有の意味を勝手に持たせた専門語が多いですね。
このため、一般に分かりにくいのでしょう。

(注)レポ取引は、買い現先のような「買い戻し条件付の金融取
引」です。日本では特に債券の貸借取引で、金銭を担保として差し
出す「現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)」のことを指して
います。

▼他方では、日本国債を大きく買い越した外人ファンド

わが国で国債を買ってきた都銀が売り越すように変わったのに対し、
ヘッジ・ファンドは、2010年に101兆円、2011年に更に勢いを増し
て141兆円を買い越しています。

3ヶ月の短期債ですから、年の途中で満期償還されるものが多いの
で、この2年間で10兆円規模の買い越し残と見ます。

2012年1月、2月も買い越していますので、繰り返しますが、合計で
20兆円の保有増になって、外人の、短期の円国債の保有残は67兆円
に増えているでしょう。

◎債券市場での売買額でも、ヘッジ・ファンドが、40%付近を占め
るように変わっているはずです。

70%の売買額を占めて、一秒に3000回の売買もできるロボット・ト
レーディングで、株価を動かすようになったわが国の株式市場に似
ています。

1回が1億円としても、最大では1秒(瞬く間)で3000億円の売り買
いにもなり得ます。現在の世界の債券市場と株式市場は、サイボー
グが売買している宇宙の物語りのようです。

円高になった時期(2011年)は、PIIGS危機のユーロ債とドル債を
売って、円債を買い越してきたのです。

繰り返せば、このヘッジ・ファンドによる円国債の大きな買い越し
が、2011年の円高(ドル安、ユーロ安)の原因です。

逆に、買い越した円債を売って、ユーロやドル債を買えば、円安に
ななります。(これが3月かも知れません。まだデータがありませ
ん)

◎日銀は、ヘッジ・ファンドによる円国債の売り越し、証拠金の数
倍のレバレッジがかかる空売り、30倍以上のレバレッジにもなる国
債先物売り、または、売りオプションを警戒して、40兆円の国債買
い受け枠を準備した(12年2月)ことは、既述しています。

レバレッジは、少額の資金で、多額の売買ができます。

■5.ヘッジ・ファンドは、日本国債売りの準備をしているのか

◎ヘッジ・ファンドや英米系の銀行(代表が、悪名が高くなった
ゴールドマン・サックス)が行う債券や株の売買で利益を上げる方
法は、

(1)最初は、目をつけたものを買って、価格を上げ、
(2)連れ買いが起こってピークに達したと見たとき、
(3)空売り、先物売り、売りオプション、あるいはCDSを仕掛けて
下げることです。

連れ買いは、例えば、一般を相手にする金融雑誌やマスコミが、
「**は上がる」という記事を溢れさせるときです。

この時が、相場のピークになる。投資家で言えば、個人が買いに走
るようになる時期です。

事実、ゴールドマン・サックスは、ギリシア債で以下のような、犯
罪的な方法をとっています。後では告発を受け、事実を認めて相手
に与えた損に相当する罰金を払ったのです。

(1)最初、ギリシア国債を買う。保証保険のCDSもかけて買い、ギ
リシア政府の債務をオフ・バランスにし、EUには嘘の財政データを
出させる。これが、債務の飛ばしです。

(2)顧客である投資家(及び銀行)には、ギリシア債は、財政は
健全だが金利が高く、利益があるとして売る。あるいは、ギリシア
債にCDSをかけ、デフォルトのとき支払われる保証保険を、国債額
面の2%程度の低い料率で買う。

(3)通じている、子会社のヘッジ・ファンドに、ギリシア債を空
売りさせておく。先物売り、売りオプションでも同じ効果である。

(3)機会を見て、ギリシア政府の債務は、嘘であることを、マス
コミにリークして暴く。自分たちも、驚いたように装う。 ギリシ
ア債は市場で売られて下がり、金利は瞬く間に10%に向かい高騰し
た。

(4)国債が下がると、保証保険のCDSの価値は上がる。例えば2%
だったCDSの価格は、国債が下がってその金利が10%くらいになる
と、4倍くらいに上がる。

国債がデフォルトしてもCDS証券をもっていれば、額面の100%の回
収が保証されるからです。

(注)ヘッジ・ファンドの設立では、投資の私的組合とされるので、
運用の中味を公開せねばならない規制は、日米欧に、ありません。
8000本の全部の本拠は、当局が監視できないオフショアです。

投資顧問業のAIJの、投資内容とお金がどこへ行ったのか、金融庁
には未だに分からないのは、このためです。わが国にも、年金の運
用を請け負っている投資顧問業が265社もあります。

〔CDSの利益〕
1兆円の国債にかかった保険料率2%のCDS(購入価格は200億円)は、
その国債の金利が10%に上がると(国債価格が例えば30%も下がる
と)、4倍付近の800億円の市場価値に上がります。

600億円が利益になります。CDSはその国債を持っていなくても、か
けることができ、売買ができるのです。

CDSは、第三者がかけた生命保険に似ています。保険がかかった人
の生命の危機(=デフォルトの危機)が高まると、保険金1億円が
受け取れる生命保険証券の価値は、上がるでしょう。あたかも、分
からないように毒をのませた保険金殺人です。実際に、ギリシア債
で、以上が行われたのです。

〔他の利益〕
CDSと同時に、国債価格が下がると、空売り、先物売り、売りオプ
ションにも巨大利益が出ます。オプションの証券そのものも、独立
した金融商品として売買ができるのです。

以上が、本当のことを暴けば、デフォルトが確実なギリシア債を対
象に、ゴールドマン・サックスが2010年に行っていたことです。

■6.日本国債の売りの機会はいつか?

ヘッジ・ファンドは、日本国債の空売り、先物売り、売りオプショ
ン、CDSで巨大利益の機会を待っているように思えます。

拙著『国家破産』でも書いたことですが、米国の住宅証券(RMBS)
で、2007年に$150億(1兆2000億円)の利益を、ひとりで上げたピ
ムコのジョン・ポールソンは、グレゴリーサッカーマンに書かせた
書籍(『史上最大のボロ儲け』)の中で言っています。

「住宅証券の後は、先進国のソブリン・リスク(国債のリスク)が
巨大利益を上げる機会になる」 PIIGS債がこれでした。

ただし、ポールソンは、2011年は、米国債の下落に賭けた投機で、
大損をしています。

1年に120兆円は発行される米国債の下落に賭けたポジションをとっ
ていたためです。世界で最も多く、100兆円くらいのドル国債をも
つ中国が、ドル下落を懸念し、ドル国債を売ると予想したからです。

(注)現在は、2011年の、1年24兆円の円高介入(ドル債買い)の
ため、日本の財務省が世界で最大の、米国債の持ち手です。$1.
3兆へと、2011年に$3000億も増やした「外貨準備」がこれです。
政府財政は巨大赤字で、お金がないと言いながら、増税を言う財務
省は、一体、何をしているのか? 24兆円も、米国に差し出したこ
とに等しいのです。日本の財務省は、一度も、ドル債を売り越した
年度がありません。貸して、売らなければ、米国に貢いだことと同
じです。

ところが思惑に反し、FRBがQE2(60兆円枠)で米国債を買い支えた
ことが、市場では、ドル国債買いの動きを呼んだのです。

普通は、中央銀行が、直接に国債を買うことは、買い手が消えたこ
とを意味しますから、その国の国債は売られます。

しかし、2011年のドル債に限っては、これが、逆に、新興国からの
ドル債買いも生んだのです。

日本国債が、空売りされる時期はいつか?

ヘッジ・ファンドが買い越したため、この危険が、2010年以前より
はるかに高まったのです。 国内では、日銀以外に、売られる国債
を買い受けることができる金融機関はない。すでに、目いっぱい国
債を買っているからです(約800兆円)。

ヘッジ・ファンドが、短期金利が0.1%しかない日本国債を、黙っ
て保有し続けることは、あり得ません。

円安になると、国債価格は同じでも、海外で円国債をもつことは、
例えば10%の円安の分、ドルから見ればすでに損をしています。

◎今後の円安は、本当は、国債残がGDPの2.2倍の日本にとって、
困った事態を招きます。円安とは、海外から円国債が売られること
でもあるからです。

2012年8月頃が、危険だと感じています。

■7.2012年は、インフレで世界の金利上昇の兆しがある

▼低すぎるユーロの金利(1.83%)

欧州は、失業率が10.3%(11年11月)と高いのに、物価上昇が2.
7%と高い。長期金利(10年物国債の利回り)は、ECBが超金融緩和
をしているので1.83%と低い。

1年に2.7%上がる物価との関係で言えば、少なくとも3.7%の
ユーロ長期債の金利でなければならない。欧州金融の非常時だから、
金利が低いのです。

金融危機が去ったとなると、金利は、物価上昇率に向かって上がり
ます。

▼2012年3月に急騰の気配を見せている米国の長期金利(2.2%)

米国は、物価の上昇が3.0%です(11年12月)。失業は8.5%と、
欧州並に高い。2012年の年初から3月6日までの長期金利は、1.8%
から2.0%で、平均は1.9%でした。これも、FRBが、欧州と同じ
くゼロ金利策をとっていたからです。

しかし、3月6日以降の、わずか10日間で、米国の長期金利は2.2%
へと0.3ポイント(15%)も上げています。

市場では、FRBが予想されていたQE3(量的緩和第三弾:金額は50兆
円以上)を行う可能性が、30%以下に下がったから金利が上がった
とされています。果たして、米国の金利上昇の理由が、これか?

金利上昇とは、1.9%の低い利回りの米国債が、利回り2.2%に上
がるように売られたということです。

資源・穀物・食品の国際価格も、2011年12月の305から、12年3月は
318に、3ヶ月間で4%上がっています。この瞬間風速を、年間ベー
スに換算すれば、4倍の16%の上昇です。(ロイター・ジェフリー
ズCRB総合指数)

米国債の金利が3%台に向かい上がると、下がった米国債を買う動
きが出るので、世界で、米国債買いが増えます。1%の金利の円長
期債を売って、2.2%の金利がつくドル国債に買えようとする動き
も出ます(円安)。

1.2%の金利差(スプレッド)に過ぎませんが、ヘッジ・ファンド
のように、10倍のレバレッジで買えば、12%の差になるからです。
国債では普通の30倍のレバレッジなら36%の差です。

このため、円安になった日本国債の金利も、円債が売られ、米国債
の金利に近づくように上がるのです。

イスラエルとの間で深刻化しているイランの核開発の問題も絡んで
いて、2012年の世界は、インフレのような感じです。

ひとり日本のみが、物価が上がっていない特殊国ですが。原因は、
2011年の世帯所得と、企業所得が減ったためです。所得が増えない
と、商品購買は増やせません。作った物は余って、価格が下がるの
です。

日銀は、インフレターゲット1%と言い(政策目標)、65兆円の資
産買い受け基金で、マネーを供給しています。

2012年1月12日の総マネー供給は、139兆円でした。3月10日は145兆
円で、まだ増加供給資金は+6兆円留まっています。

貸付金と国債買いが増えています。しかし年間ベースの想定では、
+24兆円です。当方の予想では、国債買いの増枠で+40兆円です。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120310.htm/

日経株価は1万円を超えても上がっていますが(1万86円:3月21
日)、「いつも遅れる金融誌やマスコミが、上がると騒いだときは、
すでに、ヘッジ・ファンドが売り抜けるピークであることが多かっ
た。」ことを忘れないように、老婆心から申し上げておきます。

◎日本の株式市場の70%、債券市場の40%の売買は、ヘッジ・ファ
ンドだからです。彼らの方法は、いつも、買って上げて、その瞬間
を見極めて、先物やオプションで売る利食いです。

株価も通貨も、人々がどの経済要素を重視するか、これの変転で買
いや売りが決まっています。政府発の情報が、あるものだけを強調
しているのが変です。

米国では、先月、消費が好調と言われたかと思えば、その一週間後
には、まだ住宅価格が下がっていて、世帯負債が年収の130%なの
で、消費は弱いという記事が出る始末(ウォールストリート・ジ
ャーナルなど)。

根拠ある数値に基づかず、心理的な副詞と形容詞で見ると(人の認
識方法)、どうとでも言えます。暗いトンネルから出れば薄明かり
の中でも風景が輝くのが人間の目です。

長い国境のトンネルを出て雪国のように白ければ、明度が低くても、
煌々とした夜明けにも見えます。


【後記】
本稿で書いたような、1998年の過去から幾度も繰り返してきた相場
の動きも(PKO相場と言っていた)、その原理的なことから書いて
います。金融のPKOは、平和維持ではなく、当局の介入買いです。

【書籍】
アマゾン(紙) : http://www.amazon.co.jp/
紀伊国屋Web(紙+電子) : http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
楽天書店(紙) :http://books.rakuten.co.jp/
廣済堂bookgate(紙+PDF版): http://www.bookgate.info/
セブンアイネット(紙) :http://www.7netshopping.jp/books/

【著者へのひとことメール、および読者アンケートの送信先】
yoshida@cool-knowledge.com

●インターネットの書評サイトでの評価のひとつです。当方の意図
をよく理解していただいていると感じたので、掲載します(掲載の
承諾は、頂戴しています)

**は今、世界を覆う財政危機や金融不安の本質がどうなのか気に
なっているのですが、
本書はこれ一冊読めば、
・国債の信用リスク
・デリバティブの恐怖
・米ドル安と円高の行方が及ぼす影響
・不動産価格の見通し
・国家破産の可能性
・資産防衛のためにすべきこと
など、すべてが関連付けて理解できます。

とはいえ、ひとつひとつ理解しながら読んだので、読み終えるのに
たっぷり1週間かかってしまいました。この本のすごいところは、
徹底的に数値をもとにした論理展開を行なっていること。

読者をいたずらに怖がらせたり脅したりするような表現は、一切使
っていません。類書では、著者が金融ビジネスに携わっていたりす
ると、自分の商品の販売に結びつけたり、自分の権威を高めようと
したりするポジショントークが含まれていたりするものですが、そ
んなポジショントークも一切なし。

著者の吉田繁治さんは、【ビジネス知識源】というメールマガジン
の発行人で、ビジネスメールマガジンではNo.1の人気を誇ります。

書いてあることは難しそうに見えるのですが、変に楽観論や悲観論
に偏っておらず、データを丁寧に紐解きながら、重要な部分は繰り
返し解説してくれるので実にわかりやすい。

読了した後、もう一度ななめ読みしただけで、理解がさらに深まり
ました。ここに書かれている事実を自分はどうとらえるか、そして
どう行動すべきか。腑に落ちるまで、何度も読み返すべき本だと思
います。

現在、そして今後の世界経済を語る本の決定版ではないでしょうか。
http://blogs.yahoo.co.jp/kit_45104/29108188.html
 

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コメント
 
01. 2012年4月09日 19:12:35 : BDDFeQHT6I
ヘッジファンドが国債を最古しているのは単純に巨額資金を安定的に運用できる投資先が他に無いから。
要するに世界的な経済不安定でヘッジファンドも金の使い道が無くなっただけ、その内利回りが低くて投げ出すだろうが、今現在は何に投資してもリスクが大きすぎるのだろう。
1%台の金利でもレバレッジを利かせて短期で回せばそれなりの利回りになるのだろう。

02. 2012年4月09日 21:30:07 : EszHBBNJY2

海外勢の日本短期国債購入はリスク回避でしょう。
ずーとこの傾向ではないと思う。
しかし、中東情勢が米国の戦争拒否で少し緩和した感じがするけど、
原油は高止まりだね。
これもあれもそれも、全てヘッジファンドなどへのドル・ユーロの流入で
じゃぶじゃぶだからね。
円だけだよ。まともというより、実態より少ない供給量でスーパーデフレなのは。
(どSの日銀とどMな日本国民)


03. 2012年4月09日 23:33:50 : Pj82T22SRI
>>2011年の、1年24兆円の円高介入(ドル債買い)のため、日本の財務省が世界で最大の、米国債の持ち手です。$1.3兆へと、2011年に$3000億も増やした「外貨準備」がこれです。政府財政は巨大赤字で、お金がないと言いながら、増税を言う財務
省は、一体、何をしているのか? 24兆円も、米国に差し出したことに等しいのです。日本の財務省は、一度も、ドル債を売り越した年度がありません。貸して、売らなければ、米国に貢いだことと同じ

ドル買いの時期から判断すると、これは輸出企業への補助金が目的だったのだが

売り越しせずにいるのは、確かにドル・米国債の買い支えと同じ効果を持っている

ただ、今後、内外ファンドによる国債売りと日銀による巨額緩和で円安局面になった時のための保険だと考えることもできるから、

大して非難すべきコストでもない



04. 2012年4月10日 14:26:44 : Pj82T22SRI
 

国債発行は今年度5兆円超の余力、借換債前倒しで

ロイター 4月10日(火)13時54分配信
[東京 10日 ロイター] 財務省は10日、今年3月末における2012年度分の借換債の前倒し発行額が、昨年12月時点で見込んでいた4.2兆円を大きく上回り、9.6兆円に達したことを明らかにした。財投債の発行見送りや非価格競争分の国債入札が好調だったためとみられ、今年度に5兆円余りの国債発行余力が生じたことになる。

国は、巨額の国債発行を円滑にするため12兆円を上限に、翌年度に発行する見込みの借換債を前倒しで発行することを認めている。今回の措置もその一環。

財務省は、昨年12月に東日本大震災からの本格復興を目指すための11年度第4次補正予算を編成した時点で、12年度分の借換債の前倒し発行額について4.2兆円と見積もっていた。ただ、実際には発行しなかった財投債が3.4兆円に上ったほか、指定金融機関が平均的な価格で国債を追加購入できる「第2非価格競争入札」が計画していたより1.1兆円上ぶれするなどしたため、その総額は最終的に9.6兆円に膨らんだ。

借換債は、すでに発行された国債の借り換えを目的に発行する国債の一種。新規財源債や財投債などと並ぶ国の資金調達手段となっており、これを計画より5兆円余り前倒しで発行したことで、その分が今年度の発行余力となる。

(ロイターニュース 山口貴也)

【関連記事】
CPI1%上昇に向け、日銀に柔軟・果断な金融政策期待=経済財政相
年金の国庫負担問題、財政再建放棄と受け取られない解決を=財務副大臣
UPDAE1: 現時点で交付国債撤回の事実ははない、協議の中で工夫する可能性=藤村官房長官
現時点で年金交付国債の撤回を検討している事実はない=藤村官房長官
再送:〔特集:財政ファイナンス〕政府成長戦略の実現には2%近い消費者物価上昇必要=岩田・元日銀副総裁

最終更新:4月10日(火)13時56分

ロイター


05. 2012年4月10日 14:30:39 : Pj82T22SRI
再送:〔特集:財政ファイナンス〕政府成長戦略の実現には2%近い消費者物価上昇必要=岩田・元日銀副総裁
2012年 04月 9日 08:02 JST 

米連邦準備理事会
日経平均6日ぶり反発、輸出株中心に買い優勢
米経済、全面的回復には依然程遠い=FRB議長
UPDATE3: 米経済は金融危機から全面回復していない、金融安定化策は金融政策と同等の重み=米FRB議長
日経平均は6日ぶり反発、為替の落ち着きなどで底堅い

*この記事は6日午後7時45分に配信しました。

 [東京 6日 ロイター] 岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)は6日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀が2月に導入した事実上のインフレ目標である「物価安定の目途」について、政府の成長戦略と平仄を合わせるには、現在の目標である1%の消費者物価上昇が展望できた際に、目標を2%近くに引き上げる必要があると指摘した。

 昨年の震災後、大量の資金供給を行った反動で今年3月のマネタリーベース(日銀券、貨幣流通高、日銀当座預金の合計値、平均残高)が3年7カ月ぶりの減少に転じたため、市場には日銀のデフレ脱却に向けた金融緩和姿勢に対して「疑念が生じている」と述べ、疑念を打ち破るには基金による長期国債の買い入れで対象国債の年限規制を撤廃することが望ましいとの見方を示した。

 日銀が2月の「目途」導入と同時に打ち出した追加緩和で年間の長期国債買い入れ額が40兆円と新規国債の発行額に近づくが、「市場を通じた購入なので財政ファイナンスとはみなされない」と述べた。

  

 インタビューの概要は以下の通り。

 

 ──日銀が2月に導入した「物価安定の目途」と追加緩和の評価は。

 

 「目標とする物価上昇率を当面1%、上限2%と明確化、これまでの『理解』を『goal』と言い換え、1%以下の物価上昇率を認めないと明確化したことで、緩やかだがレジームシフトと市場で受け止められた。長期国債の買い入れ額を10兆円増やし年間の国債買い入れ額が40兆円近くと新規国債発行額に近くなり、英中銀の量的緩和なみの規模となった。この2つの理由で過去の日銀金融政策よりも大きな影響を市場に与えた。為替市場では、米量的緩和第3弾(QE3)の導入観測が後退するなかで日本側が積極的な緩和メッセージを出したことで、2007年から続いた急激な円高トレンドが反転した」

 

 ──物価目標、今後の課題は。

 

 「当面の目標である1%の上昇が見通せるようになった場合、どうするかだ。日銀の議事要旨によると2%、1─2%と目標とすべき意見もあったようだ。目標を1─2%、あるいは2%に引き上げることが課題となる」

 「政府の成長戦略を実施するにはGDPデフレータで1%の物価上昇が必要。デフレータよりも消費者物価指数は1%程度低く、1%のデフレータ上昇には2%近くの消費者物価上昇が必要。日銀が『当面1%、上限2%』を掲げているのにはそれなりに意味があり、政府の成長戦略目標と整合性のない目標ではない」

 

 ──国債買い入れでは何が課題か。

 

 「日銀は2月基金による長期国債の買い入れ上限を10兆円引き上げたが、対象国債は残存期間2年以下との条件が付いている。基金を導入した2010年10月時点では、為替が2年金利に反応するためこの規定が設けられたと思われる。残存2年以下の国債の市場残高は決して多くなく、若干危惧している。特定の銘柄ばかり買えば国債市場に歪みが生じる。マネタリーベースが減少に転じ、日銀は本当にやる気があるのかとマーケットに疑念が生じている。疑念を打ち破る上でも、年限の制限を取り払ったほうがいい」

 

 ──基金による国債買い入れが増えすぎると、保有する長期国債の残高をお札(日銀券)の量以下に抑える日銀券ルールと抵触する可能性をどうみるか。

 

 「日銀券ルールは、経済が順調に成長しているとき通貨を供給するための、言わば平時のルール。戦時のルールでない。(これと別枠で)基金を設立し長期国債の買い入れを始めた2010年10月をもって日銀券ルールは放棄されたと私は受け取っている」

 

 ──大量の国債購入は財政ファイナンス懸念を呼び長期金利上昇を招かないか。

 

 「戦前の高橋是清蔵相が行ったような国債の直接引き受けは、明確に財政ファイナンスだ。その意味で、どこの中央銀行も財政ファイナンスは行っていない。ただし中銀による大規模な国債購入が常態化すると市場が懸念したり、財政当局が中央銀行を頼り財政規律を失うなどすれば、財政ファイナンスのリスクをはらむ。国債を市場から購入しても財政ファイナンスとみなされるのは、財政当局が財政規律を失ってしまう場合。中銀が望ましい物価上昇率の実現に向けて努力するよう、財政当局は中長期の財政目標を明確にし実現に努力する必要がある」

 

 ──欧米当局は昨年の日本による単独為替介入を非難したが、現在の円高修正に対して批判が聞こえない。

 

 「米国・欧州ともに、伝統的に為替市場に介入すること自体に懐疑的。しかし、金融政策の結果として為替が動くことは認めている」

 

 ──米国の金融政策をどうみるか。

  

 「米国も原油輸入国であり、原油価格上昇でガソリンが1ガロンあたり4ドルを超えると景気後退に入ると言われている。昨年の春先は原油備蓄の取り崩しと原油先物市場の証拠金引き上げで、景気後退局面入りを回避した」

 「米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は決して認めないが、米国の金融緩和は原油価格上昇を引き起こす『自国窮乏化』の側面があると私は解釈している。このためFRBが追加金融緩和策を打ち出す場合、住宅市場に的を絞った政策で、資金回収による不胎化を伴ったものと予測する」


06. 2012年4月10日 14:35:44 : Pj82T22SRI
日銀、金融政策維持を全員一致で決定:識者はこうみる
2012年 04月 10日 13:21 JST 

4月10日、日銀は9─10日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0─0.1%程度に据え置くことを、全員一致で決定した。都内の日銀本店で昨年5月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
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[東京 10日 ロイター] 日銀は9─10日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0─0.1%程度に据え置くことを、全員一致で決定した。金融資産買い入れ基金による緩和策についても現行計画に変更はなかった。

日銀金融政策と金融市場への影響に関する識者の見方は以下の通り。

●緩和期待続くがドル/円の上値は重く

<バークレイズ銀行 チーフFXストラテジスト 山本雅文氏>

4月27日の決定会合に向けて、為替市場で日銀の緩和期待は保たれると予想するが、米景気の強さを表す指標等、具体的な手がかりが出てこない限り、ドル/円の上値は次第に重くなるだろう。

今回の決定会合では前回追加的緩和策を主張した委員の声は静まり、全員一致で金融政策の現状維持を決定し、ハト派色が後退している。27日については、期待は残るものの、本当に緩和を実施するのかとの懐疑的な見方も広がっている。

●27日会合でのゼロ回答は難しい

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア債券ストラテジスト 長谷川治美氏>

事前にマーケットの一部で追加緩和観測も出ていたが、結果は金融政策を現状維持、しかも全員一致で決定した。現状維持の背景は、日本経済が「なお横ばい圏内にあるが持ち直しに向ける動きがみられている」として、生産、輸出に関して底打ちを勘案し「持ち直しの方向」にあると判断した点が挙げられる。

また、3月会合で積み残しになっていた成長基盤支援の融資制度に関して、米ドル資金を利用したドル建て貸付の詳細を決定した。デフレ脱却に重要な成長力強化の対応を3月会合に続けて行ったことになる。これらはほぼ市場コンセンサス通りだった。

ただし、マーケットでは、日銀が物価安定のめどとする1%のインフレ率達成に向けて、さらなる努力が求められるとの思惑が強い。したがって、当面の景気や物価見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する27日の会合では、ゼロ回答は難しいとみている。きょうの白川方明日銀総裁の会見では27日会合に向けて、何らかの示唆があるかどうか注目したい。

●市場の不安定続けば、次回会合で意識した動きも

<コスモ証券 投資情報部 担当課長 田口はるみ氏>

金融政策は据え置きとなり、大きな変化はなかった。日本経済について、横ばい圏内で持ち直しとみていることで、様子見になったのだろう。

そのような中、今回、成長基盤支援のドル供給での取り組みを明らかにした。国内の投資促進は続けているという姿勢を示し、日銀の取り組みは停滞しているわけではない、というスタンスを維持した。

ただ市場では、海外の景況感などの面から日銀の政策に期待していたところがあり、市場への影響面では失望感を伴うものかもしれない。

為替市場では、米国の雇用情勢に不安感があり、特に米国の金融政策をめぐり、市場の思惑で円/ドル相場が動くことが考えられ、為替は円高傾向に推移する可能性が考えられる。月末の金融政策決定会合に向け、為替や株式市場で不安定な状況が続くようであれば、そうした動きを意識した動きも予想される。


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