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太陽光買取42円は高過ぎる―相次ぐ電池メーカー破綻が示す環境激変  すさまじい値崩れ 太陽光バブルを作って、財政を悪化
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/792.html
投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 30 日 15:47:08: cT5Wxjlo3Xe3.
 

#労働ダンピングで中国一人勝ちも、将来は高値で中国から買わされるリスクも

http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_432168?mod=Right_Column
【日本版コラム】
太陽光買取42円は高過ぎる―相次ぐ電池メーカー破綻が示す環境激変
尾崎教授のビジネスインサイト
2012年 4月 24日 20:08 JST

 今年7月から実施される「再生可能エネルギー全量買取制度」で、経済産業省の「調達価格等算定委員会」が太陽光発電の買取価格を「1キロワット(kw)時あたり42円」で調整する方向だと報じられている。これは、最近悪名高くなった電力会社の「総括原価方式」と同様、太陽光の電力事業会社の利ザヤを保証する制度である。この買取価格が適正であれば問題ないが、そうとは言えない状況が世界の太陽電池市場で起きている。

大手太陽電池メーカーの相次ぐ破綻

 ドイツの太陽電池メーカー、Qセルズは今月、法的整理を申請する方針を明らかにした。Qセルズは「太陽光発電大国ドイツ」を象徴する企業で、2005年に株式を上場した後、2007年には日本のシャープを抜いて世界最大の太陽電池メーカーになった。しかし、その後、主に中国メーカーの追い上げに苦しみ、2009年にはトップの座を明け渡した。財務内容も急激に悪化し、株式時価総額は2007年の約80億ユーロをピークに、過去1年間で約93%も減少した。また、Qセルズ破綻から時を空けずして米カリフォルニア州のソーラー・トラスト・オブ・アメリカも破産申請を発表。同社は出力100万kwの世界最大級のメガソーラー計画を進めていたが、資金繰りが続かなくなったことが破綻の原因である。

 実は大手太陽電池メーカーの破綻は約半年前から急速に増えている。昨年8月には、米政府から5億2700万ドルの融資保証を受けていたソリンドラ(カリフォルニア州)が破綻し、スペクトラワット(ニューヨーク州)、エバーグリーン・ソーラー(マサチューセッツ州)なども経営に行き詰まり、BPソーラーは事業縮小を余儀なくされている。 ドイツでもQセルズ以外に、ソロン、ソーラー・ミレニアムなど、まさに破綻の連鎖が起きている。

 太陽電池メーカーの連続破綻の背景に何があるのか。昨年11月15日付の当コラム「米国でクリーンエネルギー低調の理由は『シェールガス革命』」でも書いたとおり、太陽電池の急激な値崩れと世界的な景気低迷によるクリーンエネルギーに対する公的な助成の減少が原因である。

すさまじい値崩れが続く太陽電池市場

 まず、太陽光パネルのグローバル市場が急速にコモディティ化(成熟)し、すさまじい価格下落が起きていることが挙げられる。調査会社GTM リサーチによると、太陽光モジュール(パネルとほぼ同じ意味)の米国における現在の価格は、過去2年間で何と65%も値下がりしている。2011年1年間だけだと50%の値下がりである。これでは、メーカーはひとたまりもない。

 太陽電池の価格下落は、コスト競争力で勝る中国企業が世界市場を席巻していることが原因だ。GTMリサーチの調査によると、2010年の世界市場における中国企業のシェアは58.5%に上る(欧州16.4%、日本10.5%)。2005年には日本のシェアが50%弱で、日米独のシェア合計が75%を超えていたことを考えると、まさに隔世の感がある。

 中国勢はシェアは伸ばしているものの、彼らの実情も厳しい。現在、シェア世界トップのサンテックパワーの今年第1四半期の売上は前年同期比33.4%のマイナスで、純利益は9億9260万ドルという巨額の赤字と報道されている。急激な市場の値崩れはコスト競争力に勝る中国企業でさえ対処できない水準であることが分かる。フランスの石油大手トタルは、2011年5月に米サンパワーを約13億8000万ドルで買収したが、同様の再編や破産企業の再生がこれから目白押しになるだろう。

クリーンエネルギー助成の減少と太陽光発電推進への批判

 連続破綻が起きたもうひとつの要因は、クリーンエネルギーに対する公的な助成の減少である。先進国に共通する景気低迷により政府は補助金や減税を行う余裕がなくなっている。また、単なる財政状況の悪化以外に、太陽光発電に対する逆風となる事例が起きている。

 米国では、主要企業の経営破綻がオバマ政権への責任追及に発展している。ソリンドラは「グリーン・ニューディール」(10年間でクリーンエネルギーに1500億ドル投資し、500万人の雇用を創出するという計画)に基づいて、政府から5億2700万ドルの融資保証を受けた。その保証決定プロセスで、オバマ政権が行政管理予算局(OMB)に圧力をかけたのではないかと議会で追及されている。ドイツでは、巨額の財政負担や電気料金値上げによる補助が行われてきたにもかかわらず、太陽光発電は利用率が低く、有効でないという批判が起きている。クリーンエネルギー助成の約60%が太陽光発電向けに使われているのに、全発電における比率はわずか3%に過ぎない。助成金がはるかに少ないバイオマスや風力発電の方が太陽光よりずっと比率が高いのである。

 さて、太陽電池市場の変化は、今年7月から導入される日本の「再生可能エネルギー全量買取制度」にどのような影響を与えるだろうか。

太陽光発電の買取価格に太陽電池の値崩れを反映させるべき

 まず、太陽電池の値崩れは太陽光発電のコスト算定に正しく反映されるべきである。つまり、電力会社が太陽光発電事業者から買取る電力の単価は、太陽電池の値下がりに応じて下がらなければならない。法律では、買取期間と買取単価は経済産業相が決定することになっているが、4月23日付日本経済新聞は、経済産業省の委員会は太陽光発電の買取価格を「1kw時あたり42円」に設定することで調整に入ったと報じている。

 問題は、1kw時あたり42円の買取価格が適正かどうかである。結論からいうと、この水準は高過ぎる。新エネルギー財団によると、現在、住宅用太陽パネルの設置コストの主な内訳は太陽電池代が66%、付属機器代が19%、設置工事代が8.6%である。昨年7月に海江田経産相(当時)が出した40円前後の試算がいつのデータを基にしているか不明だが、太陽電池代は昨年50%も値下がりしているのである。メガソーラーであれば、大量購入によって住宅用よりさらに安い単価で仕入れることができるし、付属機器や設置工事のコスト比率も当然下がる。1kwあたり20円台の試算も可能である。

 参考のため、ドイツの太陽光発電システム価格(太陽電池、付属機器、設置工事を含んだ価格)も大きく値下がりしていることを付言する。100kw以下・屋上設置のシステム価格は、過去1年で約23%も値下がりし、3年前と比べると約50%の値下がりである。また、フィードイン・タリフ(FIT:電力会社が発電事業者や家庭からクリーンエネルギーを買取る制度)の買取価格を見ても、1000kw以上、屋上設置の場合、3年間で51%も引き下げられている(いずれもドイツ太陽エネルギー産業会による)。

 日本で昨年8月に成立した法律を見ると、「買取期間・価格は施行3年後に見直し」、「当初3年間は発電事業者の利潤に特に配慮する」と書かれている。何やら気になる条文である。発電事業者(メガソーラーなどを設置する企業)が過剰な利益を得ることにはならないか。買取価格の決定にはかなりの透明性が要求される。この点が軽視されると、2010年7月5日付の当コラム「誰が『太陽光発電バブル』を崩壊させたのか?」で書いたように、太陽光バブルを作って、財政を悪化させるだけになりかねない。また、これだけ太陽電池市場が激変しているので、3年間ではなく、もっと短期間での柔軟な条件変更が必要である。最近のドイツのFITは3カ月から半年で条件改訂が行われている。

全量買取制度はもはや時代遅れか

 ドイツの制度を見ると、FIT(日本の全量買取制度もこの一種)は今や存在意義がなくなりつつあることが分かる。ドイツがFITを推進した2000年代前半は太陽電池の価格も今よりはるかに高く、FITが整備されていないと、クリーンエネルギーなど普及しようがなかった。ところが、今は全く状況が違う。昨年可決した日本の全量買取制度は急速に時代遅れになりつつあるのかもしれない。

 最後に付け加えると、太陽光発電のコストが下がって、FITなどの優遇策なしで普及する状態を「グリッドパリティ」というが、現状がそうなっているかどうかの判断には、原子力・火力の発電コストが影響する。

「太陽光発電コスト≦原子力・火力発電コスト」になれば、グリッドパリティ達成だが、この等式には太陽電池の価格以外に、原油・天然ガス価格、原子炉廃炉費用などが複雑に絡む。この点からも、全量買取制度は柔軟に運用されなければならないのだ。

*****************

尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授

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Photo by M.Izukura
 昨年6月からWSJ日本版に連載開始。著書「環境ビジネス5つの誤解」(日本経済新聞出版社)が1月13日に出版。クリーンエネルギー、電気自動車、水などの5分野に関して誤解を指摘し、問題の解決方法を分析する。

 東京大学法学部卒、ニューヨーク大学MBA、早稲田大学博士。野村證券NY現地法人、モルガン・スタンレー証券バイス・プレジデント、ゴールドマン・ サックス投信執行役員を歴任後、ベンチャービジネスに転身。2005年から現職。専門分野は環境ビジネス、金融市場論、ベンチャー企業経営論など。主な著書は「出世力」(集英社インターナショナル)、「次世代環境ビジネス」「投資銀行は本当に死んだのか」(いずれも日本経済新聞出版)。http://hiroyukiozaki.jp/  

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コメント
 
01. 2012年4月30日 17:58:58 : 8UzFzDXlxw
バイオマスだと14円らしい。

その3倍で買い取るなんて、せめて2倍にして企業努力してもらえば。


02. 2012年4月30日 18:15:45 : 2HC9BMI9qQ

普及の途上で競争で値下がりすることは当然である。 それが普及を加速する。
RAMでも液晶TVでも起こった。 蓄電池でも起こるだろう。 途中で脱落者も出よう。 それが資本主義だ。  

買取価格は長期的には火力発電価格まで下がるだろう。 太陽光発電に乗り出す
孫は抜け目なく先駆者利益を10年間は得るだろう。


03. 2012年4月30日 19:37:29 : stK4zfDAog

太陽光発電のバカ高買取で、孫正義はウハウハだな。 キックバックは誰が貰うのだ?

ところで、孫正義は東北大震災で100億円寄付すると言っていたが、寄付したのか?


04. 2012年5月01日 00:46:21 : YbxisJSZgs
四国にある「ゆす原町」の風力発電、kwあたり約11円で売電、コストは約8円だとか。風がビュービュー吹く立地が重要だが、日本みたいな島国は曇りが多く太陽光発電にはそもそも不利。10年後を考えると経済性は無視できないし、それこそ政治の役割。

05. 2012年5月01日 11:09:30 : a5JRWJuq3c
ウヒヤ〜
このひと(MR)連続投稿13本!
阿修羅で投稿のハイパーインフレを演じてます!

ある種の精神症候群??


06. 2012年5月01日 15:15:18 : RQpv2rjbfs
逆ザヤもこれほど酷いと笑っちゃう。

そのうち電力会社までも太陽光発電を始めてしまいそう。

しわ寄せは全て太陽電池を乗せたくても乗せられない貧乏需要家に
回される。文句を言わない日本の宝のような人々に。

百姓と菜種は絞れば絞るほど出るとでも思っているんだろうよ。

税金が足りなければ消費税を上げようとするし、
どこまで知恵のない政府なんでしょうね、
太陽光発電も必要なんだろうけど、もっとうまい方法を考えろよ
ファンドを設立するとか

頭いいんだろ。



07. 2012年5月01日 20:10:46 : VfXr9Y4Oig
この価格は原発再開を行う為の操作。
操り。
手に負えないことはやらないという、人類がこの地球に生きる生物として一番基本に置くべき、価値感から外れてはならない。
自殺を賛美するか、種として。

もっとまじめにやれ。

個として、責任を取れないことするということは、種としての存在を否定すると言うこと。
バカ。


08. 2012年5月01日 20:32:39 : cpmGTIRPSo
メモリやCPUに比べるとちっとも効率が上がってこない太陽電池が値下がりしてしまうのは当たり前だろ もっと効率上げろよ まあ石油成金が裏で動いてるのは確実なんだがな

09. 2012年5月01日 21:41:49 : H4EiVyNZmY
日本のエネルギー問題を救うのはコールベッドメタンだよ。

国内にほぼ無尽蔵にあるからな。


10. 2012年5月02日 04:47:17 : p9B89YgNYw
太陽光は発電には不向きだと思う
同じ電力を生み出すのに火力より石油を多く使っているはず
環境に優しくなくまわりの住民を不愉快にさせるのが太陽光

11. 2012年5月02日 18:17:12 : EszHBBNJY2
42円は確かに高すぎるね。太陽光で発電した電気を
送電網に載せて強制的に買わせるのだろう?
これはやりすぎで結局個人顧客(国民)に付回される。

国家と自治体が、LNGガス発電所を作ればいいだけ。
国家と自治体が発電会社を経営すればいい。
送電網は国家の共有財産として没収。

ずーと原発再稼動させなければ、いずれ電力会社は破綻するので
人材も含めて、送電配電網のノウハウを吸収。


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