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太陽光の買い取り価格42円は不正な利益誘導だ    史上最初の経済学者にして詐欺師、ジョン・ロー
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/826.html
投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 03 日 04:27:50: cT5Wxjlo3Xe3.
 

太陽光の買い取り価格42円は不正な利益誘導だ





















再生可能エネルギーの全量買い取り制度(FIT)を議論していた経産省の調達価格等算定委員会は、太陽光発電の買い取り価格を42円/kWhで20年間とする「委員長案」を発表した。これは最終決定ではないが、枝野経産相の了承が得られればこのまま決まる。この法外な価格は、いったいどういう根拠で決まったのだろうか。

植田和弘委員長は記者会見で「価格は一貫してヒアリングを通した費用を積算し、事業リスクを発電ごとに個別で見る考え方で決定し、諸外国との比較を行っている。高くもなく低くもなく、施行後3年間は例外的に利潤を高める、という意図を反映した価格」と述べた。これが業者の意向を反映していることは間違いないが、「諸外国との比較」ではどうだろうか。

fit

これは調達価格委員会の資料に書かれたドイツの買い取り価格だが、太陽光の最小規模(0〜30kW)でも24.43ユーロセント(26.1円)である。イタリアやフランスもほぼ同じだ。尾崎弘之氏も指摘するように、40円以上の買い取り価格は金融危機で太陽光バブルが崩壊する前の水準である。

ドイツでは財政危機でFITへの補助が大幅に切り下げられ、全量買い取りも中止された。このため太陽光パネルも値崩れして、2011年には前年の半値になり、Qセルズやソリンドラなどのパネルメーカーが次々に倒産している。ところが孫正義氏は民主党の勉強会で、バブル崩壊前の2009年の数字を出して「ヨーロッパの平均買い取り価格は58円だ」と宣伝している。最近は「政商」として政治家をだます手口も板についてきたようだ。

特に奇妙なのは、植田委員長の「施行後3年間は例外的に利潤を高める」という言葉である。特定の業者への利益誘導で産業振興を行なうのは、一昔前のターゲティング政策の手法だ。こうした政策がことごとく失敗してきた歴史に、経産省は学んでいないのだろうか。

追記:調達価格委員会の資料によると、ドイツのFITによる一般家庭の負担(2011年)は14.7ドル/月で、孫氏の「最初だけ月500円」という話も嘘である。










史上最初の経済学者にして詐欺師、ジョン・ロー

ファーガソンが解説しているように、ローマ帝国からソ連に至るまで、歴史上の大国が崩壊する最大の原因は財政破綻とインフレである(ソ連の場合は物不足という抑圧されたインフレ)。日本の江戸幕府が崩壊した原因も、各藩の財政が困窮して下級武士の生活が成り立たなくなったことだが、実物経済だったのでインフレは起こらなかった。

財政破綻でインフレが起こるのは、政府債務を返済するために中央銀行が銀行券を大量に発行するためで、現代でも国家破綻のほとんどはこのパターンだ。このしくみを発明したのがジョン・ローである。彼は史上最大の詐欺師として知られているが、「需要と供給で価格が決まる」という法則を発見した経済学の元祖であり、中央銀行や金融システムを発明した銀行家の元祖でもある。経済学者や銀行家が詐欺師に似ているのは偶然ではない。

ローはルイ15世の蔵相になり、政府債務を解消する天才的なスキームを提案した。彼は政府の債務をまかなうために王立銀行を設立して銀行券を発行させ、それを国立の西方会社(通称ミシシッピ会社)に貸し付けた。ミシシッピ会社は15億リーブルの銀行券を年3%の金利で政府に貸し、その資金を自社株の売却でまかなった。これは日銀が国債を引き受けて、その資金を日銀株でファイナンスするようなものだ。

ローはミシシッピ会社に一度も行ったことがなかったが、その事業の将来性を誇大に宣伝したので、この株式はバブルを発生させ、株価は額面の36倍になった。しかしミシシッピ会社の事業は実態がほとんどないことがわかってバブルは崩壊し、年率80%のハイパーインフレが起こった(このへんの事情は 北村行伸氏の解説にくわしい)。これによってフランスの財政は最終的に破綻し、民衆が蜂起してフランス革命を起こす原因となる。

ローの政策は、いわば史上初のリフレ政策だが、彼の最大の間違いは、貨幣が実体経済に中立ではなく、貨幣の増発で誰もが豊かになると考えたことだ。貨幣というのは本質的にバブルなので、誰もがその価値を信じていれば誰もが豊かになれるが、誰も信じなくなれば価値は失われる。それは国家の信認が失われるときでもある。

フランスと中国の王朝に共通しているのは、税率が意外に低いことだ。清の税率は5〜10%で、ブルボン王朝の税率もそれぐらいだったと言われる。これは専制君主に思いやりがあるためではなく、納税者が税負担を搾取と考えて逃亡や反乱で抵抗するためだ。都市国家では軍備のために30%ぐらい課税されたが、市民は反乱を起こさなかった。負担と公共サービスの関係が明確だったからだ。

財政が行き詰まると政治家が中央銀行に通貨の増発を迫るのは、ブルボン王朝から現代の「デフレ脱却議連」に至るまで変わらない。それが最終的に破局をもたらすことも、ロゴフの示す通りだ。ただ租税反乱がアンシャン・レジームを打倒するほど大規模な「革命」になるためには、バブルとその崩壊という劇的な事件が必要だった。ローのリフレ政策は、財政危機を延期し、バブルを膨張させて、それが崩壊したとき全国民の生活が破綻する事態を作り出し、フランス革命の爆発的なエネルギーを生み出した。現代のリフレ派がそういう革命をめざしているとすれば、ローにも比肩する天才的な戦略である。
 

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コメント
 
01. 2012年5月03日 04:34:36 : Py5Z7phwaA
素晴しい内容です。賢者は歴史に学ぶ。

日本は、歴史に学んで、他のアホな国の真似止めて欲しい。


02. 2012年5月03日 07:51:17 : yrjsZSR1Z6
池田信夫w

03. 2012年5月03日 11:57:52 : HBbhkUNHrw
民主党政権はドイツの猿真似している訳だが、ドイツでは電力料金が二択制になっていて、消費者が太陽光発電で作られた割高な電力と従来の電力を選べるようになっている。
もちろん、自ら太陽光発電をしている人は前者を選ばなければならない。

それを民主党の政策のように全員に強制的に高値で買わせると、結局、自分で太陽光パネルを付ける事が出来なかった庶民がその負担を総てすることになり、非常におかしいことになる。

どうせドイツの真似をするんだったら、総て真似をしなければ片手落ちだろ。
 


04. 2012年5月03日 12:26:05 : EszHBBNJY2
太陽光発電を今後大規模にしていくのであれば、送電網の召し上げは必修。
多くの事業者の電力を全国統一(もしくは50/60hzで2社)機構をつくり
送電網の運営を民間もしくは国が行うほうがいいのだろう。
(どこがやるのか議論の余地はある)

これで現在の電力会社は送電がなくなり、自然と独占体制が崩壊する。
当然、競争があるので総括原価方式も自然消滅。

原発を再稼動させなければ、数年で送電網を自ら手放さざる得ない。
国民は値上げも認めない。節電も続ける。この努力は必要。
稼動できない原発の減価償却や廃炉費計上や燃料の再処理など
送電網を手放さなければ、国民はいつでも電力会社を債務超過に
追い込める。

原発の廃炉費用や燃料再処理費用・管理費と送電網のバーター取引。♪


05. 2012年5月04日 01:00:32 : sgolhP60mA
入札制にすれば、安いの高いのと議論する必要がなくなる。
家庭用の入札は難しいが、入札価格を参考に決めればいい。

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