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「1%の富裕層」の現実  「いち抜けた」
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投稿者 MR 日時 2012 年 5 月 09 日 02:24:13: cT5Wxjlo3Xe3.
 


【バロンズ】
「1%の富裕層」の現実
2012年 5月 8日 8:17 JST

 「針でさしてみるかい、われわれの体からは血が出ませんかな? くすぐられても笑わない、毒を飲まされても死なない、だから、ひどい目に会わされても、仕かえしはするな、そうおっしゃるんですかい?」(福田恒存訳)

 私は手元にあるリポートを読みつつ、このシェークスピア『ベニスの商人』のシャイロックの辛らつな言葉を思い出さずにはいられなかった。そのリポートとは、パームビーチ(フロリダ州)のリゾート、ブレーカーズで開催中のアメリカン・エキスプレス・パブリッシング・ラグジュアリー・サミットでハリソン・グループとアメリカン・エキスプレス・パブリッシングが9日に発表予定の2012年版米国富裕層アンケート調査結果だ。私は、同リポートを公開前に特別に読む機会を得た。それを読んで私は目が覚める思いであった。


 このリポートの調査対象は年収が10万ドルを超える全ての富裕層だが、私は回答者1268人のうち、「1%の富裕層」とされる年収が45万ドルを超える390人に注目した。ここでの「1%の富裕層」とは、米国に120万人いるとされる、世帯所得の中央値が75万ドル、資産額中央値が750万ドルの人々のことだ。

 この年収については、広い視野から見てみよう。ニュースにもなったウェストバージニア州のマウンテン・ステート大学やカリフォルニア州のチャップマン大学の学長の年収はそれぞれ180万ドルと150万ドルだ。したがって、世間の非難を浴びている「1%の富裕層」はもちろん裕福ではあるが、「お金持ち像」に関して人々の想像力をかきたてているラリー・エリソンやドナルド・トランプのような400人の超富裕層というわけではないのだ。

 実際には、「1%の富裕層」は大方が考えるよりも「普通の人々」に近い。この調査では以下が明らかになっている。

- 67%は中間所得層または低所得層出身
- 85%は自分の代で富を築いた
- 76%は心の中で自分たちを「ミドルクラス」とみなしている
- 3%が遺産として継承した全資産の比率

 ハリソン・グループのジム・テイラー副会長は「これはミドルクラスの勝利。歳を取っても(1%の富裕層が)自分たちをミドルクラスとみなしているということは、勤勉な努力、教育の価値、家庭の価値、幸運という価値観を意味している」と述べている。

 確かにこれら「ミドルクラス」の億万長者たちは大半が優れた事業やアイデア、製品を生み出すことによって財を築いた人たちであることを理解することは重要だ。富は、例えば大企業から支払われる多額のボーナスや、あるいはゼロから築き上げた会社をプライベートエクイティ(未公開株=PE)投資会社に売却することで得られたお金といった形で突然予期しないときに不意に舞い込んだ副産物なのだ。

 だが、このリポートでは悲しい現実が明らかになっている。経済成長の原動力となってきたこれら「ミドルクラス」の成功者たちは、金融市場で打撃を受け、世論にも叩かれて、心情的にも経済的にも打ちのめされ、表舞台から降りてしまったのだ。彼らは現金を貯め、ほとんどすべてのリスクを避けてコミュニティーから遠ざかり、一握りの友人や親族たちで身を固めている。

 一言でいうなら、「いち抜けた」ということだ。

 2007年の「1%の富裕層」の貯蓄率は12%だった。それが2011年には34%に急増している。つまり2007年から2011年までの間に年間の貯蓄額が2500億ドルから5500億ドルになった。利率は低いが比較的安全な「個人の貯蓄とマネーマーケット」への貯蓄は全体の24%から54%に跳ね上がった。逆に「金融商品や市場」への投資の比率が75%から46%に激減したことは憂慮すべきことだろう。

 これは国にとってよいことではない。本質的にリスクをいとわなかった人たちが、金融リスクをとることをやめてしまった。リポートの言葉を借りるなら、「非合理的にディフェンシブになっている」。テイラー氏は「これは国にとって非常に危ない事態だ。神経を尖らせた富裕層の間でたんす貯金が増えている」と指摘する。

 なぜ世間がこれを憂慮すべきなのか。端的に言えば、雇用創出の後に投資が来るのではないためだ。新しい雇用は、リスクをとる人たちが投資した結果、生まれるものだ。

 さらい悪いことに、心の中で自分たちは「ミドルクラス」と考えている人々、つまり勤勉な努力と家族の価値といった米国の価値観に大きく貢献してきた人たちにとって、突然自分たちが社会から悪者にされてしまったというのはショックであった。その結果、彼らが社会にとって今一番必要とされているときに、表舞台から降り、感情的にも孤立感を深めて世間から身を引くという反応を示していることもうなずけよう。

 2010年第1四半期の調査では「1%の富裕層」の62%が「自分のコミュニティーでの社会的行事に参加することが重要」と回答していたが、2012年第1四半期にはそれが44%に激減している。そして、極めて裕福な人々はあまりに防御を固めるあまり、「自分と同程度の成功を収めている人々」との付き合いに対する興味も、同時期に75%から67%に低下している。

 「親友や近い親族と時間を過ごす方をますます好むようになっている」という選択肢に同意した回答者はなんと92%に上る。(一般回答者では82%。)調査するたびに、孤立を選ぶ人々が増えている。「親友や家族」と時を過ごすことを目標とする人々の割合は、2011年第1四半期は54%だったが、1年後には62%に急増した。

 この数年、米国の抱える諸悪の根源として非難されてきた結果、「1%の富裕層」は残りの99%とは袂(たもと)を分かち、公に姿を見せることすら恐れているようにも見受けられる。25%は「1%の富裕層として非難されることを極めて/非常に心配している」と回答している。アメリカン・エキスプレス・パブリッシングのシニア・バイス・プレジデント、カラ・デービッド氏は、「成功が望むべきものでなくなってしまった」国の危うさについて、警告を発している。

 深呼吸してみよう。確かにウォール街占拠運動は、国の一種の良心として尊重すべきだ。何かが間違っているという叫びには一理ある。だが、一方で、「魔女狩り」がこの国のDNAとして組み込まれていることも思い出す必要がある。富裕層を悪者扱いするあまり、この国は今、崖っぷちまで来てしまった。

 デービッド氏は「この国の富裕層について語る方法を考え直さなくてはならない。富裕層が奥へ引っ込んでしまえば、得をするものは誰もいない。われわれが必要としているのは、身を潜めたりせず活発に活動する富裕層だ。(富裕層でない)人々も富裕層の価値をもっと認める必要がある」と述べている。

 この国の富裕層をゾウ狩りよろしく糾弾することがよいことだと考えているウォール街占拠者たちや大衆迎合的政治家、そしてメディアの批評家は、一団となって環境を破壊していることに気付く必要がある。つまり、生物多様性は健全な生態系のしるし、ということだ。ゾウを全部殺してしまったらわれわれは全滅する。

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#貯蓄率の上昇は、単に米国の1%も日本同様、将来の所得減少を恐れ、リスク回避傾向が高まっているせいではないか?
 

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コメント
 
01. 2012年7月25日 10:33:58 : HxhcnNTppw
こうぃぅぁからさまなロ虚をさも真顔で言えるのは一種の精神病、先天的詐欺師気質、精神異常を伴わない虚言癖、なんだろぅな; 怖い;怖い;;;

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