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不動産投資の罠 「一目瞭然、不動産投資のカラクリ」  (日経ビジネス)
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/226.html
投稿者 梵天 日時 2012 年 5 月 18 日 12:54:51: 5Wg35UoGiwUNk
 

(回答先: 不動産投資の罠 「不動産投資で自己破産続出のXデー近し?」 (日経ビジネス) 投稿者 梵天 日時 2012 年 5 月 18 日 12:53:30)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120104/225802/

不動産投資の罠 「一目瞭然、不動産投資のカラクリ」  (日経ビジネス)

第2回 キャッシュフローで読み解く


□誰も教えてくれないリスク・リターン

 「不動産投資」に関連性の強い言葉をネット上で調べると、「怖い」「怖くない」が上位に出て来る。
不動産投資は株のように多くの経験者がいるわけでもない。
多額のローンを組んで行う投資でもあるので、自己破産リスクもある。
それなのに、リスクとリターンについて正確な理解が進んでいない表れに他ならない。


 不動産投資で失敗した人は多いが、本屋には「成功体験談」しか並ばない。
「儲かる話」でないと本が売れないという事情や失敗した人はそもそも本を書かないという面もあるのだろうが、リスクを教えてくれない本を読んでも、リスク・リターンの対処法が分かるわけがない。


 不動産業者のほとんどはその物件がどのくらい損得を出すかを知らないもしくは教えない。
彼らは契約が成立すれば仲介手数料が入るので、買主が儲かろうが損しようが知ったことではない。
成約に到ればいいと考えると、情報を恩着せがましく大量に流したり、実態情報を隠してもっともらしい投資話を作って洗脳したりして、思考停止に追い込む手段を競い合っているように見えてくる。

現在の取引慣行では買主は投資判断の情報を充分に与えられずに、自己防衛を強いられるという危険極まりないものとなっている。つまり、取引実態を見ていくと「不動産投資は分からないことが多くて、怖い」ということになる。

□いい物件を選ぶ基準

 不動産取引は当初からどの程度儲かるかが判明しているもので、期待できそうな収益を物件毎に比較することができる。
つまり、事業収支が組めて、一定の投資利回りを算出するという予測が可能である。そこを拠り所に投資判断をすることが必要になる。

 次の2つができればいい物件を選ぶ可能性は格段に高まる。

・事業収支を把握すること
・わからないことは自分で学習すること

 しかしながら、その手間たるやかなりの負担になるので、下の2つをクリアするのが近道になる。

・事業収支シミュレーションツールを玄人に試算してもらうこと
・信頼できるアドバイザーを味方につけること

 そこで、典型的な例を取って、事業収支を説明してみよう。

□中古のマンション1室なら表面10%が投資の目安

 端的に答えから書こう。
表面利回り8%の物件では実質利回りは1.8%となる。
投資商品同士を比較するなら、この実質利回りを使う。表面と実質が大きく変わるのは、購入価格から売却価格が大きく下がるからで、表面10%でも実質利回りは2.9%に過ぎない。
1000万円の投資で年間29万円が手取りになる計算だ。
実質利回り3%程度は欲しいので、投資の目安は表面利回りが少なくとも10%以上の物件ということになる。
3%を最低に置くのは、住宅ローンを3%で借りていた場合の早期弁済が同じ効果を持つからだ。
不動産投資は早期弁済のように手間入らずというわけにはいかないので、期待利回りはこれ以上必要だ。


 ここで、2つの用語を確認しておこう。
表面利回り=年間賃料収入÷物件価格となるが、これには税金や諸経費が入っていないので、投資判断には実質利回り(IRR:Internal Rate of Return 内部収益率)を使う。

これは投資額と将来のキャッシュフローから算出される投資運用利回りを表す。

 中古のマンション1室の最大のデメリットは、担保としての土地に価値が見出せないためローンを組みにくいこと、価格の落ち方が早いことが挙げられる。
ローンを組めないのは返済できない可能性が高いことを暗示している。
そこで、試算では自己資金で購入したことを前提として収支を組むことにした。

 ローンを組めない分、初期投資額が増えるが、毎年堅実な手取り収入があり、表面利回りが高いと時間はかかるが自己資金が回収できる。
売却時に譲渡益は期待できないが、売却価格を持って、累計収支がプラスに転じる。

 このように全額自己資金の場合、表面利回りが高い→早期に投資回収時期が来る→キャッシュインが安定的にある→持ち続けると実質利回りが高くなるという関係が成り立つので、長く保有することが最適な選択となる。


□中古マンション1棟なら表面9%が投資の目安

 中古1棟マンション表面9%の物件を7割ローンで借りた場合のシミュレーション結果は、実質利回り3.6%となる。

1億円の物件を3000万円の自己資金で購入したら、年間108万円の手取りが期待できる。
1棟の方が1室よりもオーナー業務として手間がかかる。
実質利回りは1室の場合よりも高く考えると、表面利回りが9%欲しい。


 中古1棟マンションのメリットは、投資規模が大きく長期投資に向いていること、土地の割合が多く建物の劣化が遅いので値落ちが少なくローンを借り易いことがあげられる。
デメリットは、築年が古いとローンを借り難いこと、最終的に更地にしにくいことなどがある。


 収入が多いために税率が高く、納税額が多くなり、毎年の手元収入はあまり多いとは言えない。
しかし、土地の資産割合が多いために資産価値の下落が少ないために売却額は高く、売却により累積でキャッシュフローがプラスとなる。


 1室なら表面10%、1棟なら表面9%以上が個人投資家の首都圏物件の投資基準の基本となる。
これが当たり前になると取引価格は大幅に下がる。
そうなると、今物件を所有している人はおおかた損をすることになる。

上記で試算した利回りは現状で分かっている限りの設定であり、20年後の賃料や空室率や期待利回りはどうなっているか予見できる人は誰もいない。
これ以外にも高い賃料で入居していた人が高く売却するための見せかけであるような詐欺行為は往々にしてあるので、そうしたリスクも見越さなければならない。

 「資産5億円」「年間賃料収入3000万円」と高らかにうたうような成功体験談はあるが、大事なことは、賃料収入は手取り収入を膨らませてみせただけの数字に過ぎないということである。
最終結果は確定申告しないと分からないし、それも単年度ではいくらでもみせかけを作ることができる。

□第1の罠「預金通帳のトリック」

 通常、不動産の入出金は大きいので、通帳を別に作って管理する方が楽だ。
賃料収入とローン返済の差分が通帳に残っていくイメージになるので、状況を把握しやすく、そこから税金を払うと累積キャッシュフローが通帳に貯まることになる。
また、不動産投資をすると、入居者から預かっている敷金が持ち主間で移管される。
家賃7.5万円総戸数10戸のマンションで敷金を2ケ月取っていたら150万円の現金が手元に来る。
初年度は所得税の還付が見込めるので、1年経った通帳を眺めているとお金持ちになったような気分になれる。
しかし、敷金は入居者からの預かり金に過ぎず自分のものではない。
キャッシュフローも毎年プラスになるわけではないので、通帳残高は「見せ金」でしかない。


 この見せ金は騙すにはもってこいの代物だ。
著作やネットで通帳を開示する投資家がいるが、都合のいい時にしか見せない。
常套手段としては妻に使われる。
不動産投資のローンでは配偶者の連帯保証を取るケースがある。
この時に何を説明するよりも預金残高が効く。でも改めて言うが、これは「見せ金」に過ぎない。

売却額がローン残債に満たない場合は、この通帳から支払われることになり、ゼロになることがあり得る。しかし、そんな将来のキャッシュフローを知る人は少ない。預金通帳が一時的に膨らむと人は散財してしまうことが多い。


□第2の罠「初年度は誰でも儲かるトリック」

 不動産投資の2つ目の罠は「最初は誰でも儲かる」ように見えるということだ。

 賃料収入は全額所得になる。
それもサラリーマンは給与所得との合算になる。
賃料収入から経費などを引いてもその半分以上は所得となるので、給与所得を上回る人も多い。
合算されるメリットは不動産所得がマイナスになる年は給与所得として支払った所得税が還付される点で、逆にデメリットは不動産所得がプラスの場合、総所得額に応じて高くなる累進課税なので、所得税率が高くなることだ。


 還付は購入当初に起きるだけで、以降毎年徐々に税負担が重たくなるようになっている。
最高税率は課税所得1800万円以上の所得税40%+住民税10%=50%となり、半分を税金で持っていかれる計算になる。
この収入半減は投資としては痛い。
それも売却してみないと最終収支が分からないのに、それ以前に単年度会計で税金を持って行かれてしまう。
それも50%も。

株などの譲渡益にかかる現在の税率10%と比較してかなり重いと言わざるを得ない。今の税制のままではキャッシュインも多いが、キャッシュアウトも多い投資ということになる。


 こうして確定申告した結果、資産規模によって最高税率に到達する正真正銘の高額納税者は多い。
「高額納税者」と言えば聞こえはいいが、節税対策を真剣に取り組むことが必要になってくる。
よく不動産投資を節税対策と勧める人がいるが、サラリーマンは経費申告が認められていないので、対策を取れるのは儲かっている医者や自営業者などに限られる。
サラリーマンには支払った所得税を無税にする方法は他にもあるので、借金してまで不動産を選ぶ理由はない。


 「不動産投資は税率が高い」というポイントを上げた。
逆に言うと、節税ができると税負担が軽くなり、手取り収入が増える。
税金は課税所得に対して掛かる。

課税所得は、賃料収入−運営費用−ローン利息−減価償却費で決まる。

運営費用は、管理費・修繕費などで、賃料の一定割合で掛かるが、減価償却費とローン利息は、最初が一番多い。
特に、減価償却費はキャッシュアウトを伴わない費用なので、節税効果が高く、キャッシュフローを大幅に改善する。


 初年度は収入以上に費用が掛かって所得がマイナスになると、他の所得と相殺される。

 つまり、給与所得1000万円に不動産所得−1000万円となると、課税所得が0になる。
これは源泉徴収で既に納めた給与の所得税が還付されることを意味する。
高額の税金を徴収される不動産投資は、初年度だけは税金が掛からないどころか、還付まであるので投資家は舞い上がってしまう。

こうして、ローン返済前において最も儲かる年は通常初年度になる。
これは誰にでも訪れる「ビギナーズラック」のようなものだ
。しかし、ここから急激にキャッシュフローは悪化の一途をたどり、やがてキャッシュアウトが恒常化することになる。

そうした時期への備えのためにも、キャッシュを貯めておく、稼働を上げて収入を増やしておく、節税をしておくことが重要になってくる。しかし、それも誰も教えてくれはしない。


 手取りが減る理由は他にもある。
建物や設備の経年劣化に伴い、市場での競争力を失い、賃料収入は下がっていく。
周辺に新築物件が建つことで、物件の選ばれる際の序列が毎年変わることになる。

賃料は周辺ストックの中でのその物件の相対的な位置づけによって決まる。新築で駅近で最新設備で住環境も良ければ高い賃料が取れるが、常にそうあり続けることはできない。こうして徐々に賃料は下がっていく。

 こうして、収入は減り、税負担が重くなり、キャッシュフローは悪化の一途をたどる。やがては単年度キャッシュフローがマイナスになる。一旦マイナスになると、ローンの返済もしくは物件の売却までプラスに転じることはない。


□手取りが唯一の儲けの指標

 ここまで、手取り収入やキャッシュフローという言葉を多く使ってきた。
そこにこだわっている理由はそれが唯一「儲かっている」ことを表す基準であり、指標であるからだ。帳簿上の税引き前の所得が多くても、納税額と元本返済額を引いたら、マイナスになるようでは損をしていることになる。実はこんなケースはざらにある。

 不動産投資が何でも儲かるなら苦労は要らない。表に出ている不動産投資の広告物件は損をする確率の高いものがほとんどだ。
誰でもが発見できる情報に儲かる不動産投資物件が載るはずがない。
そこに出て来る前に取り合いをした末に、誰も買わなかったクズ物件が表に出て来る。
そうした物件では事業収支やキャッシュフローの予定表は出て来ない。
損すると分かれば投資はしてくれないので、出せないのだ。
出てきたとしても可能性の薄い仮定が置かれている場合がある。

例えば、買った価格と同額で売れるとか、賃料は上昇するとか。それを見破るには、専門家である第三者の確認を取らないと騙されることになる。
本当に儲かる物件を紹介してくれるところは、特殊なノウハウで儲かる物件を組成して上客に斡旋している。
もちろん、そんな物件は数えるほどしかない。現状では、個人投資家を儲けさせるのはそのくらい難しいのだ。


 儲けた額は実現したキャッシュだが、これは単年度で切り取った実績であり、毎年変わる。
キャッシュフローは毎年変わっていくもので、物件毎に異なる。最初儲かってその後は急速に収支が悪化する物件やそこそこコンスタントに儲かる物件ではどちらがいいかを同じ土俵に乗せないと、どちらの物件がいいかすら判断できないことになる。
その指標が実質利回りだ。つまり、儲けの指標は手取りキャッシュの累計(絶対額)と実質利回りの2つのバランスで決まる。


□自己破産しないためのストレステスト

 不動産投資で最大のリスクはローンを返済できなくなることだ。
どんなリスクにさらされようが、返済は待ってくれないし、返済期間を延ばしたり、返済額を下げたりすることは金融機関が応じてくれるとは限らない。

そこで返済の安全性を見る指標が必要になる。
それが、賃料収入÷元利返済額で算出するDCRという指標だ。
これが1.3以上が一般的に健全と言われている。それは収入が想定の8割(=1÷1.3=77%)になっても返済ができるという水準に相当する。


※DCR(Debt Coverage Ratio)とは借入金償還余裕率と訳される。借入金が事業に及ぼす影響度(返済不能リスク等)を示す指標で、NOI(年間家賃収入×稼働率−管理コスト)÷元利返済額で算出される。

 不動産投資で最適投資をするにはバランスよくお金を借りる必要がある。
表面利回りに応じて、借入比率は何%が最適かが決まる。
決定要素は実質利回りが3%以上、DCRが1.3以上、単年度キャッシュフローが赤字になる期間が極力短いことなどが挙げられる。
これらは互いに行き過ぎを警戒し合うかのように反比例関係にある。


 実質利回りを上げるには借入比率は高い方がよく、借入比率を高めると返済余裕度が落ち、単年度キャッシュフローがマイナスになる期間が長くなる。
こうして、表面利回り毎の借入比率は最適化される。その結果は、表面利回り8%の場合借入比率は60%、9%の場合70%、10%の場合80%、11%の場合90%、12%の場合も90%が目安となる。


□逆転の秘策

 不動産投資の最大のリスクはローンの返済だ。
これが一時的であってもできなくなったら自己破産することがある。
例えば、新築物件を全戸空室時に購入して、入居が進まずに初回の返済に困る人もいたくらいだ。
必要なものは、(1)キャッシュフロー表(2)変動リスクと対処法を知っているアドバイザー、の2つだ。
不動産業界は倒産が多いように、自分のリスクマネジメントが出来ていない会社が多い。自分のところが存続できないのに、人の世話などできる人は本当に少ない。

 不動産投資をやっていない人はラッキーだ。
まずはリスクについて理解して、それをヘッジする方法を探し、リスクを許容できる自信がついたらやればいい。
既にやっている人は現状を確認し、将来を見通し、必要があれば早く策を打たねばならない。
手元のキャッシュと時間に余裕があれば、プロは何とかしてくれる。
不動産は切羽詰る人が負ける。いつでも選択肢を持つことが大事である。
不動産投資に警鐘を鳴らす失敗談や強引な勧誘への対処法等の情報共有のページを作成したので、活用願いたい。投資は自己責任である。

 本コラムの第3回は、このキャッシュフローの結果から、不動産投資でまことしやかに語られる嘘八百を喝破することにしたい。  

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コメント
 
01. 2013年3月22日 18:06:50 : NbOCwp6rrM
偏った話。実質利回りが下がる根拠も全く出さない。
このコラム自体、根拠のない結論のみしかない、不動産屋以下の
落書き

02. 2014年2月04日 18:10:20 : bBTGU5yoMc
三菱地所など欠陥マンション等でリスクの方が大きい。

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