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賃金の動向とその物価への影響について
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/630.html
投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 23 日 07:23:11: cT5Wxjlo3Xe3.
 

1
12/4/6 10 時 17 分
1.はじめに
物価変動の要因を探るに当たっては、財・サービスの生産費用に占める人件費、特に賃金
の動向の分析が重要である。一般的には、賃金と物価は相互に影響を及ぼすものと考えられ
る。つまり、我が国における賃金の趨勢的な弱さは、デフレの結果であるとも言える。その
一方で、産業構造や労働者の人口構成の変化等といった構造的な要因が、賃金の押下げ要因
として影響を及ぼし、それが物価の弱さの背景の一つとなってきた可能性もある。また、最
近では、労働需給の改善が見受けられることから、パートタイム労働者(以下、パートとい
う)の時給等が上昇し、生産費用の増加を通じて物価の押上げ要因となる、というルートも
考えられる1
。本稿では、こうした問題意識から、主として 2000 年以降について、1人当た
り賃金の構造的な変動要因を探るとともに、時給に着目して循環的な賃金変動と物価との関
係を分析する。
2.1人当たり賃金の分析
2000 年以降の我が国の賃金について、現金給与総額、定期給与をみると、趨勢的に減少傾
向にある(図−1)2
。現金給与総額の前年比を寄与度分解してみると、景気や生産動向に左
右されやすい所定外給与や特別給与は正負の変動が大きいが、所定内給与は恒常的な押下げ
要因となっている。そこで、所定内給与の前年比を寄与度分解してみると、パート比率の上

※本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではな
い。
1
マクロ的な物価上昇率に影響を及ぼす基本的な要因としては、一般に、期待物価上昇率ととも
に需給ギャップ(GDPギャップ)が重視される。一方、ミクロ的な企業の最適化行動に基づく
いわゆる「ニューケインジアン型フィリップス曲線」の理論によれば、本来、期待物価上昇率と
並んで実質限界費用が基本的な要因とされており、需給ギャップは(一定の仮定のもとでの)そ
の近似にすぎない。しかし、この定式化の問題は、限界費用の直接的な計測が困難なことであり、
代理変数としてユニットレーバーコスト(その実質値は労働分配率)等を用いた実証分析が重ね
られてきているが十分成功しているとは言い難い。こうした状況を踏まえ、本稿後半の分析では、
主に限界費用的な色彩が強いと想定されるパートの時給に着目した。
2
現金給与総額とは、賃金、給与、手当、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として
使用者が労働者に通貨で支払うもの。現金給与総額の内訳として、定期給与と賞与を含む特別給
与があり、定期給与は所定内給与と所定外給与に分類される。 2
図−1 現金給与総額、定期給与の動向
図−2 現金給与総額と所定内給与の前年比
(1)現金給与総額の寄与度分解 (2)所定内給与の寄与度分解
昇と、一般労働者の所定内給与の下落が恒常的な押下げ要因となっている(図−2)。
パート比率については、サービス産業の拡大、労務コストの効率化や定年退職者の再雇用
等3
の要因により上昇しているものと考えられる。本稿では、より構造的な背景があるものと
考えられる一般労働者の所定内給与に焦点を当て、分析することとしたい。
(1)経年的な動向
一般労働者(以下、一般という)の所定内給与(以下、賃金という)について、雇用形態
別にみた経年的な動向を確認する。

3
厚生労働省「平成 23 年パートタイム労働者総合実態調査」によると、パートタイム労働者を雇
用する理由について 、 人 件 費 の 抑 制 や 雇 用 調 整 の し や す さ を 目 的 と し た 挙 げ た 事 業 所 の 割 合 は 、
平成 18 年調査と比較し、減少した。一方、定年退職者の再雇用を上げた事業所の割合は、増加
している。
(備考)厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。季節調整値。
(備考)厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T
2005 06 07 08 09 10 11 2012
( 期)
( 年)
(前年比、%)
パート比率寄与
パ ートタイ ム労働 者
所 定内給与 寄与
フ ルタイム 労働者
所 定内給与 寄与
所 定内給与 変化率
92
96
100
104
108
112
116
120
90
94
98
102
106
110
114
TUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVW1 2 3
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
現金給与総額
定期給与(目盛右)
(2010=100) (2010=100)
(期、月)
( 年)
-6
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
3
T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
特別給与
所定外
所定内
現金総額
(前年比、%)
(期)
(年)3
そこで、概括的に賃金動向をみると、一般の正社員・正職員4
(以下、正社員という)の賃
金は、リーマンショック以降大きく落ち込み、その後やや持ち直しているものの、趨勢的に
は減少傾向にある(図−3(1))。一方、一般の正社員以外の賃金は増加傾向にある。また、
その他に新入社員の大勢を占める大学卒業者の初任給をみると、2005 年より増加傾向にあり、
足下でも改善している(図−3(2))。
図−3 一般の賃金と大卒新入社員の初任給の動向
(1)一般の賃金の動向 (2)大卒新入社員の初任給の動向
次に、賃金動向をより詳細に確認するため、一般を雇用形態、雇用期間の有無別に分類し、
2005 年から隔年でみた賃金プロファイルを用いて分析してみたい(図−4)。
まず、正社員をみると、通常想定される「雇用期間に定めが無い者」は、全体的に賃金が
減少しており、特に 30〜44 歳の賃金は、2005 年と比較し 4.6%程度の減少となっている。他
方、同年齢層における 35〜 39 歳の「雇用期間に定めがある者」の賃金は、2005 年と比較し
3.2%程度増加している。
次に、正社員以外をみると、若年層においては、2008 年に賃金が上昇する動きも見受けら
れるが、直近の 2011 年では 2005 年と比較し減少している。他方、60 歳以上の高齢層をみる
と、雇用期間に定めがある 65 歳以上を除き、賃金はやや増加している。

4
本稿では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づき、以下の通りに定義する。
←就業形態→ ←雇用形態→
常用労働者
一般労働者
正社員・正職員
正社員・正職員以外
短時間労働者
正社員・正職員
正社員・正職員以外
(備考)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」により作成。
96
97
98
99
100
101
102
103
104
2001 03 05 07 09 11
(2001年=100)
( 年)
96
97
98
99
100
101
102
103
104
2005 06 07 08 09 10 11
(2005=100)
正社員・正規職員以外
正社員・正規職員
全 体
( 年)4
総じて、正社員の賃金は趨勢的に減少傾向にあり、特に 30〜 40 代の賃金が減少している。
他方、同年齢層の一部で、正社員だが雇用期間に定めがある雇用形態において、賃金上昇が
見受けられることから、労働需要側では正社員の処遇・仕事内容であるが、より流動性が高
い者を求める動きがあることが示唆される。
図−4 雇用形態別の一般の賃金プロファイルの動向
他方、正社員以外の賃金は増加傾向にあり、これは 60 歳以上の高齢者が牽引しているもの
と考えられる。こうした 60 歳以上の賃金上昇は、少子高齢化により労働力人口の減少が見込
まれる中で、高齢者の再雇用等が活発化5
しているためと考えられる。
(2)産業における賃金変化の影響
産業別に賃金動向をみた場合、ある特定産業の賃金変化が全産業の平均賃金に大きく影響
を与えることが考えられる。そこで、各産業の一般の賃金変化が平均賃金に与える影響につ
いて考察してみたい(図−5)。
これによると、2005 年以降、多くの労働者を擁する建設業、製造業、卸売業・小売業が平
均賃金の変動を牽引してきた。近年の動向を見ると、エコカー減税等の政策、震災後の復旧・

5
2011 年における 60 歳以上の正社員以外の者は、2005 年と比較し、36.5%増加している。
(備考)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」により作成。
150
200
250
300
350
400
450
2005年
2011年
2008年
( 千円)
正社員(雇用期間の定め無し、一般)
150
170
190
210
230
250
270
290
310
330
2005年
2011年 2008年
( 千円) 正社員(雇用期間の定め有り、一般)
130
140
150
160
170
180
190
200
210
2005年
2011年
2008年
( 千円)
正社員以外(雇用期間の定め無し、一般)
150
160
170
180
190
200
210
220
230
正社員以外(雇用期間の定め有り、一般)
(千円)
2008年
2011年
2005年5
復興の本格化、スマートフォン市場の拡大等を背景として製造業、情報通信業等がプラスに
寄与している。他方、雇用創出産業である医療・福祉6
やサービス業等における賃金の伸び悩
みが、平均賃金の押下げ要因として近年強く働いていることが窺われる。
図−5 産業内賃金変化が全産業の平均賃金に与える影響
(3)産業間の労働移動による影響
我が国では第2次産業から第3次産業へ産業構造の移行が進んでおり、相対賃金7
の低いサ
ービス産業に労働力が移行したことが、平均賃金の上昇しない要因の1つとして考えられる。
この仮説について検証するため、上述した各産業の賃金変化の動向を踏まえつつ、相対賃金
や各産業の労働者数の変化を確認する8
(図−6)。
まず、産業大分類別に労働者数の変化をみると、製造業や建設業では減少する一方で、医
療・福祉やサービス業等では大きく増加しており、労働者が第2次産業から第3次産業へ移
行している動きが見受けられる(図−6(1))。また、医療・福祉やサービス業等は、近年
賃金の伸び悩みが見受けられ、相対賃金をみても1を下回っており、製造業や建設業と比較
しても相対賃金は低いことから、第2次産業から第3次産業への労働者の移行が平均賃金の
上昇を抑制している要因の1つと考えられる。

6
2009 年の人事院勧告をみると、厳しい経済・雇用情勢が民間の給与に反映されたことを受けて、
公務員の給与の引下げが行われた。図−5の 2010 年における医療・福祉の動向については、保
健所や福祉事務所等といった人事院勧告の影響も考えられる産業が含まれていることから、マイ
ナスの寄与度が拡大した可能性も考えられる。
7
一般労働者の所定内給与を用いており、2011 年の全産業の平均 賃 金 に 対 す る 相 対 賃 金 を 指 す 。
8
産業大分類別の雇用者数の変化については、2005 年から 2011 年にかけての変化を見ている。
また、製造業の産業中分類別には、データ制約の関係から 2007 年から 2011 年にかけての変化を
見ている。
-1.0
-0.8
-0.6
-0.4
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T
2005 06 07 08 09 10 11 12
卸売業・小売業
所 定内給与
建 設業
情報通信業
サ ービス業 等
医 療・福祉
製 造業
教育・学習支援業
運 輸業・郵 便業
金 融・保険 業
( 期)
( 年)
(前年同期比、%)
(備考)1.厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。
2.5人以上企業の一般について、各産業の賃金変化に対する寄与を算出し、
四半 期で みたもの 。 6
また、製造業の動向についてやや仔細にみるため、産業中分類をみると、家具・装備品や
窯業・土石等は、労働者数が減少しているものの、各業種の相対賃金は1を下回っているこ
とから、平均賃金に対しては押上げ効果が生じているものとみられる(図−6(2))。更 に 、
輸送用機械器具では、労働者数は増加しており、相対賃金も1を上回っていることから、平
均賃金を押上げる要因となっていると考えられる。他方、食品・たばこ、電気機械器具等で
は、労働者数が増加しているものの、それぞれの相対賃金は1を下回っており、平均賃金を
押下げる要因となっていることが窺われる。このように、製造業においては、相対賃金が1
を下回る業種を中心に労働者数が減少しており、平均賃金を押上げているものの、労働者数
が増加している業種の相対賃金が1を下回っていることから、製造業全体では平均賃金を押
下げる要因となっていると考えられる。
その他、情報通信業では、労働者数が増加しており、近年では賃金の伸びも見受けられ、
相対賃金は1を超えている。このため、平均賃金の趨勢的な減少に歯止めをかけるためには、
情報通信業の動向が重要な要素となる。情報通信業の労働需要側では、特に高度なIT人材
の育成が重要であり、現在、企業と大学が協力しつつ産学連携人材育成施策等が推進されて
いる。今後ともこうした人材育成の更なる推進を図ることで、雇用に結び付けていくことが
重要と考えられる。
図−6 業種別の相対賃金と労働者数の増減率
(1)産業大分類別 (2)製造業の産業中分類別

(備考) 1.厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。
2.事業規模5人以上。一般労働者の数値。
3 .産業別は、400 万人以上の雇用者がいる産業が赤マーカーとなっている。また、製造業は 50 万
人以上の雇用者がいる産業が赤マーカーになっている。
4.サービス業等は、サービス(その他に分類されないもの)、不動産・物品賃貸業、学術研究等、
飲食サービス業、生活関連サービスなどを含む。
5 .電 気 機 械器 具等 は 、 繊維 工業 、 化 学 、石 油 ・ 石炭 、は ん 用 機 械器 具 、 生産 用機 械 器 具、 業務
用機械器具、電気機械器具、情報通信機械器具、その他の製造業などを含む。
建設
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
0.5 1.0 1.5
(一般労働者の増減、%)
(相対賃金)
卸売・小売
情報通信
サービス等
金融・保険
教育・学習支援
医療・福祉
製造業
家具・装備
品製造業
鉄鋼業
-3
-2
-1
0
1
2
3
0.5 1.0 1.5
(相対賃金)
(製造業の一般労働者の増減に対する寄与度、%)
輸送用機
械器具
電気機械器具等
電子部品
デバイス
金属製品
食料品・たばこ
窯業・土石7
(4)一般に占める非正規雇用者の増加による影響
近年、労働者全体に占める非正規雇用者の割合が増加しているが、正規雇用者と比較し、
相対的に賃金の低い非正規雇用者の増加は、平均賃金が上昇しない要因の1つである可能性
が考えられる。当該仮説を検証するために、一般における非正規雇用比率の上昇が平均賃金
に与える影響について考察する(図−7)。
そこで、一般の平均賃金の前年比に対する非正規雇用比率の寄与度をみると、2008 年のリ
ーマンショック時には、非正規雇用比率が上昇し、平均賃金の押下げ効果が高まった。しか
し、足下では当該押下げ効果は依然として残るものの、平均賃金に対する構造的な押下げ効
果は弱まっている。
図−7 一般の平均賃金に対する非正規雇用比率の寄与度
(5)高齢者の定年・嘱託化等と新入社員の影響
我が国では定年後の継続雇用が推進されており、定年後は嘱託・契約社員等として働く人
が増加している9
。定年に伴い正社員から嘱託・契約社員等へと雇用形態が移行した場合、賃
金は低下することが考えられ、それまでは正社員として平均賃金の押上げに寄与していた者
が、押下げに寄与するようになることが想定される。また、高齢者だけではなく、新入社員
の賃金は平均水準よりも低いことから、同様に平均賃金を押し下げる要因となる。ここでは、

9
厚生労働省「平成 20 年高年齢者雇用実態調査結果」によると、前回調査の平成 16 年と比較し、
継続雇用制度がある事業者の割合は 67.5%から 89.1%に増加している。また、60 歳以上の定年
到達者のうち 75.6%が継続雇用(勤務延長又は再雇用)されており、平成 16 年調査の 68.2%よ
り増加している。
(備考)1.総務省「労働力調査(詳細集計)」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」により内閣府で試算。
2.労働力調査(詳細集計)における就業時間週 35 時間以上の雇用者をフルタイム労働者とみなし、
毎月勤労統計調査のフルタイム労働者に占める正規・非正規雇用者数を算出し、フルタイム労働
者に占める非正規雇用者割合の上昇が所定内給与に与える影響を試算した。
-1.0
-0.8
-0.6
-0.4
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T
2005 06 07 08 09 10 11 12
(前年比、%)
一 般労働者
所定内給与変化率
非正規雇用比率寄与
( 期)
( 年)8
労働市場におけるこれらの要因が、一般の平均賃金に与える影響について、近年の動向を考
察する。
高齢者に関する本推計は、総務省の「国勢調査」と「人口推計」により、各年の1歳区分
での就業者数10
を算出し、ある年の 59 歳とその翌年の 60 歳との人数の差分を退職者と見な
している。また、総務省「労働力調査(詳細集計)」における、1年以内に離職した正社員に
係る現職の雇用形態別人数より算出した比率を用いて、ある年の 60 歳の就業者数を、「正社
員として継続雇用された者」、「パート・アルバイトとして再雇用された者」、「契約・嘱託職
員として再雇用された者」に分類した。賃金については、厚生労働省「賃金構造基本統計調
査」を使用するため、国勢調査等より算出した退職者、継続雇用者の規模を同調査に合わせ
て調整している。その上で、退職者ならば 54〜59 歳の一般の賃金、継続雇用者ならば 60〜
64 歳の各雇用形態に該当する一般の賃金を使用し、平均賃金との加重平均により算出した推
定賃金11
との乖離幅により押下げ効果を推計している。また、新入社員についても、初任給、
新規学卒者数を用いて、同様に推計している。
実際に押下げ効果を推計してみると、まずは新入社員要因と比較して、高齢者要因の方が
押下げ効果としては高いことが分かる(図−8)。
図−8 新入社員及び高齢者による一般の平均賃金の押下げ効果
このうち、高齢者要因を詳細にみると、60 歳定年退職と正社員からパート・アルバイトへ
の移行による押下げ効果が大きい。正社員から契約・嘱託社員への移行は、押下げ効果があ

10
ここでは、就業者のうち、主に仕事をしている者を使用。
11
例えば、退職者による効果であれば、退職者の賃金と人数が設定されているため、これらの者
が退職しなければ達していた推定賃金を加重平均により算出し、平均賃金の差分を押下げ効果と
みている。
(備考)厚生労働省「賃金統計基本統計調査」、総務省「国勢調査」、「人口推計」、
「労働力調査(詳細集計)」により作成。
-3.5
-2.5
-1.5
-0.5
0.5
1.5
2.5
3.5
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
新入社員による所定内
給与の変化率
60歳定年退職による
所定内給与の変化率
60歳で正社員として
継続雇用されたことによる
所定内給与の変化率
60歳で正社員から
パート・アルバイト(一般)に移行
したことによる所定内給与の変化率
60歳で正社員から契約・嘱託
職員(一般)に移行したこと
による所定内給与の変化率
( %)
( 年)9
るものの、近年大きく高まっているわけではない。また、60 歳以降も正社員として継続雇用
されている場合、2007 年から 2009 年にかけては、賃金が減少傾向にあったものの、足下で
は、そのような押下げ要因はほぼ見られない。
他方、新入社員の初任給は相対的に低い水準ではあるものの、近年、大学卒業者等の初任
給が増加傾向にあることや、新規学卒者の人数が減少していることなどから、新入社員の労
働市場への参入による押下げ効果はやや縮小していると考えられる。
総じて、高齢者及び新入社員に係る構造的な平均賃金の押下げ効果は、2005 年と比較する
と、高齢者に係る要因による押下げ効果がやや高まっている状況にあり、依然として懸念が
残るものの、2009 年以降、その押下げ効果はやや弱まっている。
3.時給とサービス物価の連動性
時 給 ( 所 定 内 給 与 の 時 給 換 算12
、 以 下 同 様 ) は サ ー ビ ス 物 価 の 決 定 要 因 の 1 つ と し て 知 ら
れ て い る13
。 財 ・ サ ー ビ ス を 増 産 す る 際 の 限 界 費 用 に 近 似 す る 概 念 と し て 時 給 が あ り 、 労 働
集約的なサービス業では、その動向がラグを伴いサービス物価に転嫁されやすいと考えられ
る。そこで、サービス業に係る物価と時給14
の連動性について分析する。
分析の構成としては、まず足下の労働需給の改善と時給の関係性を評価するため、その連
動性について分析する。そして、サービス業の時給に対するサービス物価の弾力性を用いて、
職種別、産業別に連動性を分析した上で、連動性が高い産業の近年の時給動向を踏まえ、サ
ービス物価の展望を考察する。
(1)労働需給と時給の関係性
我が国の労働需給には改善の傾向がみられる。有効求人倍率は、有効求人数が増加し、有
効求職者数が減少することで、2009 年以降概ね上昇を続けている(図−9(1))。また、日
本銀行の「全国企業短期経済観測調査(短観)」の雇用判断DIをみると、リーマンショック
時に生じた労働過剰感はほぼ解消しており、先行きについては、製造業がやや過剰感を見込
むものの、非製造業では不足感が上回る状況となっている(図−9(2))。
労働需給の改善が進めば、時給に押上げ圧力が高まるが、足下では労働時間の増加により、
時給は緩やかに低下している(図− 10(1))。但し、時給には職種別に特色があるとも考え
られ、詳細に労働需給と時給の関係性をみるため、職種別の時給と雇用判断DIの動向を確
認する(図− 10(2))。

12
日本銀行(2002)では、賃金とサービス価格の関係について、@企業は特別給与を収益のバッ
ファーとして考える一方、所定内給与をコストのベースと考えて価格設定を行う傾向が強いこと、
A小売やサービス業ではパート比率が高くその賃金が所定内給与に左右されやすいこと、などを
背景として、現金給与総額に比べ所定内給与の方がサービス価格との関係が幾分強いとの見方を
示している。
13
内閣府「平成 22 年度 年次経済財政報告」、第 1−2−6 図を参照。
14
本稿のサービス業の時給は、建設業、鉱業・採石業等、製造業を除く非製造業の 時 給 を 指 す 。10
図−9 労働需給の動向
(1)有効求人・求職の動向 (2)日銀短観・雇用判断DIの推移

まず、パートの時給と雇用判断DIの関係性をみると、労働需給が改善局面に転じた 2004
年以降、パートの時給は前年同期比がプラス圏内で推移している。2009 年以降、リーマンシ
ョックにより高まった労働過剰感が改善に転じる中で、労働時間の増加により、パートの時
給は一時減少したものの、足下では労働過剰感が解消しつつある中で、時給の増加傾向が見
受けられる。他方、一般の時給と雇用判断DIには、明確な関係性は認められず、足下では
一般の時給はやや減少傾向にある。
従って、足下の一般・パートの時給は緩やかに低下しているものの、引き続き労働需給の
改善が進めば、パートの時給については安定的な増加が期待されるものと考えられる。
図−10 労働需給と時給の動向
(1)時給と総労働時間 (2)時給と雇用判断DI
(備考)1.厚生労働省「一般職業紹介状況」、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」により作成。
2.左図の値は季節調整値。
(備考)1.日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。
2.左図の値は内閣府で作成した季節調整値。
3.右図の雇用DIは、短観の全産業・全規模合計の雇用判断DI。所定内給与を
所定内労働時間で除したものを時給とし、後方6か月移動平均を四半期化した上で、
前年同期比をプロットした(いずれも5人以上企業、調査産業計)。
-3
-2
-1
0
1
2
3
-30
-20
-10
0
10
20
30
3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12


足」



剰」


パート時給 測
(目盛右)
一般時給
(目盛右)
(「不足」超−「過剰」超) ( %/前年 同期比 )
(月)
(年)
労 働需給改 善の局 面
雇用DI
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
0
50
100
150
200
250
300
350
TUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWT
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
有 効求人数
有 効求職数
有効求人倍率
(目盛右)
( 万人、万 件) ( 倍)
( 期)
( 年)
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
92
94
96
98
100
102
104
106
108
TUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVWTUVW1 2 3
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
総労働時間
時給(一般・パート計、目盛右)
(2010=100) (2010=100)
( 年)
(期、月)
-40
-30
-20
-10
0
10
20
30
40
3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12


( 月)
( 年)
製 造業
非 製造業
全 産業


足」



剰」

(「不足」超−「過剰」超)
労働需給改善
労働需給悪化11
(2)サービス物価と時給の関係性
次に、サービス業に係る物価と時給との連動性を確認するため、2000 年以降のそれぞれの
動向をみたい(図− 11)。
まず、連動性が顕著に見受けられる 2006 年から 2010 年の動向をみると、サービス物価が
上昇に転じるなか、パートの時給はより大きな振れを伴いつつも、これにやや先行して上昇
したことが分かる。他方、この間の一般の時給は、上昇に転じたものの、サービス物価の変
動にやや遅行した動きを示している。また、2009 年から 2010 年にかけての物価下落時にお
いても、サービス物価にやや先行し、パートの時給が大きく下落し、やや遅れる形で一般の
時給が下落に転じている。これは、サービス業のパートの時給の変動が、ラグを伴いサービ
ス物価に転嫁され、当該物価変動を踏まえた春闘等の労使交渉を通じて、遅行して一般の時
給に影響を及ぼした可能性が考えられる。
上記のような動向を踏まえ、2000 年以降のサービス業に係る物価と時給の時差相関をみる
と、パートの時給の変動は、サービス物価の変動に対して2四半期先行したところで時差相
関係数が最も高くなっている。一方、一般の時給の変動は、サービス物価の変動に対して3
四半期遅行したところで時差相関係が最も高くなっている。すなわち、2000 年以降のサービ
ス業に係る物価と時給との関係性は、パートの時給が物価に対してやや先行し、一般の時給
が物価に対してやや遅行するものと考えられる。
図−11 サービス業に係る物価と時給の動向
(1)サービス物価と時給の推移 (2)サービス物価と時給の時差相関
次に、サービス業の時給に対するサービス物価の弾力性を用いて、より詳細に職種別、産
業別の特徴を分析する(図−12)。但し、本稿では、一般やパートの時給、各産業における時
給の変化率と、家賃等を除く一般サービスより作成したサービス産業の「総計」でみた物価
(備考)1.総務省「消費者物価指数」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。
2.物価については家賃及び携帯電話通信料を除く一般サービスにより作成。
-3
-2
-1
0
1
2
3
4
2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12( 年)





比、
%)
パ ート
一般
物 価
-0.6
-0.4
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6
パ ート
一 般






数)
←時給が先行 時給が遅行→ (四半期)
2001年〜2012年第1四半期12
の変化率を用いて弾力性を推計していることには留意が必要である。
まずは、一般・パート計の動向を用いて、経年的な変化をみると、2008 年以降、弾力性が
高い数値を示している(図−12(1))。弾力性は後方5年移動平均により算出したものであ
り、2000 年代前半から中盤にかけて、一般・パート計の時給が趨勢的に下げ止まりから上昇
に転じた局面では、サービス物価も同様に上昇していたものと考えられる。また、職種別に
みると、一般の時給と比較し、パートの時給の方がやや高い弾力性を示している。
更に、各産業の特徴をやや仔細にみると、卸売業・小売業や運輸業・郵便業、情報通信業
の弾力性がプラス圏内にあり、連動性が見受けられる。要因としては、こうした業種では、
パートの割合が高く、財・サービスの生産に当たっては労働集約的な側面があることが考え
られる。
一方、医療・福祉等といった業種の弾力性は一貫して低い水準となっており、特に医療・
福祉ではマイナスの水準で推移している。医療・福祉の時給は、足下でやや持ち直している
ものの、2006 年以降は趨勢的に低下傾向にある。一方、その間のサービス物価は上昇してい
る局面もあったことから、互いの変化率を用いた弾力性はマイナスとなった。すなわち、弾
力性がマイナス圏内である医療・福祉等といった業種は、サービス物価との連動性が見られ
ない結果となった。この要因としては、医療・福祉は、パートが多いものの、サービスの対
価に相当する診療報酬や介護報酬は、物価の動向に加えて医療保険制度の財政状況等の様々
な要因を勘案し、改定されることから、サービス物価との弾力性は見られない結果になった
ものと思われる。実際、2008 年頃のサービス物価が上昇している局面をみると、2008 年度の
診療報酬改定率はマイナス 0.82 となっている。

図−12 時給に対する物価の弾力性
(1)職種別 (2)産業別(一般・パート計)
(備考)1.総務省「消費者物価指数」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。
2.物価(家賃及びおよび携帯電話通信料を除く一般サービス)および賃金(建設業、鉱業・採石業
等を除く非製造業の所定内給与(5人以上企業)を所定内労働時間で除して時給換算)の月別デー
タを四半期化し、5年移動平均の弾性値を求めた。
-0.1
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
2006 07 08 09 10 11 12( 年)
一般
パート
一般・パート計
(時給に対する物価の弾力性)
-0.4
-0.3
-0.2
-0.1
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
2006 07 08 09 10 11 12( 年)
卸売業・小売業
運輸業・郵便業
医療・福祉
金融業・保険業
情 報通信業
(時給に対する物価の弾力性)13
(3)時給の動向とサービス物価の展望
結びに、各産業別の後方5年移動平均でみたパートの時給について、足下の動向を確認す
ることで、サービス物価の展望について若干考察してみたい(図−13)。
時給に対するサービス物価の弾力性が相対的に高い、卸売業・小売業、運輸業・郵便業、
情報通信業についてみると、卸売業・小売業、運輸業・郵便業は、前年同月比がプラス圏内
で推移しており、特に運輸業・郵便業では、足下で前年比の伸び幅が上昇している。また、
情報通信業は、前年同月比がマイナス圏内で推移している時期があるものの、足下ではプラ
ス圏内に転じている。上述したように、サービス物価との弾力性がやや高いパートの時給は、
労働需給の改善により、今後安定的な増加が期待され、また、サービス物価との弾力性が相
対的に高い産業の時給が、引き続き堅調な伸びを示せば、こうした動向が徐々にサービス物
価へ転嫁されていくものと推察される。
図−13 産業別のパート時給の動向
4.アルバイト募集時の時給に基づく分析
厚生労働省「毎月勤労統計調査」により把握できる時給は、事業所から労働者に対して支
払われた結果を示すものであるが、求人広告に提示された時給は事業所側の支払い意思や支
払い許容範囲を示すものである。前節では、前者のデータを用いて、時給が上昇し、生産費
用の増加を通じてサービス物価の押上げ要因となる経路を想定し、サービス物価に対する時
給の先行性をみたが、求人広告に提示された時給を用いた方がより先行性が高い結果となる
可能性がある。すなわち、経路としては、求人広告に提示された時給が上昇し、当該求人が
求職者とマッチングした後に、事業所から労働者に対して支払われる時給が上昇するものと
(備考)1.毎月勤労統計調査により作成。
2.図−12 と同様に5人以上企業のパート時給を算出し、5年移動平均の前年同期比を示した。
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T U V W T
2006 07 08 09 10 11 12
(%/パート時給の5年移動平均、前年同期比)
( 期)
( 年)
運輸業・郵便業
(目盛右)
卸売業・小売業
(目盛右)
情報通信業
( 同左)14
考えられる。このため、ここでは求人広告に提示された時給とサービス物価の関係性につい
て考察してみたい。
そこで、株式会社リクルートの「アルバイト・パート全国エリア別募集時平均時給調査」
を用いて、2008 年から 2012 年第1四半期までの求人広告に提示された時給とサービス物価
の時差相関をみた(図−14)。求人広告に提示された全体及びフード系の時給の変動は、サー
ビス物価の変動に対して2四半期遅行したところで時差相関係数が最も高くなっているもの
の、先行したところでも高い時差相関係数を示している。また、サービス業との関わりが強
く 、 同 調 査 の 中 で は 比 較 的 に 時 給 水 準 の 低 い15
販 売 ・ サ ー ビ ス 系 を み る と 、 サ ー ビ ス 物 価 の
変動に対して1四半期先行したところで時差相関係数が最も高くなっている。従って、求人
広告に提示された時給についても、サービス物価に対する先行性が見受けられる。
この点を踏まえ、足下の求人広告に提示された時給の動向をみると、全体、フード系、販
売・サービス系において、前年同期比はプラスに転じている。(図−15)
従って、足下の求人広告に提示された時給のこうした伸びは、ラグを伴ってサービス物価
に転嫁されていくものと思われる。
但し、求人広告に提示された時給については、データのカバレッジやデータ制約上、推計
期間が短いこと等から、結果には幅を持った解釈が必要である。
図−14 サービス物価と時給の時差相関 図− 15 サービス物価と時給の動向

15
各職種の時給(2011 年平均)は、販売・サービス系:932 円、フード系:903 円、製造・物流・
清掃系:924 円、事務系:935 円、営業系:1,047 円、専門職系:1,099 円となっている。
(備考)1.総務省「消費者物価指数」、株式会社リクルート「アルバイト・パート全国エリア別募集時
平均時給調査」により作成。
2.月次で公表されている3大都市圏(首都圏・関西・東海)、職種別時給の推移を四半期化し、
前年同期比、サービス物価との時差相関係数を求めた。
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
T U V W T U V W T U V W T U V W T 4
2008 09 10 11 12
(期、月)
( 年)
全 体
販売・サービス系
フード系
(%、前年同期比)
サービス物価
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
-3 -2 -1 0 1 2 3(四半期)






数)
←時給が先行 時給が遅行→
販売・サービス系
フード系
全 体
2008年〜2012年第1四半期15
5.まとめ
本稿では、物価変動の構造的な要因を探るに当たって、賃金の動向を分析しており、趨勢
的な賃金の低下要因を探るとともに、時給に着目し循環的な賃金変動とサービス物価との関
係性を分析した。更に、こうした関係性を踏まえ、足下の時給の動向が、今後のサービス物
価の変動にどう影響するかを若干だが考察した。本稿で得られた主な結果は以下の通りであ
る。
○我が国の平均賃金には、一般労働者の所定内給与にて構造的な押下げ要因がある。具
体的には、医療・福祉やサービス業等での賃金の伸び悩みが平均賃金を押し下げてお
り、こうした産業への労働者の移行と相まって、構造的な要因となっている。その他、
一般労働者における非正規雇用比率の上昇や、相対的に賃金の高い高齢者の定年・嘱
託化等、及び、相対的に賃金の低い新入社員の労働市場への参入が押下げ要因となっ
ている。ただし、足下ではややその効果が弱まっていることが示唆された。
○サービス業の時給(所定内給与を換算)とサービス物価の弾力性について、職種別に
みると、一般労働者と比較し、パートタイム労働者の弾力性が高い。また、産業別に
みると、財・サービスの生産において労働集約的な卸売業・小売業、運輸業・郵便業、
情報通信業で弾力性が相対的に高い。パートタイム労働者の時給は、足下の労働需給
の改善に伴い、今後、安定的な上昇が期待され、また、サービス物価との弾力性が相
対的に高い産業の時給は、近年、前年同期比がプラス圏内で推移している。こうした
動きが今後も続けば、徐々にサービス物価へ転嫁されていくものと考えられる。
(以上)
(参考文献)
大澤直人、神山一成、中村康治、野口智弘、前田栄治(2002)「わが国の雇用・賃金の構造的
変化について」『日本銀行調査月報』2002 年8月
内閣府(2007)『平成 19 年版 年次経済財政報告』
内閣府(2010)『平成 22 年版 年次経済財政報告』
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜〜・

http://www5.cao.go.jp/keizai3/monthly_topics/2012/0614/topics_008.pdf  

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