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北欧が世界幸福度ランキングでトップにいる理由
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投稿者 MR 日時 2012 年 6 月 27 日 11:28:44: cT5Wxjlo3Xe3.
 


幸福度ランキングトップの北欧3か国に行って、 幸せについて聞いてみた。

【第6回】 2012年6月27日
本田直之 [レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO]
 
[北欧現地インタビュー:社会保障と制度編]
北欧が世界幸福度ランキングでトップにいる理由 

北欧諸国があらゆる「幸福度ランキング」で上位を占めているのはなぜか、世界的に見ても豊かなはずの日本が、どうして81位なのか(*2010年ギャラップ「世界幸福度調査」より)。キーワードは「自由に生きること」。ハワイをベースにノマドライフを実践する本田直之が幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って得た確信とは?最終回の第6回は「社会保障と制度」について。
(写真/小原孝博、編集部)

医療費や学費はすべてタダ
しっかりとした社会保障


本田 直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活するデュアルライフを送っている。著書に、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、『ノマドライフ』(朝日新聞出版)、『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』『ゆるい生き方』『7つの制約にしばられない生き方』(以上、大和書房)『ハワイが教えてくれたこと。』(イースト・プレス)などがある。著書は累計200万部を突破し、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。
 北欧と日本で大きく違うところといえば、しっかりした社会保障。税金が高いので当たり前と思われるかもしれませんが、たとえば病気にかかったとしても医療費はタダだし、入院して働けなくなったとしても収入は保証されます。

 何か新しく学び始めたいと思ったら学費もタダ。もし子どもが障害を持って生まれてきてしまったら、治療や入院にかかるお金はもちろん、付き添いで働けなかった親の収入まで補填されます。

「所得の多い人はかなりのものを払う。所得が少なければあまり払わない。平等とまではいかないかもしれないけど、肩幅の広い人が社会の安定を担っていく。もし何かが起こっても、今の生活を維持していくことが許される。そこにすごく安心感があるんです」
リナ・インヴァーセンさん/デンマーク/男女同権を目指す団体勤務


「(社会保障制度は)最初からあるので、ここでずっと暮らしていると気がついていなくて、中には不満を言う人もいます。ときどきは税金が高いことにイライラすることもありますけど、本当にいいシステムだと思います。たぶん他の国に行ったらショックを受けるでしょうね」
ピア・ウォルヴァーグさん/スウェーデン/ヨガスタジオ経営

「税金は全然高いとは思いません。とくに教育にお金がかからないっていうのは大きいと思います。それがどういうことかというと、いろんな人たちが平等に教育を受ける権利があるということです」
ニーナ・コリアンダーさん/フィンランド/「イッタラ」プレス

次のページ>> 万が一のときにも 路頭に迷わないという安心感

 その他の、北欧の国々の制度を見ていきましょう。

 デンマークでは仕事をなくした場合、失業保険はもちろん、仮に失業保険に入っていなくても「スタートヘルプ」というお金が支給されるそう。

 たしかに、北欧の国々では、ホームレスをほとんど見かけませんでした。万が一のときに路頭に迷わないという安心感が、幸福度の高さにつながっているのは間違いありません。

 30歳になるのを機にビームスを退社し、フィンランドで日本の家具や雑貨を扱うお店をオープンさせた中村浩介さんは、語学留学の学生ビザのまま、会社を起ち上げてしまったそう。


「やる気さえあれば、意外と簡単でした。会社をつくるのも65ユーロで、ほかにもビジネスアイデアによっては、スターティングマネーももらえたり」
中村浩介さん/フィンランド/家具・雑貨ショップ経営

 また、これは北欧だけに限ったことではありませんが、個人の家に住み込みでベビーシッターなどの手伝いをしながら留学などをする「オーペア」という制度があります。


「18ヵ月契約、1週間30時間までで、ビザももらえる。お手伝いさんというより、もう少し対等な立場で、最低払わなければならないお給料も決まっているし、雇用主は保険もかけなければなりません。デンマークではフィリピン人が多いですが、オーペアガールになる日本人も多いんですよ」
バーバラ・マリーヌ・フィッシャーさん/デンマーク/医師

 税金が高く、共働きが当たり前の北欧の国々では、お手伝いさんよりも安く家の面倒をみてもらえる制度を、国が用意しているのです。

次のページ>> 多様なライフタイルを可能にする 同棲婚や離婚のしやすさ

 今の時代は、ライフスタイルが多様化している時代です。

 たとえば昔の日本には、「27〜28歳で結婚して、3年くらいしたら子どもが2〜3人できる。そしたら家を買って……」というような、わかりやすいライフスタイルのパターンがありました。

 しかし今は、結婚をするとリスクが取りづらくなってチャレンジができないといって同棲を選ぶカップルもいます。

 今回取材をした北欧でも、スウェーデンには「サンボ」、またフィンランドには「アヴォパリ」という制度があって、同棲しているカップルにも夫婦と同じ権利が認められているそうです。

 その一方で、簡単に離婚ができるのも、北欧の国々の特徴。そのため離婚率はかなり高く、スウェーデンでは50%以上、フィンランドのヘルシンキでは80%ほどという話も聞きました。

「イタリアとか、カトリックの国だと離婚するのって大きなことですよね。宗教的な縛りがあまりないのと、住所が半年間別々になっていると、異議申し立てがなければ自動的に離婚が成立してしまうんです。また離婚が多いのと、離婚のときにいざこざを少なくするためか、役所が離婚したときの財産について協議書を出しておきなさいと入籍の登録のときに推奨しているくらい(協議書がないと、離婚が成立したときに平等に全ての財産を半分ずつにすることになっているので)」
森下圭子/フィンランド/コーディネーター

「日本とは違って、一方が離婚したいって言うと、自動的に離婚が成立するんです。だから子どもがいても離婚する。よくあるのは、1週間はお母さんのところ、次の1週間はお父さんのところっていうように、行ったり来たりするスタイル。しかも学校があるから、じゃあ近くに住もうかって。父親と母親がそれぞれ再婚して、2家族で一緒に何かをしたり、『プラスチックママ』(=お父さんの再婚相手)なんて言葉もあります」
大森アービッドソン光佐子/スウェーデン/コーディネーター

 結婚や離婚だけをとってもライフスタイルはさまざま。そうすると、そもそもまわりと比較すること自体、あまり意味がありません。

 クリスチャン・ブライバイスさんは、子どもの頃に親から、よくこう言われていたそうです。


「他の人が何を持っているかじゃなくて、自分が今持っているものの価値がどこにあるのかを意識しなさい」
クリスチャン・ブライバイスさん/デンマーク/不動産会社勤務

 そう「まわりはまわりで、自分は自分」なのです。

次のページ>> 「ギャップイヤー」をはじめ 権利と自由を認める教育制度

「ギャップイヤー」をはじめ
権利と自由を認める教育制度

 そのほか、教育に関する制度や慣習を紹介しましょう。

 日本だと高校を卒業するとすぐ大学に行くのが当たり前ですが、フィンランドではこの時期に、いわゆる「ギャップイヤー」をとることができます。


「高校を卒業して兵役に行って、帰ってきてすぐ法律事務所でバイトを始めました。そこで、弁護士がどういう仕事をするのか間近で見られて。それまでは弁護士になろうか、エコノミストになろうか迷っていたけど、あ、弁護士は違うなって」
アルト・トゥルネンさん/フィンランド/「ノキア」勤務

 大学はすべて国立で、入学できる人数が限られているという事情もあるようですが、中学を卒業したあとに1年間ほど取る人もいるそう。人生を考える時間を、好きな時期に自由に取れるのは、私はすごくいいと思います。

 また、スウェーデンの学校では、小さな子どもは、まず権利についてを習うのだそう。そして、親もその権利を認めていて、子どもを尊重します。

「何をするにしても、『どうしたい?』と意見を聞いて選ばせる。独立した個人という感じで扱うんです。たとえば、子どもが学校のサイトに自分のページを持っていたりするんですが、それを親に見せるかどうかも子どもの意志。学校も親も強制できない、とか」
大森アービッドソン光佐子/スウェーデン/コーディネーター

 かつては、禁止されている携帯電話を学校に持ってきても、先生が取り上げることができない。そのくらい権利に関しては、しっかりしているのだとか。

 取材をしてみて意外だと思ったのは、年金制度がそれほど充実していないこと。定年になってからも一生安泰ということはなく、国に頼っていても全然足りないのだそうです。

 さて、こうした話を聞くと「北欧の国がうらやましい」と思うかもしれません。しかし、国の制度が変わるのをのんびり待っていても仕方ないでしょう。そこはやはり、自分で考えていかなければいけない話です。

次のページ>> 日本はデンマークやフィンランドの 歩んだ道を辿りつつある?

 最後に、取材を通して印象的だった、いくつかのコメントを紹介したいと思います。

 結婚してデンマークで暮らす、サトコ・タナカ・フォールスバーグさんが、デンマークは日本から30〜40年進んでいるという話をしてくれました。

 かつては税金もそれほど高くなく、また礼儀や上下関係を大事にする、今の日本に似た国だったのだそうです。


「移民を受け入れたために、生活の質が平等化されて下がって、税金を払わざるを得なくなってきました。そうすると物価も高くなるから、みんなが働かなくちゃいけない。でもその平等さ、フラットさは日本も見習えるかな」
サトコ・タナカ・フォールスバーグさん/デンマーク/船舶会社勤務

 フィンランドでは80年代はバブルの時代でした。日本と同じように、社会全体が金を借りろ、金を借りろという雰囲気。

 インタビューをしたテーム・マンニネンさんのお父さんは当時、写真スタジオを経営していましたが、バブルがはじけ、多額の借金を背負ってしまったそうです。


「80年代の子ども時代を思い出すと、家にはいつも新しい車があって、家電製品も増えて……。でも、大不況が来たとたんに何もなくなった。お金っていったい何だよっていうことを、小さいときに体験せざるを得なかったんです」
テーム・マンニネンさん/フィンランド/作家・翻訳家

 フィンランドは2000年代に好景気を迎えますが、バブルを経験している彼は、物質的なモノには幸せを感じられず、旅をはじめとする精神的なものを重視していました。

 これは、ちょうど80年代に生まれた、今の日本の若者たちととても近い感覚だと思うのです。

 もしかすると、日本もデンマークやフィンランドの歩んだ道をたどりつつあるのかもしれません。

次のページ>> 幸せは自ら見つけて いかなければならない

「幸せが欲しくて、ひとりで住むのに湖畔にある大きな家を買って、車も買って、毎日100キロ運転して仕事場に通っていました。7〜8時間の仕事という“痛み”があるから、そのぶんを全部取り返したい気持ちだったんです」
ニーナ・コリアンダーさん/フィンランド/「イッタラ」プレス

 彼女は、車や家を買うことが、仕事の苦しみのトレードオフだと思っていました。でも、気づいたのだそうです。「結局、私はお金には何の価値も見いだせないということがわかりました」と。

 ニーナさんは、体を壊したことをきっかけに、すべてを売り払ってカナダに渡ってしまいました。現在はフィンランドに戻って、小さな家に住み、陶器メーカーでプレスの仕事をしています。

 前よりも忙しいのに給料は安いし、車もない。でもやりたかった仕事ができて、とても幸せだというのです。

 もちろん今も昔も一生懸命働くことは大切です。しかしニーナさんや、かつての日本人が得ていたようなトレードオフは、もはや成り立ちません。

 幸福度ランキングが高いという共通点こそありますが、北欧の国々だって完全に同じではありません。ここまで紹介してきた制度や慣習を、日本にそのまま持ってきても、おそらく幸せにはなれないでしょう。

 日本なりのスタイルを選択し、日本なりのアレンジを加えていく。幸せは自ら見つけていかなければならないのです。

 では、私たちは幸せになるために、何をすればよいのでしょう。変えなければならないこと、捨てなければならないこと、そして新しいライフスタイルとは何か。『Less is more』の中で具体的にふれていますので、ぜひご覧ください。

【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】


定価:1,470円(税込) 四六判・並製・192頁 ISBN978-4-478-014707
◆本田 直之『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』
北欧諸国があらゆる「幸福度ランキング」で上位を占めているのはなぜか。世界的に見ても豊かなはずの日本が、どうして81位なのか――。
ハワイをベースにノマドライフを実践する本田直之が幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って得た、確信。発売後、即大増刷が決まった話題の書を是非ご覧ください。
http://diamond.jp/articles/-/20642  

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コメント
 
01. 2012年6月29日 17:41:56 : abW8DBeygP
満足度が高いのは、払った税金が、どういうふうに使われているか国民の監視下に有るという点が大きい。
生まれてから死ぬまでの必要費用、その支払に使われる税金等がしっかりと把握できて公開されそれを元に政策論議が行われる。
日本では、子供手当ての論議が行われ、一方で後期高齢者の議論が行われるが、一生を通してのモデルや議論は行われない。だから、個々の論議で足りないという結論だけが独り歩きし、一方で他の部分で官僚がお金をナイナイしても分らない。これでは満足を得られるはずがない。
みんな騙されている。トータルの生活設計の議論がされないのが問題である。


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