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「21世紀の社会運動」を裏で動かす パーパス・ドットコムの正体 フューチャーセンター 対話で引きこもる社会は変えられるか
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/773.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 05 日 01:19:17: cT5Wxjlo3Xe3.
 

ビジネスモデルの破壊者たち

【第203回】 2012年7月5日
瀧口範子 [ジャーナリスト] 

「21世紀の社会運動」を裏で動かす
パーパス・ドットコムの正体 

「ムーブメント」ということばを聞いて、何を感じられるだろうか。

 ムーブメント、つまり社会運動というのは、ほんの少し前までは古くさいことばのように捉えられていたはずだ。日本では、ひょっとすると1970年の安保闘争以来、全国規模のムーブメントはなかったのではないかとも思われる。

 ところが、ここ最近は世界中でムーブメントが起きている。中東の国々で次々と起こっている民衆による「アラブの春」、ウォールストリートの強欲さに反旗を翻した「オキュパイ」運動、プーチンの大統領再就任に対する抵抗を行動で示したロシア人たちのデモ。どれも最近の社会変動や経済不安、何よりも変わりつつある世界観のようなものを反映したものと言っていいだろう。

 そうした21世紀型のムーブメントをサポートするサイトが、パーパス・ドットコムである。

ゲイの権利運動、ガン撲滅運動もサポート
消費者や企業を動かす巧みな手法

 パーパスは、テクノロジーの力を用いて社会的なムーブメントを起こすことを手助けする組織である。社会的といっても、パーパスが真に目的としているのは「進歩的な消費者運動」や企業活動のこと。つまり、産業界に向けて働きかけるような、ビジネスも盛り込んだ社会の動きなのである。パーパスはそれを営利組織として行っており、その点が実にユニークと言える。

 パーパスはそのサービスを2つ挙げている。

 ひとつは、独自の社会的消費者運動を起こすこと。他の組織との提携もあるが、パーパスが開発した「ムーブメント起業」モデルを用いて、社会的な変革が必要だが、そこに人々が関わる土台がまだないところへビジネスを興す。ビジネスは、いわゆる社会ビジネスと呼ばれる、社会貢献と営利目的が合致するようなモデルだ。

 もうひとつは、企業が社会変革に関わろうとする際に、オンラインやオフラインのコンサルタントとして入り、「ムーブメント・ブランド」や活動を確立するために動くことである。企業が、現在言われる社会責任(CSR)を超えて、社会変革の波に乗っていこうとする時に、その手助けをしようというわけだ。

次のページ>> 8歳から「人々の生活向上」を考えてきた創始者ジェレミー・ハイマンスとは

 これまでパーパスが関わってきたムーブメントには、例えば、ゲイやトランスジェンダーの人々の権利運動をサポートしたオールアウトがある。ここでは着手してからたった1ヵ月の間に、世界190ヵ国で50万人の賛同者を集めた。また、ランス・アームストロイング財団が世界中で展開したガン撲滅のためのライブ・ストロング運動も、パーパスの計画したものだ(前者は非営利財団の活動として推進)。

 わかりやすいメッセージを出し、人々を組織化し、イベントやミーティングを開く。場合によっては、消費者を動かして、巧みに企業に圧力をかけたりして、ビジネスのプロセスを変えていく。そうしたノウハウを、テクノロジーも用いて実践していくというわけだ。

8歳から「人々の生活向上」を考えてきた
創始者ジェレミー・ハイマンスとは

 パーパスは、オーストラリア出身のジェレミー・ハイマンスによって、2009年に共同創設された。ハイマンスは幼少の頃から、人々の生活の向上を考えてきた。8歳の時には当時の首相に面会して、発展途上国の地位向上の方策を伝えたという。

 パーパス以前にも、ハイマンスはふたつのムーブメント系サイトを成功させている。オーストラリアの政治運動ゲットアップ(GetUp.org)と、世界の市民運動を支えるサイトであるアヴァース(Avaaz)だ。後者は1400万人ものメンバーを抱える組織になった。政治運動、市民運動とやってきて、次に目をつけたのが消費者や企業というわけである。

 現在のところ、既存の企業を社会変革へと大きく導いた実例はまだないようだが、ハイマンスへの注目は高い。そもそも若い世代は、社会起業家や社会ビジネスに大きな関心を持っているが、それはすでに社会が変化していることの兆候かも知れない。

 パーパスの掲げる壮大なミッションが実現する時、時代の見通しももう少し良くなっているはずだ。
http://diamond.jp/articles/-/21097 


 

 
「引きこもり」するオトナたち

【第114回】 2012年7月5日
池上正樹 [ジャーナリスト]

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今話題の「フューチャーセンター」が引きこもり界に
多様な人々との対話で引きこもる社会は変えられるか
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 これも時代の空気なのだろう。

 外では、毎週金曜日の夜、恒例行事のように首相官邸前でデモが繰り広げられている。

 その一方で、静かに広がりつつあるのが、対話ブーム。例えば、日本で最近、企業を中心に注目され始めているのが、「フューチャーセンター」(FC)と呼ばれる「創造的な対話の空間」をつくる動きだ。

 フューチャーセンターとは元々、北欧のスウェーデンで生まれた概念。既存の縦割り組織を越えて、企業や行政、専門家、一般市民などの多様な人たちが一堂に集まり、対話を行う。そして、皆が対等に当事者意識を持ちながら関係性を築いていき、複雑な社会的課題の解決や、アイデアの創造に挑戦するための場だ。

 誰もが参加できて、未来に関係しそうなステークホルダーを巻き込みながら、社会の変革を目指していることが特徴でもある。

 引きこもり問題についてのフューチャーセンターも、最近、神戸と東京で次々に立ち上がった。

 きっかけは、驚いたことに、筆者にある。フューチャーセンターの話をちょっとしたら、突然、引きこもり状態の当事者たちが動き出したのだ。

あらゆる立場の人々が参加する
神戸で始まった「引きこもり問題FC」とは

「何か、新しい方法を探してたんですよね」

 こう明かすのは、6月9日、神戸市の「KIITO/きいと クリエイティブスペース」で開催した「ひきこもり問題FC in 神戸」のディレクターで、NPO法人「グローバル・シップス こうべ」 代表の森下徹さん(44歳)。

「それまで行き詰まっていたというか、現状を打破できない感じがずっとありました。そんな、このまま行ったらダメだ、というとき、たまたまFCの話を聞いて、ベストな方向に思えたんです」

 この日の会場は、ポートアイランド近くにある高層ビルの26階。簡易な仕切りしかない、開放的なスペースで、窓からは神戸の美しい街並みも眺望できる。

次のページ>> 多様な人々との対話で課題を発見

 引きこもり問題FCのファシリテーターを務めたのは、大手メーカーの社員。会場には、当事者や家族に混じって、フューチャーセンターに参加するために遠方から駆けつけた会社員の姿もあり、皆が自分の事として対話している。

 これまで見てきた従来の引きこもり支援業界のイベントとは、明らかに場の空気が違って、参加者が生き生き輝いているように見える。

多様な人々との対話で課題を発見
そして新しいアイデアの創造へ

 FCで行われるフューチャーセッションは、主に6つのプログラムで構築される。最初に行われるのは、参加者全員がお互いの状況を確認する「チェックイン」だ。

 引きこもり問題FCでは、ファシリテーターの進行によって、まず森下さんから「引きこもり問題」についての簡単な説明があり、ファシリテーターからは、フューチャーセンターについての紹介があった。

 次は、集まった人がお互いを理解すること。そこで、会場にいる相手の名札を見ながら、最初は無言で、どんな人が来ているのかを確認し、会話を交わしていった。

 3つ目は、ゲストからインスピレーションを得て、関係性を作り出す。今回は、3人のスピーカーが、いまの社会の生きづらさや体験談などを問題提起。ファシリテーターや他の参加者がスピーカーに質問するなどして、この重い社会的課題の問いを共有したり、新たな視点を感じたりする場を作り出した。

 続いて、集まった人でダイアログ(対話)を行う。3人のスピーカーを囲んで、相手を変えながら、皆でダイアログした。

 そして、FCで最も大事なのが、アウトプット。今回は、スピーカーから一言ずつ、気づいたことを話してもらった。

 最後に、アウトプットして、次の問いにつなげる終わり方で、チェックアウト。森下さんからは、次回への新たな問いの誓いがあった。

「いろんな人たちと知り合えたのが良かった。(引きこもり)業界内だけでは、会えない人たちです。当事者たちが参加してくれて、もてなしという活躍の場ができたのも良かった。支援者や家族が少なかったんですけど、(彼らは)現状に満足しているのか、自分たちが正しいと思っている部分があるのかもしれませんね」

 もちろん、1回のセッションで、課題が解決するわけではない。何度でもセッションを開くことで、弊害となっている縦割りの組織を越えて、多様な人たちと課題を共有していくところから始めなければ、問いに対するアイデアは生まれない。

次のページ>> 東京でも引きこもり問題FC誕生へ

東京でも引きこもり問題FC誕生へ
課題は「家族」の存在か?

 一方、東京でも7月1日、「引きこもり問題フューチャーセンター準備会」が、西早稲田リサイクル活動センターで発足した。こちらも、当事者たちが動き出して、急きょ、立ち上げることになったものだ。

 その準備会に集まったのは、当事者を中心に十数人。簡単な自己紹介の後、FCネットワークのファシリテーターから説明が行われた。

「フューチャーセンターとは、暖色系の空間だったり、天井から飛行機の模型がぶら下がってたり、入るとワクワクする場所が多い。では、何をやるか。未来の課題を解決する。社会を変革する装置です。皆、社会を変えたいと思っている。ただ、議論ではなくて対話をします。関係性をつくり、未来のステークホルダー(未来に関係しそうな人、つながりそうな人)を連れてきて、続けていくことが大事なんです」

 これを聞いて、参加者からの発言が続く。

「この場は、傍観者ではなく、参加してほしい。そのほうが対等」

「家族は変化を好まない。争いを好まない。子どもが問題提起していても、変わりたがらない」

 参加した当事者からの「それでも親は変化を好まないんです」という話は印象深かった。

 次回のFC準備会は、8月4日の午後1時から、同会場で行われる。

 7月8日(日)には、午後1時から、東京の「引きこもり家族会」(KHJ西東京萌の会)の例会で、親と子の意見交換会が行われることになった。

 きっかけは、元々、家族会の会場とは別々に運営されていた「若者の居場所」にいた当事者たちが、先月の例会のとき、家族会の輪の中に入っていって、議論になったことだという。

次のページ>> 社会が個人に合わせる時代

 テーマは、「親と子の思いや気遣いはどうしたら重なるか!?」

<引きこもり当事者を抱える親と当事者と言われている若者との双方の思いや考え方に行き違いがあるのか、ないのか。ある場合はどうしたら双方が歩み寄れるのか、という大きなテーマで司会進行役にジャーナリストの池上正樹氏をお迎えし、「親・子」の本音を引き出してもらう大討論会を行うことにしました>(会報誌より引用)

 その司会進行役に筆者は依頼されたのだが、役不足だと予測。急きょ、FCネットワークのメンバーに、助っ人ファシリテーターをお願いした。

 これまで講師の講演を聞いて、その後はグループディスカッションというスタイルだった家族会でも、こうした変化が起きつつあるところが楽しみである。

個人が社会に合わせるのではなく
社会が個人に合わせる時代に

「ひきこもり」問題をつくりだしているのは、組織(企業)の側にある。つまり、自分たちが当事者であることを、組織の中にいる多くの人たちは、まだ気づいていない。

 当事者たちの体験や視点を引き出して、世の中づくりに生かしていくためには、どうすればよいのか。個人がムリして社会に合わせるのではなく、社会のほうが、多様な生き方、柔軟な働き方に合わせなければいけない時代がやって来たのだと思う。外から内から、どんどん社会の仕組みを変革していく動きに注目したい。

<イベントのお知らせ>

●緘黙症全国集会
日時:7月14日(土)午後1時〜
場所:長野大学
主催:「信州かんもくサポートネットワーク」
問い合わせ:0268-39-0081(長野大学社会福祉学部・高木講師まで)

●引きこもり問題フューチャーセンター準備会in東京
日時:8月4日(土)午後1時〜
場所:西早稲田リサイクル活動センター
参加費:無料
http://diamond.jp/articles/-/21100
 

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