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今年は「円高の夏」回避か、QE3期待空回りの公算  ECB利下げの銀行間融資促進効果は薄い公算  米国株3日続落欧州懸念
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/824.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 10 日 06:47:43: cT5Wxjlo3Xe3.
 

コラム:
今年は「円高の夏」回避か、QE3期待空回りの公算
2012年 07月 9日 19:25

シャープ、TFT液晶訴訟で和解金158億円支払い
米調査会社ガートナー、12年世界IT投資見通しを若干引き上げ
英中銀副総裁、バークレイズ債のプライシング高いと指摘=メール
楽天が家庭用太陽電池をネット販売、割安さ強調


田巻 一彦

[東京 9日 ロイター] 注目されていた6月米雇用統計の結果をめぐり、市場の一部には米連邦準備理事会(FRB)が8月1日にも量的緩和第3弾(QE3)を決めるとの思惑が出ているが、その期待感は裏切られる公算が大きい。

米経済の成長テンポは決して目覚ましくないが、腰折れするリスクが急激に高まる情勢ではないからだ。過去2年、米金融政策への思惑や追加緩和策でドル安/円高が進んだが、今年はどうやら「円高の夏」を回避できるかもしれない。

<6月米雇用統計、景気失速とは距離>

6月米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比8万人増と予想の9万人増を下回った。民間部門雇用者数も予想の10万2000人増を下回る同8万4000人増となり、市場の一部では、QE3への期待感が強まった。

市場は常に予想比で反応するが、これには陥りやすいワナもある。改定されたデータを踏まえた基調を認識できなくなるという傾向だ。非農業部門の雇用者数は、4月が同8万5000人、5月は速報値の同8万2000人から同10万5000人に改定され、6月が同8万4000人だ。伸びてはいないものの、大きな落ち込みが始まって米景気が急速に減速し、景気後退の淵に立たされている、という状況とは距離がある。

<8月1日にQE3決定の可能性低い>

米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁(2013年に米連邦公開市場委員会の投票権を持つ)は9日、バンコク講演での準備原稿の中で、米経済の緩やかな成長ペースは、今後しばらく続く見込みであるとの見解を示した。ハト派の1人である同総裁は、同時に2012年の米経済成長率は、FOMC予想の1.9─2.4%を下回るとし、成長率自体は1%台になる可能性をにじませた。

かなり弱気の見通しだが、逆に言えば、弱気の見通しだとしても、ゼロ近辺やマイナス成長に転落するリスクまでは見ていないということだろう。米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(2013年に米連邦公開市場委員会の投票権を持つ)は、緩和に向けたより強い措置を取るべきで、MBS購入が望ましいと9日のバンコク講演での準備原稿で指摘した。

ただ、最もハト派に位置するエバンズ総裁の見方が、FOMC内部で多数派を形成する可能性は低いと考える。バーナンキFRB議長は、量的緩和政策には様々なコストとリスクが伴い、安易に着手すべきではなく、必要だという確信がある程度なければならい、との考えを6月20日の会見で示している。

市場におけるQE3への期待感はなお強いようだが、FRBが実施を決断するハードルは相当に高いと考える。足元で2%弱の成長率を押し上げるためにQE3を実施する可能性は低いと指摘したい。支払うべきコストと予想される効果を比較した場合、効果がコストを上回るという明確な結論を導くことは難しい。米金融政策をめぐる市場と当局の認識のギャップは、私の目からは、かつてないほどに広がっているように映る。

<円高回避の公算、欧州危機と米金融政策の見通し絡む>

過去2年、夏になると米金融政策の追加緩和への期待感や、実際の政策発表を受け、ドル安/円高が進むという展開を繰り返してきた。今年の夏も、同じような状況になると予め想定していた市場参加者が、かなりいたのではないだろうか。「円高の夏」は、東京市場関係者の脳裏にくっきりと刻印されているからだ。

だが、今年はやや、状況が違うと指摘したい。欧州債務危機は、6月下旬の欧州首脳会議の直後に「今回ばかりは、状況改善の手が打たれた」という印象を市場に与えたが、7月に入ると実効性に対する疑問が拡大。ユーロ/ドルは、9日の市場で1.22ドルまで下落して推移している。これは見方を変えれば、ユーロの弱さが強調され、ドルの強さが反射的に鮮明となっている構図だ。

円もドルとともにリスクから逃避する通貨として買われやすくなっているが、ドル/円は79円半ばから後半での取引が続いている。市場参加者の大半が、FRBのQE3が8月1日にも決まるとまでは、見ていないためだ。8月1日以降、QE3への期待感は市場に残るだろうが、今は予見できないような大きなショックが発生しない限り、ドル/円のこう着した展開は、当面継続するだろう。

<リスクは米大統領の政治的圧力>

リスクがあるとすれば、オバマ米大統領がバーナンキFRB議長に強い圧力をかけ、9月12、13日のFOMCでQE3が決まるシナリオだ。同大統領は6日、6月米雇用統計発表後に、雇用創出ペースに「満足できない」とコメントしながらも、民間部門の効用情勢は正しい方向に進んでいるとの認識を示した。

11月の投票を前に米大統領選はいよいよ、民主・共和両党の候補による舌戦が本格化してくる。オバマ大統領にとって、失業率が8%台で高止まったままというのは、ロムニー候補に絶好の攻撃材料を与えることになる。しかし、日本の政治家ほどには「金融緩和依存症」にかかっていないように思われ、オバマ大統領からの圧力でQE3に傾くというこのシナリオの実現可能性は、10%以下だろうと予想する。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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ポイント分析:6月米雇用統計は予想下回る、FRB緩和観測高まる 2012年7月7日
米雇用統計こうみる:ドル/円の底堅さを確認、QE3はない=みずほ証 林秀毅氏 2011年7月11日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86805L20120709?sp=true


 

 


ECB利下げの銀行間融資促進効果は薄い公算
2012年 07月 10日 04:17

米経済、追加資産買い入れ必要な「きわどい」状況=連銀総裁

[ロンドン 9日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は前週、主要政策金利であるリファイナンス金利を過去最低の0.75%まで引き下げたが、狙い通りにユーロ圏の銀行間融資が活発化する公算は小さいとの見方が出ている。

通常なら利下げは、銀行間融資を促し実体経済への資金供給拡大につながるはずだが、債務危機をめぐる不透明感が利下げの好循環を断っており、大半の銀行は融資への消極姿勢を崩していない。

またECBが下限金利の中銀預金金利をゼロに引き下げたことで、取引コストを補うだけの十分なリターンが得られないとの懸念も阻害要因となっている。

マネー・マーケット・ファンド(MMF)セクターも例外ではなく、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)、ブラックロック(BLK.N: 株価, 企業情報, レポート)、ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)は、欧州MMFでの新規顧客の受け付けを制限するなどの措置を講じた。

JPモルガンのグローバルアセットアロケーション・代替投資部門マネジングディレクター、ニコラオス・パニギルツグロウ氏は「欧州MMFの資金流出は今後も続く可能性が高い。(中銀預金金利の)ゼロへの引き下げは、MMF業界にとってさらなる打撃となる」と述べた。

資金流出がどの程度まで膨らむか推測することは困難としながらも、2008年以降、米国のMMF資金が合計34%流出していることを例に挙げ、「米国の経験に基づくなら、ユーロ圏ではさらに1500億ユーロ程度が流出する可能性がある」と述べた。

その上で、流出資金の受け皿として、債券ファンドがその恩恵を最も受けるとの見方を示した。高利回りの社債やベルギー、フランスの短期債など、周辺国を除くユーロ圏債券を扱うファンドに資金が集まる可能性が高いという。

ECB利下げによる影響を現段階で判断するのは時期尚早であるものの、アナリストはユーロ圏のレポ取引量が減少する可能性があると予想している。

市場関係者によると、高格付けのドイツ国債を担保として借り入れを行う場合のレポ金利はこの日、全般的にマイナスとなった。つまり融資担保としてドイツ国債を要求する向きは、ペナルティーの支払いを余儀なくされることになる。周辺国国債への信頼感が低下しているため、レポ市場では周辺国国債を担保として受け入れることを敬遠し、現金確保に走る動きが出るとみられている。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ベンジャミン・シュローダー氏は「レポ市場の流動性が低下する危険がある」との見方を示した。

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EURIBOR指標3カ月物が過去最低に、ECB利下げ受け 2012年7月7日
ECBが主要政策金利を0.75%に利下げ、中銀預金金利もゼロに 2012年7月6日

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE86801U20120709

 


ECB総裁が追加利下げに含み、財政均衡努力の継続求める
2012年 07月 10日 02:07 JST 
 

[ブリュッセル 9日 ロイター] ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は9日、経済統計に基づいて今後の措置に関する決定を行うと述べ、追加利下げの可能性に含みを残した。

また、緊縮財政措置が「社会的な緊張」を高める結果になったとしても、各国政府は財政均衡化に向けた努力を続ける必要があるとの考えを示した。

総裁は欧州議会での証言で、追加利下げの可能性に関する質問に対し、状況を注視する必要があると指摘。「統計や動向を見極めた上で次の行動に関して理事会で決定する」と語った。

ECBは5日、主要政策金利であるリファイナンス金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ過去最低水準となる0.75%とし、下限金利の中銀預金金利もゼロ%まで引き下げたばかり。

この日の証言でドラギ総裁はまた、ECBが銀行に対し民間企業への融資拡大を強制する必要があるとの考えに反対の姿勢を表明。3年物流動性供給オペで供給した総額1兆ユーロの資金の使途を銀行に指図することは不可能であり、望ましくないと述べた。

また、欧州債務危機の初期は、各国政府は歳出削減ではなく増税で対処しようとしていたが、これは誤った政策だったとの考えを示した。

ユーロ圏経済については、年末には回復が始まるとの見方をあらためて示し、インフレ率は2013年にはECBが目標とする2%を若干下回る水準に低下するとの予想を示した。

*内容を追加して再送します。

© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.

関連ニュース
ドラギECB総裁の議会証言要旨 2012年7月9日

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ECB総裁、追加利下げに含み
ドラギECB総裁は、経済統計に基づいて今後の措置に関する決定を行うと述べ、追加利下げの可能性に含みを残した。
記事の全文 | 特集ページ
ドラギECB総裁の議会証言要旨
英中銀副総裁、英銀と数回連絡
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シャープ、TFT液晶訴訟で和解金158億円支払い 2012年 07月 9日 18:54 JST
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ユーロ圏財務相、ルクセンブルク中銀総裁のECB専務理事指名で合意=関係筋 4:46am
ECB利下げの銀行間融資促進効果は薄い公算 4:17am
米国は景気後退に直面せず─リッチモンド連銀総裁=ラジオ 4:15am
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http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE86800T20120709


 


 米国株:3日続落、スペイン債利回り7%超で欧州懸念高まる

  7月9日(ブルームバーグ):米株式相場は3営業日続落。スペイン10年債の利回りが7%台に上昇したことで、欧州債務危機に対する懸念が高まった。主要株価指数は約1カ月で最長の連続安。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前週末比0.2%安の1352.46。一時は0.6%安となった。ダウ工業株30種平均は0.3%(36.18ドル)下げて12736.29ドル。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの地域最高投資責任者(CIO)、ジェフ・サベージ氏はスペイン債の利回りについて、「非常に気掛かりだ」とし、「スペインにとって7%の利回りは、持続可能な水準ではない。恐ろしいほどの水準だ。米国の最大の貿易相手の一つ(欧州)が厳しい経済情勢にあり、米国企業の業績に影響しないということはあり得ない」と続けた。
原題:U.S. Stocks Post Longest Slump in 1 Month as SpanishYields Soar(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Rita Nazareth rnazareth@bloomberg.net;ニューヨーク Julia Leite jleite3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 05:31 JST

ニュース一覧
米アルコア4−6月:調整後利益は予想上回る−自動車向け受注増 (1)
米消費者信用残高:5月は171億ドル増、回転信用が大幅に伸びる (1)
米国債:30年債上昇、ツイストオペで金融機関からの差し出し弱く
英中銀副総裁:バークレイズへの指導で政府高官から圧力受けず (1)
NY外為:ユーロが反発、ECB総裁の利下げ発言で安値から戻す
注目のセクション
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M6WTVF6K50Z801.html  

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コメント
 
01. 2012年7月10日 08:43:16 : 3CNLte9sGM

世界投資へのパスポート【第221回】 2012年7月9日広瀬 隆雄
改善されない米雇用統計でQE3発表は近い!世界が金融緩和に動くとき、投資は強気で臨め!

【今回のまとめ】
1.先週の雇用統計は悪かった
2.今回のリセッションでは特に雇用の回復が遅い
3.それは米国大統領選挙に影響を及ぼしかねない
4.「QE3」が発表される確率は高まった
5.世界の中央銀行が揃い踏みで緩和しているときは強気を堅持せよ
足踏み状態の米国雇用統計
 先週金曜日(7月6日)に発表された6月の非農業部門雇用者数はプラス8.0万人と、3カ月連続して10万人を下回る数字でした。

 失業率も8.2%に張り付いたままでした。

 このため年初には「あわよくば11月の大統領選挙までには失業率が8%台を切るかも」という期待を抱いていたオバマ陣営は焦り始めています。
雇用回復が特に遅い今回のリセッション
 リーマンショック以降の今回のリセッションでは、過去の景気後退局面に比べて雇用の回復に特に時間がかかっています。

 リーマンショックから既に4年近くが経過しましたが、現在の雇用水準はまだまだ直近のピークからは程遠く、リセッション前の水準に戻るまでには今後も長い時間を要すると思われます。

雇用を選挙戦の争点にするミット・ロムニー候補
 共和党のミット・ロムニー候補はこのような状況を見て、「雇用」を選挙戦の中心的な争点にしようとしています。
 現在の両候補の支持率は、以下のようになっています。

 上に示した「リアルクリアポリティクス」は米国政治に特化したウェブメディアです。同社のデータは全米のあらゆる有権者投票意向調査を全て集計したものですので、最も包括的な統計だと考えることが出来ます。
 現在は僅差でオバマ大統領が優勢ですが、未だ11月の投票までは時間がありますので、選挙戦の動向は予断を許しません。
FRB議長の態度は変化するか?
 さて、今回の雇用統計に改善が全く見られなかったことで、バーナンキFRB(連邦準備制度理事会)議長の挙動が再び注目されています。目先のカギを握る日付は7月17日、18日の両日に催される、バーナンキ議長の上院議会証言です。また、次回の連邦公開市場委員会は7月31日と8月1日の2日間にわたって開催されます。
 このどちらかのイベントでバーナンキ議長の態度に変化が見られるかどうかに市場関係者の注目が集まるものと思われます。
 いまアメリカで最も注目されるFEDウォッチャー(FRBの金融政策を専門に研究する人)であるウォールストリート・ジャーナルのジョン・ヒルゼンラース記者は、雇用統計が発表された7月6日の午後に「QE3(量的金融緩和第3弾)の可能性が少し高まった」という見方を打ち出しています。
世界的な金融緩和が相場を下支えする
 先週はECB(欧州中央銀行)と中国人民銀行が相次いで政策金利を引き下げたほか、英中銀も資産買い入れプログラムを500億ポンド拡大し、3750億ポンドとしました。
 このように各国中央銀行がこぞって緩和している状況では、市場参加者のリスク姿勢が高まる可能性があります。したがって、相場が押し目をつけたところは積極的に買い向かうスタンスを堅持したいと思います。


02. 2012年7月10日 09:00:57 : 3CNLte9sGM
財務省為替市場課長に松尾氏、95年の円高攻防経験−「80円の壁」再び

7月10日(ブルームバーグ):円高が長期化する中、相次ぐ市場介入など「攻め」の姿勢で円高阻止を指揮してきた財務省国際局の市川健太・為替市場課長が13日付で交代することが内定した。後任は主計局の松尾元信主計官(総務・地方財政係担当)で、1995年の円高局面で課長補佐を務めて以来、15年ぶりに古巣へ戻ることになる。複数の政府関係者が9日、ブルームバーグ・ニュースに対し明らかにした。
松尾氏は95年6月から2年間、当時の国際金融局為替資金課に勤務した。局長は「ミスター円」と呼ばれた榊原英資元財務官、課長は現財務次官の勝栄二郎氏という布陣。円相場は同年4月に戦後最高値(1ドル=79円75銭)を記録し、政府はこれに応戦する形で7月から9月にかけて2.6兆円規模の大規模介入を展開、100円台に押し戻した。
円相場は2010年以降、欧州債務危機の拡大懸念などから上昇基調が継続。昨年3月以降も95年の戦後最高値を相次ぎ更新し、経済への悪影響を懸念する政府との攻防が続いている。政府は10年9月に6年ぶりとなる2.1兆円規模の介入を実施したのをはじめ、昨年3月の東日本大震災後には欧米各国と約7000億円の協調介入を行った。
市川氏が課長就任後の同8月には、米国の債務問題を受けドル売りが進んだことから約4.5兆円の介入を実施。同10月に円が一時75円35銭と戦後最高値を更新した際には、1日で8兆円に及ぶ過去最大規模の介入に踏み切った上で、翌日から4日間にわたり覆面介入を行った。
足元の円相場は、先月末に開かれた欧州連合(EU)首脳会議での債務問題の前進などを受け小康状態が続いているものの、1ドル=79円台後半とくしくも15年前と同水準の高値圏にある。松尾氏は再び「80円台」の壁と対峙する格好となる。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 01:00 JST

債券は反落か、長期金利0.8%割れでは買い慎重−入札は波乱なしの声

7月10日(ブルームバーグ):債券相場は反落が予想されている。長期金利が約1カ月ぶりに0.8%割れとなり、市場では高値警戒感が広がっており、この水準からの買いには慎重姿勢が強い。一方、きょう実施の30年債入札は利回り曲線上の割安感などから波乱を伴う可能性は低いとの見方が出ている。
東京先物市場で中心限月9月物は、前日終値144円09銭をやや下回って始まり、日中は144円台前半の推移が見込まれている。9日のロンドン市場で9月物は、東京終値比2銭高の144円11銭で引けた。清算値は144円09銭。
週明けの先物相場は3日続伸。6月の米国雇用統計を受けて債券高・株安となった米市場の流れを引き継いで買いが優勢だった。9月物は一時144円10銭まで上昇し、中心限月の日中ベースで2010年10月以来の高値を付けた。結局は14銭高の144円09銭で引けた。
東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、外部環境は引き続きフォローとしながらも、「きょうも長期金利の0.79%割れは抵抗される公算が大きい。ただ、抜けるのも時間の問題だろう」と言う。一方、30年債入札は割安感などから不安は乏しく、相場全体への影響は小さいとの見方も示した。
9日の米国株相場は3日続落。スペインの10年国債利回りが7%台に上昇したことで、欧州債務危機に対する懸念が高まった。S&P500種株価指数は前週末比0.2%安の1352.46。過去3日間の下落率は1.6%となった。一方、9日の米債相場は続伸。米10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp)低下の1.52%程度。
長期金利0.8%付近か
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回りは、前日終値0.795%付近で始まり、日中では0.80%前後での推移が予想されている。投資家などから買いが入れば、6月4日や前日に付けた2003年6月以来の低水準の0.79%割れを試す場面も見込まれている。
日本相互証券によると、9日の324回債利回りは前週末比1bp低い0.79%と、約1カ月ぶりの低水準で取引開始。いったんは横ばいの0.80%を付けたが、午後に入ると0.795%で推移した。
一方、10年物の324回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、大和証券、シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券各社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると0.79%だった。
財務省はこの日、30年利付国債の価格競争入札を実施する。前回の36回債と銘柄統合されるリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は2.0%。発行額は前回債と同額の7000億円程度。
今回の30年債入札について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラテジストは、利回り曲線上の割安感や世界的経済の先行き不透明感の強まりなどが支えになるとし、「低金利環境の長期化を背景に無難に通過する」と予想している。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美Yumi Ikeda yikeda4@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net
Rocky Swift+81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 07:47 JST

「日銀サーベイ」金利予想、経済物価情勢、金融政策の展望コメント

7月10日(ブルームバーグ):ブルームバーグ・ニュースは11、12日の日本銀行の金融政策決定会合を前に、有力「日銀ウオッチャー」13人に金融政策の予想を聞いた。質問内容は以下の通り。アンケート回答期限は9日午前8時。エコノミスト予想のまとめ記事として「日銀は政策維持へ、圧力なく為替も小康−サプライズ狙いの緩和予想も」を同時配信した。
1)今回の会合で予想される政策、2)日銀が政策金利を「引き下げる」時期、3)日銀が政策金利を「引き上げる」時期、4)〜11)政策金利の予想水準(氏名50音順、かっこは前回回答)、12)経済・物価の見通し。
13)金融政策運営の見通し−@日銀が示す4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価の内容、2012、13年度の実質国内総生産(GDP)成長率、消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)前年比の見通し、A今回の日銀会合での追加緩和の可能性、追加緩和がある場合、予想される手段、為替相場や株式市場に与える影響、追加緩和を行わなかった場合の市場の反応、次の一手のタイミングと手段、Bモルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミストと野村証券の木内登英チーフエコノミストが審議委員に加わることによる経済、物価見通し、金融政策に対する影響
●三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジスト1)今回会合 :追加緩和2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2015年度以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)足元の景気は復興需要の本格化を受けて底堅いものの、国内民需の自律拡大軌道には乗らないため、復興需要がフェードアウトする年度下期以降は外需次第となり、不確実性が高い。欧州景気は出口の見えない債務不安を背景に後退局面が長引きそう。中国景気は政策対応によるソフトランディングが成功するかどうか不透明。
米国景気は住宅デフレ下の家計バランスシート調整と雇用改善の遅れが引き続き足かせとなり、成長加速を期待できない。なお、消費増税前の駆け込み需要は13年度下期に見込まれる。 消費者物物価は、需給ギャップのマイナス(需要不足)状態を背景に0%前後での推移を続ける。事実上のインフレ目標である1%が見通せるような情勢になるのは早くて14年度下期。
13)@成長率見通しについては、12年度が若干の上方修正、13年度は据え置き。物価見通しは両年度とも下方修正か。ただし『マクロ的な需給バランスの改善を反映して、1%に遠からず達する可能性が高い』とあらためて強調することで、市場のデフレ期待がいたずらに高まらないよう引き続き配慮を示す。
A追加緩和の可能性を見込む。具体策は、資産買入等基金を通じた国債購入増額。2013年1−6月分について5兆円増枠。市場コンセンサスが観測報道を受けて“見送り”に傾いているのでポジティブ・サプライズが生じ、一瞬、円安/株高/債券高へ。なお、6カ月物固定金利方式資金供給オペの見直しも検討する見込み。次の一手のタイミングは、10月の「展望レポート」の公表時で、具体策は基金を通じた国債買入額の増枠、対象国債の残存年延長(例えば3年→5年)、期限延長(例えば13年6月→13年末)など。
B両氏が報道されているようなハト派の主義・信条を維持するならば、物価見通しが下方バイアスとなり、金融政策運営は緩和バイアスとなる。「市場との対話」の円滑化が期待される
●SMBC日興証券の岩下真理債券ストラテジスト1)今回会合 :現状維持(全員一致)2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2014年7−9月以降(2014年度以降)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)短観では欧州経済低迷や中国経済減速等の弱い外需の影響が懸念されたが、大企業製造業の数字は市場予想に反して落ち込まなかった。大企業製造業の業況判断DIは、原材料価格の低下による採算改善、エコカー補助金、復興需要を背景に3四半期ぶりに改善、先行きも改善。12年度の売上計画は輸出が前年比+8.2%と国内の同+4.0%を大幅に上回り、経常利益は加工業種主体に2ケタ増、設備投資も同+12.4%と過去平均に比べて大幅上方修正、6年ぶりの高い伸びとなった。
業況判断DIの改善は、事業計画の強さに裏打ちされた整合的な動きだ。また、エコカー補助金の財源切れが視野に入り、今後の消費は勢いの鈍化が見込まれるが、企業の設備投資が計画通り実行できれば、内需の改善傾向を維持することは可能となる。内需主導の回復シナリオを描く日銀にとって、短観で設備投資の復調を確認できたのは心強い材料と言えるだろう。
5日の日銀支店長会議の総裁開会あいさつ要旨によれば、景気判断の説明文は6月会合の声明文とほぼ同じであった。唯一の相違点は、リスク要因の欧州債務問題の今後の展開について、「最も強く意識しておくべき要因」と強調する表現をとったことである。また2日に山口日銀副総裁は「金融資本市場の緊張が断続的にせよ続き、世界経済がしっかりとは回復しないリスクが現実となる可能性は小さくない」と語っており、その点は留意する必要がありそうだ。
それでも、5日の夜、中国人民銀行が前回6月8日から1カ月経たないタイミングで再利下げを決定。13日発表の中国4―6月期の実質GDP成長率が前年同期比+8%割れ予想が強まる状況下、景気下支えの金融緩和姿勢を鮮明に打ち出した。減速が長期化しつつある中国経済ではあるが、各種政策効果により7―9月期に持ち直しに転じることが待たれる。
その一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月でツイストオペを終了できなかったこと、新規失業保険申請件数の水準を考え合わせれば、米6月の雇用統計が、雇用回復の鈍さを示したのは想定内の動きである。筆者は暖冬の影響に加えリーマンショック後の季節調整の歪みが足元は出ており、7―9月期の雇用統計では持ち直すとみている。
ただし、今後も7月発表の米国指標の弱さが続くようであれば、7月31日、8月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けてQE3(量的緩和第3弾)観測から再び円高圧力が強まる可能性には注意したい。
13)@先行きの海外経済や為替動向に不確実性はあるが、現段階で下振れリスクが顕在化しておらず、日銀は「緩やかな回復経路に復する」という標準シナリオを修正する必要はないと考えるだろう。内需が堅調を維持している間に外需が持ち直し、上手く主役をバトンタッチできる姿が期待されている。成長率見通しの数字は、4月時の大勢見通し中心値が12年度+2.3%、13年度+1.7%だったが、12年度2%台前半、13年度1%台後半の姿は変わらないとみる。
コアCPI(前年比)の見通し数字は、4月時の大勢見通し中心値が12年度+0.3%、13年度+0.7%。12年度は足元の国際商品市況の弱含みの動きを反映して、若干の下方修正となろう。しかるに13年度は、12年度後半には緩やかな回復経路に復するシナリオのもと、おおむね+0.7%から変えないと思われる。
A今回も現状維持を予想。札割れ防止策が検討されても、追加緩和ではない。市場の一部が期待するほど、現在の日銀は積極的に金融緩和を推進していく構えはなく、既に推進しているとの認識である。市場の混乱等の追加緩和の緊急性がない状況では、資産買い入れ基金の増額を決定するとは考えがたい。また対象国債の残存年限の長期化は、極端なイールドカーブのフラット化を招くことによって金融機関の収益力低下につながる。
5日の欧州中央銀行(ECB)の利下げ決定により、市場では付利引き下げへの思惑も走っているが、市場機能低下に結びつく施策を白川総裁は回避したいとの考えは変わらないだろう。事前に緩和期待が大きくなければ、市場の反応は限定的と思われる。次の一手のタイミングは、政局が不透明なこともあり、非常に読み難くなった。政府の日銀に対するデフレ脱却への協力要請が、今は静かでも再び強まる可能性はあるものの、そのタイミングがわからない。
次なる重要な景気判断が10月の展望レポートであることは間違いないが、先行きの海外経済と為替市場動向に不確実性があり、当面は見極める時間帯となりそうだ。次の一手の手段は、資産買入等基金で国債買入れの5兆円増額を予想。固定金利オペの減額が加わる可能性もあるとみている。
B佐藤氏、木内氏はこれまでの主張から緩和積極派と称され、ボードの構成はハト派が多くなる可能性が出てきた。ただし就任後の立場は未知数であり、まずは就任会見の発言に注目したい。それでも独自の経済見通しを講演で話すメンバーが増えることで、日銀からの情報発信に面白味と深みが増し、市場とのコミュニケーション強化が期待される。
10月展望リポートの物価見通しでマイナス予想が登場するかは興味深いが、大勢見通しの中心値には影響を与えない可能性もある。また、当面の金融調節等のテクニカル面では、執行部の方がはるかに詳しく、すぐに政策決定に大きな影響を与えるとは考え難い。
●みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト1)今回会合 :直前の市場次第も、追加緩和の可能性の方がやや大2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2014年7−9月以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)12年6月末 :0.00%−0.10%
12)短観の内容は、大企業の景況感や設備投資計画を中心に、底堅さが感じられる内容だった。しかし、手放しで喜ぶことのできる内容ではなく、追加緩和を今回も見送りたいといった考えに由来する過大評価は避けるべき。エコカー補助金などの政策効果がなくなった後、輸出に順調に「バトンタッチ」できるかどうかはまだ不確実な情勢。リスクは引き続き下振れ方向にある。
13)@展望レポートの中間評価では、足元で底堅い内需を前向きに評価しつつ、景気・物価のシナリオ(中心的な見通し)を維持するだろう。ただし、12年度の政策委員大勢見通しについては、コアCPIと国内企業物価について、原油価格の大幅下落をうけた下方修正が考えられる。
一方、13年度のコアCPIについては、大勢見通しのレンジ下限は4月展望リポート時点の+0.5%からコンマ数%ポイント下がるものの、中央値の+0.7%は変わらずという結果になると予想される(仮に下方修正があるとしても0.1%ポイントまでだろう)。いずれにせよデフレ脱却に向けた動きが着実に進んでいるという政府・日銀の共通認識を大きく壊すような数字は出しにくいと推察される。
AB短観が発表された後を中心に、国内景気の底堅さが確認されたとして、今回の会合でも金融政策は現状維持ではないかといった趣旨の観測報道が出ている。日銀が国債イールドカーブを3年程度までほぼ完全にフラット化させたことが銀行勢などの中期債投資のリターンを縮小させる「民業圧迫」につながっているのではないかといった批判がマスコミでとりあげられる機会も急に増えた。
日銀としては、今回の会合でも追加緩和を見送り、基金による長期国債買入れ5兆円というカードを温存できれば、それに越したことはない。あるいは、事前に市場で現状維持が織り込まれた状態が出来上がっている中で、実際には追加緩和に動くと、サプライズとしての効果を得ることができる。どちらにしても、日銀にとってみれば損のない話である。
追加緩和の問題では、為替相場・海外経済が引き続き最も重要なファクターだろう。円高進行リスクが漂っている限り、追加緩和が行われる可能性は常に潜在していると言えよう。さらに、原油価格下落によって12年度のCPI見通しに下方修正圧力が加わっており、日銀が当面目指している+1%がやや遠のいているという事情がある。
すでに衆院を通過した消費増税法案が最後のステージである参院での審議・採決に直面することも、デフレからの脱却に向けた日銀による追加的な行動を、政治的に要請する面があると考えられる。こうしたいくつかの事情を勘案すると、会合当日までの市場の動きをにらんだ上で日銀がサプライズ的に追加緩和に動く可能性は否定できないと筆者はみている。
●東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2016年以降(2015年後半)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)復興需要、エコカー補助金などの国内要因により内需は改善が続いている。欧州発でショックが国際金融市場を襲うことがあると、外需が急速に落ち込むリスクがあるが、当面はそれが顕在化しないことを前提にすると、日本経済は緩やかな回復基調を示し続けると思われる。CPIはコモディティ価格などの影響で上昇が一服しているが、トレンドとしては上昇を続けると思われる。ただし、賃金の上昇は限られるため、CPIの上昇ペースは非常にゆっくりとしたものになる。
13)@4月展望リポートで示した中心シナリオを基本的に維持して、緩やかな回復が続くという見方を継続すると思われる。成長率見通しは12年度+2.2%、13年度+1.7%、CPI見通しは12年度+0.2%、13年度+0.6%。
Aこれまで行ってきた緩和策が「国債バブル」を発生させていること、5年程度までの金利曲線が極端に平坦化して銀行など金融機関の収益が悪化し、彼らが中小企業への貸出を行う体力が低下することを日銀は懸念している。短観は非常に緩やかながらも日本経済が回復を続けていたことを示していたため、今回の会合は現状維持を選択するだろう。
とはいえ、消費税を14年度から引き上げるならば、事前に成長率を押し上げるためのサポートを日銀は政府・議会から先行き要求される可能性がある。欧州などの海外情勢も楽観できない状況が続いている。次の緩和策は資産買入等基金の5兆円程度(長期国債中心)増額だろう。仮に欧州問題が国際金融市場を動揺させるような場合は臨時会合を開いて、国債だけでなくETFなどのリスク性資産の買い入れを多めに増やしたり、基金とは別に流動性対策を強化すると思われる。
ECBはデポジット金利をゼロ%に引き下げたが、FRBが超過準備への付利をゼロ%に下げる可能性はかなり低い。よって、日銀が付利を下げる確率も低いといえる。B2人の審議委員は当面は他の政策委員よりも低めの成長率、物価上昇率を示すと思われ、追加緩和策に対しても他の委員よりは積極的だろう。しかし、白川総裁が率いる政策委員会全体の判断はこれまでと大きくは変わらないと予想される。
●JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2015年以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)足元の経済指標は第2四半期GDPが2.0%成長する(前期比年率)することを示唆している。第1四半期に比べると減速しているが、復興需要のほか個人消費も予想以上に底堅く推移している。もっとも、足元の勢いがどこまで持続するかは疑問。エコカー補助金が切れる8月以降の個人消費は夏季賞与減額の影響もあり減速感が強まろう。
公共事業も第2四半期がピーク。海外経済も欧州が低迷しているほか、中国も回復が遅れており、「秋口以降は外需にバトンタッチ」というシナリオに下振れリスクが出てきた。コアCPIは、当面前年比ゼロ近辺の動きが続くと見られるが、エネルギー価格の押し上げがはく落する13年入り後、コアCPI前年同月比は再びマイナスに転化する見込み。
13)@中間評価は4月をおおむね踏襲。世界経済の先行き下方リスクを強調か。A追加緩和見送り。為替市場で円高が若干進む可能性があるが、限定的であろう。マーケット次第で8−10月間の追加緩和(基金の拡大)を見込む。B両名とも従来の見解を維持し、日銀会合での議論が活性化され、市場とのコミュニケーションが改善されることを希望。
●第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2015年以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)短観は出来すぎの結果。DIよりも、売上・収益・設備投資計画をみて日銀は堅調なシナリオに思いを強くしただろう。中間評価はGDPがゲタの分+0.2%ほど上方修正され、CPIはガソリン価格の下落をいくらか織り込むだろう。
13)中央値は、実質GDPが2012年度2.4%、13年度1.6%に修正。CPIは12年度0.2%、13年度0.7%とみる。雇用統計次第であるが、短観をみてひとまずは現状維持の公算が高まった。追加緩和の場合は、固定金利オペを減額して、国債買い入れを増やすだろう。残存期間は3年以内を変えず。佐藤健裕氏と木内登英氏には是非頑張っていただきたい。日銀の市場との対話路線はここ半年くらい後退している。
日銀の議事要旨も公式見解の域を出ない。ひとつの争点は、白川総裁がCPI1%の達成が13、14年度にできると言っている点を質すことだろう。民間エコノミストとしては、何であのような見通しになるのかわからないと皆思っているので、その点をもっと理解できるように代弁してほしい。日銀の透明性、市場との対話を立て直すことが、まずは2人の役割だろう。
●BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト1)今回会合 :資産買入基金の5兆円増額(主に長期国債)2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2014年7−9月以降(2014年4−6月以降)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)引き続きリスクは海外経済、特にユーロ圏と新興国にある。6月28日、29日の欧州連合(EU)サミットでは欧州金融安定化ファシリティ(EFSF)/欧州安定化メカニズム(ESM)によるスペイン金融機関への直接資本注入を可能とするなど、スペインの不良債権問題と財政問題を切り離すための政策も合意された。しかし、欧州ソブリン問題を抜本的に解決するための銀行同盟、政治統合、財政統合の3つの主要課題は、銀行同盟を除くと、全く進展が見られない。
長期的に達成されなければならない課題が何であるかが主要国の指導者の間で共有され始めたことは大きな前進だが、今回合意された内容は「時間稼ぎ」の域をまだ出ていない。ギリシャでは6月17日の再選挙後、緊縮財政継続を掲げる新政権が誕生したが、ギリシャが自力で返済できない過大な対外債務を抱えていることに変わりなく、早晩、現在の財政健全化策が挫折するというシナリオに変わりない。
新政権は財政健全化策の2年間凍結を要求しているが、過大な負担を抱えている以上、猶予期間を設けても事態が改善するとは考えられない。また、2年凍結ということになると、単に期限を延長するだけでは済まず、EU各国の財政負担が増すことになるため、簡単に飲める話ではないだろう。
多くの人は、中国、ブラジル、インドの景気回復の遅れは、欧州経済の減速の影響や引締め的な財政・金融政策による総需要不足が原因と受け止められている。確かに、各国とも欧州経済の低迷が少なからず影響している。しかし、新興国ではここ数年間のアグレッシブな財政・金融政策で総需要が相当に持ち上がり、供給制約に直面していることが成長ペース減速の最大の理由だと思われる。
このため、仮に総需要刺激策を取っても、景気が過熱するだけで、成長ペースの回復は期待できない。また、やや長い目で見ると、2000年代半ばに新興国が高成長を遂げていたのも、欧米の信用バブルに伴う金融的要因で嵩上げされた言わば新興国バブルであり、リーマンショック後の高い成長も、積極的な財政・金融政策による所得・需要の先食いに過ぎなかった可能性がある。
つまり、中国、ブラジル、インドのトレンド成長率は市場で考えられているほど高いものではなく、今後、循環的な回復が始まっても、成長ペースが元の水準まで戻らないことが、徐々に明らかになっていくと思われる。新興国の回復が遅れることになると、日銀の景気シナリオにも修正が必要になってくる。
13)@大きな変更はなし。A資産買入基金の5兆円増額(主に長期国債)消費増税法案が成立する見込みとなったものの、財政再建にはさらなる増税と社会保障関係費の抑制が必要である。そうした政策の政治的困難さから、日銀への緩和圧力が強い状況は今後も続く。
ただ、増税による経済への悪影響を金融政策でオフセットするというのであればある程度容認されるが、金融緩和で成長を高めることで、増税や必要な制度改革を回避し、問題を解決するという発想であれば、それは妥当ではないし、そもそも不可能である(金融緩和でトレンド成長率を引上げることはできない)。
金融政策においては、市場の期待へ働きかけることは極めて重要であり、本来、自らの政策の有効性を否定することは望ましくない。しかし、実際にほとんどない効果を「少しはある」と説明し、副作用に目をつむれば、必然的により大規模な緩和を求める声が強まり、なし崩し的にマネタイゼーションに向かってしまうことになりかねない。
日銀に求められているのは、金融政策の限界と、デフレ脱却に何が本当に必要なのかを、丁寧に説明していくことである。フレキシブル・インフレーション・ターゲットの本質は、透明性とアカウンタビリティの向上にあるが、なぜ目途が達成できないのか(例えば、政府が構造問題の解決を放置していること等)、なぜアグレッシブな金融政策を取らないのか(その副作用や財政政策の領域への侵入等)、本来、それらの理由を明確にすべきである。
B「市場との対話」能力を有するメンバーが増えることは、金融政策の有効性を高めるためには望ましい。
●東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジスト1)今回会合 :追加緩和2)利下げ時期 :2012年8−10月の公算あり3)利上げ時期 :2015年1−3月(同)4)12年9月末 :0.00−0.05%(同)5)12年12月末 :0.00−0.05%(同)6)13年3月末 :0.00−0.05%(同)7)13年6月末 :0.00−0.05%(同)8)13年9月末 :0.00−0.05%(同)9)13年12月末 :0.00−0.05%(同)10)14年3月末 :0.00−0.05%(同)11)14年6月末 :0.00−0.05%
12)短観などを受けても経済・物価の見通しは変わらない。足元の内需は底堅いが、引き続き今年度の実質成長率は1.0%台後半のプラス、13年度は1.0%前後のプラス、コアCPIは12、13年度ともに若干のプラスにとどまると見ている。海外経済情勢は相変わらず厳しい。米国の最近の景気指標は弱めである。バランスシート調整が続いており、クリスマス商戦で盛り上がった回復期待が春以降に失速するパターンは昨年と同様。今年の米国実質GDPの伸びは2.0%以下と予想する。
欧州だが、ギリシャ再選挙の結果が示したのは、今後、緊縮策の緩和でギリシャ政府とユーロ圏諸国が折り合うということだ。それは事態の先送りに過ぎない。スペインの銀行問題は資本注入だけでは解決しない。住宅価格の下落が続き、経済状態が悪いスペインでは、銀行資産は劣化するばかりである。ユーロ圏の今年の実質GDPは1.0%程度のマイナスと見ている。中国の今年の実質経済成長率は7%台の伸びに低下と予想している。
13)@「基本的見解」におおむね修正はないと考えている。成長率見通しは12、13年度ともにほぼ変わらないだろう。ただ、消費者物価指数の見通しは12年度が若干下方修正されると見ている。A今回会合での緩和強化の可能性は高い。具体的には、長期国債の買入れ増額を中心にETFと不動産投資信託(J−REIT)の買入れ増の可能性も。また、固定金利オペの「3カ月物増・6カ月物減」がありそう。
直前の市場の織り込み方次第だが、顕著な円安・株高といった反応は考えにくい。一方、緩和強化を見送れば、円高・株安が進行しよう。その際、いや、いずれにしても遅かれ早かれ、(イ)超過準備の付利の引き下げ、(ロ)「基金」で買入れる長国の年限長期化に追い込まれ、(ハ)政策金利の上限引き下げの可能性もある。タイミングは早ければ8月会合。
B両氏とも経済、物価に対して弱気派と聞いている。それが「基本的見解」を変えるには至らないものの、「展望リポート」における数値見通しは下に引っ張られよう。金融政策に関しては、日銀が購入する資産範囲の拡大など持論の主張が決定会合の議事要旨で確認できると考えている。しかし、実際の政策が彼らの主張に沿って変更されるとは予想していない。
●クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :2012年10−12月(想定せず)3)利上げ時期 :2015年以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00−0.05%(0.00%−0.10%)6)13年3月末 :0.00−0.05%(0.00%−0.10%)7)13年6月末 :0.00−0.05%(0.00%−0.10%)8)13年9月末 :0.00−0.05%(0.00%−0.10%)9)13年12月末 :0.00−0.05%(0.00%−0.10%)10)14年3月末 :0.00−0.05%(0.00%−0.10%)11)14年6月末 :0.00−0.05%
12)ユーロ圏は景気後退が継続、米国景気は鈍化、BRICs諸国も低成長横ばい。足元の世界実質成長率は従来のトレンド成長率であった3.5%を大きく下回る2−2.5%程度と判断される。需給ギャップはマイナスであり、米国熱波による影響が出ている一部の穀物を除き、国際商品相場の軟化傾向によって裏付けられている。
国内景気は復興需要や安定した個人消費に支えられているが、世界景気減速の影響を受けるのは必至であり、足元から急激に減速へ。消費税増税の効果を捨象した場合、コアCPI前年比が+1%に達するシナリオは全く描けない。
13)@12、13年度の成長率、物価の見通しはほとんど修正されない見込み。A今回は現状維持。追加緩和はFOMC次第。次回FOMCで追加措置があれば、8月会合で追加措置。資産等買取基金の5兆円増額、半年延長が有力。10−12月期の焦点は超過準備付利金利の0.05%引き下げ。B特段の影響なし。ただ、緩和推進の必要性を訴え、市場にノイズを与える可能性はある。
●信州大学の真壁昭夫経済学部教授1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :当面なし、金融市場の混乱等があれば引き下げも3)利上げ時期 :2015年初以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)米国経済は緩やかに回復しているが、労働市場、製造業の景況感には減速の兆しも現れている。今後はこうした兆候が一時的なものなのかいなかが重要なポイントになる。雇用の回復が鈍化する事態となれば米景気の後退リスクは高まる。足許ではISM製造業景気指数が50を下回ったこともあり先行き不透明感は高まっている。これは住宅市場の回復など米国のバランスシート調整の進捗にも影響を与える。そのため、短期的にはインフレリスクが急速に高まるとは考えづらい。そのためFRBによる追加緩和=QE3の可能性は高まっている。
欧州では先月末のEUサミットを受けて、周辺国に対する楽観論が高まっているようだ。特にイタリア、スペイン国債の対ブントのスプレッド縮小のモメンタムは強い。問題は欧州首脳が金融市場が期待するような実効力ある方策を実行できるかいなかだ。ドイツが主張する「政治同盟」が確立されていない状況では、今後も支援-被支援国間の利害衝突は避けられない。
そのため、現行の救済基金のスキームでいかなる危機対応策を打ち出したとしても、周辺国支援がドイツを中心とする中核国の財政負担につながるという構造に変わりはない。このスパイラルが解決され、成長戦略がまとまらない限り債務危機の収束は困難だ。ファンダメンタルズが悪化している中、議論に費やすことのできる時間も少なくなっている。欧州経済の下方リスクはむしろ高まっている。
新興国では、欧州債務問題の影響もあり、景気の下振れリスクは高まっている。中国、ブラジルなど今後の金融緩和の可能性は高まるだろう。一方で、リスク許容度の低下に伴い、資本流出に対する規制の動きも活発になっている。投資家の新興国に対する選好度が低下し、流動性が低下することも懸念される。資産価格の下落、不良債権増加への懸念など、総じて新興国に関するリスク要因は高まるだろう。
そうした中、わが国経済は主要国の中でも堅調さを維持しているといえる。短観では製造業、非製造業ともに改善が示され、景気回復の進捗が確認された。円高圧力、海外経済の先行き不透明感というリスクがある中での景況感の改善は、実体経済の底堅さを証明している。
労働市場でも緩やかな回復の兆しが現れている。一方、物価見通しは引き続き弱く、短期間でのデフレ脱却は困難だ。消費税関連法案が衆議院で採決されたことは、財政にとってポジティブな要素だ。今後の課題は、いかにして景気回復を推し進め、財政再建の基盤をより強化するかだ。
13)@展望リポートの中間評価については、これまでの見通しと同水準、もしくは若干の下方修正になる可能性があると見る。国内景気は堅調だが、海外に目を転じると、欧米の経済状況が弱気な見通しの要因になる可能性がある。12、13年のGDP、CPI見通しについて、海外経済の不透明な動向を考慮すると、上方修正の材料が見つからない。総じて中間評価はこれまでの見通しと大差ない内容になろう。
A今後の追加緩和はFRBなど海外中銀の動向に大きく影響されるだろう。足元、わが国の景気の堅調さを考慮すると、取りあえず、緊急の追加緩和の必要性は見出しづらい。そのため今回は海外での対応を注視しつつ、これまでの対応策の効果を見ることになると見る。同時に、今後の状況次第では追加緩和を打ち出す準備があるという「市場とのコミュニケーション」にも気が配られることになるだろう。
ただ、市場では欧州への懸念を中心に、対策への期待は高まりやすい。欧州債務問題の深刻化など市場のストレスが高まったときには、国債の買い取り年限を5年以下にまで拡大する可能性があるだろう。これまで同様、追加緩和は一時的に投資家のリスク許容度を高め株高を演出する材料にはなりうる。ただ、金融政策でデフレ脱却、景気回復を促進させることは困難だ。そのため効果はあくまでも短期的なものにとどまるだろう。
B新しい審議委員の任命による金融政策への影響は限定的と見る。むしろ、政治圧力による追加緩和要請の方が日銀の意思決定に影響すると考えられる。金融政策に対する依存度が高まる中、政治的な圧力に屈した金融政策を行っていると市場からみなされることは日銀の信認を大きく毀損することになりかねない。そうした事態は日銀も避けたいはずだ。今後は、消費税関連法案の成立と併せて、どのような経済政策を立案し景気回復を推し進めていくか、官民交えて議論が行われる必要だろう。
●野村証券の松沢中チーフストラテジスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2014年7−9月にレンジ停止(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)短観は日本経済が足元堅調であることを示す。一方米中の景気減速が鮮明になっており、これまで輸出主導で景気回復のモメンタムを作ってきた日本にとっては懸念材料。欧州債務問題も、政策当局が先手を打っているとは言えず、再び金融危機へ発展するリスクを抱えている。
13)@12年度の景気見通しは据え置き、物価見通しは原油価格の下落を反映し引下げ。13年度は景気、物価共に見通しは据え置き。A追加緩和はサブシナリオだが、通常の会合よりも高く、可能性は3割程度ある。今回実施ならば、基金増額5兆円、指数連動型上場投資信託(ETF)購入0.5兆円程度を含む、国債購入は来年前半分。市場は追加緩和を十分織り込んでおらず、実施すれば株高、円・債券にはほぼニュートラル。見送られれば、円高・債券高が進む。
B金融業界出身の2名が審議委員に加わることは、政策会合にどちらかと言えばハト派的な意味を持つが、少なくとも今のところ政策決定には重大な変化をもたらさないだろう。変化があるとすれば、景気物価見通しの改定においてだ。この2名が日銀に比べ慎重な物価見通しであったことがそのまま反映されれば、少なくともレンジの下限が広がろう。
●シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2015年10−12月(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)短観は日銀の景気シナリオを裏打ちする内容だった。具体的には、@復興需要や個人消費の回復を背景に、非製造業が堅調さを維持していること、A外部環境が厳しい中でも、製造業の業況判断が持ちこたえていること、B12年度の設備投資計画が強めであること、C金融環境の改善が続いていることが示された。
ただ、夏場以降は復興需要の景気押し上げ効果が徐々に弱まると同時にエコカー補助金の終了により、個人消費もいったん弱含む可能性が高まっている。こうした中、輸出が緩慢な伸びにとどまることで、今年下期のGDP成長率は年率1%強に鈍化すると予想される。
一方、この間の原油価格の下落を受けて、コアCPIは当面、前年比ゼロから小幅マイナスで推移しよう。コアCPIは今後、中期的に日銀の見通しを下振れていく公算が大きいが、今回の中間評価で日銀が13年度のインフレ見通しを大きく修正することは想定しにくい(これは景気が日銀シナリオに沿って推移しているため)。
13)@中間評価では、GDP成長率の見通しにはほとんど変更がないとみられる一方、12年度のコアCPIの予想は若干下方修正される可能性が高い。これは4月の展望リポートの公表後、エネルギー価格が下落したため。今年度のコアCPIの予想(中央値)は4月時点の前年比プラス0.3%からプラス0.1−0.2%に下方修正されよう。ただ、景気が日銀シナリオに沿って推移する中で、13年度のインフレ見通しが大きく下方修正される可能性は低い。
A今回は政策据え置きを予想する。第1に、景気は日銀シナリオの枠内で推移している。先行きについては、内・外需ともに不透明感が残るものの、現時点で景気の面から追加緩和が要請される状況にはない。第2に、円ドル相場が1ドル=79円台に踏みとどまっている。現在の水準は短観の大企業・製造業の想定レート(12年度平均で78.95円)とおおむね整合的であり、この点からも、追加緩和の可能性は低いだろう。
最後に、追加緩和に向けた政治的圧力が乏しいことがあげられる。現在、政治家の関心は、消費税率引き上げ法案に絡んだ政局に向かっており、金融政策は政治家の念頭にはないとみられる。13年度のコアCPIの見通し(政策委員の中央値)が引き続き、「物価安定のめど」である前年比1%を下回る公算が大きいことを、追加緩和の論拠としてあげる向きもある。
ただ、4月27日開催の決定会合・議事要旨をみると、「消費者物価の前年比上昇率1%が見通せるまでは、機械的に基金の増額を続けていくという誤解が一部にみられる」との指摘が行われており、景気が日銀シナリオの枠内で推移していることも考え合わせると、今回、インフレ見通しが直接的に政策判断に影響を及ぼす可能性は低いように思われる。
B政策委員会の議論の活性化に期待したい。民間エコノミスト2氏のインフレ予想は、展望リポート(4月)の大勢見通しに比べて明確に低い可能性が高い。このため、日銀のインフレ見通しのレンジが大きく切り下がることが予想される。この点は、追加緩和に対する圧力を強めることになる。ただ、現政策委員の政策運営に対する考え方と2氏のそれとの間の隔たりは大きいように見受けられる。即座に政策決定に影響が出てくる可能性は低いのではないか。
●バークレイズ証券の森田長太郎チーフストラテジスト1)今回会合 :現状維持2)利下げ時期 :なし3)利上げ時期 :2015年以降(同)4)12年9月末 :0.00%−0.10%(同)5)12年12月末 :0.00%−0.10%(同)6)13年3月末 :0.00%−0.10%(同)7)13年6月末 :0.00%−0.10%(同)8)13年9月末 :0.00%−0.10%(同)9)13年12月末 :0.00%−0.10%(同)10)14年3月末 :0.00%−0.10%(同)11)14年6月末 :0.00%−0.10%
12)国内景気は復興需要に支えられていることと、中国、アジア向け輸出が下げ止まりつつあることを反映して底堅い推移となっている。一方で、CPIについては原油価格の影響が短期的に下押し要因となっているが、底堅い内需を支えに資源価格以外の部分で特に下振れ圧力が強まっている兆しは見えない。
米景気指標の軟化には、ISM指数に表れているように輸出減速の影響が色濃く反映されているように見える。欧州の混乱が「米国の住宅調整終了」、「中国の緩和姿勢への転換」、「日本の復興需要」という世界経済のポジティブ要因を相殺する形でグローバルな景況感を下振れさせている状況。
まだ極端にプラスマイナスのバランスが崩れる段階には至っていないものの、ポジティブ要因が優勢になるには、中国のもう一段の景気刺激など追加的な変化も必要だろう。日本も年内は復興需要が引っ張るが、年明け以降にグローバルなマイナス材料が増してくる際に復興需要が減速し始めれば、大きな景気下振れリスクとなる。
13)@経済回復のメカニズムは崩れていないことを強調。原油価格を反映させて12年度のCPI予測を0.2%程度引き下げ。A追加緩和の可能性は5分5分。国内景気についての強めの評価、政治圧力がそれほど高まっていない、という点においては見送りの見通しになるが、海外中銀が中国も含めて一斉に緩和方向にある中で日銀のみが見送ることへのボードメンバー内での抵抗感もあるのではないか。
別の視点では、国債買い入れが市場を歪めつつある実態も含めて、残りのカードが相当限られていることを考えれば、先送りできる状況であればなるべく先送りしたいということはあるだろう。その場合は、秋に政府の補正予算編成と一体化した形での追加緩和のシナリオが濃厚になる。
B両氏とも積極緩和派との評価のもとでのボードメンバー入りであり、意図的にハト派的な発言をしてゆくものと予想される。しかし、あくまでも9票のうち2票であるという現実を踏まえれば、他のボードメンバーあるいは日銀執行部を十分に説得できるだけの理論的根拠を踏まえた議論展開ができるかどうかが重要になってくる。
日銀の政策オプションとしては、今のところ長期国債購入政策以外に残されているものが多くあるわけではなく、市場にある「積極緩和論」とのギャップを埋める役割が両氏には問われる。可能かつ実効性のある政策オプションを提示できなければ、従来からの日銀ボード内の議論に最終的には埋没してしまう可能性も少なくないだろう。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 06:00 JST


ユーロの今年の最悪期は過ぎた−予想が最も正確な5行の見方

  7月9日(ブルームバーグ): 世界で最も正確な予想を示す外国為替ストラテジストらは、ユーロ相場の今年の最悪期は過ぎたとみている。ユーロ圏経済が縮小し、債務危機が深刻化する中で同相場はさらなる打撃を受けるとみるトレーダーとは異なる見方だ。
ブルームバーグの集計によると、予想が正確な上位5行はユーロ・ドル相場が年末に1ユーロ=約1.26ドルに上昇するとみている。先週末は1.2291ドルだった。5行の中には、4−6月(第2四半期)のユーロ安を正確に予想した米ウェルズ・ファーゴや豪ウエストパック銀行が含まれている。ブルームバーグ・ニュースがまとめたストラテジスト55人の予想中央値は1.24ドル。
ウェルズ・ファーゴの為替戦略責任者ニック・ベネンブローク氏(ニューヨーク在勤)は、「われわれは欧州債務危機が好転・悪化を繰り返す中で、事態は年内、深刻化するよりも良い方向に向かうとみている」と発言。「6月に欧州首脳らが下した決断だけがプラス材料というわけではなく、欧州中央銀行(ECB)による下支えの動きも引き続き見られるだろう」と述べた。
ただデリバティブ(金融派生商品)は、向こう1年のユーロの対ドル相場が向こう3カ月との比較で最も弱気な水準に近いことを示している。1年物オプションは、ドルに対するユーロのプット(売る権利)のコール(買う権利)に対するプレミアム(上乗せ幅)が、3カ月物との比較で2003年以来の高水準に迫っていることを示している。
原題:Most-Accurate Forecasters See Euro Bottom at Odds WithOptions(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Allison Bennett abennett23@bloomberg.net;ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Daniel Tilles dtilles@bloomberg.net;Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/09 11:21 JST


03. 2012年7月10日 09:03:18 : 3CNLte9sGM
【主要朝刊】日本再生戦略原案、貸出金利過去最低、AIJ社長再逮捕

  7月10日(ブルームバーグ):朝刊各紙の主なニュースは以下の通り。
【各紙】▽AIJ社長ら4人再逮捕、4基金から30億円詐取容疑▽民主党:鳩山氏処分3カ月に短縮、党内融和の狙い、小沢氏除名決定▽休眠預金、14年度にも成長資金に活用、一元管理を検討−政府方針▽長プラ1.25%、貸出金利過去最低水準に−企業向けや住宅ローン
【読売】▽国会サイバー攻撃、中国軍関係者が関与か、盗難情報の送信先に設定▽孫の教育資金、税優遇、「休眠預金」福祉に活用−政府方針▽イラン外相:ホルムズ海峡封鎖を否定、原油輸送「安定を重視」
【朝日】▽首相:集団的自衛権「政府内で議論」、憲法解釈見直しで▽衆院選後「民・自連立で」36%、3党協力「よい」48%−世論調査
【日経】▽日本再生戦略原案、医療・介護分野で2020年に50兆円新市場創設▽KDDI:スマホ向けアプリサービス、来期営業黒字へ▽三菱商:中国で大規模マンション、大連に80棟−中間層に的▽全日空:欧州線を一体運営、スイス航空などと−顧客の利便性向上▽イビデン:電子・セラミック製品の海外生産拡大、来期末60%に▽NEC:POS導入費10分の1に、新興国向け格安システム
【毎日】▽化繊工場でも胆管がん、米で90年に報告−同じ溶剤使用▽がれき処理費、仙台の仮設焼却炉1トン4万円、「既存並み」実現▽EPA締結国の数値目標、貿易比率「8割」に−政府再生戦略
【産経】▽政府:TPP交渉参加を来月表明、カナダ、メキシコと歩調▽首相:解散は公債法成立が前提、民主党分裂を陳謝▽中国家電大手の海信集団、10万円切る50型TVを日本市場に投入▽JCB:ベトナムに初拠点、市場調査など強化−年内にも▽日産自:インドネシアでの研究開発要員4倍−2016年度までに
【東京】▽6兆円余らせなお増税、被災地ニーズと合わず−復興予算未消化問題▽ハイパーレスキュー警視庁版を新設へ、首都直下に備え立川に拠点▽京大グループ、新素材を開発、太陽光の発電効率2倍の可能性も
記事についての記者への問い合わせ先:東京 伊藤小巻 kito@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Andreea Papuc apapuc1@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 08:01 JST


日銀は政策維持へ、圧力なく為替も小康−サプライズ狙いの緩和予想も

  7月10日(ブルームバーグ):日本銀行が11、12日開く金融政策決定会合は、円ドル相場が小康状態にあり、政治圧力も強まっていないことから、現状維持との見方が優勢だ。金融市場でこうした見方が織り込まれる中、逆にサプライズ狙いの追加緩和を見込む向きもある。
ブルームバーグ・ニュースが日銀ウオッチャー13人を対象に行った調査では、9人が現状維持を予想した。SMBC日興証券の岩下真理債券ストラテジストは「札割れ防止策が検討されても、追加緩和ではない。市場の一部が期待するほど、現在の日銀は積極的に金融緩和を推進していく構えはなく、既に推進しているとの認識である」と指摘。「市場の混乱等の追加緩和の緊急性がない状況では、資産買い入れ基金の増額を決定するとは考え難い」とみる。
2日発表された日銀の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が3期ぶりに、大企業・非製造業も4期連続で改善し、いずれも市場の予想を上回った。シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「短観は日銀の景気シナリオを裏打ちする内容だった」と指摘。今会合は現状維持を予想している。
日銀は今会合で4月末の経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行う。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「足元で底堅い内需を前向きに評価しつつ、景気・物価のシナリオを維持するだろう」と指摘。2012年度の消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)前年比の見通しは「原油価格の大幅下落を受けた下方修正が考えられる」ものの、13年度のコアCPIについては中央値の0.7%上昇は変わらないと予想する。
政治圧力は乏しい
村嶋氏が今会合で現状維持を予想する理由は3つある。第1に、景気が日銀シナリオの枠内で推移していることだ。「先行きについては内外需ともに不透明感が残るものの、現時点で景気の面から追加緩和が要請される状況にはない」という。第2の理由は、円ドル相場が1ドル=79円台に踏みとどまっていることだ。
村嶋氏は「現在の水準は短観の大企業・製造業の想定レートとおおむね整合的であり、この点からも追加緩和の可能性は低いだろう」という。最後の理由は、政治的圧力が乏しいことだ。「現在、政治家の関心は、消費税率引き上げ法案に絡んだ政局に向かっており、金融政策は政治家の念頭にはないとみられる」という。
東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「これまで行ってきた緩和策が国債バブルを発生させていること、5年程度までの金利曲線が極端に平坦化して銀行など金融機関の収益が悪化し、彼らが中小企業への貸し出しを行う体力が低下することを日銀は懸念している」と指摘。今会合は現状維持を選択するとみる。
緩和ならサプライズ効果
一方、上野氏は直前の市場動向次第としながらも、追加緩和の可能性の方が大きいとみる。「日銀としては、今回の会合でも追加緩和を見送り、基金による長期国債買い入れ5兆円というカードを温存できれば、それに越したことはない」と指摘。「あるいは、事前に市場で現状維持が織り込まれた状態が出来上がっている中で、実際には追加緩和に動くと、サプライズとしての効果を得ることができる。どちらにしても、日銀にとってみれば損のない話である」という。
東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストも追加緩和を予想。「長期国債の買い入れ増額を中心に、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ増、固定金利オペの『3カ月物増・6カ月物減』がありそうだ」と予想する。
バークレイズ証券の森田長太郎チーフストラテジストは追加緩和の可能性は五分五分とみる。「国内景気についての強めの評価、政治圧力がそれほど高まっていない、という点においては見送りの見通しになるが、海外中央銀行が中国も含めて一斉に緩和方向にある中で、日銀のみが見送ることへのボードメンバー内での抵抗感もあるのではないか」という。
日銀の緩和は「FOMC次第」
欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)、中国人民銀行が5日、相次いで金融緩和に踏み切ったことに加え、6日発表された6月の米雇用統計が市場予想を下回ったこともあり、7月31日から2日間の予定で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3(量的緩和第3弾)が実施されるとの見方もくすぶっている。
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは今会合では現状維持を予想。日銀の「追加緩和はFOMC次第」であり、次回FOMCで追加措置があれば、8月会合で追加措置が取られ、資産買い入れ等基金の5兆円増額、期限の半年延長が有力とみている。
============================================================= ◎利上げ予想時期は次の通り(敬称略)【2014年7−9月以降】SMBC日興証券の岩下真理債券ストラテジスト、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト、BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト、野村証券松沢中チーフストラテジスト(0.0−0.1%から0.1%へ)【2015年以降】三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジスト、東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト、JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミスト、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト、東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジスト、クレディスイス証券の白川浩道チーフエコノミスト、信州大学の真壁昭夫教授、シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト、バークレイズ証券の森田長太郎チーフストラテジスト=============================================================無担保コール翌日物金利の予想は以下の通り(敬称略50音順)

   12 12 13 13 13 13 14 14
           9末 12末 3末 6末 9末 12末 3末 6末
-------------------------------------------------------------
調査機関 13 13 13 13 13 13 13 13
中央値 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
最高 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
最低 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05
-------------------------------------------------------------
三菱UFJ・MS 石井   0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
SMBC日興証 岩下  0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
みずほ証 上野 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
東短リサーチ 加藤 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
JPモルガン証 菅野 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
第一生命経研 熊野 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
BNPパリバ証 河野 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
東海東京証券 佐野   0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05
クレディS証 白川 0.10 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05
信州大 真壁 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
野村証 松沢 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
シティG証 村嶋 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
バークレイズ証 森田  0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10
(注)無担保コール翌日物金利の予想の0.10%は政策金利「0.0−0.1%」の現状維持。アンケート回答期限は9日午前8時。「『日銀サーベイ』金利予想、経済・物価情勢、金融政策の展望コメント」を10日朝送信しました。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/10 06:00 JST


04. 2012年7月11日 15:14:39 : 3CNLte9sGM
日銀会合待ちで小動き、現状維持でも緩和観測は消えない見通し
2012年 07月 11日 14:24 
焦点:マイクロソフトなど米大手ハイテク企業、業績悪化は不可避
オバマ陣営、激戦州で共和党候補ロムニー氏への攻勢強める
三菱自がオランダ工場を現地バスメーカーへ譲渡、売却額1ユーロ
米大統領選、オバマ氏がリード拡大=ロイター調査

[東京 11日 ロイター] 日銀決定会合の結果待ちで東京市場は小動き。市場予想は政策据え置きだが、日銀の追加緩和観測はくすぶり続けるとの見方が多い。世界的な景気減速懸念や長引く欧州債務問題など明るい展望が描きにくい中、欧米中銀は緩和姿勢を強めざるを得ず、円高圧力がかかりやすいとみられているためだ。

日本株も円高懸念が晴れなければ、回復力が鈍くなるという。

<中期的な円高圧力継続との見方>

あすの日銀決定会合がまったくの現状維持という「ゼロ回答」だった場合、円高に振れる可能性がある。市場の一部に緩和期待があるほか、欧州や中国など各国で金融緩和が実施されるなか、日銀は緩和に消極的というイメージが強まりやすいためだ。「現状維持であれば、ドル/円は動かないというのがセオリーだが、最近は予想通り現状維持となっても、とりあえず緩和しないのであれば円高という反応が目立つ。一瞬そうした動きを覚悟した方がいいかもしれない」(みずほコーポレート銀行・国際為替部マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)との見方が示されている。

IMM通貨先物の取組(7月3日までの週)で円の買い越しは4175枚と投機筋の円ポジションはほぼニュートラルであり、唐鎌氏を含め、あすの決定会合を受けた円高の動きは一瞬で終わるとの見方が多いが、中期的には円高圧力がかかり続ける可能性がある。世界的な景気減速感が徐々に強まってきており、各国中銀も金融緩和姿勢を強めている中で、日銀が「現状維持」では、市場からの円高圧力が強くなりがちであるためだ。欧州債務問題など先行き不透明感が強い中では、リスクオフの円買いニーズも根強い。

市場予想を下回る米経済指標が増えており、市場の量的緩和第3弾(QE3)期待が徐々に強まっているほか、対ユーロでの円高圧力も強まる可能性がある。欧州中央銀行(ECB)は5日、政策金利を0.75%に引き下げると同時に中銀預金金利をゼロにした。中銀に滞留している資金が市場に流れ出すかはまだ不透明だが、ユーロを調達通貨とした「ユーロキャリートレード」の思惑を呼びやすい。

T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏は「6月ISM製造業景気指数が50割り込んだため、7─9月期の企業業績は減益になる可能性が高まってきた。米国もいずれ追加緩和に動かざるを得ない。米景気減速と円高は日本の景気に大きな影響を与える。ユーロキャリートレードの思惑も円高を呼びやすい、日本の政治が落ち着けば、再び緩和圧力は強くなるだろう」と予想する。

<円高懸念が日本株の重し>

円高懸念がくすぶり続ければ日本株の上値も重くなりやすい。前場の日経平均.N225は5日続落。6月27日以来2週間ぶりに8800円を下回る場面があった。市場では「ユーロだけでなく、ドルに対しても為替が円高に推移してきている。米企業収益にも悪い数字が目立つなど、米経済に対する懸念が高まっており、リスクを取るマーケットではなくなってきている」(かざか証券市場調査部長の田部井美彦氏)との声が出ている。

午前の国債先物は横ばい。中心限月9月限は前日比変わらずの144円08銭で午前の取引を終えた。前日の米国市場は株安/債券高だったが、高値警戒感が浮上し、上値追いに慎重なムードが広がった。

みずほ証券・シニア債券ストラテジストの早乙女輝美氏は「金融政策を見ていく上で重要なことは、現在の世界的規模での金融緩和方向のベクトルが、どの程度の長さを持っているかということだ」と指摘。「(金融緩和)長期化が明確に見込めるのであれば、高値圏の10年債も、消極的ながら選択肢として機能しやすい。同時に20年債利回りをはじめとした超長期ゾーンのキャリー収益の魅力をさらに高めることにもなる」との見方を示している。

<遅い欧州問題対応>

欧州債務問題への対応は依然としてスピード感に欠けている。ドイツの憲法裁判所は10日、欧州安定メカニズム(ESM)と新財政協定に反対するグループが違憲だとして提訴している問題で、審理に応じることを決めた。しかし、判断を下す日程については明らかにせず、ユーロは前日の海外市場で、対ドル、円で大幅に下落した。

市場では「判決には2─3カ月要するとの見方もある。各国の利害が絡み、政治的に決定することが難しい中では、やはりECBに頼らざるを得なくなるだろう」(マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏)との見方が出ている。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 山川薫)

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05. 2012年7月11日 15:58:48 : rWmc8odQao
波頭亮氏
「日本円と並んで強かったスイスフランが豪ドルを下回った。これで日本円だけが世界最強通貨。」
https://twitter.com/ryohatoh/status/222941896295727104

うれしくない…
日本製製品は世界最強と言われたいけど、もう夢のまた夢なのかも。


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