http://www.eagle-hit.com/

昨夜、バーナンキＦＲＢ議長が公聴会証言で、ＬＩＢＯＲの算出プロセスに構造的欠陥があると指摘し、一段と改革されることを主張した。
そして、次の２つの対処法を提示した。

１) 銀行やトレーダーの影響を少なくする一方で報告面での監視を強め、金利設定過程を見直す方法。
２)可視的な市場金利に置き換える。ＬＩＢＯＲに代わる候補はいくつかある

その候補と目されているのが、オーストラリアの「バンクビル・スワップ」（ＢＢＳＷ）である。

(参照 記事）
★豪の市場金利設定メカニズム、ＬＩＢＯＲに代わるモデルとなるか
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE86H03Y20120718
*********************************

どの代替えモデルも完璧ではなく、一長一短があるようだが、
このＢＢＳＷのメカニズムがオーストラリアであることに、一つの意味がある。
つまり、世界の金融システムを牛耳る英国は、その植民国であるオーストラリアへ目を向けていることが示している。

そして、標準金利が記事中に＜銀行に対して、提示金利で実際に一定額の貸し出しや借り入れを義務付けること＞とあるように、銀行を統括する監督国際機関が提示する金利を義務づけるという統制管理型の金融システムの一端が示唆されている。
それは、バーナンキ議長が構造的欠陥を指摘し、＜銀行やトレーダーの影響を少なくする一方で報告面での監視を強め、金利設定過程を見直す方法＞という対処法と合致する。

オブライアン氏が言うように、今回の問題がＬＩＢＯＲの評価や不正操作問題にとどまらず、資本主義の根本的なシステム変換を促すことを意味しているのだということを認識しておいた方がよいだろう...。

　

コメント

01. 2012年9月19日 19:32:17 : QUiMmsULng LIBORの金利操作が重大な問題をはらむことは、金利デリバティブを含む膨大なグローバル金融取引（360兆程度ともいわれる）に携わるグローバルメガ銀行が報告操作人だったことことがあげられるが、LIBORの金利動向と密接に関連しかつこれに匹敵するかそれ以上の影響力を持つ米＄金利のベースであるFed実効レートや財務省短期証券１ヶ月ものレート動向が、問題とされないのは、片手落ちではないだろうか。米学会権威の研究結果（詳細なグラフで比較している）が示すところでは、LIBORの操作もさることながら、真の激動・修羅舞台は、つねにFed実行レートや米財務証券市場であることがわかる。ここが、異なる法域を使ったSIVやトライパーティレポなど、無法シャドウバンキング・流動性創出機構の居城で、放任と規制が角逐している。また、LIBORの変調を最初に指摘したウォールストリート・ジャーナル紙がその変調指摘の基礎にあげたのが、いくつかのグローバルメガバンクが優勢なクレディット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）の示唆するプレミアム・レベルの動向であったというも、現代グローバル金融市場なるものの狂気のような転倒性を象徴的に示すものだ。 グローバルな金融システムの根本的転換と関連して、現在、制度設計面で、本来この掌に当たっているＢＩＳと其のＧ２０・窓口機構ＦＳＢ（Financial Stability Board）で推し進められてきている「転倒性」への注意を喚起したい。すなわち、1990年代からＢＩＳのＣＰＳＳ（決済委員会）を推進機関として、上記のようなメガ金融機関を「too big to fail」(「大きすぎて、つぶせない」)、SIFIs（Sisyemiticaly Important Financial Institutions）と位置づけ、民間銀行主導によるグローバル多通貨同時決済機構「CLS(Continuous Linked Settlement) Bank」を創設、2010年12月から稼働させている。その核心は、この危険一杯の（Dangurouse）SDFIsの方は自由放任に任せながら、その「付け」のスムーズな清算決済のすべてを「参加通貨国中央銀行決済機構のラストリゾートしかもその日中流動性供給能力」に回しているところにある。もちろん、債権などの担保資産の提供は求められるから、これが「トライパーティレポ」創出などの仕組みと絡んでいる側面も見逃せない。

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