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10年後明らかになった日銀の二枚舌−国債購入の真の理由は政治判断   日本の鯨が市場に突き付けるリスク
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/212.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 31 日 12:32:47: cT5Wxjlo3Xe3.
 

10年後明らかになった日銀の二枚舌−国債購入の真の理由は政治判断

  7月31日(ブルームバーグ):日本銀行は31日午前、2002年1−6月に開いた金融政策決定会合の内容を一言一句記録した議事録を公開した。同年2月の会合で決まった長期国債の買い入れの狙いについて、表向きは当時進めていた量的緩和政策の下での流動性供給手段という説明がなされてきたが、実際は政治圧力とメディアの報道によって外堀を埋められ、やむなく下した政治的判断だったことが明らかになった。
日銀は01年3月、日銀当座預金残高を操作目標とする量的緩和政策を実施。同年12月19日会合で同目標を10兆−15兆円に拡大した。当時は銀行の不良債権問題で金融システム不安が高まっており、株価がバブル後最安値を更新するなど、金融市場で緊張が高まっていた。
そうした中、小泉純一郎首相は年明け後の2月13日、総合的なデフレ対策を月内にまとめるよう指示。日銀に対して「デフレ克服に向けて思い切った金融政策をお願いしたい」と発言。塩川正十郎財務相も同月19日、「もう少し国債の買い入れを増やしてほしい」と述べるなど、政府首脳が表立って金融緩和を要求。これを受けて、日銀が同月28日の決定会合で長期国債買い入れを増額するとの報道が相次いだ。
同会合では情勢判断については、植田和男審議委員が「金融経済情勢にそれほど大きな変化はない」としながらも、「世界的にはやや明るい兆しが幾つか、あるいはそこそこ出てきている」と発言。田谷禎三審議委員も「生産は底打ち時期を探る展開になっている」と述べるなど、一部で明るさが見え始めているとの認識が示された。
大半の委員が「必要でない」
そうした情勢判断の下、政策判断については、当座預金残高目標を据え置きつつ、一時的に資金需要が高まる年度末をにらんで「一層潤沢な資金供給を行う」ことで一致。議論が集中したのは、現在と同様、資金供給オペで応札額が提示額に達しない札割れが頻発する中で、月8000億円の長期国債の買い入れを増額すべきか否か、仮に増額するとすれば、どのような理屈付けを行うか、という点だった。
量的緩和政策の下での長期国債の買い入れの位置付けは、01年3月19日の公表文によると、「当座預金を円滑に供給する上で必要と判断される場合」に限られる。その必要性について、藤原作弥副総裁が「札割れが発生していると言っても、かなり高い当座預金残高が維持できている点に着目すると、長期オペの増額は必ずしも必要でない」と述べるなど、ほとんどの委員が懐疑的な見方を示した。
しかし、その藤原副総裁が「政府のデフレ策との関係も意識」して、「私自身はここで潤沢な資金供給ということをアピールするためには増額しても良いかなと思っている」と発言。田谷委員も「政府がデフレ対策を策定し、金融政策面での協調を要請されているこのタイミングで実施することが良いのではないか」と述べるなど、政治圧力の中で、多くの委員が買い入れ増額はやむなし、という方向に傾いた。
「非常に不愉快」
問題はその理屈付けだった。中原真審議委員は「もしあえてここで長期国債の買い切りを増やすとすれば、その買い切りの目的を、需給あるいは金利に直接影響するという考え方に変える必要がある」と指摘。山口泰副総裁は「あえて言えば、政府と中央銀行との協力関係を示すような意味でのシンボルになってしまっているというようなことも事実としてあろうかと思う」と述べた。
須田美矢子審議委員は「私は理屈ではやる必要はないと思っているが、政治判断として政府の申し出のとおり長期国債買い切りオペを2000億円増額することを甘受できないわけではない」とした上で、政府首脳の発言は「ルール違反」であり、「非常に不愉快」と述べた。
植田委員は長期国債の買い入れ増額を行うための理屈として、@資金供給を円滑にするためA長期金利の低下を狙うB政府その他の政策との協調のシンボルとしての役割−を指摘。「もしやるとすれば、私はここは第1番目の理屈で、少なくとも公式には押していくしかないのではないかと思う。そうでないと大混乱になる」と述べた。
真意は10年後の議事録まで
長期金利の押し下げを目的とする買い入れは、日銀が現在行っている資産買い入れ等基金の下での長期国債買い入れと同じ考え方だ。山口副総裁は「昨年3月来のフレームの中で過去2回オペの額を増額してきたが、振り返ってみると、8月それから12月と2回増額した後、10年債の流通利回りはいずれも上昇した」と指摘。「長期金利引き下げの道具として使うことはやはりできないだろう」と述べた。
山口副総裁はその上で「仮にこういうことを決めるのであれば、理屈付けの点では植田委員が言われたように、期末に向けての流動性供給を強化するための施策の一環として、という説明しかないと思う」と言明。その上で、こうした自らの発言について「議事要旨で残したい部分と議事録まで取っておきたい部分と両方ある」と語った。
中原真委員は「量的な調節のサポートという位置付けを変えるわけにはいかないということだが、恐らく誰の心にもあるのは、現在のわが国の厳しい状況の下で、政府・日銀一体となって、という政治的な判断に基づく結果であっても、それほど大きな効果も量的な意味ではないだろうし、害もなかろうという程度だろう」と述べた。
日本の社会全体の未成熟
報道に対しても不満の声が集中した。藤原副総裁は「マスコミに誇大に翻弄(ほんろう)されている感がある」と指摘。「こうなると、日銀がオペを増額してもしなくても市場に悪影響を与えるリスクが高まってしまう」とした上で、報道の在り方に対して「日本の社会全体の未成熟な度合いというものも感じてしまう」と述べた。
須田委員は「マスコミは『政府関係者が非常にストレートな形で日本銀行に対して、長期国債オペ増額を要請した』と盛んに報道している」とした上で、「こうした中で仮に国債買い入れ増額に踏み切ると、それは政治判断の結果とみられるのが自然である」と発言。中原真委員は「メディアに踊らされた日銀あるいは金融政策決定会合というそしりも受けることを覚悟しなければならないだろう」と述べた。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/31 08:50 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7YC5D6K50Y301.html


 


 


日本の鯨が市場に突き付けるリスク

W・ペセック

  7月31日(ブルームバーグ):日本が安全な逃避先というのは、ずいぶん奇妙な話だ。先進国の中で最大規模の公的債務を積み上げ、高齢化と人口減少が進んでいる。デフレに見舞われている上に資源はほとんどない。さらに常時巨大地震のリスクにさらされている国だ。
しかし、2008年の金融危機以来、投資家が日本への資金逃避に飽きる様子はない。欧州がリセッション(景気後退)に陥り米経済もふらつく中で、円資産への需要は爆発的に増えた。円相場の上昇に歯止めをかけたい安住淳財務相と白川方明日本銀行総裁にとっては頭痛の種だ。円はリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たん後に33%上昇している。
しかしどんなにやきもきしても、日本当局にできることはほとんどない。ドルとユーロの魅力は一段と低下しており、円は大人気だ。円上昇は日本政府や日銀がコントロールできるものではない。しかし、世界最大の年金基金のおかげで、円高傾向が反転する可能性がある。この反転は日本にとって必ずしも好ましい形のものではないかもしれない。
日本の高齢化は、同国の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に国内債券の保有減を迫っている。これは債券市場にとって重大ニュースだ。113兆円を超えるGPIFの運用資産は中国の米国債保有高を上回り、ほとんどの政府系ファンド(SWF)の運用資産よりも多い。この債券市場の鯨に比べれば、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO )のビル・グロース氏が運用するトータル・リターン・ファンド(運用資産2630億ドル=約20兆5500億円))も小さな魚に見えてくる。
円安要因
GPIFの動きは3つの点で円安の先触れかもしれない。第1に、日本の高齢化進展に伴い大規模な年金基金は海外の高利回り資産投資を増やさざるを得なくなる。第2に、大規模な円債売りを吸収するために日銀は金融システムに追加流動性を供給することを迫られる。これは事実上、新たな量的緩和になる。第3に、日本国債の入札で、巨額の資金を持つ投資家の応札額が減ることになる。これら全ては日本の内外で大量の債券を保有する他の投資家に、円債売りを検討させる公算が大きい。今売った方が、1年後よりも大きな利益を確定できるかもしれないからだ。
日本国債の弱気派が長年警告してきた運命の日がいよいよ訪れるのだろうか。世界最大の債券バブルと呼んでほぼ間違いないものが、はじけようとしているのだろうか。これは検討するに値する問題だ。日本国民の巨額の貯蓄には行き場が必要だし、たとえ金利が極めて低くても、国債にはそれなりに多くの買い手がいるだろう。しかし、現在0.77%と9年ぶり低水準にある日本の10年国債利回りも、いつかは上昇すると思われる。
その場合まず起こるのは、外国為替市場の高ボラティリティ(変動性)の再燃だ。安定した合理的な金融の世界ならば、日本国債利回り上昇は円の魅力を高める。投資家が高リターンを追求するからだ。しかし一方で、日本の債券市場に対する懸念が円の逃避先としての地位を損なうかもしれない。そうすればヘッジファンドやポートフォリオマネジャー、銀行、個人投資家は別の逃避先を探すことを迫られる。
円の暴落
問題はそれがどこかということだ。恐らくドルでもユーロでもないだろう。オーストラリア・ドルやカナダ・ドルなどの資源国通貨も1つの選択肢だ。ただ、これら資源輸出国の中国への依存と同国経済の減速が懸念材料だ。金はどうか。1オンス=1600ドルという水準ではこれも危険かもしれない。
リスクは突然の円下落が制御不可能な暴落につながることだ。確かに、幾分の円安なら日本は歓迎するだろう。日本企業の経営者らは円高是正の措置を求めている。トヨタ自動車やシャープの業績動向を見れば、産業空洞化の姿が明確に見えてくる。
現実には、産業空洞化は日本経済のバブルがはじけた後、1990年代半ば以降ずっと続いている現象だ。高い賃金と過剰生産能力、水膨れした企業組織が痛みを伴うダウンサイジングにつながっていった。工場は閉鎖されて雇用は海外に流出、戦後の日本の復興を支えた終身雇用制度が崩れ、デフレが深まった。大規模製造業など斜陽産業に依存する大阪や静岡などの都市は勢いを失った。ホームレスが増え、金利はゼロになった。
10年後
次の段階はほぼ10年後に訪れた。日本の銀行経営陣はやっと、10年以上も金融システムの機能を妨げてきた不良債権の処理に腰を上げた。エコノミストは当時の小泉純一郎首相と金融問題で首相の師匠だった竹中平蔵氏が処理を進展させたと称えたが、本当の理由は中国経済の台頭だったかもしれない。
第3段階は2008年以降の円の急騰期だ。これは欧州のメルトダウンに伴って加速し、日本経済の活力の源である輸出産業が揺らいだ。韓国や中国からの競争を受けて、輸出業者は利益が減少すると同時に市場シェアが縮小。さらに、11年3月の巨大地震後の混乱が製造業の拠点かつ世界のサプライチェーンの信頼できる要としての日本の地位を一段と低下させた。円高に対する思い切った措置を求める声は日に日に高まっている。
同時に、日本の成長とソブリン格付けをリスクにさらしていると皆が考えている円高をなぜ日本が容認しているかについて諸説が登場した。中でも最も興味深いのは世代間の問題だという説だ。円高は有権者として最大グループを構成する高齢者に主に利益をもたらす。円高はデフレを助長し、退職者の貯蓄を長持ちさせる。政治家は円安によって重要な選挙民の支持を失うのが嫌なのかもしれない。
M&A
もう1つは、政府が日本企業によるM&A(合併・買収)を促すことで非効率の解消と競争力強化、新市場獲得を狙っているという説だ。111年の歴史を持つ広告会社、電通が英同業のイージス ・グループの買収を決めた件はこの説を裏付けるものだ。
しかし真実はと言えば、日本当局は円高に歯止めをかける方法がないのだ。為替市場への介入は成功しないし、世界の市場を円であふれさせることも効果がないだろう。未知数のカードは、大規模投資家による円債売りが日本国債の利回りと世界市場にどう影響するかだ。これによって世界に残された数少ない逃避先が消滅するかもしれない。既に不安定な市場にさらなる混沌をもたらす可能性もある。(ウィリアム・ペセック)
(ペセック 氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)
原題Japan’s $1.45 Trillion Whale May Crush Yen Bulls: WilliamPesek(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東証 Willie Pesek wpesek@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Greiff jgreiff@bloomberg.net
更新日時: 2012/07/31 10:17 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7ZBI46S972N01.html  

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コメント
 
01. 2012年7月31日 13:58:17 : Pj82T22SRI

>国債購入の真の理由は政治判断

みんな知ってた


>突然の円下落が制御不可能な暴落に

フジマキファンなど、これに賭けている人は世界中に多いが

円高に耐えて待ち続けるのも、なかなかご苦労なことだ


02. モンテカルロ・モナコ 2012年7月31日 21:17:57 : jxuoe3ac9bV5I : UZZkrvTd1c
これ投稿した人? 誰???
 
価格はどうして決まるか知ってる?

端的には需要と供給の攻防。  バランスとか!
次にコストかな。量産効果かって・・・・!

あと、貨幣の単位とか発行量かな。

この分野はとにかく要注意なの。
尊敬する岩田紀久男先生とか、植草大先生も弱いのよね。
第一生命の元日銀マン・熊野氏のブログでも読んで戦闘能力を磨きましょう。

ちなみに、オレッて経済学部ではありません。


03. モンテカルロ・モナコ 2012年7月31日 22:15:55 : jxuoe3ac9bV5I : UZZkrvTd1c
御免 言い忘れました。

当時の変態(≒馬鹿)の典型が、バーナンキと『くるくるマン』らしいのですが、
要するに貨幣数量説に近い発想は、少なくとも逆オークション会場で臨場体験すれば、己の馬鹿さに気付いて打ちひしがれたはずのなのです。

まぁ、経済学に理論なし。

情報の非対象性が経済学理論????  うそ!!!


04. 2012年7月31日 22:47:23 : mHY843J0vA

>円高は有権者として最大グループを構成する高齢者に主に利益をもたらす。円高はデフレを助長し、退職者の貯蓄を長持ちさせる。政治家は円安によって重要な選挙民の支持を失うのが嫌

それに加えて日銀メンバーは、経営者ではなく高給とりの公務員ですから、元々のインフレ嫌悪に加え、
デフレを無意識的に志向して引き締め気味になるのは必然的な結果でしょう。


>日本当局は円高に歯止めをかける方法がない

今の量的緩和と、赤字国債による財政支出を続けていれば、確実に円安になりますが
ドルやユーロも同じように下がっているので、
ハイパーインフレというより中期的にはコストプッシュインフレという形で実現していくのでしょう



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