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欧州金融危機で巨額の資金流出入 悪者は野村だけか 主犯は外資で法の外
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/226.html
投稿者 MR 日時 2012 年 8 月 02 日 01:26:42: cT5Wxjlo3Xe3.
 


野口悠紀雄の「経済大転換論」

【第29回】 2012年8月2日
野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

欧州金融危機で巨額の資金流出入

 6月末の欧州連合(EU)首脳会議で、スペインの銀行支援に関する合意がなされたため、金融市場は小康状態を続けてきた。しかし、ここにきて警戒が再び強まっている。

 このため、スペインやギリシャからの資金流出が増え、他方で、安全資産とみなされる主要国の債券への資金流入が増加している。

 スペイン地方政府の財政悪化の懸念から、同国の10年物国債利回りは、ユーロ導入後の最高水準になった。ギリシャ支援の不透明感もあり、リスク回避が強まっている。

 他方で、アメリカ10年物国債利回りは、一時1.39%と過去最低を更新した。ドイツの2年債利回りもマイナス0.06%と12営業日連続でマイナスになった。

 日本への資金流入も続いている。以下では、日本の国際収支における証券投資の動向を見ることによって、この動向をあとづけておこう。

2011年に増加した
短期債の対内投資

 2011年における資本収支のうち、投資収支の内訳は、【図表1】に示すとおりである。


 以下では、このうちの証券投資の動向を見よう。

 証券投資は、対外投資と対内投資、中長期債と短期債の区別がなされる。ここで、「対外投資」とは、居住者による非居住者発行証券への投資であり、「対内投資」とは、非居住者による居住者発行証券への投資である。この統計において、プラスは資本の流入(対外証券投資の減少、または対内証券投資の増加)を示し、マイナスは資本の流出(対外証券投資の増加、または対内証券投資の減少)を示す。短期債は期間1年以下の債券である。

次のページ>> 証券投資の4つのカテゴリー


 したがって、【図表2】のように4つのカテゴリーが区別されているわけであり、2011年における各カテゴリーのネットの資金流入は、【図表2】に示すとおりである。

 この表からわかるように、2011年における特徴は、短期債の対内投資が16.7兆円ときわめて大きな値を示したことである。

 06年以降、短期債の対内投資はネットでプラス(資金流入)だ。しかし、その額は大きいときでも10兆円を超えなかった。11年の値は、10年に比べて10兆円程度の増加だ(【図表3】)。これは、欧州経済危機の影響で欧州から逃避した資金が日本に流入したことを示している。


 中長期債においては、対外投資の取得(流出)超幅が縮小した。これは、日本の経常収支黒字が縮小したことの影響と考えられる。

 また、直接投資では、3年ぶりに流出超が増大した。これは、日本企業の生産拠点海外シフトによって対外直接投資が増大したためである。

 これらによって、資本収支全体では、10年のマイナス12.0兆円から、11年の6.3兆円へと、7年振りに流入超に転じた。

次のページ>> イギリスから流入、アジアに流出

対内短期証券投資を地域別に見ると、つぎのとおりだ。

 すでに述べたように、2011年はネットで約16.7兆円という巨額の流入超過になったが、イギリスからは、ネット流入が約65兆円という巨額なものになっている。これは、ヨーロッパの金融危機の影響でヨーロッパからリスク回避のために逃避した資金と考えられる。

 ヨーロッパからの資金は、イタリア、スペイン、ギリシャなどの問題国から直接に流れ込んでいるわけではないことに注意が必要だ。


 イギリスからの資金は、もちろんイギリス国内で発生したものではない。世界からイギリスに集まった資金が、イギリスの金融機関の仲介機能を通じて日本に流入しているのだ。その中には、産油国のソブリン・ウエルス・ファンドの資金なども含まれているだろう。

 前回、「海外からのネット短期資金流入は、日銀の国債購入に比べれば少ない」と述べた。ただし、これは、総額を見た場合のことである。イギリスだけを取り出せば、ネットでの流入額65兆円は、日本国内の新規国債発行額を超えるものであり、著しく巨大だ。

次のページ>> 中長期債でも欧州から資金流入

 ところで、イギリスからは巨額の資金流入がある半面で、他地域はネットではマイナスになっている。アジア、北米ともに、それぞれ約7.5兆円のマイナスである。つまり、イギリスのみが他地域とは違うパタンを示しているわけである。それは、なぜだろうか?

 アジアについては、つぎのようなメカニズムが考えられる。まず、欧州金融危機によって「リスクオフ」の動きが強まり、投資資金がアジア新興国から引き上げられる。つぎに、その影響で、アジア諸国が日本から資金を引き揚げているという可能性だ。

 アメリカの金融緩和QE2は、当初新興国バブルを引き起こすのではないかと言われていた。しかし、実際にはそうならなかった。新興国バブルが起きなかったのは、このような「リスクオフ」の結果なのかもしれない。

 そうだとすると、欧州ソブリン危機という金融的な現象が、新興国の成長というリアルな経済活動に影響を与えていることになる。

 これまで見てきたのはネットだが、これを貸方と借方に分けてみよう(【図表4】のB、C参照)。

 対内短期投資の貸方(資本流入=非居住者による居住者発行証券の取得)では、総額が165兆円であり、うちイギリスからが93兆円だ。借方(資本流出=非居住者による居住者発行証券の処分)は、総額が148兆円であり、うちアジアが46兆円だ。

 これだけ巨額の資金が出入りしているわけである。欧州金融危機の影響は、このように変動の激しい短期債の流入という形で生じているわけだ。

中長期債でも
欧州から資金流入

 他方で、中長期債の動向は、【図表5】に示すとおりである。


次のページ>> 逆流の可能性はあるか?

 対外中長期債の取得は、2010年には約24兆円あったが、それが11年には6兆円弱に減少した。

 大きな原因は、アメリカへの資金流出が12.7兆円から5.8兆円に減少したことである。これは、欧州金融危機とは直接には関係しない現象だ。これは、日本の経常収支黒字が縮小したことの影響だろう。

 これまで、日本の対外投資は、中長期の債券を中心にしてなされてきた。そのパタンが変化しつつあるのかもしれない。

 なお、中長期債でも欧州から流入している。この場合もイギリスからの流入だ。

逆流の可能性はあるか?

 以上で述べたように、欧州金融危機によって、短期債市場を中心として、日本への巨額の資金流入が生じている。

 しかし、これがそのままの形で将来も続くかどうかはわからない。何らかの理由によって、国際金融市場でマネーフローが変調を起こす可能性がある。

 とくに、日本への流入が短期債の形で生じているために、その危険は現実的なものだ。仮にイギリスから日本への巨額のマネーフローが「逆流」を起こすと、日本国内での国債価格の下落(=長期金利の上昇)が生じる危険がある。

 ただし、問題は、何をきっかけにしてそれが起こるかである。

 それを具体的に予測するのは難しいが、日本国債そのものについての問題ではないだろう。「信用不安が極限に達すると、これまで『安全資産』と思われてきた日本国債に対する信頼が崩壊し、売り浴びせられる」ということがよく言われるのだが、そうした可能性は低いと考えざるをえない。

「欧州金融危機の深刻化が日本国債に問題をもたらす」と言われるが、現実に起きているのは、まさにその逆の現象である。これまで見てきたように、欧州で危機が深刻化するため、日本に資金が流入し、国債の利回りが低下するのだ。

 日本の短期債については、利払いや償還に関するリスクはほとんどないと考えてよい。また、流動性はきわめて高い。だから、金(きん)に対する投資より安全性が高いわけだ。したがって、これは、「円」に対しての投資である。リスクはほとんど為替リスクだけだと考えてよいだろう。

 したがって、これまでの資金流入に変調が生じるとすれば、それは、為替リスクに関連して生じるだろう。


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http://diamond.jp/articles/-/22437


山田厚史 [ジャーナリスト 元朝日新聞編集委員]

悪者は野村だけか
主犯は外資で法の外

 増資情報を漏らし、見返りに売買の注文を取る。いわゆる「インサイダー増資」で野村ホールディングスの渡部賢一グループ最高経営責任者(CEO)が引責辞任した。証券取引等監視委員会は野村の行政処分を金融庁に勧告。申し開きの余地のない悪質な事件だが、トップの首を取り行政罰を課せば一件落着、というほど単純な事件ではないと思う。

今回の事件で明らかになったこと

 背後にはグローバル化した証券市場に跋扈する投機集団が、日本を「エサ場」にしている実態がある。主役は日本の証券会社ではない。カネを動かし情報で儲けるヘッジファンドや投資顧問など外資系のハイエナだ。野村をはじめとする日本勢は、ハイエナの協力者として片棒を担がされたに過ぎない。本当の悪者は法の目をかいくぐって平然としているのではないか。

 市場の秩序を守るのは東京証券取引所や金融庁の責任だが、当局は日本の証券市場を健全に保つ対策が打てない。窮余の一策が「野村トップの首を取ること」だった。当局の手が及ぶのは、日本の業界でしかないということなら日本市場は外資の草刈り場になるだろう。

 今回の事件で明らかになったのは次の3点だ。

1.上場企業の特権的な資金調達手段である時価発行増資が歪められ、ヘッジファンドなど外資系ハイエナのエサ場になっている。

2.増資を担当する幹事証券が協力者となり秘密情報をハイエナに提供し、空売りを仕掛ける手伝いまでした。

3.野村が手を染めた「背信ビジネス」の遠因はリーマンブラザーズの海外部門を買ったことにある。米国当局の意向にそって破綻企業を抱きかかえたことが重荷になり、ハイエナの術中にはまった。

4.当局は「増資荒し」を苦々しく思っていたが、外資を処罰する法的裏付けがない。やむなく野村を追い込んで経営者に「詰め腹を切らす」という行政指導でお茶を濁した。

次のページ>> 注文をくれるネコはいいネコ

事件の概要を振り返ってみよう。

 野村がインサイダー情報を漏らしたのは、東京電力、みずほフィナンシャルグループ、国際石油開発帝石などの増資だ。このほか大和証券とJPモルガン証券は日本板硝子、SMBC日興は三井住友FG、相鉄ホールディングスの増資に絡み情報漏洩があったとされている。

 増資は株数が増えるので、発表された直後は株価が下がる。情報を先に掴めば、その前に空売りをかけて株価を押し下げ、発表後さらに下がったところで買いもどせば、差益をがっぽり稼げる。増資情報を一般の投資家より先に知れば濡れ手に粟の大儲けが可能だ。

 株価に影響を与える増資情報は本来、極秘扱いだ。証券会社は増資を担当する「引き受け」部門と株の売買注文を受ける「営業」の間に、情報の「壁」を設けることになっている。野村では日常的に両者は接触し、引き受けのマル秘情報が、営業の道具になっていた。

 ハイエナは杜撰な管理体制につけ込んだ。米国証券市場はリーマンショックでヘッジファンドへの風当たりは強まり、監視はきつくなった。カネが流れ込む東京市場に活路を求めた。ヘッジファンドが東証を舞台に荒稼ぎしていることは昨年から話題になっていた。ヘッジファンドはカネになる情報を証券会社に求め、その貢献に応じて株を発注する。

「黒いネコでも白いネコでも注文をくれるネコはいいネコ」(証券マン)という感覚でインサイダー情報という「おまけ付き」営業が盛んになった。情報を流すだけではない。ヘッジファンドが空売りする株まで提供した。「公募価格を高くしたい」という増資企業の願いを踏みにじる行為である。顧客への背信行為を業界トップの野村が先頭に立ってやっていたのだ。

次のページ>> 業者に甘い日本の課徴金制度

甘い日本の課徴金制度

 ハイエナの群れでひときわ活発だったのが投資助言会社「ジャパン・アドバイサリー合同会社」。投資への助言・代理業を行うだけで、株の売買など運用はシンガポールの会社がやる。いずれもヘッジファンドを運営する米国の大手資産管理会社「ホイットニー」の実質的な関連会社である。ジャパン社は東京の窓口、注文を出すのはシンガポールの会社、統括は米国の本部という分業体制で「インサイダー取引」の規制を回避する。

 証券取引等監視委員会は、ジャパン社をシンガポールの運用会社と一体と見なし、金融証券取引法違反の疑いで課徴金を取ることを金融庁に勧告している。ただし、その課徴金はわずか37万円でしかない。日本板硝子の増資だけでもジャパン社は265万株・5億4000万円相当の空売りを仕掛け、後日買い戻して1600万円の利益を上げている。ペナルティーが36万円なら「やり得」である。業者に甘い日本の課徴金制度が外資につけ込まれた。

 野村をはじめとする日本勢の社風や社内体制に問題があるのは確かだが、市場の健全性を守るのは金融庁と東京証券取引所の仕事だ。東証の社長は野村証券出身の斉藤淳氏でいわば「証券ムラ」の仕切り役である。金融庁は1990年代の大蔵省スキャンダルで、同省から分離独立しれた組織だが証券業務に精通する人材がいない。証券業界と通じていた官僚は「癒着」が問題になり排除され、「権限だけある素人集団」と揶揄されている。

 世界各地に根を張って、法の抜け道や制度の不備を突いてビジネスを展開するヘッジファンドからみれば、日本は「仕事しやすいマーケット」である。インサイダー増資でハイエナはボロ儲けし、損を被ったのは一般の投資家。「日本から数百億円の利益流出」などといわれているが、取引所も規制当局も、はしたガネの課徴金しか取れない。

切腹を命ずる相手は身内だけ

 リーマンショック後、世界の金融当局はヘッジファンドに象徴される「背徳的ビジネス」を封じる規制を模索してきた。一方、日本が本気でハイエナ退治に乗りだした気配はない。活動拠点がNYやロンドンだったこともあろうが、日本に危機感が乏しかったのは確かだ。

次のページ>> 切腹を命ずる相手は身内だけ

気がつくと無傷だった東京にハイエナがなだれ込み、貴重な金融資産を食いまくっていた。ハイエナは素早くて捕まらない。そうなれば、分かりやすく当局の存在感を示すのが、野村のCEOに「切腹」を命ずることだった。

 渡部氏は抵抗したが、杜撰な管理が次々とリークされ逃げ道を断たれた。引責辞任は当然ではあるが、腹を膨らませたハイエナは悠々と次の機会を狙っている。

 繰り返しになるが、野村が営業部隊に無理なノルマをかけたきっかけは、破綻したリーマンブラザーズの欧州アジア部門を買ったことである。これが大赤字で野村はムーディーズによる格付けを「投資適格の最下位」まで下げられた。これ以下になると「投機的」となり、海外で資金調達できなくなる。つまり外国でビジネスができない。

 モルガンスタンレーに出資した銀行最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループも、赤字要因に悲鳴を上げている。危ない会社を買ったのは野村や三菱の自己責任だが、当時、米国の当局は傷が浅かった日本に協力を求めていた。銀行と証券のトップ企業がひと肌脱ぐのは国際協調とされたのである。助けたつもりが、実は負担を押しつけられていた。

 その結果、野村は格付けを下げられ、窮地に追い込まれて、ハイエナに主導権を奪われた。

 日本の政府はアメリカの言うことはよく聞くが、自分の縄張りさえ守れない。切腹を命ずる相手は、支配が及ぶ身内のトップ。こんなことで個人金融資産1500兆円という日本人の財産が守れるのだろうか。


質問1 日本の金融当局は外資系金融機関、投資ファンドに甘いと思いますか?
そう思う
思わない
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