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he Economist
ユーロ危機に新たな火種：地方政府の財政難
2012.08.03（金）
（英エコノミスト誌 2012年7月28日号）
窮地に立たされているスペインとイタリアの政府は、重債務を抱えた地方政府と格闘している。
スペインでは、政府の緊縮策に反対する炭鉱労働者や公務員のデモが相次いでいる〔AFPBB News〕
融資計画はスペインの苦悩を解消するはずだった。だが、7月20日にユーロ圏がスペインの問題銀行に対する最大1000億ユーロの救済措置で合意すると、同国の借り入れコストは目が眩むほど高騰した。
その5日後には、10年物国債の利回りが持続不能な7.75％まで上昇する一方、スペインの株式市場は2003年3月の水準まで急落した。
ユーロ圏第4位の経済大国の救済を論じる声は日増しに強まっていった。救済となれば、2014年末までに3850億ユーロという恐ろしいほどの金額が必要になる。
一体どこで狂いが生じたのだろうか？
州政府の赤字に足をすくわれたスペイン政府
銀行救済策が合意された日、バレンシア州は半ば独立したスペインの17自治州の先陣を切って、政府による救済が必要だということを認めた。バレンシア州は長年、マリアノ・ラホイ首相率いる中道右派の国民党（PP）が支配してきたが、閣僚たちは不意を突かれた。市場がまだ開いていたため、スペインの財政を巡る疑念の炎に油が注がれることになった。
バレンシア州の衰退の根っこにあるのは、景気後退、不動産価格の下落、銀行破綻、そして（身内主義や汚職で悪化した）公的機関の浪費の組み合わせだ。だが、これは決してバレンシア州に限ったことではない。
バレンシアに隣接するムルシア州もすぐ後に続いた。同州も政府が設立した総額180億ユーロの特別流動性基金に支援を申請する。それ以上に心配なのは、ムルシア州首相のラモン・ルイス・バルカルセル氏が、同州は今年もまた、赤字削減目標を達成できない可能性が高いと認めたことだ。
スペイン東部の裕福な地域で、同国の国内総生産（GDP）の2割を稼ぎ出すカタルーニャ州も、流動性基金が必要になると示唆した。市場において持続可能な金利水準で債務の借り換えを行ったり、赤字財政支出を賄ったりすることができなくなったカタルーニャ州は、折しも、中央政府自体が持続可能な金利で資金を調達するのに苦労している時に支援を求めている。
合計でスペインの公的支出の約40％を担う州政府の3分の1以上が、最終的に支援を要請する可能性がある。
州政府の赤字を抑制することは、スペイン最大の頭痛の種の1つだ。州政府が予算を管理できなかったために、昨年6％の赤字削減目標を達成しようとしたスペインの試みが頓挫し、赤字が結局8.9％に膨らんだ。
合計の赤字額をGDP比1.3％に抑えるよう指示された各州政府は、赤字を減らすどころか、3.4％まで膨らませた。
特に著しい命令違反を犯したのがバレンシア州だ。同州の財政赤字は州のGDPの3.87％から4.5％に拡大した。債務残高は州のGDPの20％に相当すると試算されている（図参照）。
一部の州は思い切った対策を講じている。バレンシア州は、肥大化した州立放送局の職員の4分の3（およそ1300人）を解雇する計画を発表した。カタルーニャ州は5度目の調整計画を実施している。
だが、シンクタンクFEDEAのホアン・ルビオ・ラミレス氏は、それでも今年の超過は合計で2％の赤字を生むと予測している。
州政府は当然、襟を正さなければならない。すべての州政府は中央政府の認可を受けるために緊縮予算を提示しなければならなかった。最大で8つの州が既に、計画を遵守していないとの警告を受けたと見られている。計画を大幅に逸脱した州政府は「メン・イン・ブラック」と呼ばれる人々――州財政を直接管理する予算省の担当者――に侵略されることになる。
税収の落ち込みと国債利回りの上昇という二重苦
スペインの当面の見通しは極めて暗澹としている。政府は今、景気後退が2013年まで続き、来年には経済が0.5％収縮すると予測している。労働人口の25％を占める失業者も減りそうにない。スペイン各地で抗議行動を引き起こした650億ユーロ規模の追加緊縮策も、スペインが財政を掌握しつつあるということを市場に納得させられなかった。
税収の落ち込みと国債利回りの上昇は、有害な組み合わせだ。ラホイ首相率いる改革派の政府は死に物狂いになっており、痛みを伴う緊縮措置を実施し、欧州各地で支援の拡大を要請している。複数の閣僚は欧州中央銀行（ECB）に救済を懇願してきた。
ECBがスペイン国債の購入を拒むと、ホセ・マヌエル・ガルシア・マルガヨ外相はECBを「公的債務の火の手」を食い止めるために何の手立ても講じない「地下銀行」と蔑んだ。
今回の危機でたびたび見られるように、イタリアはスペインと同じ道をたどっているようだ。イタリアも州や地方自治体の行政の問題を抱えている。7月下旬には、2つの大きな危険要素が浮き彫りになった。各地の市長らがローマの議会前でデモを行う一方、中央政府が多額の債務を抱えたシチリア州に抜本的な対策を課したのだ。
1つ目の懸念は、州や地方自治体が法定義務を果たすための資金を求めて、近く中央政府に支援を要請する可能性が出てきたことだ。
イタリアの地方自治体を代表するスポークスマンは、既に10の自治体が破綻の危機に見舞われていると述べた。そして各州の代表者は、資金不足のせいで秋から再開できない学校が出てくるかもしれないと警告した。マリオ・モンティ首相率いる無党派内閣の教育相はこれを否定した。
シチリア州に見るイタリアの問題
それ以上に重大な可能性があるもう1つのリスクは、シチリアの不安定な財政から生じている。7月24日、モンティ氏はシチリア州知事のラファエロ・ロンバルド氏との会合の後、同州の財政抑制に乗り出し、7月末にロンバルド氏が辞職し、中央政府がシチリア政府の会計を立て直し、行政を整理する計画を強制することが確認された。
シチリアは、イタリアで大きな自治権を持つ5つの特別州の1つ（州の数は全体で20）で、現在53億ユーロに上る債務を抱えていると見られている（もっとも、ロンバルド氏は、シチリア島はローマなどにお金を貸していると主張している）。
また、シチリアは行政の無駄遣いで悪名高い。イタリアの会計検査院が6月に出した報告書によれば、シチリア政府はおよそ1万8000人の職員を抱えていた。その数は、人口がシチリアの2倍に上るロンバルディア州の5倍に当たる。また、シチリア州知事に仕えるスタッフ数は、英国首相を上回っていた。
イタリア政府がシチリアにどれだけ資金を投入する必要に迫られるかはまだ分からない。ロンバルド氏は、近いうちに数億ユーロに上る資金を得る見込みだと述べた。だが、シチリア島向けに既にいくらの予算が割り振られているかは明らかになっていない。
救済を待つ「シチリア」は、ほかにも存在するのだろうか？ ローマにあるルイス大学のマッテオ・カロリ氏は、地方政府に財政収支の均衡を義務付けるため、中央政府は極めて厳しい制裁措置を導入したと指摘する。だが、「それは時間を要するプロセスだ」と付け加える。
そして、南欧諸国では7月下旬、時間は憂慮すべきほど足りないように見えた。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35814
ＮＹ外為（午前）：ユーロ下落、ＥＣＢ総裁会見に失望
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８月２日（ブルームバーグ）：２日午前のニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルと円に対して下落した。欧州中央銀行（ＥＣＢ）の政策会合後にドラギ総裁が行った記者会見では、域内債務危機の収束へ向けた十分な措置が新たに発表されなかったと投資家は判断した。
ＥＣＢが政策金利を0.75％で据え置くと決定した後には、ユーロは対ドルで上昇し、一時４週間ぶり高値を付ける場面も見られた。
ロンドン時間午後２時１分現在、ユーロは円に対して前日比0.7％安の１ユーロ＝95円27銭。対ドルでは0.2％安の１ユーロ＝1.21197ドル。一時1.2405ドルと、７月５日以来の高値を付ける場面もあった。ドルは円に対し0.3％安の78円18銭となっている。
原題：Euro Weakens Versus Yen, Dollar as Draghi Disappoints onPolicy（抜粋）
記事に関する記者への問い合わせ先：ﾛﾝﾄﾞﾝ David Goodman dgoodman28@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先：Daniel Tilles dtilles@bloomberg.net
更新日時: 2012/08/02 22:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M84Q9D6VDKIM01.html
NY市場 ユーロが下げ幅拡大 ボリンジャー下限目指す動き
：2012/08/03 （金） 00:37
：2012/08/03 （金） 00:27
ユーロが更に下げ幅を拡大させており、ユーロドルは1.2135近辺まで一時下落している。ドラギECB総裁の会見にやや失望感が出たのか、ユーロは売りが強まっている。10日線も完全に下回る水準まで下落しており、現在、1.2085付近にあるボリンジャーバンド（21日・2標準偏差）下限を目指す動きとなっている。
EUR/USD 1.2138
NY市場 期待通りだったが、絶好の売り場となったか
：2012/08/03 （金） 00:08
：2012/08/02 （木） 23:58
ユーロドルは1.2160と10日線を下回る水準で推移している。市場はドラギECB総裁の会見で国債購入のアナウンスを期待していた。期待通り、総裁は「ECBは一段の非標準的措置を講じる可能性があり、今後数週間で手順策定する」と述べ、国債購入再開の意向を示唆している。ただ、今回の判断は最終決定ではなく、ドイツ連銀が判断を留保したことも明らかにした。
国債購入再開は示唆した格好だが、市場では具体策に乏しいとしてユーロ売りの反応を示した。
もともと、ECBによる国債購入でユーロ危機が解決すると思っている市場関係者も少なく、ドイツ連銀の賛同も無いことから、絶好の売り場となった模様。
スペイン10年債利回りも7％台に上昇。
FRBが18.30億ドルの長期債購入(00:20)
NY市場 他金融市場 0時台 下げ渋っていた米株は再び下げ幅拡大の動き(00:14)
ドラギECB総裁7 独連銀総裁は債券購入に関して態度保留(08月02日 22:10)
NY市場 ユーロドルは反落に転じる 上値から200ポイントの低下(08月02日 22:06)
ドラギECB総裁6 現在のESMの枠組みでは銀行免許を与えるわけにはいかない(08月02日 22:03)
ドラギECB総裁5 ECBが介入するには基金の措置も必要(08月02日 22:02)
欧州株 及び 米株先物 時間外取引 ドラギ総裁発言嫌気して下げる(08月02日 22:00)
ドラギECB総裁4 ECBは利下げを協議した(08月02日 21:58)
NY市場 ユーロドルは1.22台に急速に伸び悩む 具体策はまだなし(08月02日 21:55)
ドラギECB総裁3 経済見通しへのリスクは引き続き下向き(08月02日 21:53)
NY市場 ユーロドルは荒れる 一時1.24台(08月02日 21:50)
ドラギECB総裁2 ECBはさらなる非標準的措置取る可能性(08月02日 21:46)
ドラギECB総裁 ユーロ圏の成長は引き続き弱い(08月02日 21:44)
http://www.gci-klug.jp/
ＥＣＢ理事会後のドラギ総裁の発言要旨
2012年 08月 2日 23:50
［フランクフルト ２日 ロイター］ 欧州中央銀行（ＥＣＢ）は２日、主要政策金利であるリファイナンス金利を０．７５％に据え置いた。 下限金利の中銀預金金利もゼロに、上限金利の限界貸出金利も１．５０％にそれぞれ据え置いた。
理事会後に開かれた記者会見でのドラギＥＣＢ総裁の発言要旨は以下の通り。
＜インフレ率は低下へ＞
１カ月前に述べたように、インフレ率は一段と低下し、２０１３年に再び２％を下回るだろう。この状況と一致し、マネー拡大の基調的ペースは引き続き抑制されている。
ユーロ圏のインフレ期待は引き続きしっかりと抑制されていると同時に、域内の経済成長は依然ぜい弱となっている。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE87100T20120802
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