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日本経済を待ち受ける「モルヒネ切れ」の苦しみ 米国経済低迷中QE3高いコスト 日本エネルギー安全保障 ユーロ景気減速加速
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/714.html
投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 25 日 02:09:03: cT5Wxjlo3Xe3.
 

日本経済を待ち受ける「モルヒネ切れ」の苦しみ
薄型テレビの次はクルマ、「いつか来た道」の恐怖
2012年09月24日(Mon) 相場 英雄
 過日、旧知のエコノミストからメルマガが届いた。欧州中銀の大胆な域内国債買い入れ措置に関し、このエコノミストはこう表した。

 「欧州危機の病巣を摘出することなく、モルヒネを打ってごまかしている」・・・。

 モルヒネという言葉に触れた際、私の頭に我が国の光景が浮かんだ。日本経済もなんとかモルヒネを打ってごまかしてきたのではないか、ということだ。日本独自のモルヒネ、政府による産業界への各種補助金の功罪に触れてみる。

V字回復したかに見える自動車業界だが・・・

 7月末から8月初旬にかけ、日本の大手自動車メーカーが相次いで2012年4〜6月期の四半期業績を発表した。

 トヨタ自動車の同期の営業利益は3531億円となり、前年同期の1079億円の赤字から急角度のV字回復を果たした。同社の同期売上高は前年同期比59%増の5兆5015億円となった。ホンダはどうか。営業利益は前年同期の7.8倍となる1760億円を記録した。

 言うまでもなく、昨年、日本の大手メーカーは東日本大震災の影響を受けた。サプライチェーンが甚大な被害を受けたほか、タイのバンコク近郊工業団地の大洪水被害も加わり、「部品が届かないために車が完成せず、売りたくとも在庫がない状態が続いた」(米系証券アナリスト)という悲惨な状況に直面した。

 東日本大震災の発生以降、各社は生産ラインの復旧に努め、世界市場で欧米やアジア新興国メーカーに奪われていたシェアを奪回しつつあるのは間違いない。

 大手各社の四半期業績が発表された直後、私は証券会社の自動車担当アナリストらと会い、今後の日本メーカー復権のシナリオを探ろうと試みた。

 このまま業績の回復が続けば、日本経済全体の底上げに寄与するのではないか。自動車産業の裾野は広いだけに、マクロ経済的な観点からも久々にポジティブな原稿が書けると予想したのだ。

 だが、私が描いた勝手な予想とは180度違うこんな言葉が返ってきた。

 「次の四半期以降、クルマ各社は強烈な反動減で四苦八苦することになる」(同)

 なぜ四苦八苦するようなことになるのか。アナリストは、自身のリポートを取り出し、文章の中の1カ所を指した。そこにはこんな文字があった。

〈政府によるエコカー補助金が需要を後押しした側面があり・・・〉

 リポートから目を離した際、アナリストがこんなことを言った。

 「エコカー補助金の駆け込み需要が極端な形で国内販売を押し上げた。反動減の谷は相当深くなるよ」・・・。

「プリウス」の売れ行きにブレーキ

 2011年6月以降、自販連が発表した国内新車販売台数のデータをチェックしてみよう。昨年来、トヨタの「プリウス」が首位を独走してきたが、足元で微妙な変化が見てとれる。

 プリウスの6月の販売台数は、前年同月比46.5%増の2万8456台。7月は同37.9%増の3万3398台。一方、直近データである8月は同4.7%減の2万3828台とマイナスに転じたのだ。

 競合車の登場や季節要因などを精査する必要があるが、国内系証券のアナリストに訊いてみると、こんな答えがあった。

 「単月で判断は難しいが、この傾向が続き、マイナス幅が徐々に拡大する公算が大きい」

寒々しい薄型テレビ売り場のようになってしまうのか

 2011年12月に始まった今回のエコカー補助金についておさらいしてみよう。

 予算規模は3000億円で、一定の燃費基準を達成した新車購入に際し、政府は普通自動車で10万円、軽自動車については7万円を支給した。今年前半の国内新車販売は前年比53%増を記録した。震災発生で凹んでしまった日本経済を、政府が裾野の広い自動車業界を使って下支えしたのは間違いない。  

 テレビのCMや新聞広告では、エコカー補助金の財源切れを惹起し、かつ自社の独自サポート金を提供するとクルマ各社がうたっている。だが、「販売の現場では、すでに息切れムードが漂っている」(同)という。

 エコカー補助金が正式に打ち切られ、かつその後半年程度は先の自販連のデータをチェックする必要があるのは当然としても、アナリストたちの話を聞いたあと、私の脳裏にあるイメージが浮かんだ。

 家電エコポイントや地デジ対応買い替え効果の剥落で、すっかりガランとしてしまった大手家電量販店の店頭、薄型テレビ売り場の風景に他ならない。

 流通担当アナリストから得た月次の家電量販店大手X社の売り上げデータを見ると、地デジへの切り替えで店先がごった返した昨年7月は前年同月比で12%増を記録した。

 一方、翌8月は同28%減、9月は同25%減と激しい落ち込みが連続した。また、10月は同38%減、11月は同58%減と反動の谷が一気に深くなった。

 昨年末あたりから、大手量販店の店頭の一等地とも言える1階入り口付近から、薄型テレビの売り場が消えたのは記憶に新しい。また、薄型テレビを世界的に牽引してきたシャープが資金繰り難に直面しているのも、こうした事情が深く絡んでいるのは間違いない。

 では、クルマはどうなのか。単純に薄型テレビと比較するのは乱暴だが、共通項がある。政府の補助金というモルヒネだ。多数のアナリストの言葉を借りれば、「需要を先食いする厄介者」(欧州系証券)と言い換えることもできる。

 「家電エコポイント、エコカー補助金にしても、一定期間の販売増は確実。しかし、目先の売り上げに目がくらみ、本来企業がやらなければならなかった商品戦略の転換や、販売網の再構築は補助金で決定的に遅れた」(同)

 クルマの急激な反動減が、薄型テレビのような軌跡をたどらないことを祈るばかりだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36145


 

誇大広告を信じるな、米国経済はまだ低迷中
2012年09月25日(Tue) Financial Times
(2012年9月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 米国大統領の任期1期目が終わりに近づきつつある時、2期目の獲得ほど重要なことはない。バラク・オバマ大統領の場合、再選を目指す熱意には別の動機もある。大統領は、米国経済が今後4年間で息を吹き返すと信じており、ミット・ロムニー氏に手柄を持ち去られてなるものかと息巻いているのだ。

 オバマ大統領を突き動かしている気持ちはとてもよく理解できる。もしロムニー政権の第1期に景気回復が重なれば、たとえそれが労せずして得たものであっても「ロムニーブーム」として宣伝されることは目に見えている。

期待高まる「米国製造業ルネサンス」

 しかし、たとえオバマ大統領が大方の予想通りに11月6日の選挙で勝利を収めるとしても、米国製造業のルネサンス(復興)が間近いという説にはオバマ氏も用心すべきだ。

 ルネサンス近しとの見方には、希望や期待に基づく部分が多すぎる。米国のぱっとしない――そして再び鈍り始めた――景気回復は既に4年目に突入している。典型的な景気循環の長さは約7年であるため、現時点で患者が間もなく立ち上がってジョギングを始めるなどと想定するのは、楽観的というものだ。

 米国製造業ブーム到来説の論拠はこうだ。

 第1に、米国はエネルギー資源を思いがけず手に入れる局面の初期にあり、ビジネスを行う場としての魅力が今後高まる。これによるエネルギー供給ショックで電力料金が下がったりいろいろな種類の製造業で原材料コストが下がったりするのに加え、中国やそのほかの新興国で賃金の上昇が著しいことから、人件費の面でも米国は次第に魅力的になっているという。

 ボストンコンサルティンググループ(BCG)によれば、米国ではこれから2020年にかけて製造業で200万〜500万人分の雇用が新たに創出される可能性がある。その通りになれば、過去10年間で失われた雇用の3分の1〜4分の3を取り戻せることになる。

住宅市場もようやく底打ち、「財政の壁」回避で経済に勢い?

 また、米国の住宅市場もようやく底を打っており、経済成長に再びプラス寄与する公算が大きい。さらに、ロジャー・アルトマン氏が本紙(フィナンシャル・タイムズ)で先日論じていたように、ワシントンで「財政の崖」が回避され、米国のアニマルスピリッツに再び火をつけるような財政の取引がまとめられて世間をあっと言わせる可能性もある。

 これらの論拠の大部分は、全くもってその通りだ。まず、米国はエネルギーが豊富に手に入る新しい時代に向かいつつある。これについては、まずまずのプラス効果が得られるとの見方もあれば、相当大きなプラスになるとの予測も出ている。

 また、論拠の大部分は実現する可能性も高い。米国の住宅市場を再び急落させるにはかなり大きなショックが必要だろう。

 ただ、実現の可能性がそれほど高くないものもある。もし連邦議会が数カ月以内に財政について的確な取引を行ったら、それは文字通りのサプライズだろう。もし共和党の「熱が下がって」くれば――一部の民主党員は、今後予想される共和党の心変わりをそう表現している――景気には間違いなくプラスの刺激になる。

 ムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の2大格付け会社はともに、米国の主な脆弱さに政治リスクを挙げている。

単位労働コストの低下に基づく景気回復

 しかし、これほど多くの仮定に基づいた景気回復見通しでは、そう簡単には喜べない。たとえ最も楽観的な予想が正しかったとしても、その前提は酔いがすっと覚めるような内容なのだ。

 第1に、この景気回復は、米国の単位労働コストの低下が続くことに基づいたものになる。BCGによれば、米国の単位労働コストと中国のそれとの差は2016年までに時間当たりわずか7セントというレベルに縮小するという。そのような職は未来のハイテクな職ではないだろうし、過去に見られた黄金の中間層の職とも違うものになる。

 このギャップの縮小においては、米国の労働生産性の上昇が一定の役目を果たすが、米国の賃金の下落もその一翼を担う。


米国の自動車工場などでは、古くからいる従業員と新規採用者の待遇が全く異なる〔AFPBB News〕

 米国の自動車組立工場などに「第2層」の従業員として新たに雇われる人たちの時間給は既存の従業員の賃金のざっと半分で、支給される付加給付もわずかだ。

 これでは、半導体やロボットを作るハイテクメーカーの原価は変わらない。

 インテルの典型的な工場では、それが中国にあろうと米国内にあろうと、人件費は間接費の10分の1程度でしかない。税率、市場へのアクセス、土地使用の費用などの方がはるかに重要な要素なのだ。

 第2に、米国では中間層の空洞化――今はまだ、所得のメジアン(中央値)が「減少」ではなく伸び悩んでいるという丁寧な言い方をされているが――が減速するどころか加速している。

 米国勢調査局が先に発表したデータによれば、米国の世帯年収の中央値は現在、2009年に景気回復が始まった時に比べて4.8%減少している。水準で言うなら、インターネットが普及する前の1993年のレベルにまで低下している。クリントン政権時代の増加分が完全に失われた格好だ。

悪化する中間層の没落

 また、世帯年収は2009年以降の3年間の直前にあった景気後退期にも3.2%減少しており、その景気後退期の前の循環(2000〜2007年)でも減少していた。すそ野の広い経済成長の新たな夜明けどころか、米国の中間層の没落はさらに悪化しているのである。


このところ、失言が相次ぐミット・ロムニー氏〔AFPBB News〕

 ここ数日間の選挙戦は主に、連邦所得税を納めていない47%の米国人を軽視する発言をしたことをロムニー氏が認めたことで記憶されることになるだろう。

 また、ロムニー氏の2011年の納税申告書が完全公表されたことでも記憶されることになるだろう。

 この申告書により、投資会社ベイン・キャピタルの経営者だった同氏の総合的な税率は、米国民の所得階層で最も下の20%に入る人々のそれよりも低いことが判明した。経済的な不安が強まっている時代だけに、同氏はこれまでの選挙戦を台無しにした格好だ。

 もしロムニー氏がもっと優れた政治家だったら、今月初めに公表された国際競争力のリポートを利用していただろう。

 世界経済フォーラム(WEF)がまとめている国際競争力のランキングで、米国は2007年には首位に立っていたが、2011年は5位にとどまり、今年はさらに順位を落として7位になった。統治のまずさ、マクロ経済の不安定性、インフラの劣化がその主な要因だ。ここでも米国のトレンドは悪い方向に向かっている。

米国が当てにできるのはエネルギーブームだけ

 もし万一、ロムニー氏が選挙で勝利をたぐり寄せることになったら、同氏の税制改革は財政システムをさらに歪ませることになり、最も富裕な階層がさらに富むことになろう。同氏が言うようにオバマ大統領が「再分配主義者」だとしたら、大統領は明らかに、所得再分配があまり上手ではない。

 2012年の大統領選挙でどちらが勝っても、米国はこれから訪れるエネルギーブームを確実に当てにできる。実際、このブームは既に進行している。それに比べれば、景気回復をもたらすと目されているほかの要因の大部分は、誇大広告か希望のどちらかであるように思われる。

By Edward Luce
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36176


米国のQE3、高いコストと心理的効果に要注意
2012年09月24日(Mon) Financial Times
(2012年9月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


QE3の実施を決めた米連邦準備理事会(FRB)〔AFPBB News〕

 米国のデューク大学は今月、大企業887社のCFO(最高財務責任者)に金利低下にどのように対応するか尋ねた。その結果は、エコノミスト、政治評論家、投資家にとって一様に注目に値するものだった。

 調査対象者の約91%が、金利が1%低下しても事業計画には影響がないと答え、84%の人が、2%の金利低下に対してさえ関心がないと述べたのだ。

 調査は「CFOたちは、金融面の対策が特に効果的なわけではないと考えている」と結論付けていた。つまり、投資や雇用を増やすという観点から見て効果的でない、ということだ。

 これは目が覚めるような内容だ。米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長は9月半ばに「量的緩和第3弾(QE3)」――量的緩和の一環として住宅ローン担保証券(MBS)の購入を増やすという約束――を発表した時、高水準にとどまる失業と弱い成長を引き合いに出してQE3を正当化した。

 FRBは、証券を無制限に購入するという確約を与えることで、需要を押し上げ、それよってより多くの雇用を創出したいと考えている。

近年の金融危機の教訓に従えば、正しい政策措置だが・・・

 多くの観測筋は(筆者の同僚のマーティン・ウルフのように)、これが進むべき正しい方向だと主張するだろう。何しろ、ワシントンのある政府高官が先日筆者に指摘したように、近年の金融危機の教訓は、大きな逆風に直面した時は、必要と思える規模よりも多くの対策を講じておいて損はない、ということだからだ。

 1930年代の「清算主義者」や1990年代の日本の過ちを繰り返したいと思っている人は誰もいない。そのこともあって、FRBは先日、連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を持つ12人の委員のうち11人がバーナンキ議長の行動を支持したと述べた。

 だが、FRBが明らかにしなかったのは、議決権を持つ委員のほぼ全員がQE3を支持したものの、議決権を持たない数人の参加者は支持しなかったことだ(地区連銀の総裁は輪番制で投票する)。議決権を持たない参加者を含めると、FOMCの約3分の1はQE3について、不満だったとは言わないまでも慎重だったのだ。

 それも、単にQE3のタイミングが「政治的」に見えるという不安のためだけではなかった。もっと大きな懸念は、金融政策伝達メカニズムが混乱しているためにQE3の有益性が極めて不確かで、潜在的なコストも非常に大きいからだ。

地区連銀総裁が相次ぎ異例の発言

 「FRBがやることは、どんなことも一時的な効果しかない」。セントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁は先日、ロイターに対してこう語った。一方、ダラス連銀のリチャード・フィッシャー総裁は9月19日の力強い講演で次のように述べている。

 「FOMCの委員の誰も、本当の意味で、何が景気回復を阻んでいるのか分かっていない。経済を回復軌道に戻すうえで何が有効なのか誰も分かっていない。雇用を創出し、民間設備投資を拡大させて消費と最終需要を喚起してくれることを我々が期待している層は、理論が示すほどには我々(FRB)の政策に反応してくれていない」

 さて、楽観主義者なら、企業心理に関するこの最後の点はさほど重要ではないと言うかもしれない。何しろFRBが、例えば米国債ではなくてMBSの買い取りを決めたという事実は、CFOではなく消費者が主なターゲットであることを示しているからだ。

 こうした異例の措置は、特に住宅ローンのコストを引き下げ、市場を浮揚させることによって、消費者を喜ばせる可能性を秘めている。そして消費者の満足感は成長にとって、CFOたちが言っていることよりも重要かもしれない。結局、近年起きた企業利益の増加は、消費者に大きな「トリクルダウン(浸透)」効果をもたらさなかった。

 いずれにせよ、QE3はもっと幅広い心理的効果を与える、と楽観主義者は付け加える。そのためQE3は、迫り来る米国の「財政の崖」に関する不確実性や、中国およびユーロ圏に関する不安といった、米国経済に対する他の押し下げ要因を相殺する助けになるかもしれない。

QE3の心理的効果

 この最後の問題については、米財務省とホワイトハウスが今、ユーロ圏のニュースが最近若干改善していることに関係なく、あと3年から5年はユーロ圏の不確実性やボラティリティーを抑え込む強い決意でいることは注目に値する。

 別の言い方をすれば、QE3はたとえ従来の金融伝達メカニズムの経路を通じてうまく機能しないとしても、ガタガタと揺れる経済を軟着陸させるために滑走路にまかれた消火器の泡の役目を果たすことで、別の方法で「効果を発揮する」ことができる、ということだ。

 フィッシャー総裁が先日珍しくあれほどはっきりと述べたように、極めて重要な問題は、このような心理がまだ非常に不確かであることだ。

 今、約2兆ドルから4兆ドルに及ぶ未使用の流動性が米国の金融システムの中をぐるぐる回っていることを考えると(どのように測るかによって金額は異なる)、消費者もCFOも同様に、金融政策の効果が弱まりつつあることを感じ取れるだろう。

QE3を受けた株高も喜べない

 それにもかかわらず、FRBが非伝統的な対策を打ち出すほど、株式市場の投資家はそれだけ多く追加的なドラマを求めるように見える。新たなQEが発表されるたびに、期待と不安が同じだけ増えているのだ。

 これはどう見ても安心できる状況ではない。言い換えれば、最近の株価上昇に祝杯をあげてもいいという気持ちになっている人は、フィッシャー総裁の力強いスピーチ原稿を読み、大きな深呼吸をした方がいい、ということだ。

By Gillian Tett
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36164


日本のエネルギー安全保障:ガス調達に奔走
2012年09月25日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2012年9月22日号)

原発事故は日本の外交政策の優先事項に変化を及ぼしている。

 今の日本政府はあとどれくらい持つのかという疑問が大きくなる中で、2030年代末までに原子力発電所の稼働をゼロにするという9月半ばの政府決定は生煮えに見えた。

 案の定、9月19日には期限を設けるふりもやめ、少なくとも建設中の原子炉2基が2050年代まで稼働する可能性を残した。

日本政府の曖昧な態度


福島の原発事故以降、世論は反原発に大きく振れている(写真は今年8月、東京・渋谷で開かれた反原発デモ)〔AFPBB News〕

 この曖昧さは、野田佳彦首相が近いうちに実施することを約束した総選挙と大きく関係している。世論調査では、2011年3月に起きた福島の原発事故以来、世論がはっきりと反原発に転じたことが示されている。

 しかし大企業は、原発の段階的廃止が急すぎた場合、日本経済に悪影響が出ると主張している。原発立地県の知事も政府の戦略に不満を持っている。

 当面の間、現政権の政策は、臆病すぎて実行できない脱原発にリップサービスしながら、代替エネルギー源を探し回ることのようだ。

 日本は原発事故が起きる前から、世界最大の液化天然ガス(LNG)輸入国で、今では世界の産出量の約3分の1を消費している。だが、安定した供給と価格面の好条件を確保することが、外交政策の悩みの種になっている。

 米国には安価なシェールガスがふんだんにあるが、日本にそれを与えるかどうかで意見が割れている。日本の大手商社は、米国産ガスをLNGに加工して日本に輸出する態勢を整えている。

米国からのガス輸入の壁

 だが、そのためにはまず、米エネルギー省から承認を得る必要がある。というのも驚くべきことに、日本は親密な同盟国である米国といまだに自由貿易協定(FTA)を結んでいないからだ。

 野田首相はバラク・オバマ大統領に対して承認を求めたが、米国では環境リスクから反対する声が上がっているほか、国内ガス価格の上昇につながると言う向きからも反対論が出ている。

 ワシントンにある戦略国際問題研究所(CSIS)のリチャード・アーミテージ氏とジョセフ・ナイ氏は最近、日米両国は「軍事的な同盟国であると同時に天然資源の同盟国であるべきだ」と主張し、米国は日本に対する輸出規制を撤回すべきだと訴えた。

 しかし、米国で選挙が行われる今年は、政治が複雑になっている。シンクタンクの東京財団の畔蒜(あびる)泰助氏は、日本が承認を勝ち取れた場合、少なくとも当初はガスの対日輸出が「象徴的」な量になるだろうと話している。

オーストラリアやカナダ、ロシアという選択肢も

 ほかにも選択肢はある。オーストラリアは2020年までにカタールを抜いて、日本にとって最大のLNG供給国となる見込みだ。カナダには太平洋岸に5つのLNG輸出基地を開発する計画があり、対日輸出の可能性を後押ししている。


ロシア極東のサハリン島にあるLNGプラント〔AFPBB News〕

 また、今月ウラジオストクで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、日本は第2次世界大戦を終結させる平和条約にまだ調印していない隣国ロシアとの関係改善を試みた。

 両国は、大戦の最終局面でソ連が侵攻した北方4島を巡る妥協について、互いに相手を安心させるような言葉を掛け合ったと報じられている。

 また、ロシア国営のガスプロムと日本政府は、総工費130億ドルをかけてウラジオストクにLNGプラントを建設することで合意した。

 現状では、ロシアは日本のLNGの約1割を供給している。ウラジーミル・プーチン大統領は、落ち込む欧州向け販売を相殺する目的もあって、日本その他のアジア諸国で新たなLNG輸出市場を開拓したいと考えている。

重要性を増す「価格」

 だが前出の畔蒜氏は、特にロシア極東地域から輸入するガスがどれくらい高くなるか不透明なことから、LNGに関するロシアとの協定にはかなり大きな疑問が残ると話している。

 エネルギー輸入のせいで日本の貿易収支が赤字に転落したため、日本にとって、価格は次第に重要な検討事項となっている。このことは、原子力に関する日本政府の迷いを説明する理由にもなる。曖昧さは経済的には賢明かもしれないが、それが悪しき政治であることに変わりはない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36166

双方が損をするだけの尖閣問題、
野田政権が打つべき手は何か
2012年09月25日(Tue) 柯 隆
 日中両国が尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権を巡り激しく対立する中で、中国政府と国民は日本政府による尖閣諸島の国有化に対して激しく反発し、これまでない大規模な反日デモは中国全土で繰り広げられている。それに対して、日本政府の態度は、尖閣諸島は日本固有の領土であるとして一歩も譲らない姿勢である。

 確かに、領土・領海の領有権問題はどの国にとっても安易に妥協するものではない。しかし、激しく対立するだけでは問題の解決に至らず、双方の国益もさらに損なわれてしまう。とりわけ、日中両国は世界2番目と3番目の経済大国であり、このまま対立し続けると、世界経済に深刻な影響を与える恐れがある。

国有化の狙いは何だったのか

 そもそも尖閣諸島の領有権が日中のどちらに属するものかについては、双方のそれぞれの言い分があるが、1972年、国交回復する当時、周恩来首相(当時)は「大局に立って今は釣魚島の問題を取り上げない」と決めた。その後、ケ小平が実権を握ってから、日本との経済協力を進めるために、「釣魚島問題を棚上げにし、問題の解決を後世に任せよう」と論争を封じ込めた。

 今回の尖閣事件勃発の発端は、東京都が島を個人から購入しようとしたことである。仮に島が東京都の手に入れば、灯台や船溜まりなどが造られ、中国の反発を招くだろうと心配して、野田内閣は尖閣諸島を購入し、国有化した。

 野田佳彦総理および藤村修官房長官によれば、尖閣諸島の国有化こそ島およびその海域の安定と平和を維持する最善策だという。確かに、尖閣諸島を国有化すれば、島の地形を変えず、日本人も中国人も島への上陸を阻止することができる。すなわち、物理的に島の現状を変えないということである。

 しかし、中国が反発を強めているのは、島の地形はもとより国有化による所有権の変更である。無論、尖閣諸島が日本の固有の領土であるという原則論から、個人が所有しても国が所有しても日本の勝手であるが、これ以上、対立が大きくならないように努力するのも双方の責務である。

 野田総理は9月8日にAPECで胡錦濤国家主席と言葉を交わした。そこで尖閣諸島の国有化について不満が示された。双方にとり日中関係は大事な2国関係だとすれば、立ち話ではなく、もう少し時間をかけて話し合いをすべきだったと思われる。しかし、それ以上の話し合いはなく、その2日後に野田内閣は尖閣諸島の国有化を閣議決定した。これで胡錦濤のメンツが丸潰れとなったのである。

 国が島を買い上げたあとに、その所有権を国土交通省の外郭団体に譲渡する選択肢もあったのではないかと思われる。

 論点を整理すれば、尖閣の領有権を、双方が満足する形でここで「決着」することは実質的に不可能である。中国側も「釣魚島」を力ずくで回収しようと思っていないはずである。

 立ち帰るべき原点はケ小平時代の棚上げ論である。しかし、今となって、日本政府は個人から買い上げた島を元の持ち主に返すことはできない。かといって東京都に譲渡するのも非現実的である。国有化したままだと、中国が反発を強める。

 対立を最小限に抑えるためには、尖閣諸島の所有を、政府の外郭団体か、いっそのことにNGO団体に譲渡することが危機回避の方法の1つと思われる。

両国の経済に与える深刻なインパクト

 中国での反日デモは一部の都市で暴徒化し在中日系企業に大きな被害をもたらした。にもかかわらず、野田総理はなぜ胡錦濤国家主席に電話をしないのだろうか。振り返れば、これまでの10年間、中国で反日デモは繰り返して起きており、しかもその規模が拡大する傾向にある。

 評論家の間では、反日デモは中国社会の不満や怒りのはけ口にされているとの指摘がある。その要素はまったくないわけではない。今回の反日デモを見ても、出稼ぎ労働者など移民の多い都市では、デモが暴徒化する傾向が強い。そして、大学が集中する教育センターの都市では、デモが発生しやすい。デモや抗議活動が基本的に認められていない中国では、若者たちは「愛国無罪」を盾に反日デモを展開し、若干、行き過ぎた行動を取っても厳しく罰せられることはない。

 しかし、反日デモは両国政府のいずれにとっても都合の悪いことである。中国政府にとり反日デモが長期化すれば、必ずや反政府デモに変わっていく。したがって、反日デモを一時的に認めるとしても、それが長期化することは絶対に認めない。

 また、中国で頻繁に反日デモが繰り返されれば、日本の国民感情が悪化し、中国における日本企業のビジネスなどに支障が表れてくる。

 日中経済の相互依存関係はかつてないほど強化されている。現在、中国には2万5000社の日系企業があると言われている。日本にとって中国は最大の貿易相手国である。また、東証1部上場企業の6割強は中国に進出していると言われている。日本経済にとりデフレを克服するには中国の需要が欠かせない。

 同様に、中国にとってもこれだけの日本企業は中国でビジネスを行っていることで、税金を納め、技術を移転し、雇用創出にも貢献しており、必要不可欠な存在である。

 経済協力はその双方にとり“win-win”の関係になるが、経済協力関係が壊れれば、必ずや“lose-lose”の関係に転ずる。反日デモはすでに日中双方の経済に悪影響を及ぼしている。それが長期化すればするほど、収拾がつかなくなる可能性が高い。

段階的に日本に圧力をかけてくる中国

 これまでの反日デモと違って、今回の反日デモは尖閣諸島の領有権を巡る対立が発端であり、中国側が簡単には引き下がらない。逆に、ここで引き下がれば、胡錦濤政権が弱腰外交と永遠に批判される可能性が高い。一方、このまま若者たちの反日デモを認めることも、反政府デモに変わるリスクがある。

 今後、可能性が高い動きとして、若者たちの反日デモを抑えつつ、政府による対日制裁を段階的に強めていく可能性が高い。ただし経済制裁によって中国もロスを被ることになる。おそらくロスを覚悟して制裁を加えてくると思われる。

 具体的には、第1段階において、政府間の種々の交流を実質的に停止する。現在は、まさに第1段階にある。政府間の交流が停止されたのみならず、国交回復40周年を記念する種々の行事もキャンセルされた。

 そして第2段階において、直接投資や国際貿易を部分的に制限する可能性が高い。とりわけ、中国における日本企業のビジネスの受注が目に見えない形で妨害されると思われる。しかし、全面的に経済制裁措置を取ると、WTO協定に抵触する可能性があるうえ、中国自身の経済も打撃を受けることになる。おそらく1カ月以内に第2段階に突入するだろう。

 さらに第3段階において、グローバル社会において日本との対立を強めると推察される。例えば、北東アジアでの経済協力や東京都のオリンピック開催の申請などに対して非協力的な姿勢を強めてくると考えられる。

 それに加え、尖閣海域への中国艦船の進出が今後急増するものと思われる。確かに、アメリカ政府は尖閣は日米安全保障によってカバーされていると態度を表明しているが、実際に日中が尖閣海域で衝突した場合、アメリカ海兵隊が参戦するかどうかについて実は不透明である。

 日中が海上で大規模な衝突を起こす可能性は現実的には少ない。しかし、中国艦船はぎりぎりまで迫ってくる可能性がある。それに日本側が対応できるかどうか、そして、耐えられるかどうかが注目される。

親書ではなく直接会って話すべし

 日本には「喧嘩両成敗」という諺がある。尖閣諸島という無人島を巡る対立は現実的にどんな意味があるのだろうか。たとえ当該海域に豊富な地下資源や水産資源があるとしても、対話を通じて解決できないものだろうか。

 民主党の代表選も自民党の総裁選もその候補らの演説を聞いても、建設的な主張はほとんどない。野田総理自身も毅然とした態度を取ると抽象的な主張に終始している。

 本来ならば、責任のある政治家であれば、「自分が党首に選ばれ、近いうちに行われる総選挙で総理に選ばれれば、すぐに北京に行って中国の指導者と直談判してくる」と宣言し度胸を見せるべきである。

 この問題の解決は簡単なことではない。しかし、この問題から目をそらすことは問題の深刻化をもたらす一方である。野田総理は胡錦濤国家主席に親書を送ったようだが、親書よりも直談判すべきではないだろうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36159


ユーロ圏、一段と速まる景気減速ペース
2012年09月24日(Mon) Financial Times
(2012年9月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ユーロ圏の民間部門の経済活動が2009年6月以来の急激な縮小を見せ、欧州中央銀行(ECB)の無制限の国債購入計画が信頼感を高め、単一通貨圏の成長再開を後押しするとの期待を裏切っている。

 ユーロ圏17カ国の総合購買担当者景気指数(PMI)――製造業とサービス業の生産高の指標――の速報値は、8月の46.3から9月の45.9に低下し、経済活動の縮小を意味する50割れが続いた。

中国経済も振るわず、第3四半期は一段と減速へ

 9月20日に発表された調査結果によると、中国製造業の活動は9月も冴えなかったが、弱い水準で安定する兆しが見えた。中国経済の月次指標の中で最初に発表されるHSBCの中国PMI速報値は9月に47.8となり、8月の47.6からわずかに上昇した。

 だが、指数は50の境目を下回ったままだ。この状況は経済活動の縮小を示しており、中国経済は第3四半期に、既に3年ぶりの低成長率を記録した第2四半期の7.6%成長から一段と減速するとの市場予想を補強することになった。

 ユーロ圏の減速ペースの加速を先導したのは、域内第2位の経済大国であるフランスだ。ドイツで回復の兆しが見えたのに対し、フランスでは新規受注が急減し、減少幅は41カ月ぶりの大きさになった。

 ユーロ圏周縁国では、景気の弱さを示す兆候がさらに見られた。アイルランドでは、消費支出、設備投資、政府支出の落ち込みが経済に重くのしかかり、第2四半期の国内総生産(GDP)がゼロ成長になった。

 唯一、回復の兆しが見られたのはドイツで、同国の総合PMIは8月の47から9月の49.7に上昇した。景気動向の重要な指標であるサービス部門が7月以来の拡大を見せ、製造業の生産縮小を相殺したためだ。

 予想より悪いデータが出たことで、ユーロ圏のGDPが今年、2四半期連続で縮小し、域内経済が3年間で2度目の景気後退に陥ることを示す兆候が増えた。ユーロ圏のGDPは4〜6月期に0.2%縮小している。

ドイツだけではユーロ圏を救えない

 「ユーロ圏の減速は9月に勢いを増し、域内経済が過去3年間で最悪の四半期に見舞われたことを示唆している」。PMIのデータを集計している金融情報会社マークイットのチーフエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏はこう話す。

 「我々は債務危機を和らげるためのECBの介入のニュースが企業の景況感を上向かせたことを期待していたが、景況感はむしろ悪化したようだ。世界的な成長減速から来る継続的な逆風のせいで、企業は2009年初頭以来、最も悲観的になっている」

 IHSグローバルインサイトの欧州担当エコノミスト、ハワード・アーチャー氏は、南欧諸国を苦しめているソブリン債務危機が経済的により強い北部中核国へ広がっている兆候が継続的に見られるため、ドイツの好調なデータでは地域全体を浮揚させるには不十分だと指摘している。

By James Fontanella-Khan in Brussels
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36161  

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