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「欧米の日本化」は第二幕、円高不況の誘因にも  「低位安定」の世界経済 狭まる白川総裁包囲網、外債購入で緩和派が攻勢
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/808.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 04 日 19:01:49: cT5Wxjlo3Xe3.
 

「欧米の日本化」は第二幕、円高不況の誘因にも

熊野英生氏
2012年 10月 4日 18:21 JST

為替フォーラム
焦点:「低位安定」の世界経済、低ボラティリティがリスクテイク後押し
円安で日本株は一息、米国では堅調な非製造業からの波及期待も
焦点:中国人民元の国際化に地政学的緊張の予兆
コラム:「世界の警察」降りた米国、中東政策は置き去り


熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

[東京 4日 ロイター] 日本の生産動向が思わしくない。エコカー補助金の反動が長期化し、さらに海外経済が停滞すると、景気後退局面入りする可能性は小さくない。

鉱工業生産指数と予測指数の推移をみると、今年1月のピークから10月までに生産水準がマイナス8.4%も低下する見通しである。過去10年間でみて、震災後と2004年の在庫調整局面を除くと、生産水準がピークアウトして下がったときは、大方そこで景気後退局面を迎えている。

リーマンショック以降のドル円レートは、景気悪化に反応してリスク回避志向が強まり円高が進む展開になっている。景気後退と円高が同時進行すると、デフレや産業空洞化といった日本経済の構造問題がさらに深刻化しかねない

景気後退リスクの正体は何か。「リーマンショックの後遺症で民間部門の成長力が弱い」からと言ってしまえば、それで終わりなのだが、筆者は民需の弱さとコインの裏表の関係で、経済政策の影響力についての問題が重要だと考える。

すなわち財政・金融政策に依存して景気悪化を乗り切ろうという「政策期待の低下」である。それは、日本だけではなく、財政再建途上の欧州でもそうだし、米国でも似たような状況になっている。

<「財政の崖」ショックは完全に織り込めるか>

まず、考察の材料として米国の「財政の崖」への対応を取り上げて吟味してみよう。

日本経済の最大の脅威は、米国経済の失速である。米国の雇用統計は2012年の春先までは雇用増に勢いがあったが、それ以降は勢いを失っている。今後の米経済の鍵を握るのは、延長されてきたブッシュ減税などが期限切れするなど、財政刺激が途絶えるリスクである。このままいけば、2013年初めから景気に急ブレーキを踏む格好だ。これが「財政の崖」のリスクである。

ところで、こうした明白なイベントリスクに対して、マーケットは事前に織り込むので、イベントが起こった時点では動かないという見方もできる。また、2011年夏の債務上限問題のように、こじれても最終的に政策対応がなされるのを見越して、リスクを小さく評価しているという見方もできる。

確かに、1か月後の米選挙で新大統領が決まれば「財政の崖」に対処する政策手当てが行われるだろうと、筆者はみている。しかし、ある程度の政策対応が行われたとしても、米景気が下方屈折するリスクは残り、現時点では米経済が抱えるダウンサイドリスクは織り込み切れないという見方もしている。

こうした考え方の背景にあるのは、米国が景気リスクを経済政策でうまく乗り切る力量が、以前に比べて大きく低下しているという構図である。

<見透かされる財政政策の限界>

オバマ大統領は就任後、2009年と2010年に大型景気対策を打ち出したが、それではリーマンショック前に辿ってきた成長軌道に復することはできなかった。むしろ、2011年の中間選挙で、民主党が敗北したため、財政政策を積極的に行うことができず、今度の「財政の崖」でも同じように事前の対処ができないでいる。

こうした状況を「景気回復のために無制限に財政出動を行って需要不足を完全に穴埋めすればよかったのに、それをためらった」と批判することは容易だ。ただし、それは「しなかった」のではなく、「できなかった」という方が正しいだろう。

財政拡張分は後から国民の税金で回収されるべきものだ。議会で無制限の財政拡張に慎重論が出るのは当然だ。巨額の国債消化を迫られるリスクが高まり、中央銀行もそれに配慮せざるを得ない。米国でも日本と同じように、限られた財政出動の余地を使い果たしつつあるという見方ができる。

米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)に踏み出したのも、そうした財政政策の限界を肩代わりしなくてはならないからだろう。バーナンキFRB議長は、非伝統的な金融緩和による副作用と、それをしない場合の弊害を比較しながら、QE3実施によるマイナス作用の方が小さいと判断したのだろう。問題は、それでもリーマンショックの後遺症が思いのほか根深く、金融緩和の期待効果も限定的であることだ。

財政政策も金融政策も、リーマンショック以前に信じられていたような神通力を失って、金融市場に定着したリスク回避志向を大きく塗り替えるには至らなかったことが問題の根底にある。

<円高リスクの長期化も>

もはや財政政策も金融政策も以前のような神通力はないという見方は、日本にも欧州にも共通する。正確に言えば、日本はとっくの昔にそうした状態に陥っている。

日米欧に共通する現状は、日本化の「第二ラウンド」と言えるだろう。

日本の場合は、第一ラウンドはバブル崩壊後に、財政・金融政策を大規模に動員して、急激な景気悪化に対処しようとした局面である。1993年から97年までは小康状態を得たが、97年末からは金融危機に陥った。これを大型財政政策で乗り切って、2000年前半は小康状態を取り戻したが、2001年から再び金融危機に戻ってしまった。

2001年に就任した小泉首相は、公共事業には依存しない方針を打ち出し、緊縮財政路線をとった。小泉首相が財政拡張を積極的にしなかったのではなく、もはや小渕政権の後は積極的にできない構造の上にあったとみることができる。99年からのゼロ金利政策といい、2001年以降の財政緊縮路線といい、もはや財政・金融政策がその機動性を喪失した状態という意味で「第二ラウンド」に入ったということができる。

日本の苦悩は、90年後半に金融危機を迎えた頃から、人口高齢化という構造的な成長制約が存在感を大きくし、低成長の固定化につながった点にある。欧米経済が「第二ラウンド」に入って、日本と同じような人口高齢化の下押し圧力を今までよりも強めていく可能性もある。

日本化の「第二ラウンド」がその姿を鮮明にしてくる中で、円高リスクの長期化が予想される。

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。

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焦点:「低位安定」の世界経済、低ボラティリティがリスクテイク後押し
2012年 10月 4日 15:09
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焦点:ユーロ圏危機でIMFの役割に変化、ECBは監視機能を期待

[ロンドン 3日 ロイター] 重症ではあるが容態が安定している患者のように、世界経済は低空飛行が長期化している。だが、ボラティリティも低水準で推移し、投資家に「青信号」を発している。

過去5年間にわたる信用危機は経済の不透明感を強め、企業や家計部門は将来の見通しが立てにくくなっている。2008/2009年に深刻なリセッション(景気後退)が世界全体に広がった記憶も、多くの投資家の心に刻み込まれている。

異例なほど積極的な財政および金融政策は、世界各国でしばらく継続される見込みだが、可能性は低いものの大きなショックをもたらしかねない「テールリスク」に対する投資家の恐怖心は薄れていない。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの依頼で今年夏に300の欧米の年金基金、資産運用会社、保険ファンド、プライベートバンクを対象に実施した調査では、今後12カ月以内に「テールリスク・イベント」が起きる可能性が「ある」あるいは「かなりある」との回答が4分の3近くに達した。

意外ではないが、そのリストのトップに挙げられたのは、ユーロ圏が崩壊する可能性と世界的なリセッションだった。

だが、JPモルガンのグローバルストラテジスト、Jan Loeys氏によると、世界経済のボラティリティは2008/2009年に急上昇した後は低下し、1970年代以来の低水準に戻った。そうした動きは投資家にリスクテイクを促す要因となる。

同氏によると、過去3年間は世界の成長率が戦後の景気回復局面で最も低水準にとどまったものの、過去42年のデータを分析すると、8四半期にわたる世界の国内総生産(GDP)伸び率のボラティリティは過去最低水準にあり、「グレート・モデレーション(大いなる安定期)」と呼ばれた2004―2005年の水準に並んでいる。

GDPのボラティリティ低下は、企業利益や業績見通しのボラティリティを押し下げているのみならず、やや不可解なことではあるが、欧米の株式市場でも投資家の強い不安感にもかかわらずボラティリティが低下している。

米株式市場のボラティリティ指数(VIX)は現在16%前後にあり、昨年12月の半分近くに低下。危機が起きる前の2007年初めをわずかに上回る水準で推移している。

多くの投資家がVIXを将来のリスクを判断する指標としていることを考えれば、VIXの低下は、投資家に対してリスクの高いハイイールド商品への投資を促す要因となっている。

JPモルガンのLoeys氏は、過度の水準に達していた負債を削減するレバレッジ解消が世界経済や企業利益の成長を圧迫しているばかりか、市場のボラティリティも抑制していると指摘。「低水準のボラティリティは将来に対する不安感と共存できる。不透明感がリスクプレミアムを押し上げているため、そこに投資機会が生まれる」として、社債やジャンク債など高利回りセクターへの投資を推奨している。

<ボラティリティとリスク>

今年になって、投資家の不安感とは裏腹に市場におけるボラティリティが低下している理由として、別の要因も考えられる。それは中央銀行による積極的な緩和策が薄商いを招いているほか、マクロ経済に関する材料がない日には投資家の取引意欲が低下していることだ。

だが、当局による積極的な介入策が市場からボラティリティを奪っている一因だとすれば、そうした傾向が簡単に変わるとは考えにくい。

テールリスクに関して言えば、それは予測不能で最も脅威的なリスクであり、すでに把握されているリスクは脅威も少ない。

クラインオート・ベンソンのMouhammed Choukeir最高投資責任者は、EIU/ステート・ストリートの調査リポートの中で、「欧州は台風の目だが、すでに知られているためテールリスクではない。米国や日本のデフォルト(債務不履行)が本当のテールリスクであり、日本は巨額の債務を抱えている」と述べている。

それ以外にも、人口動態の変化、世界的な資源不足、気候変動といった、目に見えにくい世界の大きな流れこそが問題だと指摘する声もある。

先進国における若者の失業者増大、高齢化社会での依存率上昇、中間層の意欲喪失なども、測定しにくい社会的、政治的なリスクとなる。

各国政府がこうした問題に積極的に対処すれば、当面はボラティリティが抑えられた状態が続くかもしれないが、慎重な投資家は、こうした長期的な「巨大リスク」を忘れてはいない。

(Mike Dolan 記者;翻訳 長谷部正敬)

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日銀は物価目標達成へ強力緩和を=前原経財相
2012年 10月 4日 18:23 JST

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[東京 4日 ロイター] 前原誠司経済財政担当相は4日、ロイターなどとのインタビューに応じ、日本経済のデフレ脱却に向け、日銀が事実上の物価目標に掲げている消費者物価指数の前年比上昇率1%の早期実現を求め、そのためには強力な金融緩和が必要との認識を示した。

5日の日銀金融政策決定会合に出席する方向で調整していると述べ、会合では内閣府のスタッフと調整した上で、自身の意見を踏まえて発言したいと述べた。今後の会合にも、できる限り出席したいと意欲を示した。

日銀は2月14日の金融政策決定会合で「中長期的な物価安定の目途」として消費者物価(CPI)の前年比上昇率1%とすることを決め、CPI1%が見通せるまで強力な金融緩和を推進していく姿勢を明確にしている。こうした事実上の物価目標を踏まえ、前原氏は「1%をできるだけ早く達成できるよう、強力な金融緩和を行ってほしい、というのが政府の立場だ」と強調。景気が踊り場入りする中で、物価1%達成も後ずれの可能性が高まっているが、その際の日銀の政策判断については「予断を持って言えない」と述べるにとどめ、具体的な緩和手段についても「最終的に日銀が独立性を踏まえて判断することだ」と明言を避けた。

同相は、1日の就任会見でも日銀による外債購入は金融緩和の「有力な材料の一つ」と持論を展開するなど、前任の民主党政調会長時代からデフレ脱却に向けた金融緩和の必要性を訴えてきた。インタビューの中で日銀による外債購入構想について「為替誘導ではなく、資金供給の一環ということか」との質問に対し、「そうだ」と答えた。

5日には経済財政担当相として、日銀の決定会合に「出席する方向で調整している」ことを明らかにし、今後についても「できる限り出席したい」と意欲を示した。政府出席者は、日銀会合で投票権は持たないが、意見の表明はできる。前原氏は発言内容について「ルールであり、言えない」としたが、内閣府のスタッフと調整した上で「私の意見も踏まえて発言したい」と語った。

(ロイターニュース 伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89305N20121004

前原経財相が5日の日銀会合に出席へ、物価目標達成へ緩和圧力も
2012年 10月 4日 14:56 JST
[東京 4日 ロイター]  関係者によると、前原誠司経済財政担当相が5日の日銀金融政策決定会合に出席する意向であることが明らかになった。

前原氏は、日銀による外債購入や政府との政策協定(アコード)の実現などさらなる金融緩和が必要と主張しており、会合では日銀が掲げる事実上のインフレ目標の達成に向けたさらなる取り組みを求める可能性がある。

前原氏は、前任の民主党政調会長時代から早期のデフレ脱却に向けて、一段の金融緩和が不可欠との見解を繰り返していた。1日の経済財政担当相就任後もそうした持論を展開。2日の会見では、日銀が2月14日に、消費者物価の前年比上昇率1%をめざす事実上のインフレ目標を導入したことや、同時に追加緩和に踏み切ったことを指摘し、「日銀の本気度と(目標を)実現するための努力をしっかり政府からお願いしていく、あるいは話し合いを強めていくことが大事だ」と強調した。

金融政策決定会合には、政府側から財務相と経済財政担当相、またはそれぞれが指名する職員の出席が可能だが、大臣自らが出席することは異例。過去には、2003年4月の会合に経済財政担当相として竹中平蔵氏が出席したことがある。政府からの出席者は、議決権を有しないが、会合で意見を表明することができ、議決の延期を求めることもできる。

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89303520121004


ダブル党首選で狭まる白川総裁包囲網、外債購入で緩和派が攻勢 (1)
10月4日(ブルームバーグ):民主党代表、自民党総裁のダブル党首選とその後の内閣改造を受け、政界では日本銀行に積極的な金融緩和を求める勢力が台頭している。自民党では日銀に「格段の量的緩和」を求める公約を掲げた安倍晋三総裁が誕生。野田佳彦政権内でも前原誠司経済財政担当相が日銀の外債購入に前向きな姿勢を示した。
「日銀の金融緩和をやる意思、態勢、継続性、こういったものをしっかり分析し、判断する中で、足らざる時には日銀の政策決定会合に私も出られる立場になる」−。前原氏は2日の記者会見で、日銀の金融緩和への取り組みが不十分と判断すれば自ら金融政策決定会合に出席する可能性にも言及した。
日銀法第19条は、財務相または経済財政担当相は必要に応じ、金融政策決定会合に出席し、意見を述べることができると規定しているが、これまでは副大臣や政務官が出席するのが慣例化していた。
これに対し、自民党では日銀法改正に向けた党内論議にも積極的に関わってきた安倍氏が総裁として復帰した。安倍氏は、総裁選中の9月15日に出演した日本テレビ系の番組で「米国も連邦準備制度理事会(FRB)が相当ドルを刷って経済を支えている側面がある。日本も政府と日銀が政策協調をして思い切った金融緩和を行っていくべきだ」と発言。20日の東京・秋葉原での演説では「3%の緩やかなインフレを実現しなくてはなりません」とも訴えた。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、政治と日銀の関係をめぐる現状について「日銀は経済の動向を見て政策を決定するというよりも、自分たちが一生懸命やっている証左を政治サイドに見せようとあくせくになっている。政治家はその政策が経済になかなか効果を出せず苛立つ、という悪循環になっている」と分析している。
外債購入
当面の日銀への要求の具体的なテーマとなっているのは日銀元副総裁の岩田一政氏らが提唱している外債購入だ。前原氏は党政調会長時代に前向きな考えを示し、民主党の政権公約(マニフェスト)素案にも、「具体的に実現を目指す政策」の一つとして「円高・デフレ脱却に資する新政策(日銀による外債購入など)」を盛り込んでいる。
前原氏は1日夜の大臣就任の会見で、外債購入は金融緩和を進めるための「有力な材料の一つ」と表明。その上で、「行き過ぎた円高をしっかりと是正していかなければ日本のものづくりは成り立たない」と円高是正への決意を示した。
自民党も8月に発表した「日本経済再生プラン」で「従来の常識を超えた大胆な金融緩和措置」を掲げ、日銀による外債購入も盛り込んだ。同プランをまとめた経済・財政・金融政策調査会の会長だった甘利明元経済産業相は安倍総裁誕生に伴い、政策決定の責任者である政調会長に就任している。
慎重姿勢
これに対し、日銀の白川方明総裁は8月9日の会見で、「目的が円高是正、円安誘導ということだと、これは為替介入になる」と発言するなどこれまで外債購入に否定的な見解を繰り返し表明してきた。城島光力財務相は「慎重に検討していくべき課題だ」と指摘。藤村修官房長官も2日の会見で、「日銀法上も慎重な検討が必要だ」と慎重姿勢を崩さない。
一方、民主党内で独自の日銀法改正案をまとめた「円高・欧州危機等対応研究会」(会長・小沢鋭仁元環境相)の宮崎岳志事務局長は外債購入について「今必要なのはレジームチェンジ。外債購入のように疑問の声が上がるようなことをやらないと市場に強いメッセージは伝わらない」と指摘。前原氏の日銀への姿勢についても「徹底的にやってもらいたい」と支持する考えを示した。
日銀総裁人事
政界の日銀に対する厳しい雰囲気は、来年4月に任期を迎える白川総裁の後任人事にも影響を与える可能性がある。安倍自民総裁、前原経財相は総裁人事について踏み込んだ発言はしていないが、日銀法改正を唱えている与野党の議員からは白川総裁の再任を否定する意見が出ている。
自民党内で日銀法改正を主張してきた山本幸三衆院議員は、「自民党が政権を取って白川総裁の再任を提示することはないし、野田政権が続いていたとしてもできないだろう」と指摘。民主党の宮崎氏も「次の衆院選挙がどうなるかは別として日銀総裁人事は与野党合意が必要な人事だ。自民党の安倍総裁はリフレ色の強い人間でなければのまないだろうから、白川総裁再任の可能性は考えづらい」と分析する。
野田政権が3月に提示したBNPパリバ証券のチーフエコノミスト河野龍太郎氏を日銀審議委員に充てる人事案は4月に野党の反対多数で参院で否決された。自民党内で反対を主導したのが財務金融部会長だった西村康稔衆院議員ら金融緩和派の議員で、民主党内でも小沢元環境相や宮崎氏ら「円高・欧州危機等対応研究会」のメンバーが党の財務金融部門会議で異論を唱えた。
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Peter Hirschberg phirschberg@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/04 12:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBAZ8Q6JTSEB01.html

「国債換金、緩やかに」、赤字国債法案など行方注視=GPIF理事長
2012年 10月 4日 18:06 JST


[東京 4日 ロイター] 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の三谷隆博理事長は4日、ロイターとのインタビューに応じた。年度当初に計画した8.9兆円の「キャッシュアウト」について、国が負担する基礎年金の財源不足(2.6兆円)を賄うのにつなぎ国債を発行すれば、想定より2.5兆円減少すると語り、今年7月以降、国債売却などの換金ペースを緩やかにしたことを明らかにした。

逆に、特例公債法案などの関連法案が成立しなければ、その分を取り戻すための資産売却を余儀なくされかねず、三谷理事長は「関連法案の成否を注視している」と、長引く政局混乱に不安をのぞかせた。

政府は当初、基礎年金の国庫負担2分の1を維持するための財源(2.6兆円)について将来の消費増税で穴埋めする年金交付国債でまかなう方針だった。しかし、野党からの「粉飾まがい」との批判が強まり、6月15日の民主、自民、公明の3党合意で年金交付国債の発行を取り下げ、年金つなぎ国債を発行する対案を打ち出した。

三谷理事長はインタビューのなかで、「4月時点では年金交付国債での対応を念頭に置き、(資産売却などで)8.9兆円のキャッシュを準備する必要があると考えていたが、つなぎ国債になれば2.5兆円減少する」と語った。そのうえで三谷氏は「(3党合意を踏まえて)軌道修正を図り、7月以降は換金ペースを緩やかにしてきた」と話した。

同氏は一方で「特例公債法案や国民年金法の改正案が成立しなければ2.5兆円が手元に入ってこなくなる」と強調。「6月の段階でキャッシュアウトのプレッシャーが弱まってきたが、ここにきてかなり流動的になってきた。このまま(の換金ペースで)いっていいかどうか、走りながら様子を見ている」と語った。

運用状況に関しては「7―9月期は4―6月より改善した」と述べた。4─6月期の運用利回りはマイナス1.85%と、ギリシャのユーロ離脱に端を発した欧州債務危機や世界的な景気減速懸念を受けた株安で昨年7―9月以来、3・四半期ぶりに利回りがマイナスに転じていた。三谷氏は「6月末に比べて内外の株価が持ち直している」ことを理由に挙げた。プラスに浮上したかどうかは言及しなかった。

GPIFは厚生年金や国民年金の積立金を運用する世界最大の年金基金で、国内外の債券や株式に分散投資しているが、その大半は日本国債で占める。同氏は、日本の財政状況に関連して「消費増税法案が成立したため臨界点は遠退いたのではないか。今から(国債暴落の)準備が必要なわけではない」との認識を示した。

また、日銀の金融政策運営について「引き締めに転じることは当面、考えられない」と話した。

(ロイターニュース 山口貴也、程近文、藤田淳子 編集:宮崎大)

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89305D20121004


スペインを待つドラギ総裁、支援要請は瀬戸際政策か−政策委

  10月4日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、スペインがユーロを救うための国債購入プランを必要とするかどうかを自ら判断し、支援を求めて彼の元に戻るのを待っている。
ドラギ総裁が南欧の周辺国を救済する過去に例のない国債購入プログラムの準備を明らかにして1カ月が経過するが、スペインのラホイ首相はイタリアとともに強く求めていた支援の要請に消極的だ。支援に伴って課される条件をめぐる懸念が背景にある。ECBは4日、スロベニアで政策委員会を開くが、前回会合翌日の9月7日に5カ月ぶりの低水準を記録したスペインの2年国債利回りは、その後50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇している。
ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州担当シニアエコノミスト、ニック・マシューズ氏は「ECBと各国政府との間のこの瀬戸際政策というゲームが再び始まり、誰が最初に譲歩するか見守る状況だ。市場が引き続き重要な役割を果たすだろう。ドラギ総裁は圧力を高めるために市場を必要としている」と指摘する。
スペインのデギンドス経済・競争力相は、ECBの支援が実際に必要かどうか政府当局が引き続き検討している段階だと述べたが、最大40億ユーロ(約4055億円)相当の国債発行を目指す4日の入札は、市場からの圧力という試練に直面することになる。
イタリアのモンティ首相は先週、欧州首脳らが先に合意した以外の新たな条件を支援の前提とすべきではなく、国際通貨基金(IMF)を監視役に加える必要はないと警告している。
ECBは現地時間午後1時45分に政策決定を公表し、ドラギ総裁はその45分後から記者会見する。ブルームバーグが調査したエコノミスト52人の予想中央値によれば、ECBは政策金利を過去最低の0.75%に据え置く見通し。
受け入れ難い条件
ECBが償還期間3年までの国債を流通市場で無制限に購入するプランが公表された後の進展状況について、投資家は4日のドラギ総裁の発言にその手掛かりを求めることになりそうだ。
ECB政策委のメンバーとキプロス中央銀行総裁を今年5月まで務め、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院で現在教鞭を執るアタナシオス・オルファニデス氏は「ECBの国債購入プランは各国政府が合意した金融支援の実行を補完するものにすぎないことを人々は忘れがちだ。ラホイ首相とモンティ首相が条件やIMFの関与に快く同意できないなら、他の首脳とそれに対処すべきであり、ECBに文句をつける筋合いはない」との見方を示す。
ドイツ連銀の懸念現実に
ドラギ総裁は9月25日にドイツの議員らに対し、国債購入は根本的な問題に取り組む各国政府の改革を伴う必要があると語った。しかし、スペイン政府はそのような条件を受け入れるかどうか意思表示をまだ行っていない。デギンドス経済相は10月1日、ECBのプランが検討段階だとした上で、「スペイン経済の利害に合致する最善の決定」を行うと言明した。
フランクフルト・トラストの資産配分責任者クリストフ・キント氏は「ECBの行動を可能にする条件を各国政府が満たすことは非常に難しいというドイツ連邦銀行の懸念が今や現実になりつつあるようだ。ECBは異なる展開を想定していたのだと思う」と話している。
原題:Draghi Stares at Spain as Bond Brinkmanship Keeps ECBWaiting(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Gabi Thesing gthesing@bloomberg.net;フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/04 12:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBCDND6K50YJ01.html


日中摩擦長期化なら日本経済下振れリスク=武藤大和総研理事長
2012年 10月 4日 15:47 JST

[東京 4日 ロイター] 武藤敏郎・大和総研理事長(前日銀副総裁)は4日、都内で開かれた日本証券業協会主催のイベントで講演し、日中間の摩擦が「万が一長続きすることがあれば」、日本経済成長率の見通しが現在の見通しを下回るリスクがあると指摘した。大和総研では2012年度成長率を前年比1.8%、13年度同1.2%とみている。

武藤理事長は消費者物価上昇率が12年度は前年比0.0%、13年度で同プラス0.1%にとどまると指摘。日銀が7月に示した13年度に同プラス0.7%との見通しは「少し甘いところがある」とし、日銀は10月末公表予定の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で下方修正するとの見通しを示した。

日銀の金融政策については、「量的緩和政策を秩序なく実行するとインフレがコントロール不能な状況に陥ると日銀は心配している」と説明。一方、「デフレなのにインフレを心配する必要はない、との気持ちは私どももある」と述べ、「量的緩和政策にはまだ工夫すべき余地がある」と強調した。

日本のデフレはバブル崩壊以降10数年続いており「金融政策のみでの解決は簡単でない」と強調した。為替介入は「急激な変動に対応するもの」だとし、現行水準が円高であるため円安に持っていくとの主張はG7(主要7カ国)などでは通用しにくいとの見方を示した。


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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89304G20121004  

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コメント
 
01. 2012年10月06日 00:52:18 : sUpHQ8Q75g
前原とか安倍とか甘利は油堕菌のエージェントだから
日銀であろうがどこであろうが外債購入を求めるのは道理

夜盗痔罠盗の面々が何を喚こうが勝手だが
今や政府メンバーである前原の反国民的な言動を許すことはできない

欧米中央銀行の金融緩和により
国際商品価格が異様に上がってる状態で
円安に誘導したら
国内要因ですでに可処分所得をもぎ取られてる日本の庶民は
いよいよ生活できなくなる

この前原の行為は憲法違反であり問責すべきなノダ


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