★阿修羅♪ > 経世済民78 > 176.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
アメリカの長期金利が上昇!景気は回復しているのか?・・ウォール・ストリートの崖に狼が集まっている?
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/176.html
投稿者 墨染 日時 2012 年 10 月 19 日 11:11:49: EVQc6rJP..8E.
 

http://green.ap.teacup.com/pekepon/923.html

■ アメリカの長期金利がジワジワと上昇 
アメリカの10年物、30年物国債の金利が上昇しています。
長期金利は中長期的な景気の動向予測で上下します。
単純に考えれば、長期金利の上昇は、アメリカの景気が将来的に回復する印と言えます。

■ 住宅市場に薄日が射して来た? 
「9月米住宅着工件数は約4年ぶり高水準、景気に明るい兆し」(ロイター2012.10.17)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE89G00W20121017
(記事略)
アメリカの住宅着工件数が上昇したという記事です。
しかし、良く読むと「兆し」とか「大幅に修正される傾向」とか、何だか、改善しているのか、改善していないのか分からない記事です。

■ このグラフの何処が回復と言えるのだろうか? 
(グラフ略)
直近だけ拡大すると、確かに少し上向いて見える住宅着工件数。
しかし、レンジを長く取ると、リーマンショックの谷があまりにも深いので、そのショック状態から少し回復しただけという事が歴然です。

日本もバブル崩壊以降20年以上も、景気が低迷しています。
アメリカの景気が急速に回復するとは思えません。

■ MBS市場は既に「死に体」で無いのか? 
毎月3兆円以上のMBSを市場からFRBが買い入れるQE3。
ロイターの予測では総額6000億ドルで、QE2と同規模の緩和になりそうです。

サブプライムショックで金融機関が抱え込んだ住宅担保証券(MBS)は、不良債権として、金融機関が大事に隠しています。

昨年末頃にFRBはQE1で購入したMBSを売却して利益を出した様に見せ掛けましたが、それを又、無制限で買い戻すのですから、この市場が既に「死に体」である事に疑う余地はありません。

■ 新たな借金を生み出さなければ「死亡」する金融システム 
現代の通貨システムは、誰かが新たな借金を作る事で維持されています。
非常に単純化してしまえば、借金で借金を返済し続けるシステムです。

ですから、景気が悪化して、資金需要が滞ると一気にシステムが崩壊します。
通常はバブルの崩壊として観測されるこの現象は、債権放棄という方法で、誰かが損をする事で調整が行われます。

ところが、米英が金融革命で生み出した債権金融システムは、住宅債権などの「借金」を、さらに「証券化」して売り出しました。これが住宅担保証券(MBS)です。
さらに、MBSを複雑な金融商品に組み替えて、何回も販売しました。

これらのMBSを購入する資金も、借金によって賄われたので、借金が借金を自己拡大する状況が生まれます。
さらにデリバティブ取引など、実際の資金を上回る取引が繰り返された結果、天文学的な負債が積み上がる事になりました。
★この状態でも、新たな借金を作り続けなければ、現代の通貨システムや金融システムは破綻します。

■ 既に破綻しているシステムに絆創膏を貼るだけの量的緩和 
★量的緩和とは、債務の返済期日が来てもお資金の目処が立たない金融機関に、中央銀行が、低利で資金を貸し付ける行為に他成りません。

最も、返せる当てが無いので、ゴミ同然のMBSを金融機関から買い上げる形で、FRBは金融機関に資金を用立てしています。

MBS自体は、住宅ローンの支払い者がコツコツと債務を返済する限り、いつかは元が取れる商品です。ですから、米国の経済が危機に瀕して、再びローン破綻者が急増しなけば、FRBも最終的には損をしません。

ただ、MBS市場は完全に死んでしまっているので、流動資産としてのMBSの価値は、大きく毀損しています。それを時価会計すれば、FRBのバランスシートは大きく崩れます。

アメリカはリーマンショック以降、時価会計を停止して、金融機関の含み損は隠蔽されています。
ストレステストをもともに実施して時価会計すれば、アメリカの金融機関は、全て債務超過になるでしょう。

QE3とは、MBSという不良債権の中でも幾らかマシな債権をFRBが無制限に買い取って、市場に資金を供給するプログラムです。

■ プリンティング・マネー 
ドルの金兌換が停止されてから、ドルは事実上は「紙切れ」です。
しかし、「紙切れ」でも実際に買い物が出来るので、ドルは価値を維持していると言えます。

ドルに限らず、どの国の通貨も、「信用」が失われなければ「紙切れ」でありながらも「価値」を維持します。

通貨の価値は、普通、「過剰に印刷」すれば損なわれます。

現在のアメリカの様に、好きなだけドルを刷れば、当然、ドルの信用が失われます。
通常はドルの暴落という現象で、この歪みは調整されます。
ところが、世界を見回すと、ユーロもヤバイ、元もドルと同じかそれ以上に刷り散らかされている。

円は少ししか刷っていないので、相対的にマトモに見えます。
ですから、円高が進行していますが、その日本ですら、景気は長期に低迷し、国債の発行残高は危機的状況です。

★要は、世界中を見回した時、まともな通貨が存在しないのです。

ところが不思議な事に、誰も「お金は紙切れだ!!」と言い出しません。
それを言ってしまったが最後、世界の通貨は全て「紙切れ」になってしまうからです。
タヌキのお札が、一瞬で葉っぱに化けるのと同じです。

■ 通貨はどこまで増え続けるのか? 
現在、通貨の増刷に一番積極的なのはドルと、ドルにペックする国の通貨です。
元も、ドルに半ばペックしているので、元も大量に発行され、中国でバブルを形成しています。
これは異常な状態ですが、それでもドルも、他の通貨も現状は崩壊していません。
何故でしょう?

それは、極端なインフレが発生しないので、国民の不満が少ないからです。
通貨の発行限界は、インフレの影響が国民生活を圧迫する時にやってきます。

■ インフレを隠す米政府 
現状、アメリカでは食料品価格や、ガソリン価格がインフレ気味です。
特に干ばつによる穀物の不作は、穀物価格のみならず、食肉価格を上昇させます。
アメリカ政府はガソリン価格の上昇にナーバスです。
備蓄ガソリンを上手に供給して、価格安定に努めています。
食肉価格も、低めに誘導して、国民の不満を抑えています。

大統領戦が終了するまで、アメリカのインフレは押さえ込まれると思われます。

■ 中東有事が一番恐い 
現在のアメリカで最も警戒すべきは、大規模な中東有事による原油価格の高騰です。
1バレル200ドルなどという事態になれば、全ての物価に上昇圧力が掛かります。

アメリカは実体経済が不況なので、金利に上昇圧力が掛かりません。
しかし、物価上昇が顕著になれば、FRBとて金利を上げざるを得ません。

金利上昇は経済のブレーキになると同時に、米国債の発行コストを引き上げます。

■ 米国債金利に敏感な米国政府 
昨年、アメリカの景気が少し持ち直した時がありました。
その時、国債金利がピョンと上がりました。
すると、バーナンキもガイトナーも景気に水を差す様な発言を繰り返しました。
リスクを選好して、債券市場から株式市場に流れていた資金が、慌てて、債券市場に戻った様に見えました。

★米政府やFRBは量的緩和で、景気回復を演出しようとしますが、リスクオンのムードが高まると、米国債市場から資金が逃げ出すというジレンマに陥っています。

■ 再び、米国債金利が上昇し始めた 
冒頭のグラフを見ると、QE3に連動するかの様に、米国債金利が上昇に転じています。
リスクオンの流れに乗って、ダウ平均などは持ち直していますが、この動きが過剰になって、米国債市場から資金流出が起これば、何か、景気に水を差す・・動きがあるかも知れません。

■ 長期金利の上昇が住宅市場の回復を遅らせる 
せかく回復基調にある住宅市場も、長期金利が上昇すれば、すぐに需要が落ち込みます。
★結局、あちらを立てれば、こちらが立たずという状況で、米経済はなかなか本格的な回復軌道に乗れません。

■ 米国債を必至に買い支える日本 
八方塞りの状況にあって、米国債を必至で買い支えているのは日本です。
先ごろ、中国を抜いて、保有高の世界1位を奪還しました。

円高を仕掛けられては、為替介入の名目で米国債を買い、さらには日銀の外債購入まで前原氏が主張する始末。

米国債の残高が積み上がるのとペースを揃えるがごとく、日本国債の残高も積み上がっています。
既に、ドル紙幣の裏側に、福沢諭吉の顔が薄っすらと浮んで来そうです。

■ 世界の空気がピリピリし出した 
尖閣や竹島問題で東アジアで緊張が高まっています。
中東でもシリアとトルコの緊張状態も高まっています。
ガザ地区と、イスラエルの間でもイザコザが続いています。

ここまで書いてきて、私はデジャブに囚われます。

何だか、リーマンショック直後の状況に世界が酷似しています。

当時も尖閣問題で日中関係が緊迫していました。
イラン制裁が発動され、ホルムズ海峡で緊張が高まっていました。
韓国の哨戒艇が、北朝鮮の魚雷で撃沈しました。(という事になっています)

どうも、経済の雲行きが怪しくなると、世界の軍事的緊張関係も、高まる様に思われます。
・・・経済運営の舵取りに失敗した瞬間に、世界中で戦争が勃発して、全てがウヤムヤにされて、
戦時統制体制に突入するなんて・・・まさかネ。
★オオカミだよ、オオカミだよと叫べども、意外と世界は平穏ではあるのですが・・・

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年10月20日 00:03:24 : ASoliZlDAM
アメリカが、財政危機に突入開始、のサインが出てきましたか?
中国は、売り払い逃げているようです。
日本は、泥舟に乗り続け沈没ですか?
困りました、日本経済破綻です。
推測ばかりで、よく実態が分かりませんが、、、、。

アメリカは、いくら紙幣を発行しているのですか?
新100ドル札が発行されようとしているようですが、、、、
ドルが、紙屑?????
アメリカは、責任がない国になりますね。
日本は、ハワイを譲り受けること出来ないのですかネ。
等価交換ですよ。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民78掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民78掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧