★阿修羅♪ > 経世済民78 > 327.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
VW「50万円車」の破壊力  どうせやるならとことんクリエイティブ
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/327.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 31 日 11:53:05: cT5Wxjlo3Xe3.
 


VW「50万円車」の破壊力

2012年10月31日(水)  吉野 次郎 、 伊藤 正倫

独フォルクスワーゲンが、新興国で50万円前後の超低価格車を投入する見通しだ。ブラジルで開催中の「サンパウロ・モーターショー」で、同社幹部が明かした。低調な世界景気を受け、“価格破壊”でクルマ消費を喚起する動きが加速しそうだ。


ブラジルで10月22日に始まったサンパウロ・モーターショーの会場(上)と、コンセプトカーを紹介する独フォルクスワーゲンのウルリッヒ・ハッケンベルク取締役(下)。
 欧州最大の自動車メーカー、独フォルクスワーゲン(VW)が新興国を中心に、価格が50万円前後の超低価格車を発売する見通しとなった。

 ブラジルで10月22日に開幕した「サンパウロ・モーターショー」を視察中のVW研究開発担当のウルリッヒ・ハッケンベルク取締役らが、現地で本誌記者などに明らかにした。同氏は、「中国では現地メーカーなどが6000ユーロ(約63万円)前後の自動車を販売するなど、従来の小型車よりも安い超低価格車の市場が(新興国)各国で立ち上がりつつある。VWも、この分野への参入を検討中だ」と語った。

 また、VWブラジル法人社長のトーマス・シュマル氏は、「ブラジルでは中間所得層の中でも、低所得層に近い『下位中間層』の人口が今後10年で約2倍になる。この領域に対応する価格帯のVW車はまだないが、我々はこれからの成長領域に位置づけている」とし、独本社による超低価格車市場への参入の決定が近いことを示唆した。

2020年には15億人超の市場に

 現在、ブラジルで最も安いVW車「ゴル」は、ベーシックモデルで2万6690レアル(約105万円)。ハッケンベルク氏は超低価格車について、一般的に「自社の(最安値モデルの)半値が相場」としており、50万円前後となる可能性が高い。この下位中間層向けモデルでは新ブランドを立ち上げ、「VW」など既存ブランドと差異化するもようだ。

 ブラジルや中国など新興国では、世帯年収が5000〜1万5000ドル(約40万〜120万円)の下位中間層の人口が2010年で14億1000万人に達している(経済産業省・新中間層獲得戦略研究会の「新中間層獲得戦略」から)。2020年には15億1000万人まで増える見込みだ。この層は、従来の低価格車でも所得面から手が届きにくかったが、VWのように思い切って価格を下げれば、クルマ需要が一気に盛り上がる可能性を秘めた層でもある。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121026/238639/02.jpg

 VWが、超低価格車の投入をブラジルで明かしたことは偶然ではない。

 下位中間層が人口の多くを占めることに加えて、車両価格の3〜4割を税金が占めるため所得に比べて自動車が割高。このため、以前からVWや伊フィアットなど小型車に強いメーカーのシェアが高かったが、それでも約2億人の人口に対して新車販売台数は年間340万台と、クルマの普及余地はまだまだ大きい。さらに、今後数年でサッカー・ワールドカップやリオデジャネイロ五輪が開かれ、中期的な経済の下振れリスクは比較的小さい。超低価格車を試すにはうってつけと言える。

 ブラジルで反転攻勢に出た直後だった日本勢も、戦略の軌道修正が必要となるかもしれない。トヨタ自動車は9月下旬に同国で戦略小型車「エティオス」を発売したが、価格は2万9990レアル(約117万円)から。VWの現行の主力車種ゴルよりも高い。


 米系調査会社J・D・パワー・ド・ブラジルによると、現地のブランド別顧客満足度ではトヨタを筆頭に日本勢の評価が高い。これに対し、VWは平均以下。だが、超低価格車によって圧倒的な価格差がつくとなると、日本メーカーのシェア向上はますます遠のく。サンパウロ・モーターショーを訪れたホンダの伊東孝紳社長は「インドで100万円を切る価格で販売する『ブリオ』の派生車をブラジルに投入する。現地の研究開発拠点を強化するなど、徹底した現地化によって低コストを実現する」と力を込める。

ダットサン、2年後で間に合うか

 そもそも、1万ドル(約80万円)を切るような超低価格車はインドのタタ・モーターズなど新興国メーカーが主導するとの見方が多かった。だが、欧州危機によって欧州メーカーは母国市場で販売不振に陥り、成長を維持するためには新興国での収益拡大のピッチを速めることが不可避となってきた。

 VWが超低価格車に意欲的なのは、仏ルノー傘下の低価格ブランド「ダチア」が欧州を含む世界各地で成功を収めていることに触発されたためとの指摘もある。世界的に景気の力強さが欠ける中、販売台数を確保するために、欧州勢を中心にクルマの“価格破壊”が前倒しで進み始めたようだ。

 クルマを機能ごとの大きな部品の集合体と見なし、組み立て玩具のように造る「モジュール化」の広がりで、生産コストが大きく下がり始めていることも後押しする。

 VWは日本勢の牙城であるインドネシアでも、1万ドルを切る小型・低燃費車を準備しているもよう。迎え撃つトヨタと傘下のダイハツ工業は、年内に80万〜100万円の新モデルを投入する見通しだ。同国では、日産自動車がこれまで存在しなかった1万ドル以下の市場に照準を定めて新ブランド「ダットサン」の発売を2014年に予定しているが、日産が先行者メリットをフルに享受できるかも不透明になってきた。

 現在のところ、自動車メーカー各社にとっての主戦場は、1万ドル以上の自動車を購入できる「上位中間層」である。各社ともこのセグメントの品揃えを最も充実させている。サンパウロ・モーターショーでは、そうした価格帯の新車発表が相次いだ。


ホンダが発表したブラジル専用モデル「フィット ツイスト」
 トヨタは、来年初頭にHV(ハイブリッド車)「プリウス」をブラジルで発売し、ホンダは小型車「フィット」のブラジル専用モデルを近く投入すると発表した。VWは3ドア仕様の新しいゴルを、韓国・現代自動車は小型車「HB20」の5ドア仕様車などを、それぞれお披露目した。

 だが、今後は1万ドルを切る超低価格車がこうした上位モデルの需要を侵食して、大衆車全体の“価格破壊”を引き起こす可能性がある。そうなれば、世界の自動車業界は一段と体力勝負の様相を呈することになる。


吉野 次郎(よしの・じろう)

日経ビジネス記者。1期生として慶応義塾大学環境情報学部を卒業。1996年に日経BPに入社し、通信業界の専門誌「日経コミュニケーション」で2001年までNTTと新電電の競争や業界再編成を取材。2007年まで通信と放送の専門誌「日経ニューメディア」で、通信と放送の融合やデジタル化をテーマに放送業界を取材。現在は「日経ビジネス」で電機やIT(情報技術)業界をカバーする。好きな季節は真夏。暑ければ暑いほどよい。お腹の出っ張りが気になる年齢にさしかかり、ダイエット中。間もなく大型バイク免許を取得する予定。著書に『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』(日経BP)。

伊藤 正倫(いとう・まさのり)

日経ビジネス記者。


時事深層

“ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121026/238639/?ST=print


http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121025/238579/site01.jpg
「どうせやるならとことんクリエイティブ」

2012年10月31日(水)  柳澤 大輔

 先々週発売の日経ビジネスの特集は「世界の誇るニッポンの商品100」でした。
この特集を見ると、確かに誇りに思う技術や商品が日本にはまだまだあるんだなぁと勇気が出てきます。そんなこの特集で取り上げられていた商品の中で、1つ衝撃を受けたものがあります。

 それは、TENGAです。TENGAが何かを知らない方のために、日経ビジネスにかかれた解説を引用します。

世界最大級のデザイン賞「レッドドット・デザイン賞 プロダクトデザイン2012」を受賞。米有名誌で取り上げられ、世界40か国で販売。エイズで死亡した伝説のアーティスト、キース・へリングとコラボレーションし、10月20日からセレクトショップ「ビームスT原宿」で扱われる・・・

 という説明で、記述され何やらすごそうに感じますが、
どんな商品かがずばり、下記のように解説されていました。

男性の自慰行為用グッズだが、デザインにいやらしさは全くない。

3つのことを考えた

 すごいです。さらりと説明していますが、男性の自慰行為という、ふだん余り大きな声で胸を張って会話できるようなことでないものが、日経ビジネスで取り上げられていることに驚きがありました。そして、3つのことを考えるきっかけを頂きました。
 まず、1つに、倫理観や価値観などは時代とともに変わるものなので、男性の自慰行為というものがもっとオープンに、そんな時代の変化が生まれてくるということなのでしょうか。そのように考えると今後ビジネスチャンスは広がり、あらたな業界からの参入があるかもしれません。

 これには例えば、筋トレのようなものだということにしていくということが考えられます。筋肉を鍛えることが漢(ヲトコ)としての喜びのように、自分自身のものを鍛錬していく。プロティンで筋肉を増強するように、増強していくためのサプリメントなどが一般的になるかもしれません。ED治療というのは随分前から認知をされていますが、治療ではなく、元気なものをさらに伸ばしていく、さらに強化していく市場です。

 あるいは、徹底的にエンタテインメントにしていく。行為そのものが隠すようなものではなく、爽やかなものとなっていく。街の至るところにアミューズメントパークないし、サウナのような感じで施設ができる。そんな市場です。自分一人で楽しむための場所とはいいつつ、バーチャルな世界もどんどん進化していくでしょうから、いろいろなさわやかな未来が考えられます。

 ・・・とここまで一生懸命書いてきて、この記事をこのまま進めていいのかという気もしてきましたが、このまま続けて2つ目に気づいたことを書きます。

驚くようなことがあるとつぶやく時代

 それは、もしかしたら編集者はあえて確信犯的にこの商品を選んだということもあるのではないかなと。実際ソーシャルメディアを調べたところ、「TENGAが日経ビジネスの100選に取り上げられてるよ!」と驚いてつぶやいている人もたくさんいました。

 驚くようなことがあるとソーシャルメディアを使ってつぶやく時代です。このバズがどの程度の販売部数につながっていくのかは定かではないですが、人に伝えたくなるようなもの、そういったものをしっかりと取り上げていく、これは編集者側としては重要な視点なのではないかと思います。

 そして、最後に3つ目。

 それは、やはりどんなジャンルであれ、1つのことを真剣に真摯に突き抜けるように追及していくとそれは人に感動を与え、誇れるべきものになるということです。

 TENGAは、その行為そのものを本当に研究をして、そこに真剣に技術と情熱を注いできた、そして、デザイン性でも一流を目指し、かつこの活動そのものを社会貢献にまで結びつけるところまでいっている。

例えば、解説には、

衝動的な性行為を防ぎHIV(エイズウイルス)感染予防につなげるという、タイ赤十字エイズ研究センターの調査にも製品を提供。国内の一部コンビニエンスストアで販売が始まった。

とあります。

 ちなみにOKAMOTO(コンドーム)も、この日経ビジネスの100の製品の1つに選ばれていました。こちらは、比較的、以前から世界最薄の技術力などで、認知がされていますし、今年世界最薄でギネス認定なされています。

 そして同じくコンドームのサガミオリジナル。こちらはクリエイティブの世界で、この商品の広告キャンペーンが高く評価されています。キャンペーン「LOVE DISTANCE」は2009年のカンヌ国際広告祭フィルム部門で日本では13年ぶりとなる金賞を受賞した他、国内外10以上の賞を受賞しています。

出す前は「賛否両論」、でも愛されるキャラクターに

 僕はカヤックから、「ポケットフレンズコンチ」というサービスが生み出した瞬間を思い出しました。カヤック社内で、このキャラクターをいざリリースという時に賛否両論が出ました。


コンチ
 このキャラクターも結局出すに当たって、迷いに迷って、最後に決断しました。どうせやるならとことんクリエイティブを追及しようという話に。その結果、愛されるキャラクターになることができたと思っています。

 世の中にはタブーということがたくさんあります。でも真剣に、真剣に考えて、本気で取り組んでいけば、いつかそれはタブーでなくなる、それが社会の面白いところなのかもしれません。

【今週の一言】
どうせやるならとことんクリエイティブを追及しよう。

柳澤 大輔(やなさわ・だいすけ)

面白法人カヤック代表取締役。1998年、学生時代の友人と共に面白法人カヤックを設立。「ART-Meter」「HOUSECO」「こえ部」など、ユーザー数千〜数万人規模のインターネットサービスを幅広く展開する。ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給)や、ワークスタイル(旅する支社)など、制度面も現在実験中。近年では、ギャラリー「ART-Meter」、カフェ「DONBURI CAFE DINING bowls」などリアルショップを運営。2009年、ビンボーゆすりを科学したプロダクト「YUREX」を開発。


ビジネスという“奇妙な冒険”

日経PCオンライン、BizCOLLEGEにて数年間連載を続けてまいりましたが、今回から日経ビジネスオンラインで連載をすることになりました。
 「そもそも面白法人カヤックってなんなの?」という疑問をお持ちの方は、こちらをご覧ください。
それでも「何をしている会社なのかさっぱりわからない」という思われる方もいるかもしれませんが、まぁなんとなく面白そうな感じの会社だということは掴んでいただけるのではないかと思います。
面白法人カヤック会社案内
アイデアは考えるな。
この「社則」、効果あり。がある。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121025/238579/?ST=print  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年10月31日 23:02:13 : 1gcz27NEPc
1ユーロ100円で換算して50万円でも、少し前みたいに160円とかなら80万円だね。

今の欧州自動車メーカーの好調は、ドイツ車に関しては確かに日本車より環境技術で
一歩先んじている面があるにはあるが、その他のメーカーはユーロ安に助けられている
だけと思われる。

円安でバブル的に成長した後に業績悪化したトヨタと重なって見える。


02. 2012年10月31日 23:42:29 : aT9tG7aYrY
低価格車と言えば、1979年5月に新発売されたスズキ・アルト47万円を思い出す。50ccのミニバイクが爆発的に売れていた時代、交通事故が社会問題になっていたが、ミニバイクに乗っていた人たちが軽自動車に移行するきっかけをつくった低価格車として時代の寵児となった。変速機はマニュアルでエアコンなし。カーラジオもオプションだったが、ミニバイクから移行する上で何の問題もなかった。それからすると、今の軽自動車は豪華になったものである。

日本における今の軽自動車は、国民の所得減少に伴なう自動車維持費の削減要求に適合した自動車と見られている。自動車を乗り換えるたびに大きくなっていったのが1990年代までとしたら、2010年代は乗り換えるたびに小さくなっていく傾向が見られる。彼らは以前は大きい自動車に乗っていたから、維持費が安くなっても快適装備は必要だと感じている。何もついていなかったスズキ・アルト47万円の再来は無理であろう。

世界的に自動車の価格競争が激化する中、自動車生産の新興国への生産移転が進む。先日もベルギーのフォードの工場が閉鎖されると報道されたが、ベルギーは欧州屈指の自動車生産国であったことを知る人は少ないだろう。1980年にシトロエンのベルギー・フォレスト工場が閉鎖され、1997年にはカルロス・ゴーン上級副社長が率いるルノーも工場を閉鎖した。

欧州主要メーカーはハンガリー、ルーマニア、セルビアと言った東欧諸国に生産拠点を移している。日本でも日産自動車のマーチ、三菱自動車のミラージュがタイで生産され、日本を含む世界各国に輸出されている。これらの車種の共通点は、これまでの自動車なら考慮されていたエンジンの大型化を拒否しているところにある。強力なライバル車種の出現で販売が低下し始めると、高性能版を追加投入するのが常套手段だった。ところが今日の低価格車は、最初から全く考えていないそうだ。

三菱ミラージュの対日輸出車は1,000ccの3気筒エンジンだが、仕向け地が欧米諸国やオセアニア方面の場合、1,200ccの3気筒エンジンだそうだ。車種バリエーションも少なくし、かつてなら若者向けとして用意されていた2ドアモデルはありません。単一車種でコストを削減しないと売れないのです。先進国から新興国への生産移転はますます進みそうです。


03. 2012年11月01日 02:50:19 : KETI7XWGgs
フィアットとか低価格のVWは故障して何ぼですから。トヨタなんかカローラU、スターレットをそのまま復活させればいいんじゃないかと思うのだが。フィアットの低価格車よりスターレットの方が良いよ、マジで。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民78掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民78掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧