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経済政策はロムニー氏よりオバマ大統領がまとも  立ちはだかる雇用問題と「財政の壁」問題 米大統領候補者たちが忘れたアジア
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/329.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 31 日 12:00:15: cT5Wxjlo3Xe3.
 


コラム:
経済政策はロムニー氏よりオバマ大統領がまとも

2012年 10月 30日 15:11
コラム:香港の新たな不動産価格抑制策、世界の他都市に拡大か
コラム:華為技術スパイ疑惑、米中問題の複雑さ露呈
コラム:温首相の巨額蓄財報道、中国では「公然の秘密」
コラム:リフレ政策は本当に無意味なのか=武者陵司氏

ローレンス・H・サマーズ

[ニューヨーク 29日 ロイター] 政治家の間では見解が分かれているが、多くの専門家は経済政策の目的について同じ考えを持っている。オバマ大統領が再選を果たそうが、ロムニー氏が政権を勝ち取ろうが、次期大統領が経済分野で成功を収めるには、以下の3点を実現する必要がある。

*失業率の実質的な低下につながる経済成長ペースの回復。

*米国の資産に対するソブリン債務の比率を押し下げる措置を通じた、安定的な基盤に基づく国家財政の構築。

*長期に渡って中間層の着実な所得拡大を支える経済基盤の再構築、および職を求めるすべての人々に対する職の提供。

こうした問題に対し、オバマ、ロムニー両候補はどのようなスタンスを取っているのか検証してみよう。

オバマ大統領は需要不足が経済成長を阻害する主な障害だと認識しており、大統領に就任して以来、民間および公的セクターによる需要喚起に努めてきた。国際通貨基金(IMF)が最近発表したリポートも、そうした政策の重要性を確認している。つまり、短期金利がゼロ%に近い水準にある場合、財政政策は特に重要な役割を果たす可能性がある。

オバマ大統領はまた、連邦準備理事会(FRB)の独立性を尊重してきた。FRBはそれに応え、事実上のゼロ金利政策をとっても需要がなかなか上向かない状況を踏まえ、創造的な対応を講じてきた。

輸出業者に対する政府支援策の拡大など一連の措置が奏功し、輸出が過去5年間に倍近くに拡大するなど、順調に成長している分野もある。オバマ大統領は、現在の低金利を生かして公的セクターの投資を促し、公的セクターの雇用を守り、輸出拡大を持続させる決意を明確に示している。

それとは対照的に、共和党のロムニー候補は、景気低迷が続いている場面でも政府支出の大幅な削減を主張しており、議会はこれまでの歴史で最も厳しい裁量支出の削減に踏み込んだ。

ロムニー氏は一方、政府による武器購入や高級品を購入する富裕層に対する減税が雇用創出につながると主張しているが、学校や高速道路の修復への支出には冷淡だ。

金融政策に関しては自ら関与したい考えを示しており、現在よりも信用供給を削減すべきだとしている。

そればかりか、自分が大統領に就任すれば、経済チームを編成する前の就任初日に中国を為替操作国に認定すると表明している。それは貿易戦争に発展するリスクを冒す行為だ。

オバマ大統領は、財政赤字に関するシンプソン・ボウルズ委員会の報告書について、すべてではないにしても、基本的に尊重する考えを示している。

米企業の最高経営責任者(CEO)で構成するグループが先週発表した赤字削減策に関する提言と同様、オバマ大統領は、持続可能な財政を達成するには支出抑制(特に給付金の抑制)と収入増のどちらも必要だと主張している。

大統領が提出した予算案は、議会予算局(CBO)が全面的に精査した結果、この10年間は国内総生産(GDP)に対する債務の比率が低下基調をたどっていく見通しが確認された。大統領は債務抑制をさらに確実なものとするため、現在の予算案以外にも対策を講じる姿勢を示している。

それに対し、ロムニー候補は、外部の専門家が評価する上で必要となる詳細な予算について、部分的なアプローチすら提示していない。その一方で、ブッシュ政権のゲーツ国防長官が主張した金額をさらに1兆ドル上回る軍事支出が必要だと指摘。さらに、広範に渡る20%の減税を提唱している。外部専門家の試算によれば、それは次の10年間に5兆ドル近いコストをもたらす要因となる。

それに要する財源については何も提示されておらず、ロムニー候補は「税の抜け穴をふさぐ」と言っているだけで、その具体策も明らかにしていない。

連邦政府は過去において、民主、共和両党のリーダーシップの下で、ルイス・クラーク探検から大陸横断鉄道や全国に渡る高速道路網の建設、インターネットを生み出すきっかけとなった研究や開発など、将来の繁栄につながる数多くの基盤を築き上げてきた。

オバマ大統領は、不透明な時代には一部の投資が他の投資よりも大きな成果を生み可能性があると認識し、そうした伝統を引き継いでいる。

過去数年の公的投資には、一般に考えられているよりも多くの小さい問題があったが、だいたいは成果を上げた。学生の成果を測る手法は多数の州で導入され、医療機関での診療記録はコンピューター化された。国内で生産される化石燃料や再生可能エネルギーは、エネルギー・ニーズを満たす上で役割がますます高まっている。

金融機関の自己資本基準は引き上げられ、学生ローンの貸し出しは合理化されたものの、預金者を保護する体制は整った。これらの措置は、2期目のオバマ政権によってさらに推進されなくてはならない。

ロムニー候補は、金利が2%を下回り、実効税率が数十年来の低水準にあるにもかかわらず、あらゆるリソースを使って減税すれば、企業が投資を再開すると期待している。仮にそうした政策が繁栄の基盤を築くとすれば、米国は歴史的に経験してきた姿とは全く異なるものになる。

(ローレンス・H・サマーズ氏はハーバード大学教授。元米財務長官)

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コラム:リフレ政策は本当に無意味なのか=武者陵司氏 2012年10月29日
11月の独消費者信頼感指数は6.3、07年10月以来の高水準 2012年10月26日
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE89T05920121030?sp=true

【第1回】 2012年10月31日 瀧口範子 [ジャーナリスト]不況からアメリカを救うのはオバマか、ロムニーか

新大統領に立ちはだかる雇用問題と「財政の壁」問題

――元米大統領経済諮問委員会委員
ジェフリー・フランケル氏に聞く
11月6日に行われるアメリカ大統領選挙の投開票まであと1週間となった。第3回目のテレビ討論会は現職の民主党・オバマ大統領が優勢のうちに終了したが、共和党・ロムニー候補との激戦は今も続いており、どちらが大統領になるかは最後まで不透明な状態だ。激戦のまま終盤を迎えた今回の大統領選で最大の争点といえるのは、やはり「経済政策」だろう。一時は失業率が10%を超えるなどこの4年間のアメリカ経済を振り返り、オバマ大統領に厳しい声が寄せられているが、本当にオバマ大統領の経済政策は失敗だったのか。ロムニー候補が新大統領となれば、アメリカ経済に復活の兆しは訪れるのか。クリントン政権下で大統領経済諮問委員会(CEA)委員を務めたジェフリー・フランケル ハーバード大学教授に話を聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子)

オバマ大統領の経済政策は失敗ではない

――共和党のミット・ロムニー候補は、オバマ大統領の経済政策は失敗だったと強調し続けているが、あなたの見方は逆だ。まずそれを説明してほしい。


ジェフリー・フランケル
(Jeffrey Frankel)
ハーバード大学ケネディー行政大学院教授。MIT(マサチューセッツ工科大学)で経済学の博士号取得。1999年より現職。NBER(全米経済研究所)の 国際金融とマクロエコノミックス・プログラムのディレクターを務め、景気後退を公式に宣言する同研究所の景気循環日付委員会メンバーも兼任。カリフォルニ ア大学バークレー校教授(1987〜1999年)、クリントン政権大統領経済諮問委員会委員(1996〜1999年)などを務め、現在は、ニューヨーク地 区連銀、ボストン地区連銀アドバイザーなどの役職を兼務。
 オバマ大統領の政策が成功しているかどうかは、ある限りの経済分析結果を見るか、それとも人々がどう感じているのかで答えは違ってくる。後者の場合ならば、過去4年間のアメリカ経済は、失業率も含めていい状態ではない。だが、飛行機にたとえると、オバマが大統領に就任した当時のアメリカは1930年代以来の不況にあり、機首から真っ逆さまに下降している飛行機と同じ状況だ。ことにGDPは後ほど下方修正されたので、当時ひどいと思っていたよりも実際にはもっと悪い経済環境の中で、オマバは操縦席に座ったのだ。

 擁護派はオバマ大統領が墜落、つまり大恐慌を防いだと言い、反対派はそんなことはないと言い張る。だが、はっきりしているのは、あのような経済政策を採らなかったらどうなったかは、永遠にわからないということだ。

――確かに証明のしようがない。

 しかし、飛行機のたとえに戻ると、オバマ大統領は就任直後に機首をどうにか持ち上げて、下降速度を落とした。水平飛行になったところで、2009年6月に最も高度の低い低空飛行となった。これは経済後退が正式に終わったとされる月で、就任後たった5ヵ月後のことだ。その後飛行機はずっと上昇を続けている。もちろん今も人々が希望したほどの高度には到達していないが、就任時よりは高くなっている。

 失業率は下がり、GDPは上がった。経済全体はまだ弱いものの、政策が効果を上げていることは確かだ。金融緩和策、TARP(不良資産救済プログラム)、景気刺激策などすべてが批判されているが、生産高や雇用、株式市場などのシンプルなグラフを見ると、すべて効果を出しており、そうした政策を採らなかったよりも、経済を回復させるための論理的な基礎作りとなったことがわかる。

――しかし人々は、もはやがまん強く待つことができなくなっているようだ。

 それは、過去3回の景気後退からの回復で、失業率が高止まりを続ける傾向が続いているからだろう。最初のブッシュ大統領が再選を狙っていた当時、1991年の不景気からの回復はすでに始まっていた。だが、人々はどうしても信じようとしなかった。またクリントン大統領就任後2年経っても、人々は経済がひどいと嘆いていたが、実はアメリカ史上最大の経済基礎の拡大は、その頃起こり始めていた。そして、ようやく経済が回復基調に乗っても、雇用率が上がるまでにはさらに時間がかかる。人々が嘆くのに目を付けたニュース報道も悲観的な見方を増幅する。メディアはいつも現状から一歩遅れを取っているように、私には見える。

――だが、人々が回復を実感できないのは、再選には痛手となる。

 景気後退が終わったというのは、すぐに好況を意味するわけではない。実際に穴から抜け出すまでには何年もかかる。その速度が特に遅いようには思われない。確かに、2009年、2010年の最初の景気刺激策後は妥当な回復が見られたが、その後1年半はがっかりするような数字が続いている。だが、それには理由がある。刺激策が完了したことがひとつだ。プライベートセクターでは、実際には回復があったが、政府関連では縮小した。

 もうひとつは、オバマ大統領が提案した雇用促進対策法案がことごとく共和党主導の下院議会で通過を阻まれてきたことだ。これをオバマ大統領ひとりのせいにするのは、間違っている。加えて、欧州での経済危機、全世界規模の経済停滞がある。それを上回る脅威が、数ヵ月後に迫っている「財政の崖」問題(2013年1月から所得税減税が切れることによる実質的増税と強制的な歳出削減により、大幅な財政緊縮圧力が生じること)だろう。企業は、雇用や投資を控えているはずだ。

新大統領に立ちはだかる「財政の崖」
オバマ、ロムニー両氏による経済政策の是非

――選挙日までに、オバマ大統領にできることはあるか。

 ない。選挙はもう目前に迫っている。ただ、ロムニー候補は失業率が8%を超える状況ではオバマを再選すべきではないと言い続け、メディアも8%以上の状況下で再選を果たした大統領は稀だと伝えてきた。そもそもサンプル数が少ないので、メディアの言い分には首を傾げたくなるのだが……。いずれにしても、最新の数字は8%を下回った。これは、ある種の幸運とも言うべきだろう。

――ロムニー候補が掲げる経済政策は、現在の不況を抜け出すのに適しているのか。

 ロムニー候補、そして特にポール・ライアン副大統領候補はそうだが、経済拡張期にW.ブッシュ大統領の政策のすべてに賛成票を投じて、クリントン大統領時の4倍もの急速な支出拡大や大幅な減税策を支持した。これに対して民主党や独立派、そしてアナリストらが所属党とは無関係に危険性を指摘していた。つまり、このやり方では2009年後に向けて巨額の財政赤字を積み上げ、そこへ不況が起こると対処不可能になると警鐘を鳴らしていたのだ。

 ロムニー候補が大統領になると、実際にどういった政策を採るのかは予測し難い。しかし、財政保守派を自認する人々が、オバマ大統領よりも財政赤字を縮小すると信じてロムニー候補を支持しているが、ロムニー、ライアン両候補の言い分は過去30年間、レーガン大統領やW.ブッシュ大統領期の経済サイクルを通してわれわれが見てきたものとまったく合致しない。そもそも、防衛費を大きく増大させ、減税を行いながら、財政赤字を減らすなどという主張は、真剣さに欠けるとしか言いようがない。赤字削減の方法がわかっていないのか、人々をだまそうとしているのかの、どちらかだ。

――オバマ大統領が再選されたら、どんな政策を採ると考えるか。

 今は、評論家らも過去の政策を批判するよりも、今後4年間の政策がはっきり見えないことを指摘している。これは、どうやって減税の穴埋めをするのかを明確にしないロムニー候補も同様だ。ただ、オバマ大統領の場合は過去の業績もあり、どういった政策を出したいかはよくわかる。だが、問題は共和党がすべての法案通過を妨害するという複雑要素があるため、予想がつかないことだ。

「財政の崖」は1月1日にも始まるので、誰が大統領になろうと、これに対処しなければならない。おそらく法を改訂して先延ばしにすることになるだろうが、その2ヵ月後には今度は債務上限引き上げ問題がやってくる。大統領には、9.11のように予期不可能でアジェンダを書き換えてしまうような出来事もあるが、この場合はやってくる危機がわかっている。しかし、議会プロセスがあまりに面倒なので、結果がどう出るかが不明なのだ。

 選挙活動の誓約を実現できるかどうかは、ロムニー候補にどれだけの差をつけて勝つのか、依然として下院は共和党多数になるのかに依るだろう。ただ、第一期での経験を経て、オバマ大統領は超党的な協力関係をどれだけ引き出せるかについて、ナイーブさを捨ててかなり現実的になっているはずだ。
http://diamond.jp/articles/print/27105

【オピニオン】米大統領候補者たちが忘れた大陸−アジア
マイケル・オースリン
2012年 10月 31日 10:37 JST
 今年の米大統領選の争点はほぼ経済一色で、国際問題に関する議論がほとんどなされなかった。そのため、共和党候補のロムニー氏かオバマ大統領は任期が始まる来年1月からどのように世界と向き合っていくのかという疑問が浮上している。

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Zuma Press
最終討論会に臨むオバマ(右)、ロムニー両氏
 米国には本格的な経済回復が必要なこともあり、選挙活動期間中にアジアに関する話題がもう少し出ることを予測した人もいたかもしれない。1つ明らかになったのは、どちらの候補者が勝とうとも、オバマ政権によって喧伝されたアジアへの戦略的な軸足移行が11月以降には忘れ去られてしまうかもしれないということだ。

 その定義はいまだにあいまいなままだが、米国の戦略の焦点を現在直面している難題に合わせるとされていた軸足移行は2011年11月に大々的に発表された。米国は近隣諸国に対して攻撃的な姿勢を強め、軍事力を高めている中国とのバランスを取るために、より多くの軍事的資源をアジアに振り分けることにした。その一方で、米国政府はその地域で経済が急成長している国々との貿易や商業的結び付きを強化するはずだった。


Zuma Press
Mitt Romney and Barack Obama during the third and final Presidential Debate at Lynn University.
 このアイディアには当初から誇大広告的側面があったが、今となってはどちらの候補者が勝っても、次の任期には中東情勢への対応など、これよりも優先される課題がいくつかあるということが明らかになった。

 両候補者ともアフガニスタン駐留米軍の2014年末までの撤退を約束している。このことから、次の任期の少なくとも半分が、そこでの戦争を終わらせ、タリバン復権の根を断つことに費やされるのは明らかだ。対リビア軍事攻撃の可能性も出始めている。オバマ大統領が再選した場合には、クリス・スティーブンス大使ら米国人4人が命を落としたリビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件の真相究明に2期目の1年以上が費やされる可能性もかなり高い。

 こうしたこともあり、人民元為替レート操作や知的財産を盗むといった経済的略奪行為に関するロムニー氏の中国批判を除けば、この10カ月間に行われてきた数々の討論会における世界最大の人口を抱える地域に関する議論の欠如には不気味なものさえあった。

 ロムニー氏もオバマ大統領も、インドや中国の景気減速、日本の長期にわたる景気低迷に対して懸念を表明することはなかった。北朝鮮の相変わらずな好戦的態度や同国で行われた軍上層部の粛清が話題に上ることもなかった。この数カ月間、アジアの専門家たちがさまざまな分析を行ってきた南シナ海の領有権争いも両候補者の考え方に影響を及ぼすことはなかったようだ。

 米国の大統領選での議論は、国内の経済問題に終始しがちだという説明にも一理はあるが、アジアに関する議論の欠落の完全な言い訳にはなり得ない。米国経済という方程式でアジアはかなり大きな部分を占める。

 両候補者は自由貿易や提案されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について議論したり、それを支持したり、批判したりすることもなく、アジアで自由貿易を推進することが自分の政策課題の1つだと示唆することすらなかった。ロムニー氏は中国との経済問題に関して強硬派だということをアピールしたが、両候補とも中国がインド洋・太平洋地域で最も重要な二国間関係の相手国であり続けるかという疑問には答えていない。

 これはおそらく米国議会でアジア政策をめぐって特に激しい議論が起きることがないからだろう。ある程度の隔たりこそあれ、民主党と共和党はアジア政策に関する考え方のほとんどで概ね一致しているのだ。それでも微妙な差異は重要である。

 クリントン政権もオバマ政権も当初は中国をアジア政策の中心に据えていたが、特別な関係が築けるのではという考えは結局捨てざるを得なくなった。ブッシュ政権は当初、地域の同盟国や友好国を重視する政策を掲げたが、対テロ戦争や6カ国協議での支持を取り付けるために気が付くと中国重視になっていた。

 アジアへの軸足移行は中東以外の外交政策の目玉だったので、オバマ大統領からは次の4年間の計画を聞いてみたかった。同じように、ロムニー氏にはアジア地域をどう見ているのか、中国のように可能性は低いが将来パートナーとなり得る国よりも日本や韓国といった現在のパートナーを特別扱いするのかどうかについてせめて手がかりを提示してほしかった。同氏は中国が米国とどのような関係を築けるかは、中国の行動次第で決まってくると述べるにとどまっている。

 おそらく両候補のこうした寡黙さは、米国の向こう4年間のアジア政策が概ね現状維持となるということを示唆しているのだろう。しかし、いくつかの新たな課題に対処するには、進路を保つだけでは不十分である。特に強制削減が発動し、米国の軍事予算がさらに5000億ドル削減されるようなことになれば、広大なアジア地域に軍事プレゼンスを維持する能力はさらに低下するのだから。

 次期政権は新大統領の任期が始まる来年1月20日に向けて明確なアジア政策をまとめる必要がある。米国の同盟国は米政府の向こう4年間の優先課題を知っておかねばならないし、軍事予算の削減が地域への強い関心にどのように影響するかについても聞きたがっている。

 インドネシアのように民主化の道を進んでいる国々や、ミャンマーのように国内の自由化に向けてもがいている国々は米国がどのような支援をしてくれるのか知りたがっている。そして中国は、次期政権が期待する関係がどのようなものかをしっかりと理解しなければならない。

 核武装するであろうイラン、中途半端に終わったアラブの春、厄介なアフガニスタンからの撤退など、向こう4年間にはただでさえ多くの難問が待ち受けている。ぼんやりとしたアジア政策はそうした状況をさらに悪化させてしまうだけである。

 (筆者のマイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長)

記者: Michael Auslin
http://jp.wsj.com/World/node_539260?mod=WSJFeatures


「サンディ」の死者30人に、NY市に大きな被害
2012年 10月 31日 10:13 JST
[ニューヨーク 30日 ロイター] 米東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」は、ニューヨーク市やニュージャージー州での被害が大きく、東部一帯で800万世帯・事業所に停電をもたらした。

ワシントンやボストンなどの被害は相対的に小さく31日には通常の状態に戻る見通し。一方でニューヨーク市やニュージャージー州の大部分では復旧に少なくとも数日かかる見通し。

サンディは弱まっているが依然として勢力は強く、暴風への警戒から通過する地域では100万人に避難命令がでている。

大統領選にも影響し、オバマ大統領は遊説を中止し31日にはニュージャージー州を訪れ、クリスティ知事とともに被災地域を視察する。ロムニー候補を強く支持している共和党のクリスティ知事は、ハリケーンへの連邦政府の対応を称賛した。大統領はニューヨーク州とニュージャージー州に非常事態宣言を発令した。

両候補とも29、30日と選挙戦を一時停止したが、ロムニー候補は31日にはフロリダ州に遊説を予定、オバマ大統領も11月1日には再開する見通し。

ニューヨーク市では低地の多くが浸水、市内の地下鉄トンネルも洪水となった。ブルームバーグ市長は、同市で史上最悪の暴風として、地下鉄は4―5日間運休するとの見通しを示した。ニューヨーク市の高波は4.2メートルにもおよび、1960年のハリケーンで記録した3メートルの記録を破った。

クイーンズ区では火災が発生したが洪水のため消火が阻まれ、50軒が焼け落ちた。

市内では依然として65万人が停電の影響を受けている。

今回のハリケーンによる死者は米東部などで30人におよび、このうち10人はニューヨーク市となっている。

首都ワシントンでは30日も連邦機関は閉庁となったが31日には再開される予定。東部の多くで休校となった学校も31日には再開する見通し。

NY市の地下鉄にも過去最大の被害、4―5日間運休へ 9:57am
[ニューヨーク 30日 ロイター] 米東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」は、ニューヨーク市民の足である地下鉄システムにも甚大な被害をもたらした。トンネルや車両基地の浸水などで、米国最大の公共交通機関が数日間まひする見込みで、天候が回復しても影響は続くとみられる。 記事の全文

米大統領選の両候補、ハリケーン対応優先し一時休戦 10:04am
[ケタリング(米オハイオ州) 30日 ロイター] 米大統領選の投票日が1週間後に迫るなか、ハリケーン「サンディ」が米東部に大きな被害をもたらしたことから、民主党のオバマ大統領と共和党のロムニー候補は30日、ともに選挙キャンペーンをいったん棚上げして被災者支援に乗り出した。 記事の全文
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89T0A220121031

NY48時間休場の衝撃、もし東証なら…
2012/10/30 9:59
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 米国時間28日日曜夜。ニューヨーク証券取引所、突然の発表。メガ・ハリケーン直撃に備え月曜は休場。当初は電子取引はオープンとのことであったが、その後、全取引停止に変更。更に火曜日まで休場とされた。

 先週金曜日26日の時点では、48時間取引停止などほとんど「想定外」の可能性であったから、多くの機関・個人投資家が虚を突かれたのではなかろうか。この48時間に世界のどこかで市場を揺るがすほどのイベントが起こらないことを祈るばかりであろう。

 もし、東京証券取引所で同様の事態となれば、ネット投資家などはポジションを抱えたまま、まんじりともせず夜を明かすことになったかもしれない。48時間売買停止のインパクトは1時間のシステムダウンの比ではない。

 なお、電子取引だけオープンというケースは最悪のリスクをはらむ。アルゴリズム売買などに支障が出た場合の人的対応体制が薄いと、糸が切れた凧のようになるからだ。

 米国の大型ハリケーンは原油市場におけるテール・リスクとして定着していたが、今回はウォール街を直撃することで、株式市場に対しても思わぬテール・リスクをはらむことを投資家に痛感させた。

 ただ、ニューヨーク市場における投資家の窮状を伝える事例が少ないように思われる。機関投資家はヘッジ策を講じていたのかもしれない。とはいえ、今回の一件は、はからずも、個人投資家のリスク回避傾向が顕著で、そもそもリスクをとっていなかったことをあらわにしたようだ。

 なお、今週11月2日発表予定の米国雇用統計が延期の可能性もちらつくことも気がかり。雇用が重要テーマゆえ、11月6日の大統領選挙のまさに直前に発表という事態になると、浮動票に少なからず影響を与えそうだ。


豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島逸夫事務所(2011年10月3日設立)代表。9月末までワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表を務めた。
 1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。チューリッヒ、NYでの豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく、独立系の立場からポジショントーク無しで、金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。
ブログは「豊島逸夫の手帖」http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/index.html
ツイッター(http://mobile.twitter.com/search?q=jefftoshima)ではリアルタイムのマーケット情報に加えスキー、食べ物など趣味の呟きも。日経マネーでは「現場発国際経済の見方」を連載中。日本経済新聞出版社や日経BP社から著書出版。
業務窓口は jefftoshima@hyper.ocn.ne.jp.
http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNASFK3000C_30102012000000  

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