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石油とガス:宝の山に沸く米国 ウォール街、生け贄の仔羊必要  崖、影響最大は低所得層 ホステス清算 米ブラックフライデー
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/604.html
投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 22 日 12:41:59: cT5Wxjlo3Xe3.
 


JBpress>海外>The Economist [The Economist]
石油とガス:宝の山に沸く米国

2012年11月22日(Thu) The Economist
(英エコノミスト誌 2012年11月17日号)
良いことではあるが、米国でエネルギー価格が適正に付けられるともっといい。
 米国のシェールガス革命は、超大型タンカーがスピンターンをやってのけるのと同じくらい衝撃的で突然だった。かつて中東の化石燃料への依存に危機感を抱いていた国が今、天然ガスで自給を達成しようとしている。そして、ニュースの内容はどんどん好転している。

 国際エネルギー機関(IEA)は11月半ば、米国は2020年までにサウジアラビアとロシアを抜き、世界最大の産油国になると予想した。
 なぜこうなったのか? ここでは価格シグナルが働いている。
 石油価格は10年以上にわたって高止まりしてきた。そのため探鉱業者は熱心に非在来型の燃料を探すようになった。深海に眠っていたり、シェール層に埋まっていたり、カナダの大量のオイルサンドに閉じ込められたりしている石油やガスのことだ。
エネルギー自給の達成も視野
 米国はそこから炭化水素を抽出する最先端の技術を開発した。あまりの成功を収めたため、北米では今やガスの供給過剰が起きているほどだ。価格は急落し、シェールガスの破砕業者は代わりに、より高価なシェールオイルの採掘に乗り出している。IEAによれば、米国は2035年までにエネルギー自給を達成する可能性がある。
 より大胆なアナリストは、自給達成の時期はもっと早いと言う。カナダも莫大な可能性を秘めている。最近の報告書は、カナダにはオイルサンドのほかにも、アルバータ州だけで米国に匹敵する量のシェールガスとシェールオイルが埋蔵されている可能性があると指摘している。
 北米の炭化水素の宝庫は多大な利益をもたらすが、落とし穴もいくつかある。経済的なメリットは明白だ。安価なガスは安価な電力を生み、米国の産業、特にアルミニウム、鉄鋼、ガラスといった電力を大量消費する産業を後押しする。安価なガスは、プラスチックのような便利なモノを生産するためにガスを使う石油化学会社にも追い風となる。
 また、米国は1日当たりおよそ1900万バレルの石油を消費している。輸入石油の価格は1バレル当たり109ドルだ。それをサウジアラビアに払わなくてよくなれば願ったりだ。
 環境面での得点票は、もっとばらつきがある。化石燃料を燃やせば、地球を加熱する温室効果ガスの排出量が増える。だが、ガスに一気に移行したことで、米国の排出量は減った。ガスは石炭よりクリーンだからだ。
 対照的に、炭素排出量取引制度が存在するもののシェールガスを開発したことがない欧州では、過去3年間で温室効果ガスの排出量が増加した。欧州各国は原子力発電所の閉鎖を進めており、環境汚染が著しい石炭に逆戻りしている。
思わぬ利益を賢く利用する方法
 再生可能エネルギーが化石燃料に完全に取って代われるほど安くなり、供給が安定するのは何年も先だろう。今のところ、炭化水素とそれに伴う温暖化は必要悪にほかならない。米国政府の務めは、石油やガスの供給に歪みを生じさせるのではなく、安全な場所で自由に流れるようにすることだろう。
 だが同時に、燃料を使用する人たちには燃料の全費用――環境や地球にかかるコストも含む――を負担させ、代替燃料の開発の普及に努めなくてはならない。
 米国はその第1段階はクリアした。イノベーションの奨励については、特にそうだ。また、米国の地主は、所有地の下に埋まっている鉱物資源の所有権を持つため、採掘を認める大きな動機がある(この点は欧州の地主と異なる)。原油輸出の禁止など馬鹿げた規制もいくつかあるが、精製したバージョンは売ることができる。
 バラク・オバマ大統領は、カナダの石油をメキシコ湾まで運ぶキーストーンXLパイプラインの建設計画を認可すべきだ。環境主義者たちは石油の漏出を心配しているが、陸上パイプラインは、例えばトラックでの石油輸送と比べればリスクはずっと少なく、漏出により除去作業が必要になった場合はパイプラインの所有者が全額負担する。
 それに比べて米国のエネルギー政策が賢明さを大きく欠くのは、価格が本当のコストを反映しているかどうかという点だ。
 微々たるガソリン税は、汚染による悪影響を考慮していない。本誌(英エコノミスト)は長年、環境を汚すエネルギーを割高にし、ひいては需要を減らすために、炭素税を導入すべきだと主張してきた。そうなれば、新しいタイプの石油の一部は抽出する意味がなくなるかもしれない。
 例えば、カナダの重油は通常の石油より二酸化炭素の排出量が6%ほど多く、ガスと比べると汚染度が30%高い。もし消費する石油やガスの本当のコストを利用者が負担するようになったら、それが新エネルギーがもたらす最大の恩恵になるのだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36603

嫌なら去れ、ウォール街には生け贄の仔羊が必要

  11月21日(ブルームバーグ):何か悪いことが起こったら若手バンカーやトレーダーに責任を押し付ける−ウォール街の昔からの習慣は最近、ますます際立ってきたようだ。
ウォール街というところは本質的に軍隊と同じなので、これは気になる傾向だ。金融業界で働く人間が、上役の命令に従う以外の行動を取って良いことは一つもない。いわゆる「ならず者」トレーダーというものは神話にすぎない。すべての金融機関の目的は常に、法的に言い抜けできる範囲であらゆる手段を使って金をもうけることだ。住宅ローン担保証券を大量に販売することも、巨大な合併・買収案件を売り込むことも、あまり知られていない指数に関連した巨額のポジションを積み上げることもその手段だ。
うまく行った時は大規模な引き受けや注目される合併案件の助言の業務、取引からの大きな利益が得られる。もちろん、「ロンドンの鯨」や「合成CDOアバカス」の場合のように甚だ不都合な事態になると、明かりをつけたときのゴキブリよりも素早く、上層幹部は一瞬のうちに表舞台から消えてしまう。とは言っても、ウォール街の従業員たちは自分の金を一銭もリスクにさらすことなく、地球上の他のどんな職業よりも高い報酬を得られる。これがウォール街のやり方なのであり、この交換条件が気に入らないなら、グレッグ・スミス氏のように去ればよい。
それにしても、金融危機への道筋で起こった悪い事の多くが、会社の承認なしに行動したことになっている一握りの若手バンカーとトレーダーによって引き起こされたと、信じろと言われても釈然としない。
「あいつがスパルタカスだ」
ゴールドマン ・サックス・グループと米証券取引委員会(SEC)は今もなお合成債務担保証券(CLO)「アバカス2007−AC1」の組成と販売について、ゴールドマンのバイスプレジデントだったファブリス・トゥール氏を責めている。ゴールドマンは記録的な額の5億5000万ドル(約450億円)を支払ってSECと和解したが、トゥール氏は民事裁判で裁かれる。
そして今度はUBS の元「ならず者」トレーダー、クウェク・アドボリ被告だ。同被告は上司が誰も気づかないうちに同行に23億ドルの損失を負わせたことになっている。弁護人のチャールズ・シェラード弁護士はウォール街の風潮について、カーク・ダグラス主演の1960年の映画「スパルタカス」をもじり、「アドボリ被告が立ち上がり『私がスパルタカスだ』と言うと、他の3人が立ち上がって『そうだ。あいつがスパルタカスだ』と言う」と皮肉った。映画では仲間のグラディエーターたちが自分もスパルタカスだと名乗り主人公をかばうが、アドボリ被告の元同僚3人は同被告に不利な証言をした。
フランスの銀行、ソシエテ・ジェネラル の元トレーダー、ジェローム・ケルビエル被告についても同様のシナリオが書かれた。
事件は真空地帯で起きる
JPモルガン ・チェースのロンドンの鯨、ブルーノ・イクシル氏の上司だったハビエル・マルティンアルタホ氏にも同じような筋書きが用意されるだろう。JPモルガンは先月、イクシル氏が同行に60億ドル超の損失を負わせたときの上司だったマルティンアルタホ氏を提訴した。同氏がニューヨークの幹部の知らないところで勝手に行動したと信じろというのだろうか。
これらのバンカーが無実だとか、不法行為があっても責任を負わなくてよいということではない。ただ、彼らが誰の目にも触れない真空地帯で行動していたことにしてしまうのは、上下関係の厳しいウォール街の仕組みに矛盾する。「順調な日々が続く限り、言うことを聞いていれば高い報酬を払ってやる。その代り、悪いことが起こった時は『生け贄(にえ)の子羊』になる覚悟をしておけ」。(ウィリアム・D・コーハン)
(ウィリアム・D・コーハン 氏は元バンカーで、「Money andPower: How Goldman Sachs Came to Rule the World(マネー・アンド・パワー:ゴールドマンはいかにして世界の支配者になったか)」の作者で、ブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:When Heads Must Roll, Banks Offer Scapegoats: William D.Cohan(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Toby Harshaw tharshaw@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Toby Harshaw tharshaw@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/22 07:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDU8WW6JIJVT01.html


影響が最も大きいのは低所得層=米「財政の崖」で
2012年 11月 22日 10:25 JST 
 米政府と議会との財政赤字削減交渉が不調に終わり、来年1月2日に「財政の崖」を回避できずに大型増税と自動的な歳出削減が同時実施された場合、米国の大半の世帯が影響を受け、中でも低所得層の被る打撃が最も大きくなると予想されることが明らかになった。

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Noah Rabinowitz for The Wall Street Journal
ニュージャージー州で建設業を営むサーディーニ氏は増税が実施されるかどうかを見極めるまで事業拡大は見送ると話す
 ブルッキングス研究所/アーバン・インスティチュート傘下のタックス・ポリシー・センターが行った試算によると、財政の崖から転げ落ちた場合、全世帯のほぼ90%が増税に見舞われる。特に年収2万〜3万ドル(約164万〜246万円)の低所得層の夫婦世帯は、税控除で平均15ドルの減税の恩恵を受けていたのが、1408ドルの増税になると見込まれる。

 財政の崖にぶつかると、来年に4000億ドルの増税と1000億ドルの歳出削減が実施される。そのうち最大のものはブッシュ前大統領時代に導入された大型所得減税の失効に伴う実質増税分で、オバマ政権が金融危機を受けて導入した時限減税も失効する。さらに、給与税(社会保障税)の被雇用者負担の税率が4.2%から6.2%に引き上げられる。

 夫婦世帯が合算して納税申告する場合税率が高くなる、いわゆるマリッジ・ペナルティーの軽減条項も年末に失効する。代替ミニマム税(AMT)も復活する。AMTは当初は、富裕層が各種控除を使って税逃れをするのを阻止するために最低限の税率を設定したものだが、インフレに伴い所得が増加したため中間所得層にも適用されるようになった。このためブッシュ減税の一環として控除が設けられたが、昨年失効した。議会が年内に延長手続きをとらなければ、今年度分所得の納税からAMTが復活する。

 加えて、失業保険給付期間延長法も来年には失効し、最大500万人が影響を受ける。

 税制が複雑なため、財政の崖が及ぼす影響は、所得のほか夫婦か独身か、子供の数などによって違いが出てくるが、給与所得控除や子供扶養控除の拡充措置がなくなるため、低所得層が最も大きな打撃を受ける。

 例えば、母子家庭で大学に通いながらパートタイムで年間約3万ドルの収入を得ているバージニア州に住むトラシ・ペティーさん(42)の場合。子供控除が1000ドルから500ドルに引き下げられるほか給与税の引き上げ、10%の所得控除の撤廃で、税還付がこれまでの4000ドルから少なくとも1500ドル減額となる。

 中所得層は、所得税率の引き上げやマリッジ・ペナルティーの再導入、子供扶養控除の縮小で影響を受ける。タックス・ポリシー・センターによれば、年収4万〜6万5000ドルの世帯では平均2000ドルの増税となる。

 中小企業経営者を含む高所得層は、所得税率の引き上げのほか、配当課税やキャピタルゲイン(株式譲渡駅)税の増税などが打撃となる。同センターの試算では、年収20万〜50万ドルの世帯の平均増税額は約1万5000ドルに上る。

 一方、自動的な歳出削減により、連邦政府職員は失職する恐れが、また政府から業務を受注している業者は収入減に見舞われる恐れがある。国防総省は、今後10年間約10%の予算カットを求められる。年間で500億ドル超に上る規模で、ペンシルベニア州ヨークにある防衛企業BAEシステムズのタンク工場に25年間勤務してきたデイナ・エドサル氏(54)は、歳出が削減された場合の同社の業務に及ぼす影響を心配し、「皆ぴりぴりしている」と不安を隠さない。

記者: John D. McKinnon、Kristina Peterson、Josh Mitchell

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米菓子大手ホステス、清算手続き開始へ―米破産裁判所が認める
2012年 11月 22日 12:03 JST 
 米菓子大手のホステス・ブランズは21日、事業清算手続きに着手し、約1万8500人の従業員を解雇することを連邦破産裁判所から認められた。破産裁判所が土壇場で同社と労働組合との仲介に乗り出したが、実らなかった。

 連邦破産裁判所(ニューヨーク州ホワイトプレーンズ)のロバート・ドレイン判事は同日、ホステスの事業清算計画を承認した。同判事は前日、同社とストライキ中の労働組合との間を取り持ち、非公開の調停を開始したばかりだった。同社は「ホーホーズ」、「トウィンキー」、それに「ワンダーブレッド」といった主力商品を製造している。

 清算の結果、ホステスの全従業員1万8500人は解雇され、即時ないし向こう数カ月以内に職を失うこととなった。

 ホステス側の法律事務所ジョーンズ・デイ弁護士のヘザー・レノックス氏は同裁判所で、「これは悲劇だ」と話した。

 ホステスは今後、約3200人という最小限度の人員とともに、同社の保有する約30のブランドや36の工場、その他の資産の買い手を探し始める。同社は少なくとも一部の買い手が明かりの消えた工場を再開させ、雇用を復活してくれることを期待している。

 レノックス氏によると、ホステスにはここ数日間、「(一部資産買収の)引き合いが殺到している」という。同氏は「このため、われわれは非常に健全な競争が繰り広げられる公算が大きいとみている」と述べた。また、同社が今後数週間以内に一部の資産を競売にかけるための承認を裁判所に申請するかもしれないと付け加えた。

 ホステスで2番目に大きい労組「製パン・製菓・たばこ製造・製粉国際労働組合」は、同社が労組に要求した譲歩案に抗議して9日にストに突入した。このストは同社をまひさせ、同社は16日、「従業員が仕事を再開しなければ事業を清算する」という警告を実行に移さざるを得なくなった。

 ホステスは19日、ドレイン判事に事業清算を認めるよう求め、ストライキによって同社の財務が修復不能なほど打撃を受けたと訴えた。しかし、同判事は同社を救う最後の手段として調停を提案した。

 ドレイン判事は20日、非公開の調停手続きでホステスと労組の間を取り持った。同判事によれば、両者は誠意を持って交渉に参加したという。

 同判事は調停不調の後、「両者は合意できなかったが、それが特別な何かを示すわけではない」と述べ、「米国は自由の国だ。人々には合意しない自由がある」と付け加えた。

 審理終了後、ホステスのグレゴリー・レイバーン最高経営責任者(CEO)は、「交渉が実らなかったのは残念だが、わたしは(交渉が実らないかもしれないという)現実的な見方をしていた」と述べた。

 ドレイン判事は21日の審理で、清算手続き中に同社に残る一般従業員に対し、最大436万ドル(約3億6000万円)の残留ボーナス(清算や事業縮小などの際、つなぎとめた従業員に支払う手当)を支給することを認めた。労組加入の有無にかかわらず、経営幹部や上層部を除く全ての残留従業員が残留ボーナスの支払い対象になる。

 レノックス氏は同社の清算手続きにおよそ1年かかるとみられるものの、大半の作業は向こう数カ月で完了する見込みだと述べた。結果として、同社従業員の約94%は当初16週間に解雇されるという。

 ホステスは21日、19人の執行役員や上級幹部に支払う175万ドルのボーナスについて後日同裁判所に承認を求める予定だと述べた。

記者: Jacqueline Palank、Rachel Feintzeig
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_552403?mod=WSJFeatures


米ブラックフライデー、小売業者の戦略は当たるか
2012年 11月 22日 9:15 JST 
 スポーツシューズ販売のフット・ロッカーはサンクスギビングデー(感謝祭/今年は22日)の翌日、最も高い価格の靴を正価通りで販売する計画だ。一方、クロックスは値引きに抵抗しようとした時の苦い教訓から、フット・ロッカーとは正反対に利益率を減らしても値引きをする方針だ。

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Associated Press
2011年のブラックフライデー。客で混雑するスーパーマーケット(米コネティカット州)
 また、ターゲットは価格比較のできないような独自商品に力を入れる計画で、ウォルマート・ストアーズは従来型店舗ばかりでなく、ウェブサイトでも同時に特別値引きをすることを予定している。

 感謝祭の翌日にあたる「ブラックフライデー」は、小売業者がホリデーシーズンの販売戦略を練る正念場となる。

 全ての企業はこのホリデーシーズン中に販売が不発に終わるのを回避したいと思っている。米小売業協会(NRF)によると、昨年はサンクスギビングデーと新年との間の期間の百貨店、ディスカウント店、その他のチェーン店の売上高は1年間の4分の1近くを占めた。

 小売業者は極めて競争が激しい市場でそれぞれの売り上げを維持しようとして、思い切った措置を取ろうとしている。これらの企業はテクノロジーの発展に伴う消費習慣の変化、政治の意思決定の行き詰まりや増税の可能性がさらに見通しを不透明にしている経済情勢など、さまざまな逆風に直面している。

 国際ショッピングセンター協会(ICFC)は、今年のホリデーシーズンのモール・ショッピングセンターでの売り上げの伸びは2.5%にとどまり、昨年の4.1%を下回ると予想している。

 以下は5社の作戦だ。

好機と見る

 「スニーカーヘッド」として知られる頑固な熱狂的ファンに製品を提供するフット・ロッカーの店舗ではブラックフライデーには、スニーカーに200〜300ドル(1万7000〜2万5000円)程度のお金なら払おうとする客の長い列ができる。同社のヒックス最高経営責任者(CEO)は「消費者はいい靴を得るためならお金を払おうとする」と述べた。

 同CEOによると、同社はこれまでフーディー(フード付きパーカー)やTシャツ、一部のスポーツシューズを値下げして、さらに販売を増やそうとしていたが、昨年からはこの方式を変え、正価通りで販売する商品の比率を60%から80%以上に引き上げた。今年は、ナイキ・ジョーダン・4レトロ「ブレッド」を金曜日に売り出し、その他の重要な商品の販売を土、日、月に行って、重要な週末の販売量を維持しようとしている。

 こうした戦略は同社ではこれまでのところうまくいっているが、同社と同じような需要が期待できない小売業者にとっては危険なものになる可能性がある。例えばJCペニーは「毎日が低価格」方式に変更するのに困難を来した。コンサルティング会社カート・サーモン・アソシエーツの小売りストラテジスト、クレメンタイン・イレインズ氏は「これは製品次第であり、それ以上に消費者次第だ」と話した。

他社比較を越えて

 ターゲットは昨年は値引き競争には参加せず、既存店売り上げの伸びは4%の予想を達成できなかった。今年はアマゾン・ドット・コム、ウォルマート・ストアーズやベスト・バイのウェブサイトも対象にしたプライスマッチ保証(他店が同じ商品を安く売っていれば客の申請に応じて値引きする方式)で攻める方針だ。同社は、顧客の申請は全取引の10%に満たないだろうとし、第4四半期の業績には影響しないと見ている。スタインハーフェルCEOは「ターゲットは今年はシェアを拡大する」と話した。

 同社はまた、他社が置いていない商品にも力を入れる。今年は高級百貨店のニーマン・マーカスと組んで24人のファションデザイナーがプロデュースしたギフト商品を販売する予定だ。

販売チャネルの両立

 ウォルマート・ストアーズは、ホリデーシーズンにはより多くの客をウォルマート・ドット・コムに引き寄せようとしているが、店舗への客足も維持して均衡を図らなければならない。同社は今回初めて、店舗での値引きを同時にネットでの客にも提供することにした。ただ、これには客がまず特別Eメールにサインアップし、モバイル・アプリをダウンロードするか、フェイスブックで同社に「いいね!」をすることが条件となる。

 同社は今年は開店時刻を昨年より2時間早いサンクスギビングデー当日の午後8時とし、客が店から離れないように特売品を週末を通じて展開する計画だ。

“カウチ・コマース”

 アマゾンは昨年、他社の店舗で商品を見定めたユーザーが同社のオンラインストアで購入するよう誘導したプライス・チェック・アプリでチェーン店をいら立たせた。同社は今年も新たな方法で、従来型店舗から客を引き寄せようとしている。

 同社は11月に入って、数千の品目について2日間の送料無料などを特典とした、1カ月間限定のアマゾンプライム・サービスにサインアップできる機会を消費者に提供した。アマゾンプライムは通常は年に79ドルの会費が必要だ。受け付けは既に終わったが、同社は何人の応募があったか明らかにしていない。しかし、同社がこの試験的サービスに満足し、通常の会員が大きく減少しなければ、ライバル企業への圧力が徐々に増す可能性がある。

消極的なディスカウント店

 クロックスはブラックフライデーの習慣をやめるのが難しいことが分かった。この丈夫なプラスチック靴のメーカーは2年前、利益率を減らす大幅値引きをやめることを決定した。マクカーベルCEOは「われわれは第4四半期に40%の利益率でのこうしたビジネスを続けることはできないとし、態度を明確にし、耐えなければならないと表明した」と述べた。それに同社は値引きしないでも売れると同CEOが考えた新製品を発売した。

 しかし、思った通りにはならなかった。ほとんどの製品が正価通りなのを見た客は去り、客足と売上高は転落して、その影響は長引いた。同社は昨年、再び商戦に参加した。今年は、1足買えばもう1足の値段が半分になるといった販売を行う。

記者: Ann Zimmerman、Dana Mattioli、Greg Bensinger

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1. 2016年12月06日 12:38:46 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-7027]
2016年12月6日(火)
米政府、パイプライン却下
反対運動の先住民 勝利に沸く
ノースダコタ 建設計画

 〖ニューヨーク=遠藤誠二〗米ノースダコタ州を通る予定の石油パイプライン建設をめぐり、米陸軍工兵司令部は4日、建設を認めない決定をくだしました。建設に反対してきた現地の先住民族スタンディングロック・スー族の人たちは勝利に沸き返っています。

 工兵司令部は声明で、「(同司令部敷地内にある)提案のあったオアへ湖への通行権については認めない」と断言。パイプラインをあくまで通そうとする場合は、ルート変更が必要となります。

 スタンディングロック・スー族のデーブ・アーチャンボルト議長は4日、「われわれとすべての先住民は、オバマ政権による歴史的な決定を永遠に感謝する」「この大義を支持し役割を果たしたすべての人々に感謝したい」と述べました。

 同計画は、ノースダコタ州からイリノイ州まで4州を斜めに貫くパイプライン。スタンディングロック・スー族の居住地の近く、オアへ湖の下を通り、彼らが飲料水とするミズーリ川を交差します。工事を請け負うエナジー・トランスファー・パートナーズ社は、建設をあくまで強行しようとし、ルートの変更もしない構えです。

 先住民や支持者は、川を汚染し、自然を破壊し、先住民族の貴重な遺跡を破壊しかねないとして「水は命」を合言葉に反対運動を展開。工兵司令部から要請された退去の期限である5日には、全国の支援者を含めて、現地で数千人規模の抗議行動が予定されています。

 政府は、建設を一度は許可しましたが、その後保留し、今回、最終判断を下しました。しかし、来年1月に就任するトランプ次期大統領は、パイプライン建設を含むインフラ整備の推進を掲げており、化石燃料の代替を進めてきたオバマ政権のクリーンエネルギー政策を転換するとしています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-06/2016120609_01_1.html


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