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定年後再雇用制度スタートで迫られる変革 MM層の活性化  神は死んだ〜プロダクト・ライフサイクル戦略の破壊力と問題点
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投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 29 日 02:16:28: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【第5回】 2012年11月29日 藤島敬太郎
定年後再雇用制度スタートで迫られる変革 MM層の活性化と世代別能力開発に注力せよ
企業は「人件費増」が強いられ
個人は「キャリア観」の転換が求められる
グローバル競争での厳しい戦いに苦しむ日本企業に、高年齢者雇用安定法の改正が告げられた。希望者全員が65歳までは雇用が継続されることとなる制度だ。この改正の影響を「高年齢層」に限った問題と捉えると、状況を見誤ることとなる。この制度が企業・ビジネスパーソン個人の双方に与える影響について見てみたい。 
まず、企業にとっては事業運営において、人件費の増加という新たな負担を強いられることとなる。 
これまでの法律では、労使協定によって再雇用の基準を決めることができたため、全員がその対象とはならなかった。そのため、現在、従業員301名以上の大企業において65歳以上まで働ける企業の割合は24.3%に留まっている。 
しかし、今後は希望者には、すべて雇用機会を提供することが必要となる。各社はこの改正を受けて、こぞって新たな再雇用制度の整備に動いており、この割合は急激な増加が見込まれる。 
収益拡大への見通しが不透明な中、人件費の増加は今後の事業運営の重荷となることは間違いない。そのため、なかには、人件費総額を抑制するために、再雇用制度に伴う人件費の増大を、中堅社員の賃下げによって賄おうとする企業も出てきているようだ。 
また、個人にとっては、自身のキャリア観の転換の契機となる。 
多くの日本企業が厳しいグローバル競争にさらされるなか、給与の右肩上がりは望めなくなっていることは読者の皆様の実感の通りである。 
また、今後は、年金受給年齢の一層の引き上げも予測されており、高年齢者となっても自らの力で逞しく生き抜いていくこと、いわば、ビジネスパーソン一人ひとりにとって「一生涯稼げる力」をつけることが必要となっている。 
本稿では、こうした状況を踏まえ、 
(1)企業が「グローバル競争・国内市場縮小における人件費負担の増加」にどう対処していくのか?
(2)そして個人が「一生涯稼げる力」を身につけるためにどうするべきか?
について考えていきたい。 
企業の勝ち残りの鍵は
MM層の生産性向上にある
まず、企業に求められる対応から考えていくことにする。 
筆者は仕事柄、企業の人事部門トップと接する機会が多いが、その多くの方が「従業員の人的生産性向上」に対して強い課題意識を持っている。 
ちなみに、生産性本部の調べによると、日本の労働生産性(就業者1人あたりGDP)は、OECD加盟34カ国の中でも、20位と低い位置に留まっており、この課題の大きさを物語っている。今回の65歳への定年延長に伴う人件費負担の増加により、この人的生産性の向上という課題はさらに先鋭化することは間違いない。 
こうした状況に対して、企業が生産性向上のために講じている打ち手を、図1を用いて概観していきたい。横軸は従業員の年齢層別にジュニア(新卒-35才)・ミドル(35-50才)・シニア(50-65才)の三層に、縦軸は発揮しているパフォーマンスのレベルに応じてHigh-Middle-Lowの三層に区分し、従業員を合計9つのセグメントで表したものである。(図1) 

http://diamond.jp/mwimgs/a/7/600/img_a78d102beb81bdd70962abb64687724d34166.jpg
まず、ミドル・シニア世代のハイパフォーマー層は、現在のビジネスを支え、将来の成長をリードする層である。こうした層の人材を選抜し、グローバル競争を勝ち抜いていくために、さらなる能力向上策を講じている。いわば経営幹部や次世代リーダーの選抜・育成といった施策への投資である。また、特に優れた技術・技能を持つシニア世代のハイパフォーマー層は再雇用・雇用延長により、その技術・技能の後輩への伝承を期待される。(@) 
そして、シニア世代のミドルパフォーマーやローパフォーマー、ミドル世代のローパフォーマーに対しては、子会社や外部への転進支援策が講じられている。今回の高年齢者雇用安定法の改正に伴い、この施策の一層の強化が図られていくだろう。実際に、シニアの知恵を結集して新会社を設立し、新たな事業を営む動きなども出てきている。(A) 
さらに、ジュニア世代社員に対しては、今後のさらなるグローバル展開に備えて、若い時期から必要な体験を積ませるなど、早期戦力化のための育成施策に投資をしている。(B) 
残るは、ミドル世代のミドルパフォーマーである「Middle×Middle」、いわばMM層である。ハイパフォーマーとは言えないが、あるレベルの成果を挙げている層だ。 
日本企業の年齢別人員構成上、現在、バブル世代を含むこのMM層が従業員全体に占める割合は非常に大きく、全社の生産性向上の鍵を握っている。この層がもう一段人的生産性を高めていかない限り、企業は厳しい競争を勝ち抜いていけないのだ。 
ただ、問題は生産性を大きく左右する層であるにも関わらず、多くの企業はこの層に対し、明確な施策を講じていない。その理由は、「施策を講じる上での費用対効果が見えにくい」「対象となる人数・範囲が膨大で多様であるため、ターゲットが絞りにくい」ということにある。 
しかしながら、高年齢者の雇用延長が行われ、今後、人件費負担の増加が明らかな今、MM層の生産性向上は待ったなしの問題となっている。この世代がシニア世代となった時に、報酬に見合った成果を挙げてくれる人材となるためにも、ミドル世代のうちから生産性を高めてもらう必要がある。 
「雇用維持責任」ではなく
「成長支援責任」を意識すべき
MM層の施策として必要なのはおおよそ以下の点だ。 
(1)各種アセスメントなどを通じて従業員一人ひとりが自身の実力・パフォーマンを「自己認識」する機会を提供すること
(2)生産性(実力)向上に向けた課題について、従業員に適切なフィードバックを行うこと
(3)MM層の中でも、投資対効果(生産性向上)が見込めそうな人達を見極め、育成・人事ローテーション等を通じてさらなる能力開発を支援すること
しかし、(2)の適切なフィードバックが苦手な日本企業が非常に多い。端的にそれを表す場面が人事考課のフィードバックである。 
人事考課のフィードバックに際し、上司が部下に対して出来たこと・足りないことを明確に、時には厳しくフィードバックするという企業は私の知る限り、非常に少ない。「評価を中庸につけて、課題を曖昧にしてやり過ごすこと」が多い。 
実際に人事部門の方々に、このことについて問うと、「厳しい評価をすると、モチベーションが下がるから」という耳を疑うような言葉を聞くことがある。しっかりしたフィードバックがなされず、本人が自分の実力・パフォーマンス上の課題を認識しないまま、長いキャリアを過ごしていくことの方が、よっぽど残酷である。 
こうした「中途半端なやさしさ」はいらない。若いうちから従業員のパフォーマンスについて厳しい点も含めて正確な自己認識を促し、自身の今後のキャリアについて振り返る機会を提供することが、「本当のやさしさ」である。 
今後の企業が担うべきは「雇用維持責任」ではなく、一人ひとりがどんな環境でも生き抜いていくための力を身につける「成長支援責任」にあるのではないだろうか? 
「一生涯稼ぐ力」を身につけるために
40代からの「もう一山の成長を創る」
一方、企業がこれまで書いてきたような「人的生産性向上」の施策を講じていく中で、個人はいったいどのように振る舞い、「一生涯稼ぐ力」を身につけていけばいいのだろうか? 
現在、各社が導入している企業の再雇用制度では、その人の能力・経験に応じて60歳までの給与の一定割合が支給されることとなっているが、今後、60歳以上社員の増加と共に、能力・経験による支給額の格差は拡大するだろう。こうした点からも、できるだけ早い時期から自身の専門性の拡張を意識した取り組みが求められる。 
これまでミドル世代のど真ん中である40歳は「人生の正午」と言われてきた。多くのビジネスパーソンは40代を「今まで培ってきた力で、成果を積み上げて行く時期」と捉え、未知なる職能や領域に挑戦するには「自分は少し年を取りすぎている」と考える人も少なくない。ただ、今後、65歳あるいはそれ以上の年齢に至るまでいきいきと働いていくには、このキャリア観、とりわけ40代のキャリアの捉え方を変えていく必要があるのではないだろうか? 
本稿では40代からの新たなチャレンジで「もう一山の成長を創る」ということを提唱したい。 
これは、図2のように、自身が経験してきた職能領域を深めるだけの「一山登頂型」ではなく、意図的にその幅を拡げて、成長を企図する「尾根をつたって、もう一山登頂型」を目指すということだ。(図2) 
http://diamond.jp/mwimgs/2/f/600/img_2f5d86b6c91e7bcc52bf618052b52e0629927.jpg
実際に大手IT企業では、ミドル世代の従業員が自身の職能で培ってきたスキルを生かして、中小企業向けのITコンサルタントとして職種転換を図り、顧客から高い評価を受けているという事例もある。 
彼らは顧客から直接的な賞賛を得られることにやりがいを感じ、自身のスキルアップに熱心に取り組んでいる。また元の職種に戻った後も、自身の仕事を改めて新鮮に捉えなおすことができ、モチベーションがあがった従業員が多いとのことだ。 
昇進と働く意欲に関する調査P.37モデル図) このようにモチベーションの維持・向上という意味からも「もう一山の成長を創る」試みは効果的に機能する。図3は弊社がミドル・シニア世代を対象に行った「昇進と働く意欲に関する調査2012」だが、これによると、以下のことがわかっている。(図3 
昇進機会が失われたと感じると、見通し不全型のキャリア停滞感が高まり、それが意欲喪失型の停滞感につながる。 
ただ、昇進機会にかかわらず、キャリアに継続性がある(仕事が専門性の向上に役立っている)と感じられれば、見通し不全型の停滞感、意欲喪失方の停滞感は高まらない。 
拡大画像表示
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だが、縮小する日本市場とポストが限られている日本企業において昇進可能性の見通しでモチベーションを担保することは極めて難しい。 
マンネリ感を感じずにキャリア継続性を感じられる仕事にいかに取り組むことができるかが、長いレンジでのモチベーション維持・向上に寄与するはずである。 
職場でいきいきと成長にトライしているミドル世代がいることは、将来を担うジュニア世代にも必ず好影響を及ぼす。これまで培った「価値」で逃げ切りを図ろうとしているミドル世代を見ているよりも、ずっと元気になるはずだ。 
ミドル世代の方々の中には、「そうはいっても実際に成長できなかったらどうしよう……」と周囲の眼を気にする方もいるかもしれない。心配することはない。「結果として成長できるかどうか」ではなく、「純粋に成長を志している人」に周囲の共感は集まるものだ。 
こうした新たな試みに取り組むことで、モチベーションが維持・向上され、これが積み上がることによって「一生涯元気に稼ぐ力」が身につくはずだ。 
企業サイドにも、こうしたミドル世代のチャレンジを支援していく動きをしていくことが求められることは言うまでもない。 
グローバル競争の中で、日本企業は大きな岐路を迎えている。定年後再雇用制度のスタートにより、人件費負担の増加が見込まれる中、企業はMM層をはじめとした従業員の生産性向上によってこの難局を乗り切っていかなければならない。また、働く個人一人ひとりは、ミドル世代以降も「もう一山の成長」を創り、「一生涯稼げる力」を身につけていくことが求められる。 
これが、定年後再雇用制度スタートを迎えた今、企業と個人の双方に求められる変革である。今回をきっかけに「雇用維持責任」という中途半端なやさしさではなく、時には厳しさを伴う本当のやさしさとしての「成長支援責任」を意識した企業が増えると共に、その支援を生かして成長を遂げていく個人が増えていくことを願う。 
http://diamond.jp/articles/print/28605


【第48講】 2012年11月29日 三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
神は死んだ〜プロダクト・ライフサイクル戦略の 破壊力と問題点
「プロダクト・ライフサイクルは存在するのか?」から始まった

 コトラーの『マーケティング・マネジメント』でも紹介されたプロダクト・ライフサイクル(PLC)戦略は、1950年にジョエル・ディーン(Joel Dean、1906〜1979年)が、ハーバード・ビジネス・レビューで発表した『Pricing Policies for New Products』に端を発します。

 企業財務論のプロだった彼は、「勘と度胸で新製品の価格を決めるな! どんどん変わる生産・販売コストを見ながら思い切って安くしよう。逆に高くても買ってもらえるものを、安易に安売りしないでおこう」と主張しました。

 この先駆的研究に刺激され、多くの学者たちが、商品・サービスの栄枯盛衰といった「PLC(*1)」は本当に存在するのか?」「どんなパターンがあるのか?」を追い求めました。

 さまざまなパターンが見つかりましたが、ともかくPLCは存在すると認められました。


   日本レコード協会資料より三谷作成。録音済みのコンテンツのこと。

 そうしたら次は、「なぜこんなことが起こるのか?」「各々のライフサイクルステージでどうすべきなのか?」が問題となります。さらに多くの経済学者・社会学者・マーケティング学者がこのテーマに挑みました。

*1 経済学者のレイモンド・バーノン(Raymond Vernon、1913〜1999年)も1965年にプロダクト・ライフサイクル理論を、生産地移転(先進国から発展途上国へ)を説明するために考えた。

PLC理論の理論的理由付け、イノベーション普及理論

「なぜこんなことが起こるのか」を説明することに成功したのが、エベレット・ロジャーズ(Everett Rogers、1931〜2004年)でした。彼の『イノベーションの普及』(Diffusion of Innovation,1962)は、画期的な商品が普及していくプロセスを、ユーザー視点から説明し切りました。

 彼はユーザーを、イノベーションに対する態度別に「イノベーター(全体の2.5%)」「アーリーアダプター(13.5%)」「アーリーマジョリティ(34%)」「レイトマジョリティ(34%)」「ラガード(16%)」の5タイプに分けて、各々の特徴を明らかにしました。


参考:@IT情報マネジメント用語辞典「アーリーアダプター」

 画期的新商品をまず採用するのはイノベーターです。だからPLCの黎明期のお客さんはこの人たちです。新しもの好きだから価格が高くてもいいけれど、2.5%しかいないから黎明期の市場は極小にとどまります。

 成長期にはアーリーアダプターやアーリーマジョリティが顧客となってきます。同じく新しもの好きですが、オタクではないので価格は安めじゃないと買ってもらえません。でも数が多いので市場は急激に成長します。

PLC戦略の完成。マーケティングは死んだ

 PLC理論(4ステージ)にイノベーション普及理論(ユーザーの5分類)が加わり、そこにマーケティング・ミックス(Marketing Mix)が組み合わされたことで、完全無欠なマーケティング戦略が誕生しました。

 それが「PLC戦略」です。コトラーは、1976年にピーター・ドイル(Peter Doyle)がまとめたものをその大著『マーケティング・マネジメント 第4版』に載せていますが、それにあるように、製品のライフサイクルステージさえ定まれば、そのとき誰を狙って何をすればいいのか(STP[*2]→+MM[*3])が完全に決まります。


ドイルのものから三谷が作成。元々はpromotionの項がない。

 これが完成したとき、学会では「マーケティングは死んだ(*4)」という言葉も囁かれたそうです。PLC戦略は完璧だ。すべてを含んでいる。これ以上、研究することなど、なにもないじゃないかと。

*2 Segmentation・Targeting・Positioning
*3 製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、チャネル(Place)。
*4 「神は死んだ」(Gott ist tot)はニーチェの言葉。信仰が失われ生の意味がなくなったとした。つまり「マーケティングが死んだ」は、「マーケティングが完成してしまったので、それを探究していたマーケティング学者の存在価値もなくなった」という意味か。

PLC戦略の限界2つとその限界突破

 しかし、明らかに足りないものがありました。競争の概念です。

 たとえばこれは、競争的マーケティング戦略と矛盾します。競争的マーケティング戦略(リーダー戦略、ニッチャー戦略など)は「ポジションさえ決まればやること(戦略)は決まる」と言い、PLC戦略は「ステージさえ決まればやること(戦略)は決まる」と言っているのですから両立するはずがありません。

 世の中は(幸いなことに)マーケティング学者が心配するほど単純ではなかったのです。マーケティングは生き残り、さらなる発展と迷走を続けています。

 たとえば、ロジャーズ自身はイノベーターを超えて、アーリーアダプターまで普及するかが勝負だと言いました。そこまで行けば、あとは勝手に他の顧客にまで広まるからと。イノベーターとアーリーアダプターを足せば16%なので、「普及率16%の論理」と名付けました。

 でも、マーケティングコンサルタントのジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore)は、ハイテク産業の分析から、アーリーアダプターとアーリーマジョリティとの間には容易に越えられない大きな溝(キャズム、Chasm)があることを示しました。「利用者の行動様式に変化を強いるハイテク製品」が、この溝を越えて大市場に育っていくには、アーリーマジョリティに対するマーケティングが必須だ、という「キャズム理論」を打ち立てたのです。


参考:DOL「新聞記事から学ぶ経営の理論」より

・アーリーアダプター(ビジョナリー):「変革の手段」として製品を購入す
 る。多少のリスクを厭わないがベンダーにも厳しい。
・アーリーマジョリティ(実利主義者):「業務効率改善の手段」として製品
 を購入する。試行錯誤を嫌い、実績あるものを採用する。

 だから当然、マーケティングの目的も手段(MM)も変わります。「アーリーマジョリティを攻略せよ」とムーアは説きました。

再び、PLCは存在するのか?

 しかしPLC戦略の最後にまた、最初の問題に戻ります。プロダクト・ライフサイクルなどというものは、本当に存在するのでしょうか?

 音楽メディアにはありました(SP→レコード→カセットテープ→CD)。DRAM(1K→4K→16K→・・・→256G)等の半導体製品にも明らかに存在します。個別の商品・ブランドでも、もちろん。

 では他はどうでしょうか?

 アパレル業界などではものの流行り方を示すのによく、ファッド(Fad[*5])、ファッション(Fashion)、スタイル(Style)、トレンド(Trend)、クラシック(Classic Style)といった言葉が使われます。


 みな、鳴かず飛ばずよりはFadを望みます。それよりは1シーズン持つFashionを。そして、複数シーズンに渡って長く続くStyle/Trend をつくり出したいと思っています。そしてもし、いつまでも愛されるClassic style(定番)になれば最高です。

 でもそれらは、PLCの初期の頃、見分けが付くのでしょうか? 売上の立ち上がりがゆっくりなのは、失敗への凶兆でしょうか? それともクラシック(定番)への吉兆なのでしょうか?

『マーケティング・マネジメント 第4版』ですでにコトラーは、ダーラらによる指摘を紹介しています。

「ライフサイクルはあまりに多様であり、かつ、個別企業の活動自体がPLCに影響を与える」「あるブランドがうまくいかないと、企業は『衰退期に入った』と判断して広告を止める。その結果としてそのブランドは本当に衰退していく」。そして、なんと「PLCに基づいたマネジメント活動は、多くの場合有害である」というのです。

*5 一過性の熱狂的な流行のこと。

もし、PLC(神)が不在ならば……

 コトラーは実は、この批判に対する答えを書中で示してはいません。だからわれわれは自分で考えねばなりません。もし、PLCが単なる思い込みの産物なのだとしたら……。

 はっきりとした技術革新のあるものは、いいでしょう。次の新技術が今の技術を強制的に衰退期に追い込むので、PLCが明確です。でもそうでないなら、やっぱりPLCは曖昧なのです。予言をしてくれる「神」はいないのです。

 そのときの答えは2つしかありません。自分が神になる(予言・予測する)か、神になど頼らない(予測しない)か。

 前回の「グーグルのA/Bテスト」が後者の方法の1つでした。予測に頼らず徹底的に現場での実験をくり返す試行錯誤型の経営戦略でした。なので次回は、前者の方法を、見ていきたいと思います。われわれはどうやったら、未来をつくり出せるのでしょうか。

 読まれての感想やご要望を、是非、HPまでお寄せ下さい。Official Websiteの「お問い合わせ」で受け付けています。

参考図書
『マーケティング・マネジメント 第12版』フィリップ・コトラー(ピアソン・エデュケーション)
『イノベーションの普及』エベレット・ロジャーズ(翔泳社)
『キャズム』ジェフリー・ムーア(翔泳社)

お知らせ:思考のフレームワークを20個厳選した『超図解 全思考法カタログ』がいよいよ12/4、ディスカヴァー21から発売となります。当面コンビニエンスストア限定での販売となり、書店(リアルもネットも)ではお求めになれません。全国のローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、セイコーマート、ポプラへどうぞ。
本の感想も合わせて、Official Websiteにお寄せください。
http://diamond.jp/articles/print/28549  

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