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「通貨戦争」突入の可能性も、米地区連銀総裁が警告
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/866.html
投稿者 palクン 日時 2013 年 1 月 12 日 09:26:17: mWJq7xP6mpLMg
 

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE90A00Y20130111

[サマーセット(米ニュージャージー州) 11日 ロイター] 米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は11日、多くの国が金融政策を使い自国通貨を防衛しようとしていると指摘し、こうした動きは「通貨戦争」の可能性を示す危険な兆候だと警告した。
プロッサー総裁は講演で、多くの国が為替を統制する政策を導入していると述べ、政府の圧力が背景にある場合が多いと指摘。通貨戦争に突入するような政策は貿易や経済にとって健全ではないとし、中銀や政府はこうした動きに慎重になる必要があると主張した。

また、こうした政策は短期的な戦略にはなり得ても、長期的には必ずしも健全な戦略ではないとの見方を示した。

米金融政策については、積極的な緩和が家計の立て直しの妨げとなっている可能性に言及し、消費の回復が遅れる恐れがあると警告。「実質金利を一段とマイナスに押し下げ、低金利を長期間維持すると約束する取り組みは、総需要や消費の押し上げにはつながらず、家計の立て直しを妨げている可能性がある」と述べた。

 リセッション(景気後退)が終了して3年以上が経つものの、家計の富が快適な水準に回復するまでにはなお時間がかかる見通しで、「景気『刺激策』を拡大しても回復は加速せず、むしろ長引く可能性がある」との見方を示した。

 また、米連邦準備理事会(FRB)はフェデラルファンド(FF)金利を引き上げる前に資産買い入れを停止する公算が大きいとの見解を示したほか、数値目標が変更されないことを望んでいると語った。

 米経済については、成長のペースは「緩やか」で、第4・四半期の成長率は2%付近になるとの見方を示した。

 総裁はさらに、米財政問題について、歳出や税をめぐる不透明感が企業の採用活動を圧迫していると指摘。この点においてもFRBの政策は状況の改善に寄与していないとし、「不透明感がおおむね解消されるまでは、金利を押し下げる緩和政策が企業の採用や投資を促進する公算は小さい」と語った。  

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コメント
 
01. 2013年1月12日 10:36:06 : qon4Nnuetw

 そうじゃ〜〜 なくて 経済は お祭りなのだから

 神社の 「おみくじ」に何の価値もないけど 100円で売りつける
 天皇陛下が 福島を訪問しても 福島が 除染されるわけでも
 生活が改善するわけでもないけど 「お祭り」だから 良かったことになる

 いまや 世界経済は 燃やす薪木がないわけで 紙幣というガソリンで
 ぱ〜〜って 火をおこして にぎやかにしなければならない

 単に そういうことであって それ以外の政策が 見当たらないわけだ
 
 ===

 先進国が 全て成熟社会になった時の 価値観が 定まっていない
 


02. 2013年1月16日 00:20:55 : Pj82T22SRI

米債務上限問題、混乱再来なら「多大な格下げリスク」=フィッチ
2013年 01月 15日 21:46 JS

[ロンドン 15日 ロイター] 格付け会社フィッチ・レーティングスは15日、米国の債務上限引き上げ問題について、2011年のような混乱が再び起きた場合、同国は最上級格付けを失う「多大なリスク」があると警告した。

フィッチのソブリン格付け責任者のデビッド・ライリー氏は、同社主催の会合で「債務上限問題で2011年8月の騒ぎが繰り返されれば、当社は米国の格付けを見直し対象とすることになる。格下げの多大なリスクがあるだろう」と述べた。

フィッチは現在、米国の格付けを最上級の「AAA(トリプルA)」としている。格付け見通しはネガティブ。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2011年8月に米格付けを「AAプラス」に引き下げている。

ライリー氏は、米国が高水準の債務を抱える他の国に比べて高い経済成長率を達成しているとして、一部先進国が現在実施を迫られている超緊縮策は必要ないと指摘したが、2011年のような問題が繰り返されれば、米政界に対する信頼が損なわれるだろうと警告した。

「自ら招いたこうした危機によって、6カ月ごとに新たな期限を迎え、そのたびにわれわれに動揺を与えることは懸念だ」と指摘。「経済・財政政策をめぐるこうした不確実性はトリプルAにふさわしくなく、より実質的には成長率や景気回復の見通しへの重しになるとわれわれは考えている」と述べた。
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スペイン、ECB債券買い入れ発動回避でも格下げの恐れ=フィッチ 2013年1月15日
自民党の政権公約、日本の格付け変更の要因にならず=フィッチ 2013年1月8日
米国が「財政の崖」回避に失敗すれば格下げも=フィッチ 2012年12月19日
フランスの「AAA」格付けを据え置き、見通しはネガティブ=フィッチ 2012年12月15日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE90E00620130115


首相と識者がデフレ脱却へ大胆な金融緩和で一致、日銀総裁人事着手
2013年 01月 15日 22:16 JST

トップニュース
米債務上限問題、混乱再来なら「多大な格下げリスク」=フィッチ
第4四半期独経済は0.5%のマイナス成長、年間の成長率は0.7%に鈍化
11月のユーロ圏貿易収支は予想以上に黒字拡大、輸出が急増
バンガードのETF、ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤーに

[東京 15日 ロイター] 安倍晋三首相は15日、首相官邸に内閣官房参与を務める浜田宏一米エール大名誉教授ら専門家を招いて「金融有識者会合」を開き、日銀の金融政策運営のあり方を中心に意見交換を行った。出席者は日銀による大胆な金融緩和が必要との認識で一致した。

4月に任期を迎える白川方明総裁の後任人事について具体的な議論は行われなかったが、識者の意見を踏まえ、政府は人選に本格的に着手する。

会合では、日銀の金融政策運営のあり方を中心に、経済政策全般について意見交換が行われた。安倍首相は、日本経済のデフレからの脱却に向け、2%という明確な物価上昇率目標の設定と、それに伴う大胆な金融緩和を求めている。会合でも、大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間の投資を引き出す成長戦略の3本の矢により経済を成長させていく方針を示し、その中でも「特に金融緩和が大事」と強調した。

浜田氏によると、デフレ脱却に金融政策が必要との認識で出席者が一致。同席した加藤勝信官房副長官によると、日銀による2%の物価上昇率目標の設定を前提に議論が行われたが、目標達成の期限などに関するやりとりはなかったという。

こうした識者らの意見を踏まえ、政府は次期日銀総裁の具体的な人選に着手する。会合では条件や資質など後任人事に関する具体的な議論はなかったとされるが、日銀総裁人事は「(安倍首相が)自分で考えていく」(加藤官房副長官)ことになるという。安倍首相は13日のNHK番組で、次期日銀総裁に関して「基本的には大胆な金融緩和が実行できる人、われわれの主張に合う人を考えていきたい」と発言している。日銀総裁など国会同意人事は、政府が候補者を国会に提示し、衆参それぞれの同意を得ることが必要になる。

有識者会合には、浜田氏のほか伊藤元重東大大学院教授、岩田規久男学習院大教授、高田創みずほ総研常務、竹森俊平慶大教授、中原伸之元日銀審議委員、本田悦朗静岡県立大教授(内閣官房参与)が出席。政府から麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、甘利明経済財政兼経済再生担当相も同席した。同会合は定期的なものではなく、次回開催も未定という。

この日の会合では、政府と日銀が政策連携する際の共同文書の文言などについて「具体的なこと(議論)はなかった」(菅官房長官)という。政府と日銀は現行の日銀法の枠内での政策連携を模索しており、金融政策について安倍首相が求める物価上昇率2%を中期的な目標とする一方、達成時期は明記しない方向で検討が進んでいるとみられる。政府・日銀それぞれの目標に向けた取り組みについては、経済財政諮問会議で検証することになる。

(ロイターニュース 伊藤純夫 基太村真司 吉川裕子;編集 内田慎一、久保信博)

デフレ・円高脱却が決定的に重要、大胆な金融政策不可欠=首相 2013年1月11日


麻生財務相、日銀総裁人事の検討開始時期「考えたことない」
2013年 01月 15日 22:47 JST
[東京 15日 ロイター] 麻生太郎財務相は15日夜の臨時閣議後会見で、日銀総裁の人選開始時期に関する記者団の質問に対し「全然考えたことがないからわからない」と言及を避けた。

安倍晋三首相はこの日午後、内閣官房参与の浜田宏一米エール大名誉教授ら専門家と、日銀の金融政策をめぐり意見交換した。会合に同席した加藤勝信官房副長官は終了後、日銀総裁の後任人事について具体的な議論はなかったと説明したが、安倍首相は13日のテレビ番組で、総裁人事について15日に金融の専門家を集め「話を聞きながら、どういう人がいいかを考えていきたい」と表明していた。

また、麻生財務相は会見で、円相場について「その人が言った意見に私見を述べることも含め、コメントは差し控える」と述べた。この日の外国為替市場では、甘利明経済再生担当相が「過度な円安になれば輸入物価にはねかえる。(円安は)輸出にとって追い風になるが、国民生活にはマイナスの影響も出てくる」などと発言したことを受けて、円相場が急上昇。対ドルで88円半ばと短時間で1円超、円高に振れた。

(ロイターニュース 基太村真司;編集 久保信博)

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首相と識者がデフレ脱却へ大胆な金融緩和で一致、日銀総裁人事着手 2013年1月15日
首相と識者が会合、デフレ脱却に大胆な金融緩和必要 2013年1月15日
日銀総裁が連携強化の仕組み作りに言及=諮問会議議事要旨 2013年1月15日


デフレの際は金融政策が必要ということで一致=浜田エール大名誉教授
2013年 01月 15日 15:59

[東京 15日 ロイター] 内閣官房参与を務める浜田宏一米エール大名誉教授は15日、安倍晋三首相も交えて首相官邸で昼に行われた金融専門家の会合について、「私が主張していたことに賛同する人が現れたことはうれしい」とした上で、デフレの際は金融政策が必要ということで認識が一致したことを明らかにした。官邸内で記者団に述べた。

会合の内容については「官房副長官の会見に一任されている」とし、会議の詳しい内容について言及を避けた。次の会合の日程については決まっていないとした。また、きょうの会合について「何かを決めるものではない」と述べた。

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デフレ・円高脱却が決定的に重要、大胆な金融政策不可欠=首相 2013年1月11日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90E04D20130115?rpc=188


 

スペイン、ECB債券買い入れ発動回避でも格下げの恐れ=フィッチ
2013年 01月 15日 21:58


[ロンドン 15日 ロイター] 格付け会社フィッチ・レーティングスのソブリン格付け部門責任者、デービッド・ライリー氏は15日、スペインの格付けについて、欧州中央銀行(ECB)の債券買い入れプログラム(OMT)発動を免れたとしても、向こう1年間に格下げされる可能性があるとの認識を示した。

その上で格下げのリスク要因として、財政再建目標の達成能力や国内銀行の資本増強コストに加え、最も大きな要因として経済動向を挙げた。

ライリー氏は「来年の今頃に経済見通しが再び1.5─2%のマイナス成長で、失業率が30%に向かうような状況であれば、極めて悪い」とし、「これらが(格下げの)要因となる。このようなシナリオ下でも、OMTの(発動)見込みに支援され、スペインはなお自力での資金調達が可能だ」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE90E00J20130115


 
ブログ:伊勢の「金座」遷宮、経済の時代へ
2013年 01月 10日 12:29

ブログ:バブリーな円安の行方
ブログ:新政権は対中関係を修復できるか
ブログ:国債格下げ懸念という選挙公約の副作用
ブログ:タイでユニクロ「秋冬モノ」人気の理由
杉山容俊

ある国内証券のマーケットアナリストが、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)と経済との関係性について興味深い説を話してくれた。式年遷宮とは、20年に一度社殿を建て替え、御装束や神宝を新調して、御神体である神儀を新宮へ遷す日本で最も重要な祭儀の一つだ。

原則20年ごとに東の御敷地である「米座(こめざ・こめくら)」と西の御敷地である「金座(かねざ・かねくら)」とで新宮が遷り変わる。記録によれば持統天皇4年(690年)に第1回が行われ、以後1300年以上にわたって続けられているという。

伊勢では、古来から東の「米座」に神様がおられる時代は平和で心豊かな「精神の時代」、西の「金座」に神様がおられる時代は波乱、激動、物質欲が強い「経済の時代」として言い伝えられており、過去を振り返れば「金座」と「米座」で時代が移り変わっているという。

上記アナリストによると、幕末期を迎える1849年─69年は新宮が「金座」にあり、黒船来航から明治維新の幕開けに向け激動の時代となった。1869年─89年は「米座」に遷り明治の文明開化を謳歌した。続く1889年─1909年の「金座」では日清日露戦争の時代、1909年─29年の「米座」では大正ロマン・デモクラシーとなり大衆文化の花が開いた。

再び「金座」に遷った1929年以降では第二次世界大戦が勃発。敗戦の混乱で遷宮が4年延期され、1953年に「米座」に遷ると戦後復興の時代に入る。1973年─93年の「金座」ではバブル景気で「ジャパン アズ No.1」へと駆け上ったが、「米座」となる1993年以降、バブルがはじけ、今日まで平成デフレ不況が続いているという。

そして2013年、第62回となる式年遷宮で新宮が「金座」へと遷座され、向こう20年間にわたる「経済の時代」に突入する。

奇しくも昨年末の衆院選で政局が大きな変化を迎えており、今年7月の参院選でも自民党が圧勝すれば、長期安定政権として経済回復に向けたシナリオを描きやすい。

上記アナリストも、安倍新政権と、世界最速でデフレ脱却を果たした1932年─36年の高橋是清蔵相による金輸出再禁止・日銀引き受けによる政府支出の増額などのリフレーション政策とを重ね合わせ、国内経済の回復に期待を寄せていた。

2013年は巳年。「漢書 律暦史」では「止む」を意味する「已」とされ、草木の成長が極限に達し、新たな命が作られはじめる時期と解釈されている。

安倍晋三首相は4日、新年の恒例行事である伊勢神宮の参拝後、年頭記者会見で「どんな小さなことでも暮らしの中に何か新しいものが1つ生まれてくるような、そういう年に向けて、国民の皆様とともに頑張っていきたい」と述べた。

すでに昨年末から年始にかけた上昇局面で、日経平均は2割以上上昇している。年末年始の休暇中に再開した学生時代の旧友らは「株価が上昇する前に買っておけばよかった」と口を揃えるものの、「もう上がり過ぎて上昇余地が少ないのでは」「本当に日本経済が回復するか不安」など異口同音に"買わない"理由を並べる。

約7年半前、小泉純一郎首相(当時)による「郵政解散」に続く自民党の圧勝を受け、日経平均が一時4割近い上昇を演じた時にも、取材先でたびたび耳にしたのは「今の若い人は日本株の買い方を知らない」との言葉だった。

20代から30代の若い世代は人生の半分以上がデフレ下にあり、「株価=下がるもの」との数式が頭の中に出来上がっているため、上昇局面にあっても腰の入った買いが出来ないというのだ。実際、ここ数年間で起こった上げ相場では外国人投資家が買い主体となる傾向にあり、国内勢が日本株の上昇をけん引しているとは言い難い。

時代背景などは異なるものの「郵政解散」時の4割近い上昇に比べれば、2割高はまだ道半ばと捉えられなくもない。たが、植え付けられた「株価=下がるもの」という恐怖感の方がやはり強いのか。

今後20年間の「経済の時代」を築いていく若い世代が、デフレ不況下に浸かった半生から抜け出し、意識が自然と上向くような政局運営に期待したい。

(東京 10日 ロイター)


03. 2013年1月18日 08:06:56 : Pj82T22SRI
【第14回】 2013年1月18日 
日銀金融政策のこれからの課題はなにか
インフレ目標・円安誘導・政府との関係
――京都大学公共政策大学院教授 翁 邦雄
 1月21、22の両日、日銀は今年最初の金融政策決定会合を開催する。これは安倍政権が発足してから最初の会合であり、新政権とどのように向き合い、政策の枠組みについてどのような答えを出すか、といった点で世間の大きな注目を集めている。


おきな・くにお
1974年東京大学経済学部卒業、日本銀行入行、80年シカゴ大学留学、83年同大学でPh.D取得・日本銀行復帰(金融研究所)、92年調査統計局企画調査課長、94年金融研究所研究第一課長、97年企画局参事、98年金融研究所長、06年日本銀行退職、中央大学教授、09年京都大学・公共政策大学院・教授、現在に至る。『ポスト・バブルの金融政策』(共著、ダイヤモンド社)『バブルと金融政策』(共著、日本経済新聞社)『ポスト・マネタリズムの金融政策』(日本経済新聞出版社)、『金融政策のフロンティア』(日本評論社)など著書多数。
 安倍政権の経済政策は次第に輪郭が見えはじめているが、全体像はまだわからない。積極財政志向だが、当初強調していた日銀の国債購入を前提とした財政支出拡大(マネタイゼーション)の主張はトーンダウンさせた。だが、財政規律との折り合いのつけ方は、この原稿を書いている時点では不透明なままだ。

 しかし、金融政策について円安誘導とインフレ目標設定を求めていることははっきりしている。そこで、以下ではこの二つについて論じたうえで、それらを踏まえて今後の日銀と政府との関係について考えてみたい。

インフレ目標政策は採用すべきか

 インフレ目標については、筆者は重要な対立点とは考えていない。

 現時点で主要中央銀行は、表現の違いこそあれ、実態としてはインフレ目標型の枠組みのもとで金融政策運営を行っている。日銀が現在採用している「物価安定の目途」も教科書的には「柔軟なインフレ目標政策」に属している。

むろん、「時期を区切って特定のインフレ率を厳格に追求する」というインフレ率至上主義の枠組みは明らかにまずい。変動相場制以降以降の時期に、仮に2%程度のインフレ目標達成を厳格に目指していたら、石油ショック時にはより強烈な金融引き締めで実体経済を痛めつけ、デフレ的な物価情勢にあったバブル生成期には、より強力な金融緩和でさらにバブルを助長していたはずだ。こうした硬直的な枠組みでなければ、2%を目指すという姿勢をより明確化することで政府と協調できないとは思えないし、後述の理由から、むしろ積極的に協調すべきだと考える。

 ただし、留意点が2つある。

 第一に、政府も、インフレ目標の達成で日銀との協調を図るなら、電力料金をはじめ公共料金の値上げを極力抑制したり、公務員給与を大幅にカットするといった政策姿勢は見直すべきだろう。公共料金の動きは、日米のインフレ格差要因の一つになっている。

 第二に、今後の世界経済情勢次第では、先進国の政策枠組みは大きく変わる可能性があることを認識しておく必要がある。インフレ目標についての日本での議論はトラック競技で言えば「周回遅れ」になっている。現状、主要国中央銀行は「柔軟なインフレ目標」型の政策を採用しているものの、この枠組みはそろそろ「賞味期限切れ」が近い。

 主要国で先頭を切ってインフレ目標を採用した英国では、インフレ目標至上主義的な政策運営から、目標からの乖離を長期間、容認する運営に変わり、さらに最近ではBOE(バンク・オブ・イングランド)次期総裁の講演をきっかけにインフレ目標政策からの離脱が大きな議論になりはじめている。インフレ目標の限界が表面化するなかで、学界でも、例えば、ジェフェリー・フランケル(ハーバード大)が2012年5月にブログで「インフレ目標の死」と題してこの政策への「弔辞」を書くなど、有力なマクロ経済学者に見直し論が広がっており、学界・中央銀行サークル双方で新たな政策枠組の模索が続いている。

円安誘導のメリットと政策効果

 しかし、インフレ目標の設定以上に安倍政権が重視しているように見えるのは為替レートの円安誘導である。筆者は、もともと景気刺激策としての円安誘導や円高阻止のメリットを強調してきた。いうまでもなく、円安になればとりあえず企業収益は好転し、物価にも上昇圧力がかかる。

 日銀在職中、どうすればそれが実現できるかについてある種の焦燥感をもって頭を悩ませ、幾つか提言をしてきた。後の議論と密接に関連するので、円安誘導に関して筆者が日銀在職中の1999年から2001年に対外公表した2つの提言の骨子を挙げておく。

 第一は「無制限介入論」である。これは、1999年11月10日のフィナンシャル・タイムズへの投稿で主張した方法である。骨子は、

「目標相場を達成するための無制限介入、つまり、円の一層の増価に歯止めをかけるために特定の為替相場水準で無制限にドルを購入することが考えられる。政府はドル買い介入のための円資金を短期政府証券を発行して調達することができる。金融政策により短期金利がほぼゼロに保たれている限り、政府はほぼゼロの調達コストでこうした政策を実行できる。

大蔵省がこれを本気で実行すると市場が信じれば為替レートは減価するだろう。従って、日本銀行が現在の金融政策を変えない限り無制限介入は効果がない、という議論は誤りである。ゼロ金利政策と無制限介入の組み合わせは行き過ぎた円高への対処案に十分なり得る」。

 というものであった。

 第二の提言は、2001年7月19日のブルームバーグによるインタビュー時に述べた日銀による外債購入論である。そのポイントは、

「仮に追加的な金融緩和が必要になった場合、日銀が当座預金残高を増やすために外国為替を買い、その結果として、為替相場は市場の動きに任せるやり方もあり得る」…「金融調節の一環として外国為替を買う選択肢は、真剣な検討に値する」

 というものである。

 ちなみに第一の提言はほとんど国内からの反響はなかったし(全く非現実的と受け止められたのだろう)、第二の提言は日銀内外から強い批判を受けた(多少は現実味がある筋悪の提案と受け取られたのだろう)。それだけに筆者にとって、ここ1、2年で外債購入論が復活したのは感慨深い。

 しかし現時点では外債購入も「周回遅れ」になっており、かつインフレ目標の場合と比べ危険性が大きい、と考えている。

スイスの無制限介入の経験

 危険性について述べる前に、「大胆な政策による為替レート誘導」は、どの程度効果があるのかをみておこう。この点を考えるうえでは、スイスの経験が参考になる。欧州金融危機後、スイスフランは円同様に安全通貨として急騰した。貿易依存度が日米などに比べて格段に高いスイスにとっては、存亡の危機である。

 そこで、まずスイス国民銀行は2011年8月に大規模な量的緩和を試みた。月初に当座預金残高目標を300億フランに設定、その後、同月中に数次にわたって目標を引き上げ、2000億フランとしたのである。この額はスイスの名目GDPの実に40%弱にあたる。しかし、スイスフラン高に歯止めはかからなかった。

 次に、スイスは、2011年9月6日、筆者の第一の提言である「無制限介入」に踏み切る。スイスフランについて、1ユーロ=1.2スイスフランという上限を設け、これを維持するためにフラン売り・ユーロ買いの無制限で介入を行う、と宣言したのである。この政策は劇的な効果を上げ、スイスフランは1年以上経った現在まで、1ユーロ=1.2スイスフラン以下の水準をほぼ維持している。

 スイスの教訓は以下のことを意味している。為替レートの変動が市場の強いセンチメントに突き動かされているときには、金融政策による量的緩和といった間接的な手段では止められない。本気で止めるには政府と中央銀行の協調による無制限介入宣言にまで踏み込む覚悟が必要になる。自国通貨は無制限に売れるから、自国通貨高を防ぐ無制限介入は原理的に可能であり、市場がその覚悟を信じれば、自国通貨高は実際にはほとんど介入しなくとも止まる(ただし、自国通貨安を防ぐ外貨売り介入は外貨準備に制約されるので、無制限介入は不可能であり投機筋に負ける可能性が高い)。

円安誘導と国際的な摩擦リスク

 では、政府・日銀が協調して望ましいと考える円安レートでの無制限介入を宣言し、それによる景気刺激に動くべきではないのか。筆者がそうした政策が現時点では危険と考える最大の理由は、10年前との国際的な経済環境の劇的な違いによる。

 2001年時点では、日本が「一人負け」状態で危機的な状況にあり、海外の同情的な対応が期待できた。だが、現在は、日本に限らず、多くの欧米先進国が景気刺激のため輸出を増やしたいと考えている。そして日本は貿易収支が急速に悪化しているとはいえ、対外投資収益などを反映して経常収支でみると黒字を維持している。そういう状況下で外債購入や政府の無制限介入で人為的な円安誘導を目指すことは、国際的に大きな摩擦を引き起こし得る。

 ちなみに、スイスに対する批判は、欧州ではそれほど高まっていないようにみえる。これは、スイスは小国であることに加え、その介入が対ユーロであり、取得したユーロでユーロ圏の国債を買っていることによるだろう。欧州債務危機に苦しむ国々は、国債を買ってくれる国には強く出にくいはずだ。

 これに対し、米国には欧州のような切迫した事情はない。その分、為替操作への反発は強いといえる。例を挙げよう。昨年末、国際金融界で知名度の高い米国の二人のエコノミストが「為替操作、米国経済、そして世界経済秩序」と題する論文を発表した。ジョセフ・ギャグノン(元FRB国際金融局アソシエート・ディレクター)とフレッド・バーグステン(国際金融担当財務次官などを歴任した)である。

 彼らは、米国が経済成長を加速し完全雇用を回復するためには、巨額の貿易赤字を解消する必要がある、と述べ、米国が財政負担をもたらさずにそれを実現するためには、他国の為替レート操作をやめさせ、米国の競争力が回復できる水準にドルを戻す必要がある、としている。そして、中国、スイスなどの具体的国名リストをあげ、これらの国に対して、@相殺的介入、A介入によるドル資産購入の禁止ないし課税、B輸入課徴金、C(できれば他の被害国とも連携したうえでの)より広範な報復措置の実施に向けた活動、などの段階的な対応を提言している。

 彼らは、為替操作国を、@経常収支が黒字、A一人あたり国民所得が高い、B半年分の輸入額以上の外貨準備を持っている、C外貨準備の増加率が経済成長率より高い、の条件を満たし、かつ為替市場に介入している国、としている。日本については、過去には大規模介入したが近年は介入していないので、現時点では報復リストでなく監視対象とされている。

 しかし、「もし安倍新首相がドルを購入することを通じて、円を急速に減価させるという発言を実行に移すなら、リストに加える必要があろう」、と述べている。そうした厳しい視線を無視して日本の輸出企業にとって80円台なかばではまだ不当に円高だ、できれば90〜100円の方がよい、といった動機で円安誘導に踏み切れば、近隣窮乏化政策と受け止められ、対日強硬論を勢いづかせるリスクがある。

安倍発言で市場は動いたのか

 ところで、目標レートを設定し、具体的に為替レートに働きかけなければ、今後、どんどん円高になるのだろうか。

 これに関連して、興味深い点は、昨年末の解散総選挙時点以降の市場の動きである。この時期に市場は円安方向に大きく動き、それが株高を誘発したように見える。なぜ円安に動いたのか。ふたつの可能性が考えられる。

 ひとつは安倍総理が解散当初はマネタイゼーションを示唆し、その後も為替レートの適正水準についてしばしば具体的に言及したことである。一連の発言は、市場の想定外で、その経済政策の全体像が明らかでない分、逆にさまざまな可能性への期待を煽り、それが金融市場から大きな反応を引き出す方向に作用した可能性がある。

 しかし、同時に趨勢的な円高の修正局面が到来した可能性も高い。日本の貿易収支は赤字に転落し、それが持続することが予想されている。また、欧州債務問題についての危機感が一巡し、円買いの背景にあった国際的な投資家の極端なリスク回避姿勢も後退した。スイスフランも軟化している。それでも投資家は円を買い続けるだろうか。

 安倍総理の発言は、「円高トレンドの修正」のタイミングにうまくマッチして流れを引き寄せたのではないか。それなら、為替レートは、今後、自然体でさらに円安に向かう可能性もある。後者の場合、政府首脳が目標為替レートにあえて言及したり、日銀を含む官民ファンドが外債購入に踏み込んだりすることで対日強硬論を刺激することは避け、むしろ変動相場制のルールを尊重する姿勢を示しておく方がはるかに得策だろう。

政府と日銀は前向きに連携せよ

 筆者は、安倍総理が、一方で目標為替レートを具体的に示して円安誘導をはかり、他方で、日銀法改正に言及して日銀に圧力をかける、というスタイルを展開したことには強い危惧を感じている。たぶん、日銀役職員はスケープゴートにされているように思い、憤りを感じているだろう。しかし、筆者は、それでも日銀は政府との連携に積極的に動くべきだ、と考えている。

 理由は2つある。

 第一は日本経済がゼロ金利制約下にあることである。ゼロ金利制約のもとでは、金融政策単独の景気刺激力はきわめて弱い。日銀がデフレ脱却を目指している以上、金融政策の効果を高め選択肢を広げるうえで、政府と協調することが望ましい。この点で安倍総理の「物価目標は共有してもらう、しかし手段は日銀に任せる」、という議論は、平時には正統的な議論だが、ゼロ金利制約下では十分でない。

 非伝統的な政策下では中央銀行は、資金供給のために買い入れた多様な資産の価格が下落することによるバランスシートの毀損をはじめ、さまざまなリスクにさらされている。そうしたリスクに対し、政府は「日銀の判断」として突き放すのでなく、後ろ盾になる姿勢を明確に示す必要がある。そうした協調・補完関係を築くために連携は不可欠だ。

 第二は政策当局「全体」に対する信認の問題である。この点について、筆者の判断を大きく左右しているのは、2000年8月のゼロ金利解除時の経験である。筆者は、この時の日銀のゼロ金利解除は必要がなかった、と考えている。しかし、ゼロ金利解除についてのより大きな失敗は、0.25%の金利の変更をめぐって政府が議決延期を請求し、日銀がこれを否決するところまで突き進んだ点にある。不毛な対立関係が大きくクローズアップされ、連携の不在があからさまになったことで、政策当局が全体として失ったものは極めて大きかった。

 細部に多少の意見の相違があっても、大枠では政府と日銀が本気で協調しようとしている、と内外に認識されることが日本にとって特に重要だ。独立性侵害に関心が集まる中での連携姿勢が、「従属」と誤解されることを懸念する思いも日銀の中にはあるだろう。しかし、独立性を持つ政策当局としての判断のなかに、現在の日本の社会および経済の状況のもとで、政府と中央銀行が激突するのは好ましくない、という要素の重みも含まれるはずである。

 安倍政権は再登場であるだけに、新政権への批判を控えるハネムーン期間は不要、とも言われる。しかし、国民はこの国の統治機構の混乱に嫌気がさし、何より経済再生を強く願っていると思われる。それだけに発足から日が浅い新政権に対して、日銀がその順調な立ち上がりに向けて極力サポートすることは自然だろう。

 むろん、安倍総理がこれまで折にふれて展開した日銀による国債購入論や為替レート操作論などには危うさを感じさせるものも多い。それだけに、日銀は中央銀行として、連携のなかで気概を持って意見具申することが必要だ。安倍政権サイドも、協調をうわべのものにしかねない威圧型スタイルの孕むリスクを認識し、金融市場の専門家である日銀の言い分にも十分耳を傾けて、前向きな連携環境を作り出すべきだろう。


04. 2013年1月18日 08:18:26 : Pj82T22SRI
ドル/円一時90円台、日銀の追加緩和観測で2年半ぶり安値=NY市場
2013年 01月 18日 07:36 JST

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[ニューヨーク 17日 ロイター] 17日のニューヨーク外国為替市場では円がドルとユーロに対して3日ぶりに反落。一時1ドル=90円台に乗せ約2年半ぶり安値をつけた。日銀が景気浮揚に向け一段の緩和策を実施するとの観測が広がっている。

一方、ユーロは対ドルで3日ぶりに反発。スペインの国債入札が堅調だったことや、ポルトガルが予定通り市場復帰を果たすとの見方がユーロを支援した。

ドル/円は、90円水準にあったオプションバリアを突破し、一時2010年6月以来の高値となる90.10円をつけた。その後押し戻され、終盤は1.7%高の89.89円。日本当局が市場介入を行った2011年11月以来の大幅な上昇率となった。

ドル/円は、1月の米フィラデルフィア業況指数が予想外のマイナスとなったことを受けて上げ幅を縮小する場面も見られた。新規失業保険申請件数と住宅着工件数が予想以上に好ましい内容だったことから、投資家にはサプライズとなった。

ユーロ/円は2.4%高の120.23円。2011年3月以来の大幅な上昇率となった。一時2011年5月以来の高値となる120.31円をつけた。

ユーロ/ドルは直近で0.7%高の1.3380ドル。

ロイターは関係筋の話として、日銀が来週の金融政策決定会合で事実上の物価目標を2%に引き上げるとともに、達成が見通せるまで無制限に国債買い入れなどの金融緩和を続けることを検討すると報じた。

TD証券の通貨ストラテジスト、グレッグ・ムーア氏は、この報道で日銀が積極的な緩和策を打ち出すとの観測が裏付けられたとし、これは円にとってかなりの下げ材料だと述べた。

円は、甘利明経済再生担当相が自身の過度の円安を懸念する発言は正しく解釈されていないと述べたことを受け、オーバーナイトで急落した。

 
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日銀が次回会合で無制限緩和検討・付利撤廃議論へ=関係筋
2013年 01月 18日 02:57  
[東京 18日 ロイター] 日銀は21、22日に開く金融政策決定会合で、現在は1%の事実上の物価目標を2%に引き上げるとともに、達成が見通せるまで無制限に国債買い入れなどの金融緩和を続けることを検討する。

金融機関が日銀に預けている当座預金の超過準備に付く0.1%の金利(付利)の撤廃の是非も議論する。22日には政府が強く求めるデフレ脱却に向けた共同文書も取り交わす見通しで、日銀は大胆な追加緩和を打ち出す。関係筋が明らかにした。

日銀は安倍晋三首相から2%の明確な物価目標の導入を求められており、会合では昨年2月に購入した事実上の物価目標について、中長期的な物価安定の「目途」(英語はgoal)との名称を「目標」(target)に変更。「消費者物価上昇率で2%以下のプラスの領域」で当面1%を見通せる、としてきた金融緩和の運営方針を、「2%」を目指す形に強化する。

現行の金融緩和は日銀が基金で国債などの金融資産を買い入れる期限をあらかじめ決めて実施しているが、期限を決めずに物価2%に向けて毎月一定の買い入れを続ける形や、買い入れが終了する2013年末以降も満期を迎えた国債などの買い入れを継続するなど、無制限(オープン・エンド)の買い入れを検討する。無制限の緩和を強調し、金融緩和強化の姿勢を鮮明にする。

当座預金の付利についても撤廃の是非を議論する。日銀内には短期金融市場の機能が失われるとして反対の意見もあるが、白井さゆり審議委員はイタリア・ローマで行った講演で、撤廃により「短期金利が低下し、他国との金利差をもたらし、為替相場を円安方向に後押しする効果が期待される」と指摘するなど、円安を通じた景気刺激策として前向きに検討する意見が出ている。

無制限緩和と付利撤廃はともに昨年11月の決定会合で一部審議委員から意見が出ていたことが議事要旨から明らかになっている。付利撤廃は12月会合で石田浩二審議委員が提案したものの否決された。ただ安倍首相が金融緩和強化の手段のひとつとしてこれまで言及した経緯がある。市場では撤廃を織り込みつつあり、固定金利オペで応札が募集額に達しない札割れが相次いでいる。

なお日銀は、2%の物価目標の達成時期を明記することは、金融政策の柔軟性が損なわれ、市場の思惑から長期金利が急上昇しかねないとして消極的だ。ただ政府や安倍首相の周辺には時期の明記が必要との声もあり、共同文書の作成をめぐっては曲折がありそうだ。18日には共同文書をめぐり日銀の白川方明総裁と麻生太郎財務相、甘利明経済財政・再生相が都内のホテルで会談する。

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05. 2013年1月19日 03:13:35 : Pj82T22SRI
「90円の壁」を超えたドル、来週は露骨な政策に海外からのけん制も
2013年 01月 18日 15:54  

依然人質と立てこもり、外国人の約半数解放=アルジェリア国営通信
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[東京 18日 ロイター] 「アベノミクス」に便乗した円売りでドルは90円の壁をやすやすと超えた。来週には日銀金融政策決定会合を控えるが、ドル買い/円売りの熱狂が続く外為市場では、「噂でドル/円を買って、事実でも買う」というこれまでに無いパターンが出現。決定会合の結果が市場予想通りであれば、調整的なドル売りが無いか、あっても一時的に終わり、ドルが一段高になる可能性もでてきた。

他方、海外では「アベノミクス」に冷ややかな見方が広がっている。特に円安による株価押し上げ、成長てこ入れ、そして輸出業者支援政策には「近隣窮乏化策」との批判の声が上がっている。

予想レンジはドル/円が88.50─92.00円、ユーロ/ドルが1.3200─1.3500ドル。

<近隣窮乏化策>

セントルイス連銀のブラード総裁は10日、「日本がより露骨な為替政策を取っているようで、私は少々困惑している」と発言。ブラード総裁は米連邦準備理事会(FRB)内部の雰囲気をしばしば代弁するとみられており、金融界の注目度が高い。同総裁は、自国通貨を弱めて成長を達成しようとする試みは、いわゆる「近隣窮乏化策」であるとの認識を示した。

これに対して、中尾武彦財務官は14日、「新政権に通貨の切り下げ競争をする意思はない」と語り、円の下落は「それまでの行き過ぎた上昇の調整」であると反論している。

欧州では、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相)が15日、「ユーロ相場は危険なほど高い」と述べた。同発言は騰勢が収まらないユーロ/円相場に向けられたものとみられる。ユーロは「アベ・トレード」が始まった昨年11月半ばから対円では18%超上昇している。

ロシア中央銀行のウリュカエフ第1副総裁は、日本は通貨押し下げに向けて動いており、他国も追随することで「通貨戦争」ともいえる段階に差し掛かっていると指摘。

このほか、韓国やドイツなどからも日本の為替政策に対するけん制とみられる発言が相次いでいる。

「どの国も本心では自国通貨安が良いはずだが、安倍政権のように人目をはばからずでは、欧米当局に限らず、他国はおもしろくないだろう」(国内運用会社ファンド・マネージャー)、「強い日本、強い自民党をアピールすればするほど、周りに引かれている」(同)とし、新政権の舵取りが始まってから、金融面のみならず、外交や通商面でも物事が円滑に進まなくなってきていると指摘した。

一方、政府・自民党は、紆余曲折を経て、現在の為替市場は行き過ぎた円高からの修正過程にあるという認識で概ね統一された。海外投機筋は、甘利明経済再生担当相および石破茂自民幹事長による円安懸念発言の修正により、本邦当局の更なる円安追及スタンスが再確認されたと見ているようだ。

<世界の常識、日本の非常識>

最近の欧米諸国の動きは、「アベノミクス」下の諸政策との対照が際立っている。

金融政策では、ECBのドラギ総裁は10日の理事会で利下げや資産の追加買い入れなど追加緩和の必要性は全く議論されなかったことを表明した。

FRBのバーナンキ議長は、FRB監視法が議会を通過すれば、FRBの独立性が奪われ、金融政策は目先の政治圧力で動かされ、長期的な視野での決定ができなくなる、としてこれをけん制した。

一方、日本の現政権は日銀法改正をちらつかせ「無制限緩和」を求めている。

中央銀行が「大胆な」金融緩和策で国債を大量に購入しても、政府・議会が財政再建方向で動いていれば、その政策はマネタイゼーション(財政赤字の貨幣化)とは見られにくい。しかし、「日本の安倍政権は、GDP比世界最大の政府債務の国で、財政支出拡大と大胆な金融緩和策を行おうとしている。日本でチャレンジングな実験が始まろうとしていると冷ややかに見ている海外の当局者やメディアは多いように感じられる」と東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出氏は言う。

<日銀決定会合>

21─22日の日程で開催される日銀決定会合については、市場は既に、日銀によるインフレ2%の中期目標導入、短期および長期国債購入を中心とする10兆円程度の資産購入基金拡大、および日銀の2%インフレ目標達成に向けた金融政策と政府の財政政策・成長戦略等を含む政府・日銀の合意文書発表について、織り込んでいる。

さらなる円安の手掛かりとなるポジティブサプライズのシナリオとして、資産購入基金と輪番オペを組み合わせるかたちで、インフレ目標達成まで追加金融緩和を行う無制限緩和あるいはオープンエンド型国債買入オペ新設、補完当座預金制度の適用金利の0.1%からゼロ%への引き下げ、外債購入に関する議論の進展、日銀が雇用の安定に関しても責任を追うかたちとなる場合、インフレ目標達成時期が例えば数年後というかたちで明記されること、などが考えられ、「このいずれかが盛り込まれる場合には92円も視野に入ろう」とバークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は予想する。

ただ、「アベノミクスは狂信的な緩和依存症と財政危機下の財政支出の拡張のコンビネーションで、海外では反面教師とみられている」(証券会社)とされ、「目先の政治利害を優先し、危機を覆い隠すアベノミクスのつけは、先行き国民が負担することになる」(同)と警戒する声が上がっている。

(ロイターニュース 森佳子)


06. 2013年1月20日 18:59:02 : mb0UXcp1ss
2%の物価目標達成、日銀が主体的に責任を負う=甘利経済再生相
2013年 01月 20日 13:18 JST
[東京 20日 ロイター] 甘利明経済再生担当相は20日、政府・日銀が策定を進めている共同声明で明記する方向の2%の物価目標の達成責任は日銀にあるとの認識を示した。日銀総裁人事では、安倍晋三首相の頭には複数名の候補者があるとし、野党の協力が得られることなども含めて絞り込みを行っていくことになると述べた。

一方、みんなの党の渡辺喜美代表が総裁候補の一人として安倍首相に提案したと一部で報じられた浜田宏一内閣官房参与・エール大学名誉教授は同日、健康上の理由をあげて「就任するつもりは全くない」と否定した。都内で記者団に語った。

<共同声明 達成時期の表記めぐり調整続く>

共同声明の作業は大詰めを迎えている。デフレ脱却に向けて2%の物価上昇率を中期の目標と位置付けることで大筋合意したとみられるが、達成時期の表記をめぐって調整がすすめられているもよう。甘利経済再生相は達成時期について「何年という数字は入らない。長期というニュアンスにならない表現だ」としながらも「細目で詰めの作業を行っている」と述べた。

2%の物価目標達成は日銀にとっては高いハードル。従来、事実上の物価目標を1%としてきた背景も実現性を考えてのことだ。このため、共同声明でも「日銀は、これまで説明してきたこととの整合性に最もこだわっている」(政府筋)という。日銀の信認が問われることにもなるため、調整がなお続いている模様。甘利経済再生相は「日銀は、総裁ひとりが了解しても、政策決定会合での合意を得る必要があるため、できれば全員が理解することが望ましい。そのことも含め日銀としては日銀の努力をしている」と語った。

<総理とのすり合わせはほぼ完了、あとは日銀とのすり合わせ>

一方、2%の物価目標達成の責任については「日銀が主体的に責任を負う」と指摘。「成長と財政再建、国債の信認を失わないことを両立させていくことが政府の責任だ」と語った。「日銀は日銀としてやるべきことをやる。それは物価目標2%。政府としてやるべきは、成長と財政再建にきちんと責任をもつことだ」と繰り返した。

そのうえで、甘利経済再生相は「(政府・日銀が)お互いやるべきことの認識の共有はかなりできている」とし、「総理との考え合わせはほぼできている。あとは日銀とのすり合わせだ」と合意が近いことを示唆した。

<日銀の独立性侵害せず、国債の買い入れ指示を否定>

また、20日午前のNHK番組で日銀に国債買い入れを政府が命じることもあるかとの質問に甘利経済再生相は「日銀の独立性を侵害することは考えていない」としたうえで、「やるべきことをやっていただく。目標を(政府と)共有して連携を強化する。向かっていく方向が同じで、解決に向けてそれぞれやっていくと、連携を強化することが大事だ。中央銀行が傍観者であることは許されない」と語った。

<日銀総裁人事、首相の頭に複数名候補>

4月で任期を迎える白川方明日銀総裁の後継人事で望まれる資質について「今の日本の局面を打開するための政策目標を共有することと、能力、国際的な発信力」を挙げた。そのうえで、「総理の頭の中には複数の方の名前があると思う」とし、「国会の承認人事なので実現することが大事だ。その視点も含め、絞り込みをかけていくことになる」と述べた。

(ロイターニュース 吉川 裕子:編集 石田仁志)


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