★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評13 > 112.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
NHK「プロフェッショナル−仕事の流儀」とニート社会A プロフェッショナル特攻企業戦士転じてニートとなる?
http://www.asyura2.com/12/hihyo13/msg/112.html
投稿者 暴論有理 日時 2012 年 5 月 25 日 10:13:08: Lhw6YrhSkkinE
 


洋上加工船のラインの片隅で狭い事務室に陣取り日に18時間も無口に外人労働者たちに指示を与える隻腕の日本人工場マネージャー。毎朝部下たちの一時間前に出社し、ひがな一日ウイスキーブレンドに打ち込む洋酒工場のブレンダー。7割は死亡するという野戦病院さながらの白血病病棟で毎日死と直面しつつ孤軍奮闘する血液内科医。

彼らは重い責務を担い多くの不満を抱きながらも確かに自らの行為・職務に満足している。組織、共同体への帰属感や時に陶酔の域にまで達する同僚、部下たちとの一体感、社会的承認に満足している。しかし、そのめったに笑わない自信のある顔つきや所作に、歴戦の勇士のような取り払いようもない暗さ、宿命観、受動性がにじみ出ている。

前回、特攻企業戦士である大企業・大組織のプロフェッショナルについて論じたが、彼らはいずれも団塊世代か団塊ジュニアだ。その彼らは痛々しいほど真面目で生一本な人間たちだ。その真面目な社員たちが真面目に勤続して現在のトッププロフェッショナルとなったわけだが、どこか悲壮で暗い義務感や責任感にうちひしがれているのはどうしてだろう。おれは出来る人間だ、俺がいないと現場は回らないと自負し、仕事は大変だがその中核として働く自分に存在価値を見出す彼らに、なぜ暗い圧迫感や閉塞感、不幸感がただようのだろう。欧米のプロフェッショナルならもっとハッピーなんじゃないか。

思うにそれはきつい労働条件や職場の人間関係、自らの理想との乖離等、結局、プロの技能を発揮する上での企業内の基礎的あるいは周辺上の諸状況の悪さにあるんじゃないだろうか。例えば万年人手不足は経営側にとってみれば人件費節約だし、硬直的企業組織も年功序列等を支えるための必須事項だ。そのような非科学的組織形態の中でプロフェッショナルはもがき苦しみ、齟齬を自らの中で何とか調整して中核の歯車として組織を動かしている。それは毎晩遅く帰宅し週末は家でごろごろしてむっつりとして家族サービスもしない平均的中年サラリーマンの仕事中の勇士でもある。だが、目を欧米に転ずるに全ての経済活動は利益を目的としたいわばビジネスチャンスであり、苦しければ辞めるのが理性的経済行動である。そこでは呻吟しながら苦汗労働を続けるのはよほど職にあぶれた人々か発展途上国の低カーストぐらいであってとても誉められた状態とは看做されない。

しかし、ともかくも辛苦を乗り越え日本の職業人は高度成長を成し遂げてきたわけであるが、バブル以降は状況は一変してきている。簡単に言えばその日本流プロフェッショナルの流儀が世界で通じなくなってきている、あるいは他国のプロフェッショナルの流儀に完璧に敗北に帰しつつあるのだ。10年前までの「プロジェクトx」はそんな時代に夢をもう一度と高度成長期の伝説・神話を再現してみたが、今や一時は世界を席巻した日本企業の劣勢は火を見るよりも明らかですでに家電やITは陥落し、虎の子の自動車もいつまで持つかわからない。最後の期待は高技術をもった中小企業だなどといっているが、手かせ足かせをつけて散々大企業中心でやってきたくせにマスコミも官僚も虫が良すぎる。

そのような「プロジェクトx」的な企業伝説が通じなくなりつつある中で最後の日本経済神話のよりどころは職人的な技能や技術を有する「プロフェッショナル」たちだ。NHKの企画部も相当頭をひねったに違いない。ここは超人的プロに焦点を当てようと。しかし、それはあたかも戦中の正規戦の戦術戦略に望みを絶たれた旧軍指導部が、捨て身の特攻や切り込み隊で超人的個人たちに望みを託したのに軌をいつにしている。思えばこのような超人物語は日本人の大好物とするところだ。古くは爆弾三勇士に始まり宇宙戦艦大和しかり超人ヒーロー特撮やスポコンヒーローと空想的秘密兵器や秘技を持って社会や国家の劣勢を一気に挽回する超人待望論は一種のポピュリズムやファシズムにも低通するのか。そして物理的に劣位になればなるほど限りなく精神論が浸透してくるのだ。精神一到なにごとか云々だ。だが、このようなプロフェッショナル像が望まれまた多くのプロフェッショナルが必死に精進すればするほど凡人には住みにくい社会や企業環境となってくる。

だが、そのような真面目で単純な救国いや救社的な超人的プロフェッショナル像がかぎりなく現代日本の非社会的偶像たるニートにダブってくるのだ。団塊世代や団塊ジュニアである意味流動的状況に不器用なプロフェッショナルたちが70年代80年代に生まれていたらどうなっていたであろうか。転職も転社もしないあるいはできなかったド真面目なかれらは就職氷河期で新卒入社が出来なかったり、リクルート転職広告に踊らされたり、リストラの憂き目に会ったりしたら、フリーターや非正規としてしぶとく惨めに食いつなげることが出来るだろうか。おそらくは引きこもってニート化する者のほうが多いのではないか。部屋にこもるのと職にこもるのは意外とあまり違いはないのじゃないか。違うのは後者が大きな負担の下にやっと社会性や経済性を保っていることだけである。

そういう意味で「プロジェクトx」が高度成長期に捧げたオマージュであると同じく、プロフェッショナル賞賛とはニート気味の一般人のかろうじて共同体へ属することの出来たであろう過去への回想なのかもしれない。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 五月晴郎 2012年5月25日 23:04:17 : ulZUCBWYQe7Lk : t3OuS3nAYI
この投稿記事は、いいです。
日本の社会の構造の良くない面の記述をすると杓子定規な表現になりがちだが、この記事はアクチャルに問題を浮かび上がらせている。

02. 2012年5月26日 09:44:55 : esmsVHFkrM

同感です。

今の日本の問題の本質を突いていると思います。


03. 2012年5月26日 15:46:34 : VWY5RJJNPY
なんちゅうか・・。大げさなんだな・・。少なくとも、僕の子供・と言っても成人してますが。テレビ観ないですよ。

そして逞しい。転職なんて、軽くやってる。仲間がいる。
職人についてですが、日本には、多いんです。

就活の学生は、このツールをうまく活用して、現地で実習してますよ。

試行錯誤です。ニートもね・・。枠にはまっては、人生、損です。都会なら都会の枠からはみ出る。それ位のパワーは持って頂きたい。田舎から、親に追い出されても・・です。いつか、都会の不毛さに気付く筈なんだが。仕事ができん連中程、都会に行く・・。もう一度「田舎」の良さを体験すればいかがか・・。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)|(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(なしでも可能。あったほうが良い)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評13掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評13掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧