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村上春樹さんが寄稿 領土問題、文化への影響憂う(ブック・アサヒ・コム)
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/208.html
投稿者 okonomono 日時 2012 年 9 月 28 日 07:22:43: ufgCmUGS6CG6M
 

村上春樹さんが寄稿 領土問題、文化への影響憂う
[掲載]2012年09月28日
http://book.asahi.com/booknews/update/2012092800001.html

 作家の村上春樹さん(63)が、東アジアの領土をめぐる問題について、文化交流に影響を及ぼすことを憂慮するエッセーを朝日新聞に寄せた。村上さんは「国境を越えて魂が行き来する道筋」を塞いではならないと書いている。
 日本政府の尖閣諸島国有化で日中の対立が深刻化する中、北京市出版当局は今月17日、日本人作家の作品など日本関係書籍の出版について口頭で規制を指示。北京市内の大手書店で、日本関係書籍が売り場から姿を消す事態になっていた。
 エッセーはまず、この報道に触れ、ショックを感じていると明かす。この20年ほどで、東アジアの文化交流は豊かになっている。そうした文化圏の成熟が、尖閣や竹島をめぐる日中韓のあつれきで破壊されてしまうことを恐れている。
 村上作品の人気は中国、韓国、台湾でも高く、東アジア文化圏の地道な交流を担ってきた当事者の一人。中国と台湾で作品はほぼ全てが訳されており、簡体字と繁体字、両方の版が出ている。特に「ノルウェイの森」の人気が高く、中国では「絶対村上(ばっちりムラカミ)」、台湾では「非常村上(すっごくムラカミ)」という流行語が生まれたほどだ。韓国でもほぼ全作品が翻訳され、大学生を中心に人気が高い。東アジア圏内の若手作家に、広く影響を与えている。(村上さんの寄稿エッセー全文は以下)

     ◇

 尖閣諸島を巡る紛争が過熱化する中、中国の多くの書店から日本人の著者の書籍が姿を消したという報道に接して、一人の日本人著者としてもちろん少なからぬショックを感じている。それが政府主導による組織的排斥なのか、あるいは書店サイドでの自主的な引き揚げなのか、詳細はまだわからない。だからその是非について意見を述べることは、今の段階では差し控えたいと思う。

 この二十年ばかりの、東アジア地域における最も喜ばしい達成のひとつは、そこに固有の「文化圏」が形成されてきたことだ。そのような状況がもたらされた大きな原因として、中国や韓国や台湾のめざましい経済的発展があげられるだろう。各国の経済システムがより強く確立されることにより、文化の等価的交換が可能になり、多くの文化的成果(知的財産)が国境を越えて行き来するようになった。共通のルールが定められ、かつてこの地域で猛威をふるった海賊版も徐々に姿を消し(あるいは数を大幅に減じ)、アドバンス(前渡し金)や印税も多くの場合、正当に支払われるようになった。

 僕自身の経験に基づいて言わせていただければ、「ここに来るまでの道のりは長かったなあ」ということになる。以前の状況はそれほど劣悪だった。どれくらいひどかったか、ここでは具体的事実には触れないが(これ以上問題を紛糾させたくないから)、最近では環境は著しく改善され、この「東アジア文化圏」は豊かな、安定したマーケットとして着実に成熟を遂げつつある。まだいくつかの個別の問題は残されているものの、そのマーケット内では今では、音楽や文学や映画やテレビ番組が、基本的には自由に等価に交換され、多くの数の人々の手に取られ、楽しまれている。これはまことに素晴らしい成果というべきだ。

 たとえば韓国のテレビドラマがヒットしたことで、日本人は韓国の文化に対して以前よりずっと親しみを抱くようになったし、韓国語を学習する人の数も急激に増えた。それと交換的にというか、たとえば僕がアメリカの大学にいるときには、多くの韓国人・中国人留学生がオフィスを訪れてくれたものだ。彼らは驚くほど熱心に僕の本を読んでくれて、我々の間には多くの語り合うべきことがあった。

 このような好ましい状況を出現させるために、長い歳月にわたり多くの人々が心血を注いできた。僕も一人の当事者として、微力ではあるがそれなりに努力を続けてきたし、このような安定した交流が持続すれば、我々と東アジア近隣諸国との間に存在するいくつかの懸案も、時間はかかるかもしれないが、徐々に解決に向かって行くに違いないと期待を抱いていた。文化の交換は「我々はたとえ話す言葉が違っても、基本的には感情や感動を共有しあえる人間同士なのだ」という認識をもたらすことをひとつの重要な目的にしている。それはいわば、国境を越えて魂が行き来する道筋なのだ。

 今回の尖閣諸島問題や、あるいは竹島問題が、そのような地道な達成を大きく破壊してしまうことを、一人のアジアの作家として、また一人の日本人として、僕は恐れる。

 国境線というものが存在する以上、残念ながら(というべきだろう)領土問題は避けて通れないイシューである。しかしそれは実務的に解決可能な案件であるはずだし、また実務的に解決可能な案件でなくてはならないと考えている。領土問題が実務課題であることを超えて、「国民感情」の領域に踏み込んでくると、それは往々にして出口のない、危険な状況を出現させることになる。それは安酒の酔いに似ている。安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人々の声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。しかし賑(にぎ)やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ。

 そのような安酒を気前よく振る舞い、騒ぎを煽(あお)るタイプの政治家や論客に対して、我々は注意深くならなくてはならない。一九三〇年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によって失われた領土の回復を一貫してその政策の根幹に置いたからだった。それがどのような結果をもたらしたか、我々は知っている。今回の尖閣諸島問題においても、状況がこのように深刻な段階まで推し進められた要因は、両方の側で後日冷静に検証されなくてはならないだろう。政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽るだけですむが、実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。

 僕は『ねじまき鳥クロニクル』という小説の中で、一九三九年に満州国とモンゴルとの間で起こった「ノモンハン戦争」を取り上げたことがある。それは国境線の紛争がもたらした、短いけれど熾烈(しれつ)な戦争だった。日本軍とモンゴル=ソビエト軍との間に激しい戦闘が行われ、双方あわせて二万に近い数の兵士が命を失った。僕は小説を書いたあとでその地を訪れ、薬莢(やっきょう)や遺品がいまだに散らばる茫漠(ぼうばく)たる荒野の真ん中に立ち、「どうしてこんな何もない不毛な一片の土地を巡って、人々が意味もなく殺し合わなくてはならなかったのか?」と、激しい無力感に襲われたものだった。

 最初にも述べたように、中国の書店で日本人著者の書物が引き揚げられたことについて、僕は意見を述べる立場にはない。それはあくまで中国国内の問題である。一人の著者としてきわめて残念には思うが、それについてはどうすることもできない。僕に今ここではっきり言えるのは、そのような中国側の行動に対して、どうか報復的行動をとらないでいただきたいということだけだ。もしそんなことをすれば、それは我々の問題となって、我々自身に跳ね返ってくるだろう。逆に「我々は他国の文化に対し、たとえどのような事情があろうとしかるべき敬意を失うことはない」という静かな姿勢を示すことができれば、それは我々にとって大事な達成となるはずだ。それはまさに安酒の酔いの対極に位置するものとなるだろう。

 安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲(にじ)むような努力を重ねてきたのだ。そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。

     ◇

 むらかみ・はるき 1949年生まれ。早稲田大卒。著書に「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「ノルウェイの森」「アンダーグラウンド」「1Q84」など。レイモンド・チャンドラー「リトル・シスター」など翻訳書も多数。読売文学賞、フランツ・カフカ賞、朝日賞、エルサレム賞など国内外の賞を受賞。

[投稿者コメント]
村上春樹氏の主張に全面的に賛同するわけではない。氏の主張はごくおおまかなものだ。「安酒」ではないとしても、何か口当たりのよいドリンクのたぐいだと感じさせるところがある。たとえば、論題ではないが、「海賊版」にもかかわる「知的財産」の共通ルールの問題について、氏が言及しているのとは逆の意味で、国際的に深刻な事態が進行している。ここでブック・アサヒ・コムの記事をそっくり読んでいただくからには、そのようなことについても思いをめぐらせていただきたい。  

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コメント
 
01. 2012年9月28日 17:28:47 : 6zlYWJvuMc
ヒットラーの下りは浅すぎる分析、 xxクロニクルの下りは自画自賛。
村上氏の分析以前の意味のない文章。
大衆向けにはこれで充分なのでしょう。

02. okonomono 2012年9月28日 20:52:13 : ufgCmUGS6CG6M : hlKni1lqYM
今朝の段階ではだれでも読むことのできたブック・アサヒ・コムの記事は、すぐに削除されてしまったようだ。現在、投稿記事冒頭のリンクは、朝日新聞デジタルの同じ内容と思われる記事に転送されてしまう。そして、朝日新聞デジタルにログインしないと村上氏のエッセー本文を読むことができない。これは意図的になされたのか手違いだったのか、まことにどうでもよいことだ。

そのような新聞社を特に選んでエッセーを寄稿してしまった村上氏にいいたいことは、ほとんど何もない。

なお、わたしは村上氏の小説がけっこう好きだ。『ねじまき鳥クロニクル』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』など、「文学」というより「ファンタジー」として楽しんだ。


03. 2012年9月29日 02:25:24 : Vn9pDllyzY

若年層向け物書きの随筆とはいえ、もう少し水準を上げてもらわないと阿修羅の読者にはだだ斜め読みされるだけ、という感想。なんだか唐突に原発に対する意見を開陳したのだが、あまりの稚拙さにただ笑いに送られて退場という醜態をさらしていたのが印象に残る。白人クラブの賞を狙ったパフォーマンスだという憶測もあったが、もしそうだとすると、日本の恥晒し。

04. 2012年9月29日 17:20:25 : RQpv2rjbfs
江戸の敵を長崎で討つ、人違いでしたごめん。
って、ごめんで済むか。そういうことはやめようよ中国、というお話ですね。そうだよね。そんなの最初から中国には通じないよ、恨むなら石原慎太郎を呪え、知ってると思うけど呪殺は犯罪にあたらないそうだ。万一死んでも問題ない。

村上小説は「文学」というより「ポルノ」として読んだ。楽しめなかった。川上 宗薫の描写に軍配があがる。


05. 玄 2012年9月29日 20:07:06 : 3X5IG34.wmdiA : 6Yte1P2R22
311以降、作家が何を想像し表現するのかが問われている。
あの日以前と以降では何かは分からないけれど、何かが変わっている。
作家の鋭敏な感性がこれを逃すはずはない。
あとは書かないか、書けないかだけだ。
村上氏はおそらく後者であると考える。
でなければ、氏はますます造花のような作品を量産していくだろう。
新聞などに雑感など表明している場合ではないだろう!
言ってしまえば、いま作家がねじ伏せるべき夢魔は原発問題なのではないのか?

06. 2012年9月30日 00:33:46 : DpoQxTHthE
低め低めの感想が多異様だが、村上春樹を読まない私は感心しましたヨ。見直したといおうか。

よく言った、もっと言えと。よく感応した、もっともっと言うべしと。

今ニッポンの、日本人の運命の絶滅の、一番の危機妙絶の時に作家の感性が反応したのだろう。流石だ(わたすは読んだこともない。読む気もなかったのでw そんな私が言うのは勿論作品論じゃないけど)。

放射能を誤魔化す為に戦争煽りを演ってる連中がいるじゃ無いですか!
中国人・朝鮮人・韓国人に差別語(と本人が思ってる語)を連発してアメリカと一緒に戦えと走り犬してるやつがバイトしてるじゃ無いですか!

隣人に敬意を払えと。そうだ!普遍的心理だ。戦争を避ける知恵でもある。
作家は作品を練るより先に発言した!エライ!戦争を止めるためだ!


中国内の一部の、(戦争呼応勢力?)の所業に「文化的」に批判を加え

対する日本人はそうであってはならぬ、そうしちゃいかんと、

隣国人の異文化人外国人をば文化の交流で以って理解しあい、

情のかよう人として理解尊敬しあえと。その通りだ。

作家も私たちも
もう作品なんか書いてる場合でなくなったのだ。


全身で戦争を止める、そう云う「全身小説家」の出番だ。今こそ!


07. okonomono 2012年9月30日 22:03:35 : ufgCmUGS6CG6M : hlKni1lqYM
村上春樹氏のエッセーへの違和感の正体について気がついたことがある。
どうもわたしは、「安酒」に酔う人たちにいくぶん共感しているのだ。
これは、そのような(一部の)日本国民への共感というだけではない。
程度を減じながらも、そのような韓国、中国、台湾の(一部の)人たちにも向けられるものだ。
これだけだと実にめちゃくちゃな立場だが、わたしはここから出発したい。

08. 2012年10月02日 21:00:34 : knNcbeDrsw
笑わせるね、文化? お前の商売が心配なだけじゃねーか、こきたないドブネズミが取り繕うんじゃないよボケ。

09. 2012年11月01日 19:22:09 : UxT5itl47A
ノーベル賞とれねえで、早稲田マスゴミ がっくり それだけだろ。
要はな。 村上 読み易いだけだろ。
女 子供が見るもんだぜ。
村上龍の小説の様な 戦慄が走るもんねえもの 時代を先読みして予見させるものがねえんだ。
アエラ 朝日新聞 号外待ちぼうけだったらしいじゃねえか
残念で、ござんした ワセダ マスゴミ。
早稲田マスゴミ 狂想曲 終焉。

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