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2年以内に「首都圏直下型地震」「富士山噴火」の可能性を学者が示唆 (ハピズム) 
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/746.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 3 月 14 日 14:00:00: igsppGRN/E9PQ
 

               噴火と同時に地震なんて……


2年以内に「首都圏直下型地震」「富士山噴火」の可能性を学者が示唆
http://happism.cyzowoman.com/2013/03/post_2052.html
2013.03.14  ハピズム


 今、箱根で火山性小規模地震が多発している。今年に入ってその回数は、なんと1700回以上に達し、「箱根山噴火の前ぶれ」「富士山噴火」「首都直下型地震」との関連を指摘する学者も増えた。

 2月10日には、大湧谷で震度5の地震が発生。箱根ロープウェイが止まったという情報がTwitter上で流れ、一時騒然となった。現地の人の話では、いきなり「ズドーン」という、大きな音が響いて地面が跳ね上がり、体がよろけて倒れそうになったという。また別の人は、近くでガス爆発でもあったのかと思ったそうだ。

 だが、おかしなことに、気象庁の地震情報では発表がなかったというのだ。後になって知ったのは、「震度5」は箱根ロープウェイで独自に設置した地震計が記録したもので、8キロほど離れた箱根湯本にある気象庁の地震計では、震度1以上の有感地震は記録されていなかったという。つまり、超局地的な地震だったということだ。

 気象庁や、箱根山の火山活動を調査している神奈川県温泉地学研究所(温地研)の観測では、今年に入って「やや活発な地震活動が起きている」としているが、その影響については「今のところ直ちに危険という状況にはない」という。

■2年以内に首都圏直下型地震の可能性!?

 これに対し、地殻活動の専門家で元前橋工科大学教授の濱嶌良吉氏は、こう異を唱えた。「箱根で頻発している地震と、箱根山の噴火は無関係ではありません。一つの火山帯である日本国内での地震と、火山活動を切り離すことはできません。さらに箱根山の噴火はすぐ近くにある富士山の噴火とイコールと考えていいでしょう」

 つまり、箱根山が本格的に噴火すると同時に、富士山も噴火を始めるというのだ。だが、それだけではない。「私の研究では、近く富士山の噴火と同時に首都圏直下型の地震が発生します」と発言。時期としては、「この2年以内には起きるでしょう」とのことだ。

 富士山の噴火が首都直下型地震と結びつく根拠のほどは不明だが、富士山については、琉球大学の木村政昭名誉教授も以前から警告を発している。

■2年以内に、富士山が噴火する可能性も!?

 木村教授は、火山活動と巨大地震の発生メカニズムを研究し、これまで数多くの大地震の予知に成功してきた。たとえば「伊豆大島・三原山噴火(1976年)」「阪神・淡路大震災(1995年)」「新潟県中越地震(2004年)」「東日本大震災(2011年」などだ。

 現在の箱根の地震活動については、「少なくともこの数十年以内に溶岩を流すような噴火を起こす“噴火の目”は見当たりません」という。つまり、箱根山自体の噴火の可能性は低いというのだ。

 だが、富士山については、こう語る。「富士山と箱根山は地下で同じ力を受けている。今、富士山の下にはマグマがたっぷりたまっているように見えるので、箱根山はそのマグマに押される形になり、地震が頻発している可能性があります」

 箱根の群発地震は富士山噴火の前兆というわけだが、富士山噴火の時期については「2011±4年」と予測。2013年の今から考えると、あと2年以内に噴火する可能性があるということだ。ちなみに、3.11を世見した予知能力者の松原照子氏も、時期は明記していないが、「富士山は必ず噴火します」と言い切っている。

 しかし、木村教授は、濱嶌教授とは異なり、首都直下型地震については、2009年に「2012±3年に東京都23区内でM6.8」と予測していたが、東日本大震災の影響で、地震の目が消滅したため、当分は起きないだろうとしている。

 ちなみに、政府の地震調査委員会は、M7クラスの首都直下型地震が発生する確率について、「今後30年以内に70%」と、高い数値の予測を出している。

■富士山噴火と首都圏直下型地震はセットで起こるのか?

 富士山噴火と首都圏直下型地震がセットで来るとする濱嶌氏と、富士山噴火はあるが、首都直下は当面ないと主張する木村氏のどちらが正しいかはわからだいが、これまで数多くの大地震を予知してきた木村教授の方が説得力があるのではないかと、筆者は思う。

 しかし、松原照子氏の世見を見ると、濱嶌説に近いところがあるのも注目したい。2011年11月10日のブログでは、「首都圏直下型地震はもし起これば、東京湾の北部と云う声が聞こえた」と書いてある。その5年ほど前には、東京湾が火の海になる夢をよく見ていたそうだ。

 今年になって、2月12日のブログでは、「都心かその周辺で大きく揺れるXデーが日増しに高まっているのではと思い始めてもいます」と、どうも次第に首都圏直下型地震に関する予知のトーンが上がってきているようだ。

 富士山噴火にしても首都直下にしても、そう遠くない日に起きるものとして、常日頃から防災に心がけておきたいものだ。

■百瀬直也(ももせなおや)
 東京出身。スピ・超常現象研究家。10代の頃にスピ世界に目覚め、内外の聖地巡礼を続ける。神仏、聖者、シャーマニズム、イスラエル10支族 などの古代史、地震予知、西洋・インド占星学なども研究。スピリチュアルダウジングや占星術などによる男女の相性判定を得意とする。著書は「ヴィア・ドロローサ〜イエスが歩いた悲しみの道」「大地震の前兆集〜生き残るための必須知識」シリーズ (Amazon Kindle本)など。


 

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コメント
 
01. taked4700 2013年3月14日 14:07:42 : 9XFNe/BiX575U : NPpefJo1yg
富士山噴火が起これば首都圏の交通網は寸断される。経済活動も鈍化するはずだ。
更に、首都直下地震が起これば多くの方は首都圏を脱出するだろう。

東京電力はどうなるのだろうか??


02. 2013年3月14日 22:04:12 : nePtcZjUpU
あと何年でどれくらいの地震がどこどこに起きる、というような予言めいた発言には辟易しているが、
東日本大震災の教訓として、日本に住み続ける以上、生活に支障を来たすほどの規模の地震は、いつでもどこでも起こり得るものだ、ということを共通認識として生活すべきだと思う。
また、政府に代表される公的な機関からの情報は、確実性が担保されないうちには公表されないものだ、ということもこのたびの大震災・原発事故で我々は教訓として得たはずだ。つまり公表された時点ではもはや手の打ちようがない、ということがあり得るということだ。

いえることは、まず自助である。日ごろの備えを怠らないことだ。


03. 2013年3月15日 02:22:03 : IOzibbQO0w

> 富士山噴火にしても首都直下にしても、そう遠くない日に起きるものとして、常日頃から防災に心がけておきたいものだ。

多少死傷者がでて、一時的に首都機能や産業が麻痺する程度で、世界レベルで見れば大したことはないが

個人レベルで被害を最小化したければ、できるだけ備えておくことだな



04. 2013年3月15日 15:09:42 : FJT20pV8Rc
箱根の火山活動・首都圏直下型・富士山の火山活動 
これらの要因が関連性が有るとは考えにくいのでは?

宝永地震の時に富士山の大噴火が連動した事はすでに判っています。
箱根の噴火は未だに未知の部分が多く、火山活動がまったく別の別の
巨大地震に繋がる可能性もまた未知の部分。

首都圏直下型も、他の火山活動との関連・連動性が見当たらない。


ただし、時間的に数年の間に重なる事は十分に考えられる。

 現在一番の懸念は、3.11後のプレートの歪による首都圏
(東側柏崎千葉構造線沿い)を震源とするM8クラス

 その後に起こる、相模湾西側(これを引き金に箱根が火山活動
を起こすことは考えられる)

 更には駿河トラフ内での東海地震M9クラス


 現在考えられる関東地方で発生する巨大地震はこんなところ。

駿河トラフから南海トラフで地震が発生すれば、宝永のパターンで
富士山活動期にはいる可能性はある。


05. 2013年3月15日 19:26:36 : SKuxdlJRCw
現在考えられる関東地方で発生するM5クラスの巨大地震だ。
核シェルターの準備はできている。のだ。

06. 2013年3月18日 09:55:00 : Qs2ppwNA3w
地震の前のサインを読む!

JAMSTECの稼ぎ頭 阪口秀(3)

2013年3月18日(月)  片瀬 京子

大学時代、サイロの中の穀物が爆発する原因を調べるうちに、粒々のシミュレーションにのめりこんだ研究者、阪口秀(さかぐちひで)さん。地震の兆候をとらえる研究にも着手しました。津波と火山のシミュレーション動画もぜひご覧ください。(写真:田中良知)


阪口秀さん
 粒子の動きをシミュレーションするソフトで、JAMSTECの稼ぎ頭となっている阪口秀さんが、今、最も関心を持っているテーマは、地震だ。
 それも、予知に関わることである。
 どうやって予知をするのか。それには、阪口さんの経験が生きている。

破壊の前に起きる変化とは?

 「大学で農業工学をやっていたとき、岩石を破壊する実験と、その数値シミュレーションもしていました。圧力をかけた岩石は、破壊が始まる直前に、それまでとは違う動きをします」

 それまでとは違う動き?

 「最初から行きましょう。まず、地面に置いた岩石に上から圧力をかけると、上下方向には縮んで、水平方向に伸びますよね」

 それは想像できます。岩石ではイメージしづらいけど、ほかのもう少し柔らかいものなら、目にも見えますし。消しゴムを上から押さえつける感じで。

 「岩石を点に分解して考えてみると、そのとき、点はどれもが、下へ行きながら外へ行っています」

 下へ行きながら、外へ行く。そうですね。

 「圧力をかけ続けて限界まで上下方向に縮めると、各点がこれ以上は下へ行けないので、一斉に非対称な水平方向に動く、つまり破壊が始まります」

 岩石で言えば、割れる。

 「その破壊が始まる直前、それぞれの点がそれまでのようには動けなくなると、いったん、動きに迷いが出るんです。一点一点、みんなが行き先に困ってバラバラに動く。その後、ではここからここまでの粒子はこっちへ行きましょう、そこからそこまではあっちへ動きましょうと決まって、バリバリッと破壊が起こります」

 ということは?

 「破壊の前には、不規則な動きという、予兆があるんです」

 おおっ。地震の予知と、つながりそうです。


動画:粒々シミュレーション動画(5)
粒の圧縮の様子(提供:JAMSTEC/阪口秀)
 「地震というのは、断層破壊現象です。強く圧縮された地殻がおしあいへしあいをしていて、あるときにバリッと破壊する。その、1年間に数センチというおしあいへしあいを細かく見ていれば、不規則な動きになる時期が必ずあるはずなんです」

 破壊の前のその不規則な動きの時間って、どれくらいの長さなんですか?

 「めっちゃ短い時間です。均質な岩石サンプルで言えば、破壊自体は数ミリ秒以内、この前兆現象はもうちょっと長いでしょうが、1秒以内であることは間違いありません。ほんの一瞬でしょう」

京都大で実証実験

 首をひねる取材陣。
 ということは、仮に「あ!不規則になった!」と見つけることができたとしても、「あ!ふ」あたりで地震が発生してしまうのでは……。


 「意味ないんじゃないかってことですよね。確かに、1秒前にわかっても意味はない。でも、岩石の破壊の前の、不規則な動きの時間が1秒で終わるのは、破壊のサイズが小さいからです。サイズが大きくなると、時間のスケールも大きくなるんです。破壊にも、その前の不規則な動きにも、時間がかかります。それは計算ではわかっていることなんです」

 なんと、そうだったのか!

 「でも、そう言っても、信じない人が9割5分くらい(笑)。だから、証明するための実験を、今、京都大学で進めています。結果は2013年中に出ます」

 JAMSTECにはその装置を設置する場所がないため、京都大学に協力を仰いだという。
 ローラーコンベア上を動く大きな箱に入った砂層を使ってプレートの動きを再現し、高速カメラで撮影をしている。この実験は、100億粒子ほどが必要になるシミュレーションと並行で進めている。

 「1秒が、数秒、数分に伸びても意味がありません。でも、何時間という単位で不規則な動きというサインを出してくれれば、役に立ちます」

 たしかに、地震が1時間以上前に予知できれば、その間にできることはたくさんありそうですね。


動画:プレート動作の再現実験
地震直前の「粒々の不規則な動き」を検証する(提供:阪口秀/JAMSTEC)
 「地震予知はできないというのが定説です。断層の破壊がいつどこで起こるかは、誰にもわかりませんから。地震学者は、観測データと過去の経験値に基づいて『そろそろひずみが溜まっている』というアプローチをとっています。でも、僕の考え方だと、『今、こういうサインが出ているので、次はこういうことが起きますよ』と言えます」

 なるほど。
 どうやったら、そのサインが出ていることがわかるんですか?

 「GPSでの計測では、精度が足りません」

 ということは、無理?

 「それが、JAMSTECには、サインをとらえる技術があるんですよ」

 あるんですか!

レーザーでサインをとらえる

 「地上で距離を正確に測るときには、レーザー測量を使いますよね。レーザー光を出して、遠くの反射板に当てて、光が戻ってくるまでの時間で、距離を決定する」

 はい、ときどき、測っているところを見ます。


レーザー式海中距離測定システムの送信機と受信機。JAMSTEC 海洋工学センターの吉田弘さんが開発した(提供:JAMSTEC)
 「アメリカのNASAでは、この原理を使って地球と月の距離をミリメートルの精度で測定してますよね。JAMSTECには、そのレーザー測量を、海中でやっている人がいるんです」

 海中で?
 海中にはいろいろと、レーザー光を遮るような邪魔がありませんか?

 「浮遊物がある海中では使えないというのが、業界では超・常識です。でも、深海となると話が別です。温度などの環境の変化が小さい上に、動き回る生物も非常に少ない世界ですから」

 そうか!

 それを実験しているのが、JAMSTEC 海洋工学センターの吉田弘さんだという。

 「測量の技術は作りつつあって、でも『で、何の役に立つの?』と言われていたみたいです。だけど、僕はそれを聞いた瞬間に『これこれこれ!』と。100メートル先の動きを、0.1ミリの精度で検知できる。これをたとえば1000対作ることができて、海底に設置できれば、間違いなく、設置した領域全体の動きを測れます」

 すごい、すごい。早く設置しましょうよ。

 「でも、その装置を1対作るのにも、1000万円くらいのお金がかかるんですよね。たくさん作って、1対あたり80万円くらいまで安くなればと思うんですが」

 そうか。
 そもそも「破壊のサインが出される時間は思っているより長いよ」ということを、証明する実験を始めたところでしたね。
 その日が来たら、まずはどこへ設置しますか。

 「南海トラフでしょう。でも、早く実現できるのであれば、今も動いている東北に置きたいですね」

 そこまで言って、阪口さんは語気を強めた。

 「これは、JAMSTECにしかできないことです」

 確かにそうですね。
 
 ところで、JAMSTECに所属する前、阪口さんは、JAMSTECをどう見ていたんですか。

 「極めて怪しい組織だと思っていましたね」


動画:粒々シミュレーション動画(6)
建物に津波が襲う様子(提供:JAMSTEC/阪口秀)

動画:粒々シミュレーション動画(7)
火山噴火での粒子の動き(提供:JAMSTEC/阪口秀)

 怪しい?

 「予算の規模が尋常じゃない。有力国立大学1校まるまると同等の予算規模なんですよ。船の運航に金がかかるのはわかりますが、でも、大学に比べれば研究者の数は少ないし、研究成果も多くない。どこへ金を使ってるんだろうと思いました」

心臓発作で入院したら・・・

 その“極めて怪しい組織”に加入したのは、オーストラリアからの帰国後、東京大学の地震研究所にいたときに、たまたま所属先の長とJAMSTECを兼任していた深尾良夫氏(その後の地球内部変動研究センター長)に「今度、JAMSTECにポストができるよ」と聞かされたのがきっかけだった。

 「そのときも僕は『あそこ、怪しいですよね』と言ったし 地震研究所の仲間も『怪しい、怪しい』と(笑)。でも、周りに聞いてみても、JAMSTECのことは何だかやっぱりわからなかったけど、深尾先生だけは絶対的に信頼できる研究者だと。だから来たんです。なんてことを言うから、組織から見ると、僕は嫌な奴だろうと思いますよ」

 いやいや、嫌な奴なんてことないと思いますけど、でも、そうお考えになるのは、なぜですか?

 「今となっては笑い話ですが、通勤手当事件。数年前に心臓発作を起こして、救急車で病院に運ばれて入院したことがあったんですよ」

 心臓発作! 笑い話じゃないですよ。

 「その後しばらく入院して職場復帰したら、翌月の給料から通勤手当が勝手に引かれていました」

 ん? どういうことですか?

 「そう思うでしょう? 人事課に説明を求めると、しばらく出勤していなかったので、規定に従って、欠勤を開始した前日に通勤定期を解約したものと仮定して精算させてもらったと」

 そんな……。

 「そんな馬鹿な!と思いましたよ。このルールに従うと、『自分は明日倒れて入院・長期療養する』と予言できることを前提にしているのであって、つまり、物理的に不可能な状況設定で規定が作られている、ということになる」

 確かに。なる。なりますね。

 「『これはおかしいのでは?』と思い、個人で担当部署と交渉しました」

 どうでした?

 「最初は難航しました。が、いろいろと研究所などの規定を調べたり、関係する役所にも話を聞くなど努力と交渉を重ね、その甲斐あって、後日規定は変わりました」

 おお。

 「結局、僕自身には金は返ってきませんでしたけど」

 それは、なんとなくそう思いました。
 いえ、お金が返ってこなかったことではなく、お金が欲しくて交渉したんじゃないんだろうな、ということです。

 「たとえ今回、自分には適用されなくても、のちのちに倒れて救急車で運ばれるかもしれない職員のために、同じような目に遭うかもしれない人が1人でも減ればいいんです」

 そして、きっぱりとこう付け加えた。

 「僕は、論理的におかしいことが嫌いなんです」

 圧倒され、ぐうの音も出ない取材陣。

怪しいままではダメ

 インタビューの最初の頃に出てきた話を思い出す。開発したソフトの売り上げを『受託研究費』にするか、『事業収入』にするかに、たいへんこだわったことを。
 あの、それは、いつからですか?
 どのようにして今のように「論理的におかしいことが嫌い」に?

 「うーん。どうやって。わかんないですけど、親の教育でしょうか。親も、筋が通っていないことが嫌いでした」

 阪口少年は、繰り返し、こう言われて育った。

 相手によって言うことを変えるな。もし、これを言ったら殺されると思うことがあったなら、そうまでして命まで失うことはないから、黙っているのは構わない。
 しかし、思ってもいないことを言うな。
 そういう人間は、信用されない。そして、そういう人間を、信用してはいけない。

 その教えの通りに大人になった阪口さんは、JAMSTECのこれからについて「怪しいままではダメ」と言う。

 「怪しいけど成果が出ている、ならいい。でも、怪しいだけで『一体全体、何やってんだ』と言われてしまうのは、良くないことだと思います。僕は、怪しいと思いながら入ってはきましたが、今や、愛する職場ですから、いい人材が入り続ける、長続きする場所であってほしいと思っています。その気持ちは、たぶん、誰よりもあります」

 そして、アメリカ航空宇宙局(NASA)を引き合いに出して、こうも断言するのだった。

 「NASAは、いろいろな問題はあるけど、世界中から憧れられている存在です。でも、JAMSTECが、いまいち、海のNASAになりきれていないのは、僕が言ったように、かっこよくない部分があるからです」

一人くらい変な奴がいたほうが

 そろそろ、お時間です。

 阪口さんは笑いながら「こんな話でいいんですか。ボツでしょう、書くことないでしょう」と言い残し、去っていった。
 取材陣もそそくさと引き上げようとすると、広報担当者が歩み寄ってくる。

 ナショジオ編集部Y尾とライターK瀬の頭を、同じことがよぎる。
 ああ「ここは書かないで」「あの部分は勘弁して」と言われるんだろうな、とっても興味深い話ばかりだったのに。どうやって説得しようかな。

 広報担当者は言った。

 「阪口秀らしさが伝わる記事にしてください」

 以上。

 またしても、ぐうの音も出ない取材陣。

 そういえば、阪口さんはこうも話していたっけ。

 「JAMSTECへ来て1年くらい経ったとき、深尾先生に呼び出されて言われたんですよ。
 『お前、変だな』と。
 クビになるんだと思いました。あーあ、ダメだったか、と。
 地球内部ダイナミクス領域に所属しているのに、そのときは、直接は関係ないことばかりしていましたしね。

 そうしたら、深尾先生は今度はこう言ったんです。
 『一人くらい変な奴がいた方が、いい研究所になる。お前を、その“変な奴”に指名しよう』

 あとで、学生時代の友人にこの話をしたら『それは、研究者にとって最大の勲章だよ』と言われました。『いっそ、乗っ取っちゃえ!』とも(笑)。

 確かに、変なことをしている人がいる研究所の方が、生き延びるんですよ。
 この間、深尾先生にこの話をしたら『そんなことは言ってない』って、否定されましたけどね(笑)」


体育館のような地球シミュレータセンターの前で
 この記事はナショナル ジオグラフィック日本版との共同企画です。同サイト内にある「海」のコーナーでは、JAMSTEC研究者の連載や自然・環境に関する写真や記事を豊富にお読みいただけます。


片瀬 京子(かたせ・きょうこ)


1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。共著書に『誰もやめない会社』(日経BP社)、『ラジオ福島の300日』(毎日新聞社)など。


海の研究探検隊 JAMSTEC

この連載は、海の研究所JAMSTEC(海洋研究開発機構)に集まる人々の物語です。海底を世界一深く掘れる船や、深海6500メートルまで潜れる有人潜水艇など、海というフロンティアを探検する能力では世界随一の設備をもつ研究所。そこに、未知への好奇心にあふれた一癖も二癖もある研究者、エンジニア、ダイバーが集まるようすは、さながらワンピースの海賊、それともサンダーバード?彼らの話を聞きながら、未知への航海を楽しもうではありませんか。


07. 2013年3月18日 16:26:04 : zBYc960RaI
実に怪しい組織だよなあ。

08. 2013年3月18日 20:05:49 : SKuxdlJRCw
>どうやったら、そのサインが出ていることがわかるんですか?
そんなの簡単さ
北朝鮮の行動を見ていればすぐに分かるのだ

09. 2013年3月19日 19:05:23 : SKuxdlJRCw
桜島大根と桜島男根と混同してしまった
女の子は真面目に聞いていたが、分かってるのか?

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