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スノーデンはなぜ、エクアドルを選んだか (八木啓代のひとりごと) 
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/520.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 6 月 24 日 19:00:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-690.html
2013-06-24 八木啓代のひとりごと


 元CIA職員で、コンサルタント会社ブーズ・アレン・ハミルトンの元契約社員、という経歴よりもなによりも、NSAが個人情報を収集していたことを香港で暴露したことで、世界的な注目を浴びることになったエドワード・スノーデンが、エクアドルに亡命することになったことが24日、はっきりした。
 当初は、スノードン氏は、アイスランドに亡命を希望しているとされたが、昨日、滞在先の香港からアエロフロート機でロシアに向けて出国したと報道され、ロシア経由で、キューバもしくはベネズエラに向かうとみなされた後、モスクワでエクアドル大使が接触したことが報道。さらに、ツイッターで、同国のリカルド・パティーニョ・アロカ外務通商大臣が亡命申請を受け取ったことを表明したことで、ハバナ経由でエクアドルに向かうことが明らかになった。


 ところで、なぜ、アイスランドではなく、キューバでもベネズエラでもなく、エクアドルなのか。
 ちなみに、Wikileaksのジュリアン・アサンジもエクアドル亡命を希望して認められ、現在も、ロンドンのエクアドル大使館に滞在している。(大使館外に出ると、保釈違反でイギリス当局に逮捕されるため)
 ここでも、出てくるエクアドル。なぜ、エクアドルなのか。あそこにはガラパゴス諸島以外に何があるのか、と思った方は少なくないだろう。


 2000年以後、中南米には、ベネズエラのチャベス政権誕生後、反米左派政権と呼ばれる政権が次々に誕生している。これらの政権の特徴は、80年代の軍事政権時代に新自由主義を導入したことで、貧富の差が拡大し、挙げ句に中南米の多くの国で財政破綻した「痛み」への反動から、生まれている側面が大きい。
 ベネズエラの故ウーゴ・チャベスが、キューバのカストロを師と公言していたことは有名だが、その後、立て続けに生まれた、ボリビアのエボ・モラレス、ニカラグアのダニエル・オルテガ、エクアドルのラファエル・コレア、エルサルバドルのマウリシオ・フネス、ウルグアイのホセ・ムヒカなど、すべて、単に左派というより、はっきりと「社会主義」を公言しているのが特徴だ。
 
 日本では「社会主義」というと、イメージされるのが、スターリン時代のソ連や、北朝鮮や中国であり、ポルポト時代のカンボジアであったりするため、「社会主義」のイメージはすこぶる悪いが、中南米で「社会主義」という言葉から連想されるのは、キューバ革命であり、ゲバラであり、アジェンデといった「強きをくじく弱者の味方」のヒーローである。


 そのため、これらの「社会主義」政権では、富裕層への課税、石油などのエネルギー資源の国有化、貧困層に対する福祉政策や教育・医療政策を強化したことで、主に富裕層が牛耳っているマスメディアからは、「ポピュリズム」「ばらまき政策」と批判され、選挙の度に猛烈なメディア・バッシングを受け、にもかかわらず、選挙では強い支持を受けて、再選を繰り返している点でも共通している。
 今年3月、その流れのキーパーソンだったベネズエラのチャベスが癌で死去したものの、後継者のマデロが当選しているのもその現れだ。


 ちなみに、このところ、ブラジルで連日大規模な反政府デモの嵐が吹き荒れているが、これも、左派を標榜して大統領に当選した労働党のジウマ・ルセフ大統領が、公約に反して新自由主義的な政策をとっていることに反発するものだ。


 話を戻そう。それでは、なぜ、エクアドルなのか。


 これら左派政権は、反米・反富裕層政権であるがゆえに、メディアからのバッシングに常に晒され、また、軍事クーデターの危機にも晒されている。
 軍事クーデターと言えば、1973年のチリのアジェンデ政権を転覆させたクーデターが有名だが、チャベスも数度のクーデターの危機に遭った。また、実際に、ホンジュラスは、左派寄りの政策をとろうとしたセラヤ大統領は軍事クーデターで失脚しているし、パラグアイも、「ねじれ国会」によって大統領が罷免されるという、国会クーデターが起こっている。


 その中で、エクアドルのラファエル・コレアは、かの有名な、チャベスの「ここに悪魔がいる」とブッシュを痛烈に皮肉った国連演説の翌日に、「ブッシュを悪魔に例えるのは、悪魔に失礼だ。少なくとも悪魔には知性がある」と記者会見で語って、一躍、世界に名前を轟かせた政治指導者だ。元々、経済学者でもあり、「一部の富裕層と大多数の貧困層ではなく、豊かな中流層こそが内需を拡大させ、経済を活性化させる」ということを目標に、新自由主義でぼろぼろになっていたエクアドル経済を建て直した。


 彼も、2010年9月末に、一度は、前大統領派によるクーデター未遂を経験しているが、そうはいっても、毎回、選挙では圧勝し、国民の支持率と政権の安定度という点で、これら中南米の左派政権の中では群を抜いているのが、亡命する側にとっては魅力だろう。
 ベネズエラは、チャベスの後継者マデロの就任で安定はしているが、チャベスほどのカリスマ性のないマデロの手腕はまだ未知数だし、治安の点でも、まだ問題が多い。ボリビアは、首都が3800mの高地にある、最貧国のひとつだ。
 その点、エクアドルは、日本では知られていないが、観光地としても美しく豊かな自然もあり、世界遺産にも登録されている首都のキトは赤道直下ではあるが、標高が2800メートルほどあるので、年間を通じて、涼しく過ごしやすい気候だ。エクアドル人はのんびりとした気質で、中南米で最も美しいスペイン語が話されていることでも知られている。さらに言えば、エクアドル料理は旨い。


(ちなみに、1960〜80年代に共和国派のスペイン人亡命者や軍政からの中南米亡命者を積極的に受け入れることで有名だったメキシコは、目下、麻薬戦争による治安悪化のうえ、親米政権でそれどころではないし、一部の日本人に「戦争を放棄した中立国」と思われて礼賛されているコスタリカは、単なる米国従属国であって、米国に基地を提供し、その傘の下にあることで、80年代の中米紛争に巻き込まれなかっただけなので、もちろん、アメリカ様に逆らえるようなことはできない国であるので、このような場合、論外である)


 政治的な安心感でも、暮らしやすさの点でも、エクアドルは、アメリカに睨まれた亡命者にとって「いい選択」といえるのだ。


 エクアドル:社会革命の賛歌(ラファエル・コレアの選挙キャンペーンソング)


 

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コメント
 
01. 2013年6月24日 22:04:54 : e9xeV93vFQ
焦点:スノーデン問題で「孤立無援」、オバマ外交の限界露呈か
2013年 06月 24日 17:57 JST 
トップニュース
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[ワシントン 23日 ロイター] - オバマ米大統領は就任以来、他国に手を差し伸べることを外交政策の基礎としてきた。対ロシア関係のリセット、中国とのパートナー関係構築、イランやベネズエラなどの敵対国との新たなスタートの模索などがその例だ。

しかし、米国家安全保障局(NSA)による情報収集活動を暴露し、スパイ活動取締法違反容疑などで訴追された中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者(30)が滞在先の香港からモスクワへ渡ったことは、そうした手法の限界を露呈した。オバマ大統領が友好関係を求めた、そして最近会ったばかりの各国指導者らが、オバマ氏を鼻であしらったのだ。

スノーデン氏や政府等の内部文書を公開する民間サイト「ウィキリークス」による挑戦を見れば、米国が示す善悪の基準に従おうとしない国が存在することがよく分かる。香港当局が米当局の身柄引き渡し要請を拒否したことを受け、スノーデン氏は23日に香港を発った。

中国政府は単に、米国との多面的な関係において障害になる可能性を排除したかっただけなのかもしれない。しかし、スノーデン氏が香港から渡った先は、昨年5月にプーチン氏が大統領に返り咲いて以来、米国との関係が悪化しているロシアだった。

スノーデン氏支援を明言しているウィキリークスはツイッターを通じ、同氏が米国と対立するエクアドルへ向かう意向だとコメント。エクアドルのパティーニョ外相もツイッターで、スノーデン氏の亡命申請を受け取ったと明らかにした。

米政府が、スノーデン氏の送還に向けて外交的、法的、政治的な力を全て結集するのは間違いない。事情に詳しい関係筋は23日、同政府がスノーデン氏のパスポートを無効にする措置を取ったと明らかにした。

上院情報特別委員会のファインスタイン委員長は同日出演したCBSの番組で、スノーデン氏が入手した機密情報の規模について、米政府は把握していないようだと述べた。同氏が200以上の情報を入手した可能性もあると明かした。

スノーデン氏は22日付の香港紙チャイナ・モーニング・ポストで、米国が中国の携帯電話ネットワークやメッセージをハッキングしているほか、大学サイトなどにも侵入していると語った。こうした報道が、米当局の引き渡し要請にもかかわらず、香港側が同氏の出国を許可した理由になったかどうかは定かではない。

複数の米当局者は私的な意見として、中国政府がスノーデン氏の出国を容認したと指摘する。また、米シンクタンク、ブルッキングス研究所の中国政治専門家、李成氏は「中国はこれで一安心に違いない。(スノーデン氏に)長く留まってほしくなかったはずだ」とコメント。「事態が制御不能になれば、カリフォルニアでの(米中)首脳会談の成果が損なわれる。中国はロシアが今後の主要な標的となることを非常に喜んでいるだろう」との見方を示した。

<ロシアとの関係>

オバマ大統領は過去数カ月、内国歳入庁(IRS)による保守系政治団体への不適切な税審査や司法省によるAP通信記者への通話記録入手で批判を受けたものの、スノーデン氏をめぐる問題ではこれまでのところ、激しい非難には直面していない。

ほとんどの議員らが怒りを向ける先は、スノーデン氏自身や、コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンの契約社員だった同氏が当局の機密を扱う職に就き、最も保護されるべき情報収集プログラムの証拠を持ち逃げされることになったシステムだ。

しかし、オバマ大統領に批判的な共和党のピーター・キング下院議員は、米国へのテロ攻撃を阻止してきたと当局が説明する監視プログラムについて、大統領がもっと積極的に擁護すべきだなどと訴える。

キング議員はCNNで、「大統領がこの問題で沈黙していることは問題だと思う」と非難。また、「われわれは今、まるで漂流しているようで、これらの関係国はそうした状況を利用している」と指摘した上で、「大統領や米国にとっては外交的な打撃だ」と語った。

ロシアがスノーデン氏をエクアドルに向けて出国させれば、ブッシュ前政権で冷め切った対ロシア関係を「リセット」しようとしたオバマ大統領の政策が完全に終了する可能性もある。

米ロ両国は最近、ロシアの人権問題や米国人によるロシア孤児の養子縁組問題、ミサイル防衛、そしてシリア内戦をめぐり、激しく衝突している。

先週の主要8カ国(G8)首脳会議で撮影された、握手を交わしながらも、笑みを浮かべず宙を見つめているオバマ・プーチン両大統領の写真は、現在の両国関係を示している。

民主党のチャールズ・シューマー上院議員はCNNの番組で、プーチン氏がスノーデン氏の逃亡を支援していると強く非難。「協力関係にある国は互いに謙虚に接するべきだが、プーチン氏はシリアやイラン、そして今やスノーデン問題で、その指を米国の目に突っ込もうとしているようだ」と述べ、この問題が米ロ関係に深刻な結果をもたらすとの考えを示した。

一方、スノーデン氏に問題の焦点を絞るべきだと語る共和党のリンゼイ・グラハム上院議員はFOXニュースに対し、「彼を地球の果てまで追跡し、法の裁きを与え、この男をかくまうと大変な結果になるとロシア人に分からせるべきだ」と語った。

(原文:Warren Strobel、Paul Eckert、翻訳:橋本俊樹、編集:本田ももこ)

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02. 2013年6月25日 11:14:48 : SODBQV4bpI
まずアメリカ国民が、アメリカを変えくれるとありがたい


戦争帰還兵のメダル投げ捨てなど

市民がグローバル企業と結託した政治家を打破してくれると

ありがたい

アメリカ市民も政府に利用されて


命を犠牲にしてる


戦争するなら

外国とでなく


政権 グローバル企業


アメリカ国民頑張って


日本人も見習わなくては

おとなしい


03. 2013年6月25日 13:50:29 : ZrMDpsyito
民衆のために国家の悪を暴いたスノーデン氏を、オバマの手に渡してはいけない。、オバマは邪悪なうえ、知性もなく、世界を侵略する悪魔以上に危険な存在だからだ。

04. 恵也 2013年6月25日 14:20:40 : cdRlA.6W79UEw : wUDqCZnIDg
>>01 彼を地球の果てまで追跡し、法の裁きを与え、

法の裁きを受けなくてはいけないのは、CIAなんだよ。
スノーデン氏は無制限な個人情報を国家が握ることに危機感を感じ
命をかけてマスコミに発表したもの。

ここには民主主義に対する使命感がある。
ソ連が国民に見放されて崩壊したのも、国の情報機関の巨大化で暴走し
ブレーキが効かなくなった為。

今のアメリカも情報機関が暴走し、主権者である国民の情報を管理しだし
たから愛国心にかられてやむを得ず起こした行動。
スノーデン氏は長い目で見ればアメリカの本物の愛国者で民主主義者。
チャールズ・シューマー上院議員は形だけの愛国者で、本音は独裁主義者。


05. 2013年6月26日 00:20:33 : FfzzRIbxkp
Hey Jude ♪

06. 2013年6月26日 09:34:51 : KO4C9oEhYU
スノーデンさんが活躍すればアメリカの隠された真実が明るみになるだろう。何も知らない日本人を目覚めさせてくれる事になるかもしれない。

07. 2013年6月26日 13:29:57 : JM2PvJrYZQ
「何故エクアドル?」と思っていた疑問が解けた。

南米はゲバラ以来の伝統で社会主義政権の国家が多いからであろうと思ってはいたが、エクアドルなんぞ暮らしにくいであろうに気の毒にと考えた自分が無知であったな。

オバマは無能だった。ブッシュよりマシだという程度。もうあのにこやかな顔を見るのもうんざりする。アメリカも変革を迫られている。スノーデン氏のような若者の命がけの戦いを支持している。アサンジ氏共々、無事にエクアドルにたどり着けるよう祈っている。


08. 2013年6月26日 14:23:34 : DOuJW0Vd7g
私は、アサンジさんやスノーデンさんを支持します。彼らの人間としての良心による勇気ある行動のおかげでこの世の隠された真実、事実、にめざめることができました。とても感謝しています。日本でも両氏のように、国家権力の裏側の真実と事実を、今後バクロしてほしいと思います。

09. 2013年6月26日 15:14:11 : sf8mzCfLlc
アメリカは民主主義と人権を標榜しているが、これは表の顔。裏の顔は富裕層と軍部を自由に操って暗殺、殺戮、拷問、謀略をほしいままにしている。バチスタやチリのピノチェットなど中南米の極悪軍事政権はCIAと結託してその指示のもと、野蛮の限りを尽くしてきた。暴虐の背後にアメリカがいることは広く知れ渡り、民衆の怒りを買って、今や南米でアメリカの言いなりになる政権はコロンビアだけになってしまった。解放勢力の合言葉は Hasta Siempre(ごきげんよう!!)

10. 2013年6月26日 17:10:48 : cCz4ye6Qk7
ブラジルの暴動も社会主義的な考え方が底流にあるんだ。
豪華なスタジアムより病院、そりゃそうだ。

エクアドルの大統領は偉いアノ人は間違っても原発はやらない。
欲に目が眩んだどこぞやの国民とか政治家と大違い。
アメリカの開発話に乗ったらほとんどの富を持っていかれる。国民の為にならない話は拒否する。
世界の環境も考えて開発ブレーキも考える。

自分の欲の為には国民なんかそっちのけのどこかの政治家に聞かせたい。


11. 2013年6月30日 03:09:45 : AiOWb7KwbE
八木さん すごい

感動した。

動画のエクアドルの気高さにも

言葉はわからないけれども、涙が出た


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