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(株)貧困大国アメリカ (岩波新書) [新書] 人々の食卓、街、政治、司法、メディア、人々の暮らしを、音もなくじわじわと
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/654.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2013 年 9 月 14 日 06:14:21: KqrEdYmDwf7cM
 

★阿修羅♪なんてみないような知人に、熱く語られた本。
本の実物はまだ見てないが、レビューがすごい。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004314305/asyuracom-22

1% vs 99%の構図が世界に広がる中、本家本元のアメリカでは驚愕の事態が進行中。それは人々の食卓、街、政治、司法、メディア、人々の暮らしを、音もなくじわじわと蝕んでゆく。あらゆるものが巨大企業にのまれ、株式会社化が加速する世界、果たして国民は主権を取り戻せるのか!? 日本の近未来を予言する、大反響シリーズ待望の完結編。

5つ星のうち 5.0 株式会社化する未来, 2013/7/1 By U爺

民営化(あらゆるものを商品化)、労働者の非正規化、関税撤廃、規制緩和、社会支出の大幅削減…。 エスタブリッシュメント(既得権益者集団)たちはさらにロビー活動や工作、買収を繰り返し法を変え、世界を凄まじい勢いで取り込もうとしている。無国籍化した顔のない「1%」と「99%」という二極化が世界に拡がりつつある。

日本ではどうか? 安倍首相は2013年2月、所信表明のなかでこう明言した。「世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します」と。
特別会計、天下り、独立行政法人、官製グループ企業、記者クラブ、etc…。官僚と財界が一体となり、さらに政・学・報が加わり、社会資本を合法的に収奪する仕組がこの国の本質である。「年次改革要望書」や「日米地位協定」がクローズアップされ、第二次大戦以降アメリカが一貫して関与してきたことも一部の人たちの知るところとなった。TPPによって日本の官僚統制主義と国際資本がさらに大っぴらに手を結べば、現在アメリカで進行中のとてつもない奴隷制社会がこの国にももたらされることになる。

TPPについて思案する前に私たちが知っておくべきことは、9・11以降のアメリカやFTA以降の韓国の実態である。 未果さんの書は、情報統制されたメディアが報じようとしない現在のアメリカの姿を垣間見るのに格好の書である。 尚、今回の「(株)貧困大国アメリカ」は全編がアメリカ国内の問題についての内容となっているので、未果さんの書籍で日本と関連したことを知りたい方には、前著「政府は必ず嘘をつく」をお勧めしたい。
また、最後に他のお勧めの書籍をいくつか紹介したい。ナオミ・クライン「ショック・ドクトリン」(一章だけでも価値あり)、安部芳裕「世界超恐慌の正体」、響堂雪乃「独りファシズム」「略奪者のロジック」、前泊博盛「本当は憲法より大切な日米地位協定入門」


5つ星のうち 5.0 「1%」対「99%」のからくりを抉り出した労作, 2013/7/6 By 博多ムーミン (福岡市)
(トップ50レビュアー)
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)

堤さんの名著『貧困大国アメリカ』シリーズの第3弾にして完結編。
新書版という、限られた紙幅の中で今、世界中に影響を及ぼすアメリカの貧富の差の恐るべき実態を見事に抉(えぐ)り出した労作である。

構成がしっかりしているのに加え、緻密な取材と資料やデータ、写真の的確な活用により、密度が高く、説得力のある仕上がりになっている。
また、中には今年5月の出来事の記述まで含まれるなど、最新の話題も採り入れられている。

本書の構成は、次の通り
プロローグ
第1章 株式会社奴隷農場
第2章 巨大な食品ピラミッド
第3章 GM種子で世界を支配する
第4章 切り売りされる公共サービス
第5章 「政治とマスコミも買ってしまえ」
エピローグ グローバル企業から主権を取り戻す
あとがき

以上から分かる通り、今回の著作は、人間の最も根源的な営みである「食」の分野が、いかに巨大ビジネスに侵されているかを切り口にして、公共サービスや政治、マスコミの実態にまで切り込んでいる。

それにしても、人間の欲望が生み出した「効率化」と「利益重視」の金融資本主義システムの行き着く先の、何と恐ろしいことか。

貧困層を救うはずのSNAP(食料支援プログラム、以前は「フードスタンプ」と呼ばれていたもの)までが、さらなる「二極化と貧困の拡大」を巧妙に生み出している。
また、農業の「効率化」を象徴するGM(遺伝子組み換え)作物が、巨大企業の富の独占を生み、その傘下に組み込まれた農家などが、いかに酷い搾取を受けながらも、借金地獄で抜けるに抜けられない状況に追い込まれていくか。
さらには、GM種子を世界各国に広げる多国籍企業が、自由貿易を推進させながら、他国の農業に壊滅的な打撃を与えていく様も、イラク、インド、アルゼンチン、メキシコなどの具体例を示しながら的確に描かれている。
なかでも、自由貿易による過度な自由化により、米国から大量に入ってきた政府補助金付きの安価なトウモロコシに対抗できず、メキシコの300万人の零細農家が次々に廃業していった、との記述には、戦慄するほどの恐ろしさを覚えた。

「自由化」の中で「効率化」が進み、巨大産業と政治、マスコミが結びついて「1%」の富裕層と「99%」の貧困層が、実に巧妙に分離し、それが世界的にまで広がりつつある。
最も恐ろしいのは、既得権益層が、ハイレベルな富を手放したくないとの「欲望」をコントロールできず、結果として貧困層の雇用を奪ったり、労働に見合った報酬を得られない実態に対して「加害者」意識がないことではないだろうか。
そもそも一家族が生活するのに、果たして億単位の富が必要だろうか? それを社会に還元もせず、過度なぜいたくを享受することは、貧困な多数派が現実にいる以上、人間として実に恥ずかしい行為ではないだろうか? そうした哲学や感性を、広く根付かせなければ、格差問題の根本的な解決は難しい。
また、政治家には、貧困者に対する慈悲と、卑劣にして巧妙な大企業のロビー活動や脅迫に対抗する勇気が必要だし、そういう人物を選ぶための選挙活動を、もっと大切にしなくてはならない。

「他人の不幸の上に、自らの幸福を築かない」といった、人間が本来持っていたはずの素朴なモラルは、今や実態を正しく知ることからしか生まれない。
本書は、「1%」の富裕層の人々にとっても、「今、自分がやっていること」の意味を鋭く突き付けるものになるだろう。

アメリカの格差社会の実態は、決して対岸の火事ではない。
デフレからの脱却が始まり、経済の活性化への希望が見えてきた日本だが、多国籍企業の巧妙な罠を知らねば、その次に打つ手を誤ってアメリカと同じ轍を踏み、「貧困大国ニッポン」への道を歩んでしまう。
特に、TPP問題を論ずる前提として、ぜひとも知っておくべき「相手側(特に多国籍企業とそれに連なるアメリカの政治家)の意図」が、本書には分かりやすく描かれている。

本書の大部分が、「1%」の巧妙にして横暴な支配の実態であるが、「あとがき」では「99%」が団結して押し返したEU議会やボリビアの最新例も紹介されており、「希望」の言葉で最後を閉じている。

※本書は、全体として、とても素晴らしい出来栄えなのですが、最新の話題も採り入れるのに急いで仕上げたためか、一部、ミスがあります。私が気がついた箇所だけでも指摘しておきますので、再版の際にでも訂正していただければありがたく思います。
○97ページ最後の行「抗生物資」→「抗生物質」
○250ページ 5〜6行目 民主党へは四四五四万八六二三ドル(共和党の数字と全く一緒になっているので、どちらかが間違いだと思われます)。    


5つ星のうち 5.0 今読むべきルポ。明日の日本をコーポラティズムの餌食にさせないために。, 2013/7/1 By マイぺんらい
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)

「貧困シリーズ」3部作、今読むべきルポです。
一部と二部がアメリカ国内でのさまざまな個別の問題点をテーマとしているのに対して本書では「食」と酪・農業を通して、よりグローバルな問題点を指摘していているのが印象的です。
この種のルポに対しては、賛否両論が付いて回るのはいつも同じだと思います。
曰く、先に結論があるのではないか、では、どうすればいいのかがなく批判ばかりで解決策が見えてこない、、、、、。
しかし、かつて厚みのある中間所得層が支えていたアメリカが、いつの間にか中間層の抜け落ちた決して豊かとは言えない国になっている事はアメリカを訪れて友人と話をし、しばらく過ごすとわかってくるのも事実です。 そしてその裏にあるのは政治と巨大多国籍企業の癒着があるのだ、とする筆致には迫力があります。そしてそのアメリカの姿が次の世代の日本にも迫ってくるとするならば、、、、本書のような「弱者のあるいは庶民の目線」で捉えた視点で明日の日本を考えるよき資料となると思います。 
とくに「食」「医療」を巡るコーポラティズムの暗躍は今まさに日本が臨もうとしているTPPの重要交渉事項であり、本書を読んでいるか、読んでいないか、で政府の言っていること、あるいはマスコミが言っていることの裏にある事柄が見えてきます。TPPはあくまでアメリカを中心とする多国籍企業の利益を代表したものであることを記している156ページ以降のレポートは衝撃的ですらあります。
今もTVのニュースで「成長戦略」、「規制改革」、「民営化」、「企業のより自由な活動」を声高に叫んでいる政治家がいます。「アベノミクス」と言うんだそうです。 これまでも小泉・竹中時代からさまざまな規制緩和が行われてきましたが、結果として、進んだのは非正規労働者の大幅な増加と低賃金化。 決していいことが多いわけではなかった。 多くの若者や普通の人にとってむしろ悪くなった。彼らは日本コーポラティズム化を進める最初の政治勢力だったのではないか。 
アメリカの二大政党制の共和党と民主党を日本に置き換え、自民党と民主党と読み替えれば、そのまま政治の状況が日本に当てはまるのではないでしょうか。本書を読むと二大政党の持つ問題点が明らかになります。 結局コーポラティズムにとってはどちらでも同じなんですね。 

あとがきで著者は言います。
「いま世界で進行している出来事は、単なる新自由主義や社会主義を超えた、ポスト資本主義の新しい枠組み、「コーポラティズム」(政治と企業の癒着主義)のほかならない。、、(中略)、、、コーポラティズムの最大の特徴は、国民の主権が軍事力や暴力ではなく、不適切な形で政治と癒着した企業群によって、合法的に奪われることだろう。」

今月、参議院選挙があります。
今、読むべき本です。
皆がワーッと一方の向いているときにはちょっと距離を置いて、斜に構えてモノを見、情報を集め、冷静に自分の頭で考えて投票することるのが必要ではないか、と強く思いました。 結局、この政治体制を作っていくのは一人一人の有権者であり、国民なのです。


5つ星のうち 5.0 風前のともしび、日本, 2013/7/6 By 神谷芳樹

いやー、凄いというか猛烈。著者の一貫した研ぎ澄まされた視点から、実に丹念な取材の積み重ねで、今日の米国の実相を描き出している。米国は建国200年余にして完全な失敗国家となってしまった。そしてその失敗ぶりは各国に拡がりつつある。日本も風前のともしびだ。著者の指摘のように安倍首相は「世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します」と明言しているが、本書を読んでないに相違ない。多くの人、特に日本の若い人にきちんと読んでほしい稀有の良書である。


5つ星のうち 5.0 ビジネスが我々の生活を侵食するとき, 2013/7/20 By TAKERU (東京都)
(VINEメンバー) (トップ1000レビュアー)

 成長促進剤を注射される養鶏場の鶏。大手ブランドや食品加工業者と契約する農家は廃業しないため、契約を守るしかない。
その結果、大量の肉を短期間で取れる企業システムから逃げることができない。企業には利益を持っていかれ、農家の収入は、少ない。
大量生産で安くなった食品は、SNAP(補助的栄養支援プログラム)を受ける低所得者層、高齢者、障害者や失業者の口に入る。
このSNAPから利益を得る企業があり、貧困ビジネスの姿がみえる。アメリカでの「食」を取り囲む環境の劣化は、これだけには留まらず、
その影響を世界に広げている。

 モンサント社は、2010年、中南米のハイチを大地震が襲った時、人道支援を旗印に、遺伝子組み換え種子475トン、肥料、除草剤を提供。
遺伝子組み換え作物のラベル表示を義務化する法案は、2012年11月、カルフォルニア州で否決されている。
そのとき、このモンサント社を始め大手食品・バイオ企業の反対キャンペーンがあった。遺伝子組み換え作物は、アメリカ国内に留まらず
世界に拡大をしていきそうな気配。

 失業拡大と産業流出でデトロイト市が破綻。財政再建という大義名分の下、持ち込まれた市場原理(効率化や競争)で、公教育は崩壊し、
教育ビジネスに参入した企業が潤う。その裏で、効率化によって人件費削減を免れなくなり解雇される人の増加がある。
 巨額の利益を得ている企業と政治の癒着は、多くの人々の生活基盤を揺るがし、吹き出す矛盾を加速させている。

 アメリカで起きていることは、世界各地で起きていることの縮図。他山の石としなければいけない。


5つ星のうち 5.0 「99%」は、なぜ負け続けるのか, 2013/7/6 By 歯職人

 「アラブの春」「オキュパイ運動」等、散発的・分散的に、テレビ報道は続く。
 本書は、「規制改革」、グローバリズムの名で進むアメリカ化の行く末を、アメリカの「99%」が向き合う農業・食糧、金融、公共等の各分野の現場から、堤未果氏がレポートする一冊です。
 現存する国家観とその仕組みでは、統治しきれない巨大化・組織化した資本の行動と「99%」の亀裂。堤未果氏が提起する「企業はモラルより損得で動かせ」が、本書で語られる唯一の希望と言ったところか。


5つ星のうち 3.0 前作よりグラフ統計資料が倍増/4章デトロイトの看板が衝撃的だった▲数字の誤植あり, 2013/7/21 By ブリキ男

 農務省や商務省、国税調査などから作成したグラフ資料が13点添付されていた。シリーズ前作に比べ統計資料が倍以上に増えており、客観的な努力が伺えた。その代わり写真資料は少し減ったが、本書で紹介されたドキュメンタリー映画『フード・インク [DVD]』は、ぜひ観て見ようという気になった。(成長促進剤で体重が8倍になった鶏は生後6週目で足が折れるという 42p。。。農業合理化の果てはクスリ漬けの動物虐待という悪夢)

本書の中で写真資料は30点以上あったが、私にとって衝撃的だったのは、
第4章 切り売りされる公共サービス
の冒頭で掲示されたデトロイトの看板だった。

“Enter at your own RISK”(169p)

写真はデトロイト市の境界付近にある道路看板なのだろう、
車で訪問する運転手に“自己責任で入れ”との警告の文字。
さらに
デトロイトの警官が配るチラシには次の文面があった。

デトロイトは全米一暴力的な町です、
全米一殺人件数の多い町です
市警の賃金は全米最低です

との悲鳴のような言い訳のような
警告メッセージが、地元警官自身の手で配布されていた。

 そもそも1950年代よりデトロイトは、自動車産業の中心地でアメリカンドリームの象徴だったが、2008.9 リーマンショックの翌年2009.6 に、ビッグ3のひとつGMゼネラルモーターズが経営破綻すると、いよいよ人口減ゴーストタウン化は歯止めが利かなくなり、犯罪通報しても警官がすぐに対応できない治安崩壊都市と化してしまったという。崩壊したのは治安だけでなく学校や地域社会にまで及び、路上には教育難民があふれ、廃校になった学校の壁には痛々しい落書きの跡が。。。

“No HomeWork...ever” もう宿題は無い(179p)

本書は2013年6月末に発売されたが、
翌月7.18 デトロイト市が財政破綻を発表した。
自治体の破綻としては全米一の規模だという
深刻なニュースだ。

 デトロイト市は財政難と相次ぐリストラにより、公共サービスが維持できなくなったが、本書によると、これは決して珍しい一例では無いらしい。同じミシガン州内にあるポンティアック市も似たような惨状で、
元市職員の女性は、(186p)
警官不在のため、夕方以降こわくて外出できない
消防士は隣町からくる、もう自前の消防著・警察もない
こんな町で誰が安心して子育てできるのか
と嘆く。

自分にとっては、この4章の内容がもっとも衝撃的だった。本書の添付写真で紹介された文字“at your own RISK”と“No HomeWork...”この映像が頭から離れなかった。この看板や落書きを書いた本人を想うと。。。他人事で済ませられず。。。悶々と苦しくなった。
なおデトロイトの危機的状況は、マイケル・ムーアの映画『キャピタリズム~マネーは踊る[DVD]』でも紹介があった。

追記▲数字の誤植、致命的ケタ違いが複数ある

76p“2002年に7700億ドルだった食料投機額は、
2007年までの5年間で、100倍の7兆ドルに跳ね上がった”
訂正:7700億の100倍は、77兆でしょう“約10倍の7兆”ですよね。

143p“12億人のインドでは二極化が進んでいる…
人口の0.1%に相当するわずか100人の超富裕層が…”
訂正:12億の0.1%は、120万人でしょう。

ベストセラー3作目の完結編ならば、しっかりと校正チェック
して頂きたいものです。数字やデータを冷静かつ正確に扱えない人が、
“1%vs99%”と声高に叫ばれても、正直どこまで信じていいのか
わからなくなってきました。数字データ客観性に関してかなり不安になってきました。
私はレビュー冒頭で客観性の努力を評価しましたが、前言撤回せざる得ません。

私は、2013.6.27初版の読者です。再版での訂正を望みます。


5つ星のうち 5.0 アメリカのシンボル‘自由の女神’は今や堕ちた偶像です, 2013/7/18 By タッキー "G3" (東京都墨田区)
(トップ500レビュアー)
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私は堤未果さんという書き手をこの本を読むまで知りませんでした.何でもこの本は三部作の完結編だそうで,エネルギーの持続に驚きます.著者は弱者目線です.被害者の立ち位置でこれを書いています.これも私の知らなかったことですが,アメリカ人の99%は今や弱者であり,被害者だそうです.倫理を喪失し,拝金亡者となった僅か1%の人間が好き勝手にアメリカを牛耳り,アメリカを株式会社化し,国民から主権を奪いました.結果,借金返済に苦しむ人たちが益々増えている.レーガン以来の歴代大統領はオバマ大統領を含めて1%の富裕者の言うなれば操り人形なのです.それにしても堤未果さんの筆力は凄い.綿密にアメリカの病理を活写します.こんな若い女性が日本にいると知っただけで,私は希望を感じます.日本の男どもよ,しっかりしろ,です.このままでいたら日本は遠からずアメリカの1%の人間に蚕食される.韓国は既に米韓FTAを成立させ,1%の思う壺にはまりました.韓国がのんだ事前条件は次の三つです.

1. アメリカで科学的安全性が認められたGM食品は無条件で受け入れる.
2. 韓国の国民皆保険が適用されない株式会社経営の病院の参入を認める.
3. アメリカ産牛肉の輸入条件を緩和する.

GM食品はアメリカで認められているが,安全性が確定していない.韓国がこれを認めればアメリカのアグリビジネスのいい鴨になります.医療が株式会社になれば,医は儲かってナンボの組織に成り下がる.貧乏人は病気になっても相手にされない.アメリカ産の牛はどうですか.抗生物質やら成長ホルモンやらの薬物づけになっていた? 何を食わされていたのか分からない.狂牛病の件もあります.日本がTPPを機に続々と規制緩和すれば,吾らもまた99%の無力な人間になるかも知れません.1%の人間のやることは狡猾です.仮面をかぶり,メディアすら買収して,自分たちが略奪者であることを隠します.吾ら国民がそうと知ったときには復元は既に困難です.アメリカの近過去と今がそのことを如実に示します.

そういう暗いアメリカですが,債権無効の市民運動をしている覆面の抵抗者,アノニマスの一人は著者に次のように語りました.

アノニマスは顔がないと思われているけれど,俺たちは羊じゃない.「1%」の価値観のなかで意思を持たない奴隷として生きる気はまったくないよ.あきらめて流れに身を任せたら負けだ.まず自分の意思で生き方を選ぶと決めなくちゃ.連中は国境を越えて団結しているけど,ならばこっちもITという武器を使って,どんどん連帯すればいい.教えてやろうぜ.グローバリゼーションは彼らだけのものじゃないってことを.

どうですか,皆さん.吾らも羊ではないですね.皆がそうしているからと言って佐渡へ佐渡へとなびけばどうなるか.そのとき誰が一番利するか,それを考える時です.多分,堤未果さんもそのように思って,日本の近未来を心配しているでしょう.


5つ星のうち 5.0 TPP交渉が始まった今、全国民必読の書と思いました。, 2013/7/29 By 西島 浩
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この3部作でアメリカという国が私が想像していたのと全く違う形で(おぞましい形)で見えてきました。特に今回の作品は衝撃的でアメリカ発の多国籍企業とウォール街と一部の政治家(オバマを含む)が自国民を食い物にして自らの富を築き、その食指を外国にまで伸ばして行く姿に戦慄を覚えました。養鶏場の写真を見るとケンタッキーのフライドチキンは食べる気がしなくなりました。遺伝子組換え食品を最貧国に無料で供与し肥料と農薬のセットでがんじがらめに食い物にしていくやり方には怒りと恐れを覚えます。この巨大な軍団が満を持してTPP交渉に向かってきていると思うとわが国の交渉団は大丈夫かと心配せずにはいられません。今の経団連の経営者たちは本当に志のない人たちになってしまって偉い人が一人も出ないのが残念でなりません。社員(国民)あっての企業なのに会社は株主の物だなどという屁理屈、こんなことを恥ずかしげもなく言える人間が多数になっているのが情けなくてたまりません。
絶対にアメリカのようになってはならない。関税をゼロにしたら完全にアメリカにやられてしまう、根こそぎ食い物にされてしまうと思いました。守るべきもの(日本の富全部)をしっかり守るようTPPの交渉団に期待するばかりです。脱退も辞せずの覚悟で!


5つ星のうち 5.0 本書を読まずにTPPを議論できない!, 2013/6/29 By ちくてつ

 著者のルポは最初から読んでいます。
 そして人に話をすると、ほとんどの人が買って読み、「あなたの言うとおりです」
 新刊の本書は、私が断片的に知っていることのすべてについて、深刻を通り越した悲惨な状況がルポされています。

 オバマ大統領が、「フードスタンプ大統領」と批判されていること、納得です。

 超巨大なブラック大企業たちが、アメリカの国民をどのように虐げているか?

 世界最大の小売、ウォールマートのCEOの年収は20億ドル。
 従業員たちは、時給平均8.81ドルです。
 とても生活できないので、フードスタンプに頼っています。

 そして、農業の崩壊。このルポも恐ろしいです。

 アメリカの食肉産業の現場をしっかり読み込みましょう。
 アメリカ産のニワトリ、豚、牛を食べる気がなくなります。

 そしてモンサント。公開中の映画、「世界が食べられなくなる日」では、フランスの科学者がマウスで実験しました。
 遺伝子組み換えトウモロコシの影響を調べたのです。

 遺伝子組み換えトウモロコシは、家畜の飼料として日本にも輸入されています。

 その影響は何世代かあとに、キメラのような人類が誕生して出て来るかもしれませんね。

 全日本人の必読書がタイミングよく出ました。

 いつ読むのですか? いまでしょ!

5つ星のうち 5.0 モラルの力, 2013/7/31 By pommier_pomme
(トップ100レビュアー)

企業はモラルでは動かない。将来の子供たちへの愛情、環境への配慮、人間同士の思いやり・・・
そんな、個々人だったら圧倒的多数が持ち合わせているだろう「善意」では、何も動かせない。
そんな、うすら寒くなるような、現実的な厳しさを、突きつけられたようだ。

株式が強大な威力を持ち、御金さえあれば、政治やマスコミ、市民運動をも、いとも簡単に操ることも可能である。
テレビが重要なマスメディアであるアメリカでは、巧妙に国民の目をくらまし、扇動し、全体の99%の国民が、
多国籍企業、大企業にただただ無自覚に搾取されている。

この本は、安穏と日本で暮らす中間層で、経済に疎い私には、目玉が飛び出るくらいショッキングな内容であった。
ウソでしょ!?と言いたくなるような悲惨なアメリカの状況が次々と書かれている。
床下からじわじわシロアリの大群に食われているような、目に見えないところで巧妙に進んだ国民搾取のシステム。

大企業をスポンサーにしたテレビ局は、スターのスキャンダルや大きな災害をセンセーショナルに報道し、
その裏でひっそりと、難解な語句で書かれた、企業に有利な重要な法律が成立していたりする。
国民の信頼を受ける政府の第三者機関が、実は莫大な献金を企業から受けたり、委員の構成員として利害のある関係者を入れたりしている。
不都合な研究結果はじめ情報は企業側に即座にもみ消される。ネット情報でさえも、金に物言わせ、潰される。

個人の善意や意志が当たり前のように存在し、相互に働きあう、小さな部落では絶対にありえないような、人間を貧困と不幸に落とし入れる巧妙な仕組みが、
この複雑な経済大国では、顔の見えない「多国籍企業」によって、容赦なく作られている。

無自覚な、平和ボケした個人にとって、まさに急転直下の恐ろしい話である。

アメリカの話は、決して他人ごとではない。その影響はじわじわと進み、ついにこのたびTPPへの加入協議といった形で
あっという間にその危機が日本にも直前に迫っている。

経済・政治についてほとんど無知で、ともすればイメージで判断しがちな私のような凡人でも、この本では
食べ物や教育といった自らの生活の基本を作るものを例に出してくれているので、非常に興味深く、最後まで興奮しながら、
面白く読むことができた。

難しいと敬遠しないで、さまざまな社会の仕組みを根本から作っている法律や政治にもっと興味を持ち、読書をし、
日々新聞の小さな記事にも目を通していたい。
日本のそれぞれの小さな個人のコミュニティを守っていけるように。1%の株主や、大企業のトップに、個人の多様性がのまれてしまわないように。
そう強く思った、とても衝撃的な1冊でした。幅広い人に読まれてほしい。


5つ星のうち 5.0 残念なことに、もはや国の体を成していません。 (第4章内にデトロイトの記述アリ), 2013/7/16 By LED LEPPARD (節電中)
(VINEメンバー) (トップ100レビュアー)
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)

 2013年、堤未果さんの著書です。

 本書は、「貧困大国アメリカ」シリーズ・第3弾にして最終弾です。
 プロローグ、本編・全5章、エピソードという構成になっています。
 第1章・第2章では、遺伝子組換食品、垂直統合によって搾取される米国農家など
第3章では、グローバルに遺伝子組換種子の特許使用料を徴収するシステムが作られていく様子を(例:イラク、インド、ハイチ etc)、
第4章では、教育や刑務所などが民営化されて、公共システムが崩壊していく様を
第5章では、企業が立法府やメディアを金で動かす様子や、最高裁判決で企業の政治献金が無制限になったこと etc、伝えてくれます。

 私自身、恐怖を感じたのは、第3章。
 一昔前は、「アメリカは、ディズニー、マクド、ケンタッキーなど、権利で稼ぐシステムを持っている」なんて言ってて、
IT化の頃は、「マイクロソフトに金を払わな仕事にならん(食えない)。なんだか、税金を払ってるみたい。」って思うこともありましたけど、、
ここにきて、「遂に、小麦や綿花にまで権利を付けてきたか!」と、驚きを禁じえません。

 。。。ダイレクトに足元を狙ってきてますよね? 権利使用料って言いますけど、これ、実質「人頭税」だろ?

 また、9.11以後、治安維持という大義名分で制定された移民排斥法 etcで多くの人間が逮捕され、刑務所で低賃金で働かされているのにも。。。
 最低時給17セントの囚人労働力を、民間企業のみならず公共事業でも利用。更に、ウォール街では刑務所REITが大人気!? 

 私は、この「1%の富裕層 vs 99%の貧困層」という構図を、勝手に「北朝鮮化」と呼んでいます。
 人間をやたらと逮捕して労働させるなんてのは「ほぼ拉致」ですし、メディアも支配されてますし。
 それに、民主党も共和党も実質同じ。。。つまり、米国国民には、選択肢が実質1つしかないと言っていいでしょう。
 本書を読んで、「米国は、もはや国家の体を成していない」「従来の『日米』という感覚で、米国と向き合うのは間違い」と思いました。

 日本も米国も、本来の姿を見失っていると思います。
 日本人は、日本人らしく「和を以って貴しと成す」。
 米国人は、米国人らしく「United States Declaration of Independence(アメリカ独立宣言)の精神を取り戻す」。。。この2つが鍵なのでは?
 「Change!(何がどう変わるの?)」「Yes, We Can!(何ができるの?)」「日本を取り戻す(誰が?)」って、いつも思ってます。

(* 追記・7/20) 第4章内に、デトロイトについての記述もあります。
。。。以下、第4章・P171〜172から引用
 二〇一一年一月、共和党のリチャード・リオーダン元ロサンゼルス市長は、テレビ番組のインタビューでこう警告した。
 「このままでは全米の自治体の九割は五年以内に破綻する」


5つ星のうち 5.0 1%と99%との戦い, 2013/6/29 By hbspmd

一握りの人間が富の過半を握るという構図は、程度の差はあれ、どの国にもありがちであるが、本書で語られていることは、特に米国企業(或いは多国籍企業)が強大になり、政治家やマスコミに対する影響力を背景として企業の利益を追求する結果として99%の庶民の生活を困窮させている、ということである。

その例として、寡占化・強大化する農場経営による農家の弱体化(農奴化)、遺伝子組換え種子の普及による世界の農業の支配と搾取、企業に有利な立法を誘導する仕組みなどについて詳述している。

本書のテーマはタイトルにもある様に、国家の株式会社化であり、その方向性が必ずしも大多数の国民の利益になっていないということである。国民は主権を取り戻すことが出来るか、強大化する企業と株式会社化した国家と如何に戦うべきか、本書の最後にヒントが示されている。


5つ星のうち 5.0 今や【国連】ではなくて、【多国籍企業】が世界を牛耳る, 2013/8/11 By soulman2357
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 私は、3.11の原発事故を通じて関係報告・書物を渉猟し、「圧力団体=原子力ムラという特別な組織体の存在 や 政府は嘘をつく」 ということを確信した。それは多くの国民が感じたことだろう。そして、今までその手の事に余りにも無関心で無謀であった自分を知る。又、異を唱える人には必ず圧力がかかるということも知ることになる。しかし、立ち上がって子どもたちを助けるのです。負の財産を子どもたちに残してはいけません。大人は今の汚染に耐えるよりほかありません

。しかし、子どもの未来にはそういう物を遺伝させたくはありません。

日米原子力協定と詳細規程・日米地位協定の存在と怖さを知った。 TPPの怖さも分かる。。。。そんな中で、この書物に廻り逢った。

今まで 独立して進行していた日本の色んな問題【原発・TPP・消費税増税・失われた20年・日米不平等条約の数々】が、世界中のことと連動して一つに体系だった。
 世界の国の間の連合体【国連】を遙かに凌駕する【多国籍企業体】。こういう物の戦略が、効率主義が、隠れた圧力が、 今世界の中で問題視されている。
その多くが巨大勢力化し、(原子力ムラしかり、軍産複合体しかり) コーポラテイズム(政治と企業の癒着主義)となって現れ、世界中を混乱に陥れている。TPP推進の本国アメリカでは99%の国民が1%の企業の奴隷となって貧困スパイラルをさま迷っている。アメリカ国民を食い尽くした【多国籍企業体】は、TPPの名の下、世界中に拡散し、その国々を食い散らす病原菌となっている。

 本国アメリカの現状を見れば今後の日本や世界がどうなるか分かる というようなレポートと、それに対抗して成功した例が数多く載っている。
この戦略が我々に一縷の活路を提示してくれる。。。。。。軍産複合体 のひどさを暴露した書物は多いが、そういう物をまとめ上げてコーポラティズムで統一したことに著者の明晰性を感じる。

私は日本内で原発反対やTPPの反対を主張してきたけど、
  この本を途中まで読んでみて、世界各国の志を同じくする勢力と密接に意思の疎通を良くし、世界ネットワークを立ち上げて動かないといけないと想うようになった。

プロローグと エピローグを立ち読みして、この本の評価をして下さい。気に入ったら購入して下さい。そして、一緒に立ち上がりましょう。。。

相手は【多国籍企業】なのです。

まずは一つ、私の持っている農協のパンフレットにも、除草剤 ラウンドアップは随分昔から載っている。現在1リットルで3500円する。この農薬は、アメリカのモンサント社製で、各国で販売されていて、グリホサートを主成分にしている。既に発がん性・奇形・先天性異常・喘息等の発病につながることから、世界各地で裁判にかけられ会社側が敗訴している。この手の薬には、自社開発された遺伝子組み換え種子=GM種子には耐性があり、その他の物には強く作用し枯れさせ涸渇させる能力があります。これが彼らの世界戦略なのです。このことは本文P58〜 克明に記載されている。そして原子力ムラならぬ コーポラティス゜ムの巨大な陰謀がある事も書かれている。

面白いのはそれで終わらず、これにどの様に対抗する市民活動が成功したか載っている。。。世界中の志を同じくする人が立ち上がり、GM種子を購入しない事。。。横に連携し安全な種子を購入すること。。。。どのように妨害をされたか世界中が閲覧できる多国籍言語のデーターbaseを立ち上げること。。。農薬 ラウンドアップ を購入しない事。。。ツイッター等の世界につながるITを活用することの素晴らしさはアラブの春 が、中国が 物語っている。

そういう活動を暗示させる書物である。 原子力関係でもそうだが、どのような妨害をされたかまずはデーターベースを作り、お互いに助け合いたいものです。

安倍総理の街頭演説に「総理 原発に賛成ですか? 反対ですか?」という模造紙を掲げていた一般主婦が数人の私服警察と選挙担当者に囲まれて、住所氏名連絡先を聞かれ、その模造紙を取り上げられて、後日 住所を話してない職場に送りつけられた。これは明らかに圧力であり、市民への威圧行為。該当県の公安委員会には弁護士が連名で事の真相を解明するように書類が提出されている。 何かを忖度して動いた人たちの技なのか? 誰かが教唆した結果なのか? SPの対応としては過激すぎる。 私たちはそういう闇の勢力に屈してはならない。


5つ星のうち 5.0 恐るべきコーポラティズム。オバマよお前もか。, 2013/7/20 By hiroshi (鎌倉市)
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シリーズ3冊目の最終刊。著者は前2作にてアメリカで進む貧困化の過酷さを告発し、日本人に衝撃を与えました。最終刊の本書では、その貧困化が巨大企業の利益拡大のために政府を巻き込んで政治的、構造的につくられたものであることを立証しています。巨大企業とアメリカ政府のタッグはグローバルの規模で企業の利益拡大、すなわち「1%の富裕層と99%の貧困層」づくりにまい進しています。
日本の生活保護に当たるフードクーポンを受給するアメリカ人は4600万人。クーポンで食料費を賄おうとすると必然的に高価な生鮮食品は買えず、安い高カロリーの加工食品となります。それが肥満と糖尿病患者を大量に生むことになります。そこで各州はクーポンでの炭酸飲料水やジャンクフードの交換を禁止する法案を上程するのですが、ウオルマートや食品会社の雇ったロビイストによってことごとく妨害されてしまいます。遺伝子組み換え食品であることを示すラベル貼付を義務づける法案も農薬会社の力で潰されています。
これは国民の大多数が銃規制を望んでいながら全米ライフル協会の抵抗により規制が進まない構図とまったく同じです。
それどころか食品衛生の監督庁の長官には農薬会社の元幹部があいついで就任する始末です。アグリ企業、食品会社、農薬会社は政府に働きかけて国内では助成金を獲得し、他国へは圧力をかけさせて自社の海外活動を推進しています。狙われるのは南米、アフリカ、アジアです。これがブッシュ時代はもちろんオバマになっても続いています。オバマ陣営の大口献金者はこれらの業界の代表企業なのです。
国内では巨大企業は労働組合を弱体化させ、労働者を解雇し、賃金を切り下げ、工場移転で空洞化をつくり出してきました。その結果、厚かった中産階級はなくなり、深刻な格差社会をつくりだしました。デトロイトなど財政破綻する都市が続々生まれていますが、そこでは市行政の民営化や警察、消防などの最低限の市民サービスの切り捨てと縮小が行われています。
巨大企業が肥え太り、政治と癒着して(コーポラティズム)国民がどんどん貧困に追いやられ、食品の安全や健康や治安が悪化する事例が本書には「これでもか」というくらい多く紹介されています。
このアメリカの悲惨な現状は、そのまま日本の将来ではないかと危惧せずにはいられません。また、TPPは単に関税を撤廃するという話ではなく、ビジネスのルールをアメリカ大企業の望む基準に揃える話ですから「これは拒否するしかない」と私は理解しました。
本シリーズの反響は大きくて、批判もあるようですからそれも是非読みたいと考えています。堤未果氏の10年がかりの渾身の「警告の書」です。


5つ星のうち 5.0 参院選の前に、今こそ読むべき!, 2013/7/15 By ロビン (東京都八王子市)
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 『貧困大国アメリカ』シリーズ三作目にして完結編の本作。

 アメリカの「愛国者法」「落ちこぼれゼロ法」をはじめとした、「1%」の巨大グローバル企業の利益のための便宜を図った法律の存在は、堤さんのご著作で初めて知りました。TPPの「ISD条項」についても。農業だけを取り上げて「日本の農業は強いからTPPは怖くない」と主張する書籍もありますが、知的財産権を含む他の23項目のことを考えていない意見で、ああした本を読んで、また意見を聞きかじって安易に賛成するのは大変危ないと思います。聖域を作ると言っていますが巨大資本の猛烈な貪欲の前で、それがどこまで通用するのか。韓国や南米、カナダの先例を甘く見るべきでないように思います。
 
 アフリカ系初の大統領となったオバマには期待していたので―ブッシュよりはましとはいえ―彼の通した国民保険制度「オバマ・ケア」が、結局は多額の献金とロビー活動を行う巨大企業のためになるものであり、強制的に保険に加入させられ口座から差し引かれる低所得層の生活はますます厳しくなる仕組みというお話には愕然としました。新自由主義、コーポラティズムの株主至上主義、その構造的な非人間性には断固抵抗しなくてはならないと強く思います。日本にとっても対岸の火事ではないのですから。

 堤さんの著作はこのシリーズ以外にもメディア・リテラシー能力を鍛えてくれるような名著が色々ありますので、ぜひ未読の方はそちらも。若い方たちには特に読んでほしいです。


5つ星のうち 5.0 アメリカの経済動向の一つの真実を知りたければこの本を読むべし。, 2013/7/5 By マクロ経済から歴史をみる人

 現在のアメリカの一つの暗黒面を、勇気をもちルポルタージュ風に現場の意見を取り入れながら、読者の心をぐいぐいと引き付けていく。

真のジャーナリズムとはこうしたものである。命を惜しまず、名もいらず、ただひたすらに名もなき貧乏人の話を聴いていく。心打つものが有る。堤氏の新書は知る限り読んだがブレがない。そこには、貧しき人達や、まるでプラスチックのごみの様に使われて捨てられていく、豚や鶏の声がきこえてくる。

アメリカ人、特に白人の富裕層にはキリスト教徒が多いはずだが、彼らがこのようなことを知っていながら見過ごしているとすれば、やがて彼ら自身もこのGM食品による地獄の怨嗟に巻き込まれるだろう。

いや、中国人と同じくグリーディーな本質であれば、このグローバル企業のなしている様々な厄事はとことん続くのであろう。

株式会社奴隷工場。モンサントの悪をなしていることを意識しないで最悪のことなす経営者、封じ込める腐った学者ども、なによりおこぼれにあずかろうとするジャーナリズムと政治家達。

ここでナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」は一読に値する。残念ながらカナダの学者なのだが。

現在、日本では、シェールガス・石油などによる革命、それに伴うアメリカの復権を予測する学者がいる。彼らに、この本を読めといいたい。すべからく、経済学などとちゃらちゃらの賜ったとしても、しょせん、「情けは人の為ならず」の一言で済むのである。難解な公式は必要ない。

もし、米国人が、そのリーダー達が、新自由主義なる欺瞞の元、あくまで制御不可能な、グローバル経済なるものを賛美するような態度をとり続けるならば、結果はアルマゲドンのような最終的な大戦争が起こるであろう。それを予言する真摯な、堤氏のことばに耳を傾けるべきである。

もっとも、ゲーム映画「バイオハザード」シリーズの中のコングロマリッド企業を考えているとすれば。

だとすれば、それも想定内なのかもしれない。

今日、国の経済成長を是とする経済学者は主流ではない。国民の一人一人が裕福になること目指すのが、経済学の主流である。はたして、アメリカはこの最後のチャンスを活かせるのか、またそれに頼って生きていこうとする日本人一人ひとりに突きつけられた、重いが、避けてとおれないそのことを、決して金切声をあげることなく、静かに説く警告の書である。


5つ星のうち 5.0 いまアメリカで起こっていることは、これから日本でも起こる, 2013/7/17 By mozartfan (神奈川県)
(VINEメンバー) (トップ500レビュアー)

 アメリカで起こっていることは、日本でこれから起こることの縮図です。キーワードを<>で示しました。
 農業や牧畜など食品業界の生産者に起こる<大規模化>、企業の<寡占化>による経営の徹底した<合理化>、市場競争の喪失、過剰飼育による<環境汚染>、感染症を防ぐ<薬づけ>対策、そこには国民の選択肢を奪う<利益第一>の、<コスト切り捨て>の論理しかないのですが、市場経済は<低価格>を喜ぶ消費者に支えられています。
 国民は少数の大企業による市場の独占に気づきませんでした。自由市場の言葉に目くらまされて、<合法的に>自分たちの権利を手放してしまったのです。農民は<アグリビジネス(農業大企業)の奴隷>となってしまいました。遺伝子組み換え食品、オーガニック食品ブームの実態は背筋を凍らせます。
 また、ブッシュ政権が導入した「落ちこぼれゼロ法」はテストの点数を競わせる競争原理を学校に持ち込みました(日本の全国学力テストを思い出しましょう)。教育環境が不十分で成績の低い公立校がつぶれ、教師や子供が<教育難民>となります。財政危機を理由に<公教育の解体><民営化>が始まります。
 学校だけではありません。財政悪化により切り捨てられて<消防署や警察の消失>も起こります。治安は悪化、富裕層だけが自治体を仕切り始めます。
 マスコミも寡占化が進み、批判的な声を取り上げなくなります。
 著者はいま世界で進行しているのは、<コーポラテイズム(政治と企業の癒着主義)>だといいます。世界で多国籍企業の会社化が進行しているのです。
 追記:2013年7月18日、本書でも紹介されている環境悪化した街デトロイトが財政破綻し破産申請したことが伝えられた。かつてGM(ゼネラル・モータース)が支配し、バラ色の工業都市だった街に起こったことは他人事ではないだろう。


5つ星のうち 5.0 「1%」に立ち向かえ, 2013/7/15 By ボツ

前作同様、一気に読んでしまいました。
感想は一言、「選挙前に読んでおくべき作品です。」
大きな存在である1%は、したたかに、大胆に99%をモノ(奴隷)へと仕立てていこうとしている。
アメリカは既に完成され、手遅れに近いと思われる。
アメリカ国民が1%に使い捨てられる前に、巻き返しを狙うべく、世界の99%の代表達が立ち上がろうと産声を上げる。
日本でも「アメリカに倣え」と1%に操られるようにアベノミクスが誕生し、着実に基礎を固めつつあるのか。
政治家の多くの国民の耳に心地よい言葉は、ほとんど嘘であるという歴史からも、インフレ政策、TPP参加と、このまま放置しておけば1%の新たなオイシイ市場と化してしまうことは確実になる。

無力非力ではあるが、正義の1票を投じることができそうです。感謝!


5つ星のうち 5.0 未来の日本を現在のアメリカにしないために、絶対に、読まねばならない一冊, 2013/8/3 By voodootalk
(VINEメンバー) (殿堂入りレビュアー) (トップ500レビュアー)

2013年6月27日リリース。堤未果の最新アメリカ・レポートである。相変わらずの緻密かつ膨大な調査力に基づいたルポは絶品である。既に多くを予見する示唆に満ちているのだが、特に、

1.アメリカ・デトロイト市財政破綻(2013年7月19日)→債務の推定総額は180億ドル(約1兆8000億円)!・犯罪の90%は未解決!
2.TPP参加(2013年7月23日)→米国時間4月24日から90日間の米国政府と米国議会の協議と承認手続きを経て、会合地コタキナバル現地時間午後から交渉会合に参加

の2点の進行中の事象との関連からも重要なルポだ。特に、2の方は、木村秋則さんの『リンゴが教えてくれたこと』を読了したばかりだったので、同じ農業にかかわる人間のスタンスがこうも違うか、と唸ってしまった。

詳細については、未読の方のために触れないが、読み進むほどにアメリカという国の酷さに辟易するばかりだった。そしてTPPが始まった今、未来の日本を現在のアメリカにしないために絶対に読まねばならないのがこの本だと思う。特に、立法という点で考えさせられる点が多い。日本をアメリカのようにさせないポイントは、立法にあるとぼくは思った。例えば、労働権法(188ページ)という法律は、組合への加入と支払いの義務化を廃止する法律だ。日本で言うと労働基準法第36条(いわゆる労使間の36協定)を真っ向から否定する内容になっている。こういう法律が乱発され、ますますアメリカを自壊させている。

それ以外にも2005年12月、人口10万人で設立された『完全民間経営自治体サンディ・スプリングス』(200ページに登場)など、公共サービスを自分たちだけのために使うという驚くべき税使用の実態のルポや、不良債権化し、底値で売りだされた学生ローンなどの未払債権を債権回収業者に代わって買ってしまい、

『おめでとう。あなたの借金は帳消しになりました』

と封書で告知する『オキュパイ運動』(264ページ)など、興味深いルポばかりである。

堤未果のルポするアメリカ、富坂聰のルポする中国、ジム・ロジャーズの語るマネー・・・・いずれも貴重なものばかりだ。そして常に時系列で読み続けたい人たちだと思う。

5つ星のうち 5.0 近未来の日本が映し出されるアメリカの現実, 2013/7/30 By amachan
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)

TPPによって齎されるのは、国と国との貿易ではなく、大資本に操られる国というSFホラーのような現実である。いつ読むの?いまでしょ!


5つ星のうち 5.0 参院選挙前に必読!有権者の皆さん、日本の将来を考えるために読みましょう。, 2013/7/6 By KAZ.

本書ではアメリカにおける大企業主導の規制緩和による弊害がリアルに描かれており、衝撃を受けました。
TPP参加の是非を巡って様々な議論がされていますが、まず今アメリカで何が起きているのか、アメリカの富裕層が何をしているのかを我々日本人および世界中の人は知っておく必要があります。
本書で描かれているアメリカの悲惨な現状(利益偏重の巨大企業に有利に働くように法律が制定され、規制緩和が進められ、教育・警察・消防をも含む公共部門が売り払われて民営化が進み、貧富の差の拡大背景となっている既得権益業界と政府の癒着構造)は、政治に無関心で自分で何も考えようとしない日本人が招く「未来の日本の姿」かもしれません。

一口にアメリカと言っても、問題なのは本当に富裕層の上位1%ほどで、逆に多くのアメリカ人も利益優先の巨大企業の被害者な訳です。
そのアメリカ、否、アメリカの巨大企業及びその手先に成り下がった政府が狙う次なるターゲットは日本及び世界の国々でしょう。
「本を読む能力のある」有権者の方は是非この本を読んで、自分の頭で考えてみてください。日本の将来にとって大切なのは何なのかを。

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以下本書から印象に残った箇所を一部引用してみます。

プロローグより
上院議員:「今この国(アメリカ)の三権分立は、かつてないほどの危機に瀕しています。あらゆる分野で大企業の力が強くなりすぎ、ついに議会の権限まで超越してしまった。‥TPP交渉一つをとっても、日本を含む各国政府が交渉を進めている相手が、かつてのような国家としてのアメリカだと思わないほうがいい。今政府の後ろにいるのは、もっとずっと大きな力を持った、顔の見えない集団なのです。」

第4章 「切り売りされる公共サービス」より
筆者:「教育ビジネス関連企業は、ここ10年の国(アメリカ)の教育政策「予算削減」「競争導入」「規制緩和」「民営化」の四点セットの恩恵を受け、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。ウォール街の投資家たちも教育関連株の明るい未来に、ますます熱い視線を注いでいる。」
「2009年以来、アメリカ国内では30万人の教師を含む約70万人の公共部門労働者が職を失い、学区では約4000校の公立学校が閉鎖されている。」
「破綻した自治体に対する銀行のやり方は、債務超過国に対するIMFのやり方とよく似ている。どちらも相手の将来を見据えた根本からの立て直しではなく、公共部門を最安値で売却させ、短期間にできるだけ企業収益を上げ、最終的に融資分をきっちりと回収する」

第5章 「政治とマスコミも買ってしまえ」より
「2005年フロリダ州で「正当防衛法」制定→身の危険を感じたら公共の場でも殺傷力のある武器使用OK→殺人事件は3倍に。
←バックにいたのはNRA(全米ライフル協会)。彼らは常に銃の売り上げを伸ばすロビー活動をしている。→さらに同じ法律が他の32州でも導入。←背後にいたのはALEC(米国立法交流評議会)←1975年に保守系議員を中心に設立された名目上はNPO団体←多くの共和党員や多国籍企業の面子が加盟し、小さな政府と市場自由主義を目指す←評議会で出される法案は企業にとって望ましいものばかり。」

企業の政治献金が無制限になり、米国籍以外の企業でも匿名で献金出来るようになったことを受けて、
アメリカ人ジャーナリスト:「アメリカ国民にとっての選択肢は、大金持ちに買われた小さい政府か、大金持ちに買われた大きい政府か、という二者択一になりました。‥アメリカの政治はもう国民だけのものではなくなってしまうかもしれない。」

政治投資理論を説いた政治学者の名言:「選挙とは、国の支配権をかけた、効率の良い投資である。」

「政治献金の内訳を見ると、当選後の政策と明らかにリンクしているのがわかる。08年のオバマへのトップ献金元リスト上位に並ぶのは大手金融機関。‥選挙中どんな公約をしようが、スポンサーの意向に沿わなければ、上下両院の承認を得ることもできない。分かりますか?政治家もマスコミも買われてしまった今、アメリカの民主主義は、数年後とに開催される大規模な政治ショーと化したのです。‥テレビの情報を信じる国民は、バックに巨大企業がいることなど夢にも思わずに、いまだに敵を間違えているのです。」

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以上特に気になった箇所を挙げましたが、とにかく、金融産業、食品産業、軍需産業、医療保険産業、教育産業(公教育ではなく)など、広い分野ですでに大企業が牛耳っているのがアメリカの現状です。
私が読んだのはまだ最初最後と4章、5章だけですが、一つ強く感じたのは、本書で描かれている内容はヒトゴトとは思えないということ。
筆者は最後に「いま世界で進行している出来事は、単なる新自由主義や社会主義を超えた、ポスト資本主義の新しい枠組み、「コーポラティズム」(政治と企業の癒着構造)にほかならない」と言っていますが、我々は今後、政治・経済を見る際に今までとは違った見方をしていかなければいけないように思います。
今、我々の首相は「世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します」とまで所信表明演説で語っているような人ですが、アメリカを追うのは日本の道では無いでしょう。かといって他に任せられる政党やリーダーが存在するかというと疑問ですが。

選挙の前に本書をまず一読してみてください。

同じ著者の政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること 角川SSC新書、
そしてTPP関連で新しく出たTPP 黒い条約 (集英社新書)も併せてオススメしておきます。


5つ星のうち 5.0 「日本は貧困大国アメリカの有力予備軍」, 2013/8/9 By 伊川次郎 "j.i." (奈良県大和郡山市)

「(株)貧困大国アメリカ」(堤 未果著)を読んだ。資料を駆使し現地取材に基づいた力作だ。常に「1%VS99%」という視点を念頭に、資本主義国のトップランナーであるアメリカの現状をグローバル化した巨大企業が国民にもたらす影響に焦点を当てて描き警鐘を鳴らしている。
 今や世界中が資本主義の原理の下、市場原理に基づいて企業活動を行い利潤を追求している。その最大手がアメリカに本拠地を置くグローバル大企業だ。企業の目的は何よりも利潤追求で、そのためにはあらゆる手段を駆使する。企業活動のネックになる最大のものは、政府による法的な規制である。この障害物を廃するために、企業は有力政党の選挙運動資金援助や利権を持つ議員を通してのロビー活動等で政府に働きかけ、法改正や規制緩和などを誘導し自分に有利に企業活動ができるようにする。
 その結果、世の中が何事も市場原理優先の効率化、大量化、科学技術化が進み、それについていけない人間が置き去りにされる。本著は主に食産業にスポットを当て、その利潤追及のために政府やマスコミにも巨大な影響を与えつつ環境を破壊し人権を侵害し、ガンのように世界を蝕んでいく現状が報告されている。そこでは社会福祉の砦である医療や教育や生活保護事業でさえ市場原理による民営化に曝されかねない現実が迫っている。民主主義の根幹である司法、立法、行政機関でさえ、グローバル企業の思い通りになりつつあるのではないか?この本から、その臭いが強くする。
 その結果もたらされたのが一部の富裕層と多くの貧困層。これが「1%VS99%」の対立だ。「1%VS99%」というのは、大企業と国民と置き換えてもいい。もはや収入の格差による「1%VS99%」という域を超えて、科学技術を駆使した大企業対無力な人間という感さえある。現在日本は原発を再稼働し、TPPに加入し、規制緩和をし、猛烈な勢いで貧困大国アメリカの後を追っている。本当にこのままでいいのだろうか?資本の原理で人間社会を動かしている現状を変えるために、今何とかして行動を起こさねばとんでもないことになるのではないか?本著はこのことに強く警鐘を発している。


5つ星のうち 5.0 物事の裏側を知り、積極的に働きかける重要な姿勢を教えてくれる, 2013/7/27 By Ksnoky (大阪府)

本書は前著「ルポ 貧困大国アメリカ」「ルポ 貧困大国アメリカ II」に続く、アメリカの貧困ビジネスの真相を暴くシリーズの完結編となっている。
アメリカという世界随一の軍事・経済大国を裏側から支える貧困ビジネス、それが誰のどういう思惑によって、どのように成立してきたかを様々なインタビュー・データを用いて説得力のある形で説明しているとこが見どころ。
これまでは主に教育、医療、社会保障刑務所ビジネス等についてだったが、本作では主に食品業界におけるGM食品(遺伝子組み換え食品)を使った貧困ビジネスについて述べている。

基本的な著者のメッセージは全作品を通して同じで、
「格差が拡大した社会において、公共サービスの民営化はさらなる二極化を生み出す」ということと、
「政治とは民衆のためのものではなく、力を持っている者がさらなる競争力をつけるためのルール作りの場である」ということ、
そして「一般市民が騙されないためには、自分たちで考え、調査し、積極的に働きかけるしかない」ということ。
これらのメッセージを様々な例を通して浸透させるのが本書のゴールであり、そういう意味では十分なインパクトを持った良書だと思う。


5つ星のうち 5.0 対抗する勇気と知恵を, 2013/8/22 By kazuki
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背筋が寒くなる現実が書かれており、まさに日本で進行中の出来事の悲惨な末路が書かれている。
書かれている事は私がフェアトレードの話やアメリカに在住の友人から聞いた内容とほぼ同じ(つまり真実であるという事)フェアトレードの講義でもインド農家の自殺は問題視されていた。
フェアトレードの理念が一般に評価され始めると、大企業達は他の「フェアトレード認証マーク」を作ったと、1%側のしたたかさも話されていた。
アンケートで「アメリカは壊れすぎて元に戻らないのではないか」と58%の米国国民が不安に思っている答えていたそうだ。
これは日本の未来の姿と言っていい。
本書で指摘されていたデトロイトの破産が現実となった。
私はデトロイトの日本版に真っ先になる日本の都市は「大阪」ではないか、と予想している。
大阪はすでに米・英で「失敗した」と結果の出ている「落ちこぼれゼロ法」と同じ内容の教育法を可決した。
「どうして他国で失敗した政策をする必要があるのだ!結果は見えているのに」と良識のある人達の声は熱狂にかき消された。
マスコミにもてはやされた「人気市長」の「政治ショー」に皆が熱狂し、内容を注視しないことで起こる恐ろしい弊害だ。
大企業に「公共」を切り売りする「大阪都」も着々と進行中である。
今、引き返さねば取り返しのつかない事態にまで破壊されるだろう(結果は他国で出ている)
それでも、本書の最後でも書かれていた希望はかすかに残っている。
フェアトレードも講義で「日本の産地直送」や「契約農家」「農協システム」は英農家にとてもうらやましがられた、と話していた。
米国で州議会が乗っ取られたのなら、日本は逆をいけばいい。
国会議員が駄目でも、県議会や市議会を守ればいいのだ。
99%の私たちはもっと真実を見抜く力を身につけねばならないと強く思う。
そして対抗する勇気と団結する力と戦う為の知恵を。
まだ、引き返せるうちに立ち上がらねばならない、と本書を読んで強く思いました。


5つ星のうち 5.0 アメリカ合衆国は民主主義ではなく投資家への利益を最優先する「株式会社」, 2013/8/17 By habichan

今、読むべきノンフィクションです。
前作も前々作も衝撃的でしたが

共和党から民主党のオバマ大統領になっても何も変わっていない。
むしろ投資家への利益のみを考える
とんでもない株式会社になっているという
暗澹たる現実が書かれています。

州法を設定「させる」ための勉強会があり
各州の議員(共和党中心)に無制限に企業が出資し
企業に都合のいい州法を次々と制定。

そして金持ちはなんと
「自分たちのお金だけで運営する自治体」まで作りあげる現実。

反対に没落する自治体は学校はもとより
警察や消防でさえ「民営化」
事件がおきても警察が来るのは1日から2日後。。。。

中小零細の企業や農家はどんどんなくなり
大企業の寡占化がすすみ
それは国内だけでなく全世界へと・・

その延長戦上にあるのがTPP、つまり日本!

「多くの地域でGM作物禁止の国」に
ヨーロッパ諸国にならんで「エジプト」が!!
今のエジプトの混乱はアメリカ合衆国の陰謀があるのでは?と
この本を読んだ後では・・思ってしまいました。

日本!
TPPに参加して大丈夫か!!!!
隣国とごちゃごちゃやってる場合じゃない!!
本当の敵は「多国籍企業」!!!


5つ星のうち 4.0 完結の理由は語られていないが, 2013/8/1 By 進之介
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『貧困大国アメリカ』シリーズでは、一貫してアメリカの社会問題を告発してきた。
本書は完結編なのだそうだが、遂に結論を得たからかもしれない。

ざっくり本書の内容を解説してしまうと、アメリカが自国を植民地化している事を訴えている。
植民地と言うのは、統治者階級は富み続け、搾取される側は永遠に搾取され続けると言う事だろう。
格差の拡大と、格差の固定化である。
自国を植民地化していると言う意味では中国と同じだが、アメリカにおける手法は遙かに巧妙で、その手口を本書は解説している。
そして、植民地化の波は、TPPという形で日本にも波及しようとしている。

堤氏の本をずっと読んできたのだが、本書ではいくつもの進歩した点がある。
貧困大国アメリカ』のシリーズでは、どこか具体性に欠け、漠然とした印象を受けた。
しかし、本書ではグラフを使い、統計データを提示するなどして、より具体性を上げようという努力が見られる。
また、アメリカ好きの堤氏は常にアメリカ主観で、PTSDに苦しむ帰還兵への感情移入はあっても、戦災に苦しむイラク人からの視点はこれまで無かった。
本書では、イラクの農業が、アメリカのアグリビジネスに乗っ取られつつある事を告発している。
4章で、デトロイトの公共サービスが切り売りされている状況を解説しているが、結果的にデトロイト市の破綻を予言している事も秀逸だと思う。

ただ、正直言って、読みづらい部分もある。
暗澹とした話ばかりが続くので、半分くらい読んだ時点で先を読むのが辛くなった。
比べるのは大変失礼なのだが、同じTPP反対を訴える三橋貴明氏の話は判りやすい。
まあ、三橋氏がブログで、『堤氏とは、案外仲が良いです』と書いていたので、ついてに書いてしまいますが。
三橋氏が人気なのは、警告するのと同時に、希望の光も提示するからではないかと思う。

また、堤氏のルポの表現は、誰かのインタビューを引用する形で話の流れを作るのだが、私としては堤氏自身の言葉で書かれた物が読んでみたい。
堤氏は、自分の考え、自分の言葉を極力廃するのがジャーナリズムの公平性と考えているふしがあるように推察されるが、それは違うと思う。
自分の言葉で語ってこそ、人の心を動かすのではないだろうか。
魅力のある文章という事では、『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』の前半は、重いテーマではあるが暗くはなく、軽快でユーモアに溢ていた。
本シリーズは、読者を怖がらせてばかりの、社会問題ホラーという性格があるのは否めないように思う。

心配なのは、本書がシリーズ完結編であるという事と、なぜ完結編なのかの理由を特に書いていない事だ。
ペースも落ちてもいるので、著作活動には一区切り付けるのではないか?とも推測される。
街頭で、マイク片手に『TPP反対!』と連呼しても人の心は動かない。
人の心を動かす言葉を語ってこそ、TPPは避けられるはず。


5つ星のうち 5.0 アメリカの惨状は日本の近未来図ではないかと、心底、心配になる本, 2013/8/17 By つくしん坊 (東京都)
(トップ500レビュアー)

本書は、著者の『貧困大国アメリカ』シリーズの3冊目であるが、これまでの2冊以上に、背筋を凍らせるような凄まじい内容である。多国籍企業によるコーポラティズム(企業と政治とが癒着した資本主義)が、国内の隅々まで支配し、富裕層の1%が残りの99%から合法的に搾りとる国アメリカは、紛れもなく現代の奴隷制国家である。「自由の国」「民主主義の国」などとは、とんでもない!

本書のように、アメリカの実態をここまで赤裸々に描いた本は稀有である。とにかく、アメリカは凄まじいことになっている。たとえば、GM作物を武器にしたアグリビジネスによる農業支配と中小規模農民の「農奴」化、農薬や抗生物質まみれの農畜産物で加工された「食品」とそれに頼るしかない99%の人々、財政破綻した都市を中心に急速に普及した教育・消防・刑務所など公共サービスの民営化と公務員のリストラおよび地域の荒廃、大企業出資の民間団体が州議会議員を抱き込み、大企業に好都合な法律を作り議会を通過させる仕組み、中間層を高額な医療保険料で破滅させるオバマの「医療改革」、「1%」に買収され、寡占化したマスコミ、などなど、「それもアリか?」と、驚くような手段を駆使しして、1%が99%を奴隷化する仕組みが急展開中である。

本書を読めば、TPPの正体とは、多国籍企業が日本を攻略する仕組みであることは、誰にも明白だろう。本書を読みながら、民営化や財政改革を叫ぶ政治家は、アメリカ発多国籍企業の使い走りであることを痛感した。

アメリカ、そしてアメリカ発多国籍企業に支配される国々(日本もそうなりつつある)の99%の人々に希望はないのか? 本書の最終章で、著者は、粘り強い草の根運動のみが、1%に辛うじて対抗しうることを述べ、いくつかの事例を紹介している。本書は、アメリカが既に体験済みの凄まじい貧困化(1%の更なる富裕化)は、日本でいま起こっていることおよびこれから起こることの未来図であることを示しており、99%が何をすべきかの貴重なヒントを提供している。


5つ星のうち 5.0 怖いアメリカの正体, 2013/8/23 By キズナ

大企業のロビー活動によりアメリカ政府も州議会も取り込まれて法律がつくられている。
怖い話だ。
その結果、奴隷のように働く農場経営者が増え、安全性が証明されないGM種子が普及している。
日本はこのアメリカの食料システムに決して取り込まれないでほしい。
また、大企業はマスコミまで買って情報統制を完成させようとしているそうだが、
1パーセントの暴走を止めないことにはアメリカは貧民だらけの国になってしまう、そんな危惧を感じた。
この本は多くの人に読んでほしい。


5つ星のうち 5.0 金で買えないものはないのか?, 2013/8/8 By さんぴん "サンピン" (愛媛県松山市)

背筋を凍らせながら読みました。アメリカの信用はがた落ちで(もともと好きではないが)株式会社アメリカの姿がよく見える。1%が99%を支配するということが副題ですが、こういうことなんですね。感情すらお金で買えてしまう、競争社会という名の独裁社会。TPPの名のもとの競争社会、規制緩和・・・聞こえはいいですがアメリカ人は競争すらさせません。競争がはじまる時には勝負は決まっているんです。唯一(かなりもろいが)勝負を決めさせない方法は規制です。それもそれで不平等だけど。TPP参加するならまず自分のその自信を疑ったほうがいい。そう思いました。何が本当なのか・・・

5つ星のうち 5.0 圧倒的なリアリティ, 2013/8/5 By ナミビア

このシリーズの第3作目である。いまやアメリカでは、大企業や富裕者が政府・マスメディア・インターネット・自治体・教育などを買って自分たちの思い通りにすることが可能になってきている。これはアメリカの富裕者に限らず、全世界の富裕層がアメリカを買えるということ。ソーシャルメディアの登場は、残りの99%の武器になるかと思われたが、それすら、すぐに企業・富裕者が入ってきてコントロール下に収めてしまった。(コーポラティズムと言うらしい)。オキュパイ運動も最初は1%を叩くことを目指したが、いまはそうではなくて、この全体のシステムを解体することを目指そうとしている。アノニマスに著者が肩入れしすぎという気もするが、今日の世界の熾烈な姿をえぐり取った好著と言えるだろう。


5つ星のうち 5.0 「国益の時代の終焉」, 2013/8/1 By 月末の志士 (東京都)

TTP参加が取り沙汰されて以来、政治家たちは『国益』を守るという姿勢を強調している。
この本を読むと、そうした政治家たちに感じる胡散臭さと不安感が確信に変わる。

『国益』=聖域を守ると言う意味では、TTPには不参加の選択しかない、ということが手に
取るように理解できるガイド・ブックだ。もはや米国では政治家は多国籍企業のロビイストと
云っても過言ではない、という現実に唖然とする。

最近デトロイト市の財政破綻が報道されたけれど、既にある州では財政の悪化によって、公機関の
一般職員・教師・消防官・警官の人員が削減され、遂には刑務所の運営が出来なくなり、刑期未了の
囚人がコミュニティーに放たれた事例まで出て来る。まるでSF映画か『北斗の拳』の世界が現実に
なりつつあるということだ・・・。

それでも行政サービスが、公的運営から民営に切替えらることで各分野の大規模企業は民営化の
恩恵で成長を続け、投資家も潤い、わが世の春を満喫している訳だ。

オバマが烈しい抵抗に遭いながら国民皆保険に執念を燃やすことは、医療保障など貧困層の福祉に
寄与する、市民活動家からスタートした大統領らしい活躍に見える。
ところが、一方では農業を工業化した多国籍企業群に有利な食糧政策を推進し、大統領再選の勝利を
得た現政権は、結果として貧困層を救う食糧支援プログラムによって、生活困窮者がレトルト・冷凍の
食品やいわゆるジャンク・フードなど、工業化された加工食品しか口に出来ず、健康を害し、病院の
お世話にならざるを得なくなるという矛盾を犯している。

もはや『国益』が問われる時代ではないのかも知れない。大多数のアメリカ国民も被害者であって、
われわれも彼らと同じ立場になる可能性は否定できないのだ。
アメリカ合衆国という戦後のこの国が理想として歩んできた『国家的理想』は、1つのビジネス・モデルに
なってしまった、という厳しい現実を教示してくれる名著である。読み易く安価なお薦めの一冊です。


5つ星のうち 5.0 多国籍企業による世界支配計画が進行中, 2013/9/11 By 本格派 (東京都小平市)
(トップ100レビュアー)

アメリカに住んでいることで、日本に中々伝わってこないアメリカ国内の驚くべき変化を鋭い視点で伝えてくれる著者の最新刊。

タイトルはこれまでの著書から引き継いで「貧困大国アメリカ」ということばを使っているが、メインテーマは「多国籍企業によるアメリカ国家の乗っ取り」である。内容は、とにかく"強烈"である。

アメリカの、多国籍企業による世界乗っ取り計画が見事に浮かび上がる。
かつては中南米をアメリカの裏庭としてユナイテッド・フルーツ社などのアメリカ企業に支配させて膨大な利益を上げるために、民主的選挙で選ばれた大統領にクーデターを仕掛け、農民を搾取する軍事独裁政権を据えていたが、その後はアメリカ国内の小規模農家・畜産家をターゲットに、巨大アグリビジネス企業が市場を独占。次なる矛先として、NAFTA、FTA、TPPなどの自由貿易協定を道具に、カナダや韓国、日本といった先進国を含む複数国家を一網打尽に支配下に入れようとしているのだ。
肉食獣のような彼らの狙う獲物は、農業、畜産、教育、労働(組合潰し)、医療、ついには政治までと無制限だ。

本のタイトルぴったりの内容としては、富裕層だけが集まって、運営を民間の会社に委託した「完全民間経営自治体」の話がある。貧困層への所得の再配分を拒否し、自分たちに心地の良いサービスのためだけに税金を払いたい、という彼らの望みを具現化した「理想郷」である。これができると、貧困層の多い自治体は税収が減り、立ち行かなくなる。

アメリカ合衆国憲法とは別に、各州で制定されている独自色のある州憲法も彼らの餌食とされつつあり、各州の議員と企業や基金などの民間代表からなる米国立法交流評議会(ALEC)が企業の利益を拡大させるための法律案を作成、横串を通す形ですべての州への展開を図るのである。

最後の方で取り上げられている「刑務所関連ビジネス」の話は想像を絶する凄まじさなのでぜひ読んで欲しい。アメリカの刑務所や刑法に、本来の目的はすでになくなっていると言わざるを得ない。受刑者は単なる「低コストの労働者」としか捉えられていないからだ。

日本もTPPで彼ら多国籍企業の餌食となりつつあるが、すでに餌食となっているアメリカ国内の状況を知ることで、TPPへの反対運動がさらに加速することを願う。


5つ星のうち 5.0 「自由経済」のなれの果て。決して他人ごとではない。, 2013/9/6 By 明日香晋 (京都市)

規制緩和、自由競争、民営化など、自由に民間にやらせればうまくいく、みたいな議論が多い。もちろん、それらは重要である。が、野放図にそれを認めていくとどうなるか。持てるものはどんどん持ち、持たざるものはどんどん持てなくなる。まさに1%の人間が国の富をほとんど独占し、残り99%がそれをわかちあう(奪い合う)というアメリカの実情を克明にルポした名著である。ぜひとも多くの人に読まれて欲しい。
1%が独占するのは、物の売り買いだけでなく、マスコミから教育産業、政治に至るまで、国の(地球の)あらゆるものとなることを白日の下にさらしている。
たとえば、競争力を上げるため(価格を下げるため)に労賃を削る場合、市井の労働者ではなく、囚人を雇うなどという発想は私のような凡人には無理である。が、さらに恐ろしいのは、その囚人労働者を多く確保するために、移民の取り締まりを強化したり、さらには刑務所自体が民営だったり、などなど、背筋に寒気を感じた。

先のアメリカのイラク侵略は、世界平和のために悪の親玉フセインを倒す、なんて理由ではなく、アメリカのいうことを聞かないフセイン政権を倒し、新米政権を打ちたて、世界有数の産油国イラクの原油を自分たちの自由にするためと思っていた。もちろん、それはそうなのだか、実際はそんな甘いものではない。米資本が奪ったのは原油だけでなく、農作物もそうなのだ。遺伝子組み換え作物の種子を売りつけ、伝統あるイラクの農業を破壊してしまったという話には吐き気がしてきた。

TPP交渉が進んでいる。米の99%やイラクの人たちが他人ごとであるという保証はない。

繰り返す、多くの人に読んで欲しい衝撃のルポである。


5つ星のうち 5.0 新自由主義の牢獄を描き切った第一級のルポルタージュ, 2013/8/14 By jactaestalea

これまで断片的に聞き知っていたアメリカの民営化の実態とそれが齎した惨状を克明に見せつける第一級のルポルタージュだ。

農業では、個人経営が衰退する反面で株式会社経営が急増し、契約労働者化した生産者は、低賃金で福利厚生もない過酷な労働条件を強いられる。遺伝子組み換え(GM)作物に関する安全神話が強く、そのリスクを指摘する研究や判決が出ても、政府や企業は無視するか、政治的圧力を加えることによって社会的に葬る。食品は大規模工業化され、成長促進目的で家畜に大量の抗生物質が投与される結果、新種の病気が増え、環境のバランスが失われる。イラクでは、食料安全保障の支援という名目で、特許で保護されたアメリカ製のGM種子と農薬と農耕器具を法的に導入した結果、20万種という多様な小麦を生産してきたイラクの伝統的農業に打撃を与える。 財政破綻の危機に瀕するアメリカの自治体では、危機管理人の下で効率化が徹底され、公共サービスは民営化もしくは廃止される。公立学校は廃止され、企業が経営するチャータースクールに置き換えられる。組合への加入と組合費の支払いの義務化を廃止する労働権法の導入により、失業率が下がっても労働条件の悪い低賃金雇用が蔓延する。州議会に提出される前段階の法案を検討する評議会では、会員の企業に望ましい内容の法案が提案され、これがモデル法案となり、会員の州議員により州議会に持ち帰られ、各州議会で可決される。

このように、農業も教育も公共サービスも民営化され、効率性が徹底される。ここではすべてが商品とされる。その結果は、1%への富の異常な集中である。これらは勿論、違法になされたわけではない。議会を通過した法に則って、合法的になされた略奪である。この点では共和党にも民主党にも相違はない。GM食品へのラベル表示義務付けに関する公約違反に見られるように、オバマ大統領も一連の民営化、株式会社化の流れを推進する役割を担っている。オバマは99%の側にあるというのは、マスコミが作り上げた虚構のイメージに過ぎない。

ここから抜け出る道はあるのだろうか。エピローグで紹介されている債務帳消しストライキ運動や企業献金を受け取らない州議会議員候補を支援する運動などを見ると、新自由主義の牢獄からの抜け道がないわけではないことが分かる。


5つ星のうち 5.0 著者の義憤が全編を貫く力作。シリーズ中では随一の内容。, 2013/8/13 By yukkie_cerveza
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『ルポ 貧困大国アメリカ』(2008年)、『ルポ 貧困大国アメリカ II』(2010年)に続く書。表題に(株)という言葉がつく意味は何だろうと思いながら頁を繰り始めましたが、アメリカという大国が産官複合企業として、持たざる99%を継続生産している様をこの(株)の文字が象徴していることがよくわかります。

 かつて「フードスタンプ」といわれ、現在はSNAPと呼称される貧困者救済のための食費補助制度は、栄養の面での配慮がなされていないという批判があります。しかしこれを改善しようとすると、コカコーラ社や全米キャンディ協会などから反対の圧力がかけられることを著者は指摘します。SNAPは貧困層の救済というよりも、それによって売り上げが増える食品業界、偏った食事が原因となる病気が需要を押し上げる製薬業界、そしてSNAPカード事業を請け負う金融業界を潤すだけだというのです。

 なんといってもこの書がしつこいほどに糾弾するのは、モンサント社です。
 モンサント社はヨーロッパでは安全性に問題があるとされて禁止の対象となった除草剤をアメリカの農家に売っているのだとか。同社はその除草剤に耐性を持つGM種子とセットで販売していますが、GM農作物と癌の関係性についてもフランス等の研究で指摘されています。しかしこうした批判に対し、同社は猛烈な抗議活動を行うことで知られているようです。今回の著作がもとで同社から岩波書店と著者に対して激しい抗議活動が行なわれているのではないかと、邪推してしまいます。

 このほかにも著者は様々な事例から、アメリカにおける政治と企業の癒着状況を糾弾していきますが、深刻なのはこうした癒着の影響が今や既に国境を越えて世界中に輸出されているという点です。共和党レーガン〜ブッシュ政権下のアメリカに限ったことではなく、現在のオバマ政権も同じ穴のむじなであることが、この書によって次々とつまびらかにされています。読んでいると背筋に冷たいものが走る思いを幾度もしました。

 著者のアメリカに対する義憤に満ちた力作だと思います。

*「National Association of Broadcasters」を「国立放送協会」(233頁)と和訳していますが、「national」は「国立」ではなく「全国」。つまりこの場合は「全米放送事業者協会」とするのが正解です。


5つ星のうち 5.0 GM農作物の人体実験場と化したアメリカ, 2013/7/26 By muskia
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著者のこのシリーズはすべて読んできたが、今回は完結編で、食に関するアメリカの現状を告発し、アメリカに追随しようとする日本に警告を発するという内容になっている。
アメリカの農業というと近代化された大規模農業というイメージだが、大規模農業の実体とは、大企業に雇われた契約農家(設備投資ローンと大企業との契約でがんじがらめにされているそうだ)だというのだ。畜産業も工場式効率最優先の畜産、劣悪環境での飼育、大量の抗生物質投与などでひどい状況らしい。コンビニのフランチャイズ制を連想させる。契約主の決めたとおりのやり方を押しつけられ、高額の契約料などを巻き上げられローンの支払いにも追われ手元に残る金は極わずかだが、それをやめることもできず苦しいながらも続けるしかない。まさに現代版の農奴制だ。雇い人の賃金を安くするために移民労働者に代わって囚人労働者を使うこともあるという。最低賃金の1/10で労働法の適用外だからだ。
生産される食肉や農作物にも大きな問題がある。農作物はモンサントの遺伝子組み替えGM農作物だ。アメリカの大豆、トウモロコシの90%以上はGM作物で、アメリカ全体がGM農作物の人体実験場となってしまっている。モンサントの悪行については自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する (平凡社新書)が詳しい。食肉も抗生物質や成長促進剤などを大量投与された家畜の肉なのだ。遺伝子操作をされた家畜もあるらしい。
GM食品と原発の安全神話は共通している。長期の摂取または暴露のデータがないため、誰もその悪影響を科学的に証明できないのだ。
食品流通業界もウォルマートなどの大手が、徹底した物流コストカットを行っている。何のことはないトヨタ生産方式のジャストインタイムを導入して、最低限の商品を在庫するために、日に何度も納品させているのだ。
巨大化しグローバル化した企業が、政治への影響力を増大させ、他の国の法律をも変える力を持ち始めている。TPPの内容は、民間企業は知り得るが、米国の通商関係委員会に属する国会議員は見ることができないという異常な状態になっているそうだ。民間企業と行政が合法的に癒着し国民の代表である国会議員は蚊帳の外にされている。
かつてのアメリカはほとんどが中流階級以上で、貧しかった頃の日本にとって憧れの的だった。しかし今のアメリカは、日本が絶対に回避しなくてはならない国になってしまった。


5つ星のうち 5.0 日本の未来?, 2013/7/13 By chi-yo4

これぞ真のジャーナリズム。 日々の報道では決して知り得ないアメリカの現実が生々しく描かれています。


5つ星のうち 5.0 貧困の原因は、コーポラティズム(政治と企業の癒着主義), 2013/8/16 By kensan

「ルポ貧困大国アメリカ」(2008年刊)は、教育の民営化、医療・健康保険の民営化、格差貧困・災害対策の民営化、戦争の民営化によって、
 貧困の拡大と若者、命、暮らしが脅かされていく実態が報告されていた。

「ルポ貧困大国アメリカ'U」(2010年刊)は、オバマ政権誕生後も、学資ローン、医療保険、刑務所の民営化により、
 学生、患者、囚人が借金づけにさせられて、運営会社の利潤の極大化の一方で貧困が拡大していく状況を報告していた。

「(株)貧困大国アメリカ」(2013年刊)では、貧困者から絞ったお金を使って1%層が合法的に統治権を手にし、
 株式会社化を進める「コーポラティズム」(政治と企業の癒着主義)が、貧困という結果をもたらす原因であるという、
 貧困大国の本質に迫る努力がされており、その意味では完結編といえる。

第1章から第3章は、アグリビジネスの巨大会社による食の支配と富の独占をもたらした経緯と仕組みを述べている。
・集中化・寡占化とインテグレータ(鶏・飼料供給、運搬、加工、流通、ブランド所有)化した独占アグリビジネス会社により、
 生産者の98%(養鶏)が契約農家として支配され農奴化されたこと。
・バイオ業界関係者が学会や政府機関(FDA食品医薬品局、EPA環境保護庁、USDA農務省)に入り込み、
 遺伝子組み換え種子(GM)食品の安全神話形成や安全規制撤廃がされたこと。
 ●遺伝子組み換え種子(GM)に対して、安全審査をGM開発企業側が提出した書類のみで十分だとし、
  第三者機関による試験を不要としたこと。
 ●モンサント保護法により、GM作物で消費者の健康や環境に被害が出ても、因果関係が証明されない限り、
  司法が種子の販売や植栽停止をさせることは不可としたこと。
 ●食品安全近代化法によりFDAが外国の食政策を管理できるようにしたこと。等
・途上国支援、緊急支援物資提供、IMF緊急融資、FTA締結などを契機として、
 イラク、インド、ハイチ、アルゼンチン、韓国などの農民たちが、GM種子と肥料、農薬を
 毎年買わなければならない構造に組込まれたこと。
などの経緯が述べられている。

第4章は、公共行政サービスが、財政再建や経費削減のためとして、解体、切り売りされていく経緯を述べている。
・非常事態管理法(首長が任命した危機管理人に独裁的な全権を与える法)や
 労働権法(労働組合への加入と組合費に支払い義務を廃止する法、
 落ちこぼれゼロ法(生徒の成績によって予算が決まるシステム)などによって、
 図書館、警察、消防署、学校などが廃止や人員削減、民営化されて都市機能の荒廃、崩壊したデトロイトの例が報告される。

第5章は、多国籍企業が、献金や広告費、法案作成により、議員やメディアを取込み、従わせる仕組みについて述べている。
・ALEC(米国立法交流評議会):州議会に提出される前段階の法案草稿を議員が民間企業や基金などと一緒に検討するための評議会。
 全米州議会議員の1/3にあたる2000人、85人の下院議員、300人の多国籍企業や基金などの民間代表で構成。
 多国籍企業が自分に都合の良い政策草案を作り、議員に提出させる組織。
 会員の多国籍企業の面々が政策草案を作り、企業群と議員とが採決を取るが、
 企業側には拒否権があるので基本的には議員がそのまま受け入れ、自分の法案として議員が州議会に提出するための組織。
・正当防衛法:全米ライフル協会が成立に尽力。身の危険を感じたら、公共の場でも殺傷力のある武器使用が認められる。
 場所が自宅や車内であれば傷害致死でも逮捕されず、正当防衛かどうかの立証責任も被害者側のみに義務づけられる。
 この法律が導入されて以来、フロリダ州内の殺人件数は減るどころか3倍に跳ね上がっている。
・テキサス刑務所産業法(囚人を極低賃金で働かせる法)と、さらに、
 薬物取締法厳罰化、服役延長法、移民排斥法などによって囚人を確保増大させ、時給17円の囚人労働を使って儲けられる仕組みを作った。
・政治献金に上限を設けるのは憲法違反として、企業献金の上限が事実上撤廃された。
 米国籍でない多国籍企業もPACという民間政治活動委員会を通すことで、匿名で献金できるようになった。

・TPP交渉に関する情報は、USTR(アメリカ通商代表部)が仕切っており、600社の企業代表だけが、閲覧や修正を許可され、
 国会議員には交渉内容の閲覧や意見を述べる機会が無いなど、あらゆる分野で大企業の力が強くなり、三権分立、国民主権、人権が
 危機にさらされている。


5つ星のうち 5.0 1%の富裕層のための政治が進行するアメリカ・・・安倍政権にそっくり, 2013/8/10 By ボーン・ウイナー (埼玉県春日部市)
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堤未果さんの「貧困大国アメリカ」3部作の最終編である。
ここに書かれていることがすべて事実だとすれば、読者は必ずアメリカが嫌いになるだろう。

今回の焦点は農業・酪農問題に置かれている。
我々も時々テレビの画面を通して放射状に身動きできないように繋がれた乳牛からの搾乳風景をみることがある。これにより昔からの良心的酪農家は市場から駆逐される。なるほど、これが酪農の株式会社化の実態である。
そして、モンサントなどの大企業が生産する抗生物質や成長促進剤の投与による酪農生産の増大がアメリカ人の健康を蝕んでいる。
農業分野への株式会社参入の自由化によって、遺伝子組み換え種子(GM種子)の販売は無制限に売られるようになり、小規模零細農家は廃業に追い込まれる。

本書の「切り売りされる公共サービス」の章でデトロイトの財政破綻について読み始める直前に、ついに同市の破産のニュースが報じられた。
かかる場合、市の債務整理を担当するのは危機管理人と言われる弁護士で、彼らも1%の富裕層の代弁者であるから公共サービスの切り捨てに容赦はない。

このようにアメリカの病巣は、大会社経営者、投資家などの1%の富裕層が政治を牛耳り99%の犠牲の上に繁栄していると言うことである。
かかる階級格差の問題を、若者対高齢者の年齢格差の問題にすり替えて、高齢者の年金カット、福祉サービスの削減の方向に舵を切っているアメリカの記事を読んでいると、まるで日本のことを指摘しているのではないかと錯覚する。

私のような年金生活者は、ただでさえ年金を削減され生活に困窮しているのに、自民党の石破幹事長や、元厚生大臣の桝添要一氏まで、日本の老人は金を持っているから、老人福祉をカットして財源を若者に振り向けよなどの妄言を吐くに至っては、彼らは政治手法をアメリカから学んだのではないかと疑いたくなる。

今回の安倍政権のいわゆるアベノミクスは金利引き下げや財政出動による景気刺激により大会社がまず儲かるようにする反面、消費税の増税、生活保護や高齢者年金のカット、医療費負担の増大を堂々とかかげており、なるほどアメリカ一辺倒の自民党政権が株式会社アメリカの経済界援助、弱者切り捨ての政治手法を学んだのは間違いあるまい。

日本もこれからTPPを通じて多国籍企業のやりやすいように門戸を開放するだろう。
市場を見れば、いまや日本中の経済評論家や大新聞までもが消費税増税に踏み切れねば日本は国際公約に違反したことになり、日本国債は売られて暴落し、日本経済は大混乱に陥るとの、消費税賛成論一色で塗りつぶされている。
この現象は、「政治とマスコミも買ってしまえ」の章で述べられているように、政治やマスコミが大資本に操られ、政界と財界の間の人的交流の「回転ドア」がスムーズに回転している構図から日本政府も学んで世論操縦をしているのではないかと疑いたくなる。

本書を読んでいると、主題はアメリカなのに日本の現実と奇妙にダブっていることに気づかされるのである。

5つ星のうち 5.0 グローバル企業と国益, 2013/9/11 By 吉田秀一
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米国の知られざる一端が垣間見られました。日本の近い将来を窺わせる一冊と思います。


5つ星のうち 5.0 ジャーナリストが伝える利益至上主義の恐怖(その3), 2013/9/8 By 齊藤祐作 (千葉県印西市<旧・印旛郡本埜村>)
(トップ1000レビュアー)

 もしも、巨大企業の暴走を止めることができなくなってしまったら・・・。

 私は、前著の『ルポ 貧困大国アメリカ』と、『ルポ 貧困大国アメリカ'2』(いずれも岩波新書)を実際に読んでいて、尚かつ、このサイトでレビューも書いているが、この本で書かれている内容は、恐怖の一言に尽きる。
 なお、この本では「1%(の金持ち)」という表現が多用されているが、現代のアメリカでは、その1%の金持ちが農業や、教育や、メディアなどを支配している。
 しかも、もっと厄介なのは、その1%の金持ちたちが無知な大衆(B層)を騙しながら、自分たちに有利な政治システムを作ろうとしていることにある。
 もちろん、日本でもメディアを使った、大衆迎合型の政治が行われているが、アメリカの場合は、その程度が桁外れと言える。
 こうなると、もはや1%の金持ちの暴走を止める方法は、その他99%の人たちの団結以外に無いのではないかと思えてしまう。

 なお、日本ではこの本が出た直後(2013年7月)に行われた参議院選挙で、自民党が大勝しているが、いずれにしろ、自民党が進めている新自由主義的な政策が行き過ぎることは、日本だけでなく、世界全体に恐怖を与えることでもある。
 そのことを、この本は警告しているのではないだろうか。


5つ星のうち 5.0 アメリカのブラック企業ぶりが凄い, 2013/8/12 By GEN (埼玉県)

とにかく、アメリカのブラック企業ぶりが凄いです。

労働者はもはや奴隷です。
農民は農奴です。

アメリカに追随する日本の未来を見るようで、暗澹たる気持ちになります。
一人でも多くの人がこの実態を知ることで展望が見えてくるのではないでしょうか。

堤氏のシリーズ前2冊も読まれることをお勧めします。


5つ星のうち 5.0 本当に参考になります, 2013/8/12 By rarachan (横浜市)
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)

悪い面ばかり見ているとの批判はあるかもしれませんが
日本の低レベルで底の浅いマスコミでは報道されない
様々な真実が描かれていて、現代アメリカを理解する
1冊として参考になります。
シリーズ3巻を仕事上の研修で使っています。


5つ星のうち 5.0 アメリカの現実, 2013/7/2 By zono "zono" (愛知県)

アメリカの現実をよく表している。世間ではアベノミクスと騒いでいるが、リフレを唱える人たちはこんな社会を目指しているのだろう。こわいことだ。


5つ星のうち 5.0 民間企業の利益が「政治」(政治家、政治システム)を支配する。, 2013/8/3 By ももたろう (愛知県名古屋市)

いま世界で進行している出来事は、単なる新自由主義や社会主義をこえた、ポスト資本主義の新しい枠組み、コーポラティズム(政治と企業の癒着主義)」「コーポラティズムの最大の特徴は、国民の主権が、軍事力や暴力でなく、不適切な形で政治と癒着した企業群によって、合法的に奪われる。」当たり前の人間らしい生き方をすると決めた「99%」と欲でつながる1%の多国籍企業群。


5つ星のうち 5.0 コーポラティズムの末路 アメリカ人経済学者と同じ結論, 2013/9/4 By dream4ever (鎌倉)
(VINEメンバー)
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貧困大国アメリカ完結編。

日本人あるいは他国民が想像するアメリカとアメリカ国内から見た自国とのあまりに大きなズレ。それはジェフリー・サックス教授(世界の貧困対策を国連を通じて行うMDGs:国連ミレニアム開発目標の提唱者)さえも自国の貧困問題の原因を「世界を救う処方箋」の中で自省的に記述している。

堤さんは、前著と同じくアメリカ人の市民目線でアメリカで今何が起きているのか?そしてそれはどうして起こったのかを解析している。サックス教授が俯瞰的だとすれば、堤さんはアリの目視線で現場を丁寧に観察している。
果たしてアメリカ帝国は過去の栄光を取り戻せるのか?あるいはエマニュエル・トッド氏が予言するように崩壊の道をたどるのか。
貧困の源流は堤さんやサックス氏が指摘するコーポラティズム(官民複合癒着主義)と言われるような企業対が利己的に政治に関与する体制が新自由主義的潮流により出来上がった事なのだろうと理解した。ふと、それは我が国、ニッポンの今のそして明日の姿に見えてしょうがないのである。

備忘録的メモ
SNAP(以前のフードスタンプ;生活保護的食料補助)支出の増大(低価格、高カロリー、貧困児童の肥満率上昇)
ウオールマート社はSNAPから多くの利益
TPP交渉の内容にアクセス出来ない議員(600社の企業代表者は可能)
アカデミズムの世界には、業界の御用学者が沢山入りこんでいる(日本とまったく同じ)
つぶされる住民投票;遺伝子組み換え食物のラベル表示義務化を問う法案
業界と政府の間の「回転ドア」人事
食の工業化、家畜工場、穀物の単一栽培、爆発的拡大の加工食品業界
SFではない、遺伝子組み換え(GM)動物、GMサーモン
アグリビジネス(農産複合体)にようる中小農家の没落 イラクで展開
他国の食を支配するNAFTA,FTA,TPP アメリカ系多国籍バイオ企業による種子支配
自由貿易条約とは1%のための自由をさす
デトロイトという全米一危険な町
政府でなく民間企業が運営する自治体 PPP(Public Private Partner)手法
効率とコストパフォーマンス、株主至上主義の市場社会 そこには「公共」概念はない
ALEC(米国立法交流評議会)による州法の恣意的法制化 日本の武田薬品工業もメンバー
民間刑務所の大繁盛 移民排斥法で潤う刑務所産業
ティーパーティの影のスポンサー マスコミ利用の宣伝
1%は2大政党の両方に投資 どちらが勝っても元を取る。
民法テレビは5大テレビネットワーク(コマーシャルが収入源)に支配され、CM代理店もまた数社が支配。世論操作が1%により可能な理由
報道が公共性より娯楽性 
大統領公開討論に第3党が出られない構図 大統領討論委員会の存在


5つ星のうち 4.0 アメリカの現状がよくわかる, 2013/9/11 By マダム昭和 (岐阜市)
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だいたい知っていることが多かったけれど、書き方がうまいので最後まで読んでしまった。アメリカに夢を持っていた私の世代には幻滅する内容だが、これが今のアメリカの現実とすれば、ちょっと悲しい。でも正直に書いてくださった著者には感謝します。


5つ星のうち 5.0 憧れの国アメリカの現実の姿, 2013/9/8 By toko

アメリカに大して抱いていた幻想がことごとく崩れ落ちる衝撃の内容。
貧困大国アメリカのシリーズは全て読んだが、恐ろしい内容に体が震える。
全ての人が読むべき本。


5つ星のうち 5.0 TPPの正体を知ることができる良書, 2013/9/8 By 科学的思考が "実は最も難しい" (東京都)

TPPについて書かれた警告の良書はいくつかあると思いますが、いかんせん観念的でした。TPPの正体を知ることができる良書です。正直読んでいて途中まで、将来に暗い思いだけが広がり、暗澹たる気持ちになりましたが、最後の章に希望を与えてくれる一節があります。  従妹とで言えば、その昔禁止されが「資本独占」が再び息を吹き返して猛威をふるっている現実です。TPPは関税の撤廃云々ではないです。真実を知る一冊です。よくわかります。

5つ星のうち 4.0 アメリカの属国の方が推すプレイが配備されないだけいい!, 2013/9/5 By 大畑 きぬ代
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)

前2冊も購入し読み、かつ周りにも勧めました。
この度の(株)も大変に評価し、周りにも進めています。
日本の為政者が国民のことを考えずにアメリカの46番目の州のいちづけであることに怒っています。しかし、このたびも著者は問題掘り下げながらも、私たち読者である日本の市民に対して、「アメリカだってこんなものよ」と言っているようでした。ますます全く21世紀の展望が見えなくなり、TPPが上陸し、アメリカ以上にひどい国になることだけを明らかにしてくれました。


5つ星のうち 5.0 米デトロイト市の窮状の箇所を読んでいると破綻のニュース, 2013/7/20 By 涼虫

ちょうど米デトロイト市の窮状のところを読みながら、株の値動きをリアルタイムでみていたら、あれよあれよと株価が下がり始めデトロイト市破綻のニュースが流れ、自分の持ち株もかなりのマイナスに。あまりのタイミングの良さにビックリ。


5つ星のうち 5.0 アメリカ社会の病を描いた本, 2013/8/25 By mfhty (和歌山県)
(VINEメンバー) (トップ500レビュアー)

 本書は、ベストセラーである「ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)」「ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)」に続く本です。あいかわらず、社会の底辺で苦しむ人を含む多くの人たちに丁寧にインタビューし、アメリカ社会の病を浮き彫りにしています。

 本書の前半では、主に、アメリカ農業の問題点をとりあげています。
 かつては、中小の農場主が豊かな自然の中で、多様な品種の作物・家畜を育てていたのに対して、今は、企業化・大規模化・寡占化が進んでいるとのこと。経済力があり市場を支配する大企業と、大企業に支配されて借金漬けで苦しんだり、廃業に追い込まれたりする農家との二極分化が起こっているさまを描いています。
 また、モンサント社について、遺伝子組み換え品種(種子)と農薬をセットで販売することで環境を破壊するとともに、安全性に疑問のある食品を消費者に食べさせているビジネス・モデルを記述しています。
 さらには、企業が効率化を極限まで追求することで、家畜を抗生物質漬けにしているなどの問題点も書かれています。
 以上のようなアメリカ農業の問題点は、単にアメリカの問題であるだけでなく、TPPなどの通商・経済交渉を経て世界い広まっていることも書かれており、日本人を含む世界の人々の問題であることが理解できます。

 本書の後半部分では、住民生活に不可欠な消防や警察や学校などの行政サービスでさえ切り捨てていくアメリカの自治体の病弊を綴っています。
 また、アメリカ社会の二極分化現象は、企業による政治コントロールが進んでいるためであることが記述されています。その結果、アメリカ政治は共和党・民主党にかかわらず、企業寄りの施策をとるようになっているとのことです。著者は、「貧困大国アメリカ」の3部作を、ブッシュ政権による政策批判から書き始めましたが、その後のオバマ政権の政策もけっして弱者の味方ではなかったとの評価を下しています。

 以上のとおり、本書は、アメリカ社会の問題点を克明に記述した力作であり、実に読み応えのある本です。シリーズ3作目ですが、1・2作目と同様、読む価値の非常に高い本と思います。特に、TPP問題に直面する日本人にとっては必読の本と言えるかもしれません。
 本書は、少しアメリカ社会の問題点ばかりに重点を置きすぎているかもしれませんが、暗部に焦点をあてた貴重な本です。
 なお、視点の偏りを避けたい人にとっては、「農業超大国アメリカの戦略: TPPで問われる「食料安保」」もあわせて読まれるといいと思います。


5つ星のうち 3.0 参考文献が必要では?, 2013/7/17 By Fernando

大変刺激的な本で、興味深く読みました。けど、ジャーナリズムというのであれば参考文献や出典が必要だと思います。真実かどうかのチェックが出来ないですから。


5つ星のうち 5.0 おもしろい。, 2013/7/30 By toshichan (日本)

前作2作も一気読みしましたが、本書も吸い込まれるように読みました。
前作同様、今回も丁寧に取材をされていて、読み応えありました。


5つ星のうち 3.0 ちょっとがっかり, 2013/7/9 By たちゃ (愛知県)

全2作は面白かった。
フードスタンプ大統領というオバマの批判はキャッチーな議論かもしれない。だが、共和党のオバマ批判の受け売りだし、これまでアメリカの貧困をリポートしてきた著者にとって、あまりに一面的すぎるように感じられる。


5つ星のうち 5.0 何箇所か間違いがあり残念です。, 2013/7/4 By 影

 校正ミスで原稿には正しく記述していたのかもしれませんが、
こういうところを緻密にやらないとどんなに正論を述べても
受け入れられないと思います。 自然科学、工学の論文なら
それだけで掲載、出版を拒否されるでしょう。
 又、アノニマスの方とツーショットでしかも笑顔で映って
いる写真を載せていますが掲載して欲しくなかったですね。


 

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コメント
 
01. 2013年9月19日 04:16:42 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>USA [USA]
「太め」の女性の逆襲が始まった、
変わり始めた米国の体型基準
2013年09月19日(Thu) 石 紀美子
 「世界四大コレクション」の1つであるニューヨーク・ファッション・ウイーク。9月に開催されたファッション界の一大イベントで、「歴史的」なコレクションが発表された。

 「Cabiria」という名の、サイズ12以上の(日本サイズ15号以上)女性をターゲットにした、「大きな女性用」ブランドだ。

 痩せた女性を念頭にデザインされたファッションが主流の中で、体重80キロ以上のモデルがさっそうと舞台を歩く姿が、全米から喝采を浴びた。ニューヨーク・コレクションで標準より大きい女性用の服が紹介されたのは、史上初のことだった。

 ここ2〜3年で、太めの女性は「カービー(curby)」「プラスサイズ」という呼び名になり、大手アパレルメーカーもより大きなサイズの服の販売を始めている。同時に、体重や外見に対する価値観も変わり始めている。

 太った人が大多数になった米国は、確実に太っていることを前向きにとらえ、肯定する風潮になっている。

平均サイズが標準サイズより大きくなった米国

 これまで米国の標準サイズは、2から12だった。日本のサイズでいうと5号から15号だ。ところが2008年に発表された調査では、米国女性の平均サイズは14だという結果だった(Mintel)。平均サイズそのものが、標準サイズからはみ出してしまったのだ。

 サイズ14の目安は、バスト100センチ、ウエスト85センチ、ヒップ105センチだ。

 標準サイズ以上の需要が増えたが、業界としてはこれまでのファッション性重視のラインを変えたくない。しかし、大多数が太めだという現状から社会的プレッシャーが高まった。

 そこで大きめ女性を対象とした「プラスサイズ」が、ほぼ別ラインとして用意された。ほとんどのブランドはネット上での販売のみだが、大手メーカーが次々とプラスサイズ市場へ参入し始めている。

 プラスサイズはだいたいサイズ14から32までの展開だ。32の目安は、バスト150センチ、ウエスト130センチ、ヒップ150センチである。現在、なんと64%の米国女性がプラスサイズに入る。つまり、これまで無視されてきたが、いつの間にかプラスサイズがアパレル業界の最大の顧客層になる時代が来てしまったのだ。

容易ではないプラスサイズ服の生産

 これまで「太め」の女性がアパレル業界から敬遠されてきた理由は、彼女たちの購買パターンにある。

 まず業界の常識として、太めの女性はあまり服を買わないとされてきた。いずれ痩せる、または痩せなくてはと思っているため、太っている状態で服に投資したくないという心理が働くと考えられてきた。

 そのため、市場に出回っている太めサイズの種類も数も少なかった。こうなると悪循環で、どうせ選択肢も限られているし、店員などの目が気になるということで、太め女性はさらに買い物に行かなくなる。そうなるとアパレル業界は、この顧客層の服をもっと作らなくなる、という具合だ。

 というわけで、10兆8000億円市場と推定される米アパレル市場で、「プラスサイズ」が現在占めている割合は15%程度だ。米国女性の平均体重は75キロ。3分の1以上が肥満で、全体の64%がプラスサイズに該当するとなれば、未開拓の巨大市場があることは、素人でも分かるだろう。

 では、すでに販売している標準サイズの服を、どんどん大きくして売ればいい、と考えてしまうが、それほど単純な話ではないのだ。

 二の足を踏んでいるメーカーが今でも多いのは、服のサイズが大きくなればなるほど、作るのが難しくなるからである。

 標準より「やや細め」「やや太め」なら、大まかにかなりの人にしっくりくるサイズ作りやデザインにすることはできる。しかし、プラスサイズのように、かなり体重が増えてくると、人によってヒップラインに肉がついたり、バストが大きくなったり、お腹が極端に出たり、と体型に激しい個人差が出てくる。

 そうすると、たとえプラスサイズ16、とうたって作っても、どんな体型を対象にするかの判断が難しくなる。それは売り上げにも直接反映される。パターン作りにも、材料費にも標準サイズよりコストが高くなる。

 先月、「Lululemon」という人気スポーツウエアのメーカーが、元従業員から太っている人を差別していると告発された。一番大きなサイズは12だが、10以上のサイズの服は裏の倉庫に保管し、店内には小さいサイズしか置かない方針が差別だというのが告発の内容だった。

 Lululemon側は、差別ではなく、会社としてターゲット層を絞ってマーケティングせざるを得ないと弁明したが、実際はコストが高過ぎてプラスサイズに進出できないのが現状だ。しかし、このように社会的なプレッシャーは高まってきている。

痩せている人へのパッシングも

 米国では、太っている人は大統領になれないというのが定説だった。巨躯で知られるニュージャージー州の知事が本格的な減量を始めたことで、次期大統領選に立候補するのでは、と真剣に報道されるほど、体重管理は出世に欠かせない要素だ。

 企業のトップも同じことが当てはまる。痩せていることは、男女の差なく一種のステータスだった。

 それが今、確実に変わりつつある。

 2013年6月に、プラスサイズの女性を対象に行われた世論調査では、61%が「5年前より自分の体型に自信を持てるようになった」と答えた。3割が「今の体型を維持したい」と答えている。

 さらに、5割が「5年前より、ファッションを楽しむようになった」と回答した。

 これは、プラスサイズの服の種類が増えてきたことや、業界自体がプラスサイズに門戸を開いたことを反映しての変化だろう。現状はまだ追いついているとは言えないが、これからプラスサイズの市場が拡大していく確かな兆しがあるということだ。

 ネット上では、プラスサイズのファッションブログが人気を集め、大きいサイズの服をネット通販で買うことができる。それだけでも、以前より情報量も選択肢も飛躍的に増えている。

 これまで日陰の存在だったのが、多数派に転じ始めている。

 反対に、痩せている人たちへのバッシングも始まっている。ソーシャルメディアでは、日常茶飯事に痩せている人バッシングが起こっている。

 痩せているモデルや女性の写真を添付すると、瞬く間に数十人の人たちが「この人は拒食症だ」「不健康だ」「本物の女性はもっとふくよかだ」「きっと毎晩食べたら吐いているに違いない」と集中砲火を浴びることになる。

 確かに現在活躍している人気ファッションモデルは痩せ過ぎだ。しかし、プラスサイズが健康的だとも思えない。

 極端から極端にシフトする米国の、新たな「サイズ戦争」。将来的には、どのサイズが新しい標準サイズになるのだろうか。ここまでくると、ほとんど恐いもの見たさの心情だ。


02. 2013年9月30日 09:32:07 : niiL5nr8dQ
急増する失踪者と児童売春
米国社会の隠れた病巣とは
2013年09月30日(Mon) 堀田 佳男
 新聞やテレビのトップニュースにはならないが、米社会に広がり続ける社会問題がある。失踪・行方不明者の増大だ。しかも未成年者が多い。

 失踪者の中には家出人もいる。事故や突然死などで消息が分からなくなる場合もある。だが、連邦捜査局(FBI)の報告書によると、全失踪者の8人に1人は売春のために身売り(ヒューマントラフィッキング)されているというショッキングな数字がある。

ショッピングモールで忽然と消える少女たち

FBIが全米76都市で児童売春の一斉摘発、105人保護 150人逮捕
全米で児童売春を一斉摘発した際に記者会見したFBI犯罪捜査部門のロナルド・ホスコ次官(2013年7月29日)〔AFPBB News〕

 政情が不安定な新興国の話ではない。先進国のリーダー的な役割を担っている米国の話だ。

 「朝、学校に行ったまま戻ってこない」

 「自宅前の道路で遊んでいた娘が消えてしまった」

 「ショッピングモールに行ったまま帰ってこない」

 家族からこうした通報が毎日警察に寄せられている。州や場所を問わない。

 8月3日、バージニア州シップマンというアパラチア山脈の麓の町から高校生アレックス・マーフィーさん(17)が忽然と姿を消した。

 白の日産車を運転していたマーフィーさんが最後に目撃されたのは同日午後7時過ぎ。車を残したまま行方不明になり、2カ月近く経った今も何の手がかりもない。しかも大きなニュースにもなっていない。

 全米では毎年、どれくらいの人が行方不明になっているのだろうか。集計機関によって差はあるが、FBIの発表では2012年だけで66万1593人が消息を絶っている。

 バージニア州にある非営利団体、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)は、実際にはFBIの数字よりも多いと推測する。と言うのも、66万人という数字は警察に提出された行方不明届の数で、実際は90万人に達しているという。恐るべき数字である。

 それでは日本ではどれくらいなのか。警察庁生活安全局がまとめた2012年の行方不明者数は8万1111人。こちらも届出数で、前年比で0.7%減である。10年前は10万人を超えていたが、日本の場合、年々行方不明者数は減少している。

 米国では逆に増えており、1980年は15万人に過ぎなかった。それがほぼ6倍にまで増えている。近年は毎日2300人が失踪・行方不明になっていると言われる。

拉致被害者の約8割が白人少女

 ただ少し調べると、日米両国の数字は届出数であり、届出が出された後、8割以上の人たちの消息は後に判明している。米国の場合、長期間消息を絶ったままの人は毎年約8万5000人である。

 家族や友人が姿を消す理由は様々である。家庭内暴力を含めた家庭内事情からの逃避や恋人との駆け落ち、誘拐、犯罪組織による拘束、自殺、殺害、経済的困窮からの逃避、新興宗教への入信など、日米でその理由に大きな差はない。

 しかし米国で消息を絶った8万5000人のうち約44%が18歳以下の青少年である。18歳から20歳までが11%を占めるので、20歳以下が5割以上ということになる。

 問題の核心はここである。しかもその約8割が白人少女であり、性犯罪に巻き込まれている可能性が高いのだ。特に売春目的での身売りが今、社会問題になっている。

 さらにインターネットが失踪に絡んでいることが多くなってきた。ネット利用率の高まりと比例するように、行方不明者も増えている。それはネット上で児童売春や児童ポルノ画像・動画へのアクセス数が増大している事実と連動している。

 そうした需要が増えたことで、必然的に供給も増える。成人女性が自らの意志でアダルト業界に入るのではなく、犯罪組織によって児童売春を強要させられているのだ。

 前出のNCMECによると、児童売春の斡旋者(ピンプ)は12歳から14歳の女子を特にターゲットにしているという。これまでは家出少女や情緒不安定な少女たちをショッピングモールや駅、または学校の下校路などで誘い出す手口が多かった。

 だが最近はネットを利用し、現在の生活に不満を抱いている少女たちを誘い出す。12歳から17歳までの少女のうち、インターネット経由で違法行為の勧誘を受けたあと、25人に1人は実際に業者と面会しているとの統計もある。

 ピンプたちはまず洋服や雑貨などを買い与え、宿泊先を提供して家出を促す。彼らは恋人のように接して少女たちに安心感を与え、児童売春の道へと引きずり込んでいく。

 少女たちを標的にしたインターネット犯罪は2004年から2008年の間だけでも2.3倍に増加。同時期だけで児童売春は10倍以上に増えた。NCMECはネット上には9000万枚以上の不法児童ポルノ画像も流通していると公表している。

全米一斉摘発で150人が逮捕されるも氷山の一角

 こうした状況下、FBIは7月下旬、全米76都市で「クロスカントリー作戦(Operation Cross Country)」と呼ばれる児童売春の一斉摘発を行った。強制売春に従事させられていた少女105人を保護すると同時に、売春斡旋業者150人を逮捕した。

 保護された少女のほとんどは13歳から16歳で、インターネットを介して売春が行われていた。同局犯罪捜査部門のロナルド・ホスコ次官は「今回の摘発によって、これまで言われていた児童売春の実態の一部が明らかになった」と語ったが、実際は氷山の一角に過ぎない。

 今回の摘発にはNCMECも協力し、ジョン・ライアン(John Ryan)最高経営責任者(CEO)は「いかに多くの未成年者が売春に利用されているかが分かったはず」と述べたが、問題への本格的な取り組みはこれからだ。

 クロスカントリ―作戦は2003年に始まった一斉摘発で、すでに2700人以上の少女たちが救済されてはいる。だが今回の一斉摘発で救済された少女たちは105人であり、この何十倍もの少女たちが強制的に売春行為をさせられている可能性が高い。

 摘発では長距離トラックの運転手が利用するサービスエリアやカジノ、出会い系サイトやエスコートサービスなどを中心に捜査が行われた。ほとんどの少女たちは家庭内に問題を抱え、インターネットを通して犯罪組織に足を踏み入れた流れを辿っていた。

 摘発は通常後手に回る。一方、ネット経由による売春や幼児ポルノの利用者は増え続ける。新聞・テレビでは大きく取り上げられていないが、同問題に注視しなくてはいけない。

 闇雲に、米社会の失踪・行方不明者や売春問題を取り上げて危険性を誇張することは避けたいが、ネット情報が氾濫する日本でも今後この問題が肥大化する可能性は大いにあり、十分に留意する必要がある。


03. 2014年1月18日 13:24:51 : pEJb7rR53o
「アメリカの今」を「日本の近未来」にするのはやめよう。
脱原発は当然だが、あとはそういう基準で政治家を選ぶことだ。

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