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黄金時代が終わり、岐路に立つ南米諸国
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投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 17 日 01:07:53: rUXLhToetCnYE
 

JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
黄金時代が終わり、岐路に立つ南米諸国
2013年10月17日(Thu) Financial Times
(2013年10月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 南米の黄金時代は終わった。コモディティー(商品)ブームはピークを越え、地域はもう、かつてのような豊富な資金に恵まれていない。経済は急減速している。もたつくブラジル経済を見ればいい。

 国際通貨基金(IMF)は先月、地域の2013年の成長予想を2.7%に引き下げた。2008年にリーマン・ブラザーズが破綻して以来、最悪の経済パフォーマンスだ。一方、民主主義の進歩が脅かされている。国の指導者が果てしない支配を夢見たベネズエラやアルゼンチンの超大統領制を見るといい。

 これが、少なくとも破滅論者たちが南米地域に対して抱く悲観的な見方だ。若かりし栄光の日々よ、さようなら、サングラス姿の独裁者よ、こんにちは――というわけだ。だが、これは正しい診断なのだろうか?

 アルゼンチン、チリ、ベネズエラで近く行われる選挙と、ブラジル大統領選挙の早期の選挙戦開始は、民主主義がかつてないほど活発であることを示している。また、好況期はまだ手に入れられる。コモディティー価格は2000年代半ばの絶頂期より高い。資本もまだ潤沢だ。2003年から2008年にかけては、毎年およそ1000億ドルの資金が地域に流入したが、今年は資金流入額が3000億ドルを超える見込みだ。

政治的、経済的な分岐

 それでも南米は岐路に立っている。コモディティー価格と資金流入の水準は今も高いものの、問題はどちらももう上昇していないことだ。多くの現職指導者の命運はまだ良好だが、過去の行き過ぎが目立つ。南米地域はある種の政治的、経済的分岐を経験している。

 チリを含む一方のグループは、コモディティーで得た予期せぬ利益を投資し、今も成長を続けている。アルゼンチンとベネズエラを含むもう一方のグループは、この恵みを消費につぎ込んだ。エルネスト・タルビ氏とイグナシオ・モンジョ氏がブルッキングス研究所の興味深い論文で示したように、これらの国は今、成長を抑制する障害に苦しんでいる。

 政治も似たような物語を伝えている。過去10年間というもの、コモディティーブームは現職の政治家を後押ししてきた。高度成長のおかげで彼らは社会政策にお金を使うことができた。何百万人もの人が「新たな中間層」に加わり、現職を再選させた。

 しかし、このような成長は権力の座にある人を助けたが、常に民主主義の助けになるとは限らなかった。立憲主義が弱かった国では、一部の大統領が1期だけ務めることや野党と妥協することを嫌がり、立憲主義がさらに弱体化する傾向があった。彼らの選出は各国の減速と同じように痛手となるだろう。

 アルゼンチンではこの10年間、クリスティナ・フェルナンデス大統領が夫で前大統領の故ネストル・キルチネル氏とともに、司法制度と議会を犠牲にして権力を大統領に集中させた。2人は永遠に国を支配するつもりだった。

 だが、経済が停滞するなか、世論調査は、ペロン主義運動から分派した中道主義者によって野党が再生しており、10月の中間選挙で「キルチネリズモ」が過去の勢力であることを露呈することを示唆している。

 そして、ウゴ・チャベス前大統領がすべての政党の弱体化を図ったベネズエラがある。同氏は2007年に、自身の第5共和国運動を解散し、複数の小さな政党と統合させてベネズエラ統一社会党(PSUV)を結成。すべての政党の制度的プロセスが弱くなった。

 だが、最近、ベネズエラの野党は1つの旗の下に結束した。それとは対照的に、PSUVはまだ内部矛盾に苦しんでいる。チャベス前大統領が今年死去してからは特にそうだ。12月の地方選挙は、有権者がニコラス・マドゥロ現大統領と経済問題についてどう思っているかを明らかにするだろう。

 一方で、11月に行われるチリの大統領選挙では恐らく、25年前の民主主義への移行から2度目となる政権交代があるだろう。これは力強い民主主義の兆候だ。

良い政治は良い経済を可能にするが・・・

 最後に、2002年以降、労働党が支配してきたブラジルがある。この長期政権は野党を弱体化させた。実際、ジルマ・ルセフ大統領は来年10月の選挙で勝つ公算が大きい。だが、人気の高い環境保護主義者のマリナ・シルバ氏が先週、意欲的な州知事のエドゥアルド・カンポス氏と組んだことは、野党が改革を進めていることを示唆している。これは健全な兆しだ。

 では、どんな教訓を引き出せるのだろうか? 大きく言えば、南米には見たところ、強い憲法上の手続きと比較的力強い経済を備えた国のグループと、その反対の国のグループがあるようだ。これは昔からの大きな真理だ。良い政治は良い経済を可能にし、その逆もまた同様なのだ。

By John Paul Rathbone in London
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38943  

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