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焦点:米国のソフトパワー、国内政治迷走で失墜
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投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 20 日 17:17:46: rUXLhToetCnYE
 

焦点:米国のソフトパワー、国内政治迷走で失墜
2013年 10月 20日 13:59 JST
[パリ 17日 ロイター] - 米国の名声と影響力は、財政問題をめぐり政府機関の一部閉鎖を招いた政治の混乱で大いに傷ついた。1枚のある写真がそのことを雄弁に物語っている。

インドネシアのバリ島で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の集合写真では、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が、笑顔で前列中央に立っている。一方、国内の財政問題が決着できずに同会議を欠席したオバマ米大統領に代わって出席したケリー国務長官の立ち位置は一番端だ。

世界で最も経済活動が活発なアジアに軸足を移す外交政策を掲げる国にとって、これは一時的な後退にとどまらないかもしれない。そして、その範囲はアジアだけに限らないだろう。

国家が軍事力ではなく、文化や価値観などによって支持や信頼を得られる力を意味する「ソフトパワー」という言葉の生みの親、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、米国が政府機関の閉鎖で深刻な打撃を被ったと指摘。「今回のことで、政府や世界の準備通貨であるドルの管理能力の評判に傷がついたという意味では、米国のソフトパワーが大いに損なわれたことは明白だ」と語った。

中国から中東に至るまで、各国の政府と投資家たちは現在、米国債やドルを大量に保有すべきか再考を迫られていると、ナイ教授は指摘する。

米国では16日、暫定予算案と短期的な債務上限引き上げ法案が土壇場で成立し、デフォルト(債務不履行)が回避された。オバマ大統領はその翌日、16日間にわたる政府機関の一部閉鎖が米国の世界的な立場を傷つけたと認め、「われわれの敵を勢いづかせ、ライバルたちを勇気づけ、断固たるリーダーシップを期待していた友人たちを失望させた」と述べた。

<隙を突く中国>

オバマ大統領が国内問題で身動きが取れない中、中国の習国家主席と李克強首相は東南アジア諸国を歴訪。米国の同盟国であるインドネシア、タイ、マレーシアなどに大規模な投資や貿易強化を約束した。

中国国営の新華社は、米国が国内の「政治的な瀬戸際外交」で国際金融の安定を危険にさらしていると非難。「米国債はもはや安全な投資先ではないかもしれない」というのが、米国の債権者にとっての教訓だとした。

また新華社は別の論説記事で、「米国離れした世界」の構築を検討する時期が来たのかもしれないと論じている。

<米ソフトパワーの衰退>

今回の米国内政治の混乱について、同盟国であるアラブ諸国やイスラエルの反応には、戸惑いや心配が同時に垣間見える。米国に駐在するアラブの外交官は匿名を条件に、「サウジアラビアは(米国の)イラン外交やシリアとエジプトの情勢に敏感だが、米国が中東情勢において唯一の超大国であるという感覚は徐々に薄れつつある」と述べた。

また、アラブ諸国の政府や民間投資家らは米国債や米株への投資額が非常に大きいため、その懸念は地政学的な面だけでなく、金融的な側面も併せ持っている。

ソフトパワーよりもハードパワー、つまり軍事力が重視される地域に関して言えば、オバマ大統領はイラクから米軍を撤退させ、まもなくアフガニスタンからの撤退も完了する。シリアの化学兵器使用に対する軍事介入は、議会が合意に至らなかったこともあり回避された。

こうした状況を受け、イスラエルやサウジアラビアなどでは、イランの核兵器開発を阻止する米国の「本気度」などについて疑念が拡大している。

同じような懸念は中米からも聞こえてくる。メキシコの副外務大臣を務めた経験を持つハビエル・トレビノ議員は、米国のソフトパワーは米議会の「近視眼的」な物の見方によって損なわれていると指摘。「国内の政治問題を早急に解決できなければ、敵に機会を与えることになる」とし、「ロシアや中国、北朝鮮、シリアに悪いシグナルが送られている」との見方を示した。

<ダメージは長期に及ぶのか>

とはいえ、米国経済のダイナミズムやポップカルチャーの魅力を考えれば、米国の影響力が受けたダメージはそう長くは続かないかもしれない。少なくとも、そうした先例はある。

1996年に今回と似たような状況で政府機関が閉鎖したときには、ソ連崩壊から5年後という米国の世界的支配力がピークに達していた時期でもあり、影響はほとんど生じなかった。

クリントン政権とオバマ政権で国務副長官を務めたジェームズ・スタインバーグ氏は、「米国衰退論」はひどく誇張されていると指摘。1860年代に起きた南北戦争に言及し、「米国の歴史には、政治対立が激しくてもそれを乗り越えてきた時代が他にもある」と語った。

また、スウェーデンのボルグ財務相は、米政府機関閉鎖の長期的な影響について、中国がドルを外貨準備として保有する気をなくしているとすれば、政治的というよりも財政的なものではないかと指摘。ただ、そこには中国側の戦略が絡むとみる。 ボルグ氏は「準備通貨であることは大変な強みであるため、その状況を揺るがそうと考えることすら狂気の沙汰のようにも見える」としながらも、「彼ら(中国)にとっては、将来のある時点でドルを手放す必要があることを意味しているのだろう」との見方を示した。

(Paul Taylor記者、翻訳:伊藤典子、編集:橋本俊樹) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99J00S20131020  

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